先っちょマンブログ

20170915-1

昨年、戴立忍(レオン・ダイ)という台湾人俳優が主演作品の「没有別的愛」という中国映画から降板させられるという事件があった。戴は中国国内で「台湾独立派」、「反中思想」とのそしりを受け、映画がクランクアップしていたにも関わらず降板させられた。

戴立忍を引きずり下ろした中国人は、鬱屈した愛国心のハケ口として、次なるターゲットを水原希子にした。水原希子は中国でも知られており、「没有別的愛」に出演していた。
水原のSNSで過去の言動がほじくり返され、靖国神社に参拝したとか、中国の現代美術家が天安門広場で中指を立てている写真に「いいね」を付けたとして、「コイツも降板させろ」と騒ぎになった。

水原希子はSNSなどで騒ぎが起きても日本では絶対に謝罪しないが、中国では速攻で謝罪し、中国の動画サイトに謝罪と釈明の動画を投稿した。
水原は動画のなかで、本名は「オードリー・希子・ダニエル」であり、父親はアメリカ人、母親は在日韓国人、自分はアメリカ国籍であって日本人ではないと強調した。日本では日本人のフリをして仕事をしていたが、中国で叩かれそうになるとアメリカ人だから許してくれと懇願した。

この件について、昨年にこのブログで詳しく書いた。

カネのためなら頭も下げる (2016/07/20)

中国ではアメリカ人として、日本では日本人として活躍する水原希子であるが、その水原を起用したサントリーの「プレミアムモルツ」のCMでいろいろ問題が起こっているらしい。

【Wezzy】水原希子出演プレミアム・モルツCMへのヘイトは4カ月前から行われていた。私たちが批判の声を挙げることに意味がある。 (2017/09/12)
【J-CASTニュース】水原希子の出演CMに「人種差別ツイート」 ヘイト投稿相次ぐ惨状に、サントリー「残念」 (2017/09/14)
【ハフィントンポスト】水原希子出演のCMに「日本人を使え」など差別ツイート サントリーとTwitterに聞いた (2017/09/14)

記事だけ読むと、サントリーのCMに水原希子が使われ、水原が在日韓国人の子であるから差別されているように受け取れるが、実際はそんな単純ではない。
在日がどうのこうのと言うと、すぐそれが「ヘイト」として取り上げられて問題視されるが、これは単に水原希子が過去の言動によって嫌われているだけである。「エセ日本人」と呼ばれるには理由がある。

日本のテレビにはたくさんの在日韓国人・朝鮮人が出演している。たとえば、長州力は在日韓国人2世で、ミュンヘンオリンピックのレスリング韓国代表だった。これは広く知られていることであるが、長州がテレビやCMに出ているからといって「エセ日本人」とは言われない。

J-CASTのニュースでは、水原が中国の動画サイトで出自を打ち明けたことだけ書いているが、それを打ち明けた経緯についてなにも書かれていない。
Wezzyとかいうサイトでは、「水原にコリアンルーツがあることへのヘイトになっている」となっていた。どう考えても間違っているだろう。もし韓国系だからという理由ならば、ほかの在日も叩かれるだろうし、韓国の芸能人をCMに使ったり、K-POPアイドルの曲をバラエティ番組のエンドテーマにすることなどあり得ない。

水原希子について書いた上記のエントリで、水原とその所属事務所がムカつくのが、いくら日本で批判を受けようとも絶対に謝罪をしないのに、中国ではすぐに頭を下げ、「日本人ではありません」「悪気はありませんでした」「中国を傷つけるつもりもありませんでした」と謝罪するところだと書いた。
日本ではいくら批判を受けようが仕事はいくらでも来るが、中国で反中のレッテルを貼られると仕事がなくなる。だから中国人には謝るというわけだ。

完全に日本人が舐められているのである。日本がどれだけ抗議をしようとも、平然と核実験を行い、「日本を沈没させる」と嘯き、またも北海道上空を通過するミサイルを撃つ金正恩と同じだ。日本人なんかいくらでも吠えさせておけというわけだ。

日本人のふりをして日本で仕事をしておきながら、完全に日本人を舐め腐り、中国ではアメリカ人だと言って中国人にヘコヘコするのが水原希子である。誰がそんなヤツをテレビで見たいというのか。
それでも、芸能界の連中はアホだから水原希子をテレビで起用するし、広告代理店は企業にCM起用を提案する。そんなことだから舐められて当然かも知れない。

国民総出でターゲットを叩きまくる厳しい中国人のことを少しは倣うといい。日本人は舐められていると分かっていながら、相手に気を遣ったり、ヘラヘラしているから余計舐められる。中国人はそこらへんは容赦ない。
日本では腐れタレントに対してすら厳しく接することができないのだから、北朝鮮や中国や韓国に対してできるわけがないのも当然である。

日本はならず者国家から外国人タレントまで、ありとあらゆる連中に舐められ、バカにされている。

20170914-1

20年くらい前、日本のバラエティ番組で活躍していたビビアン・スー(徐若瑄)は、1999年の台湾中部で発生した大地震を始めとする複合的な原因で活動拠点を台湾に移した。それ以降日本で見る機会が減ったが、日本での活躍が知られていた台湾では凱旋帰国した形になり、今や台湾芸能界のビッグスターである。
シンガポールのカネ持ちと結婚し、シンガポールに住みながら子育てをしているが、たまに台湾に戻ってテレビに出演している。

ビビアンが奇妙な日本語を話していたのは祖母の影響だ。ビビアンの母方は台湾の少数民族であるタイヤル族の家系なのだが、母方の祖母は中国語があまりできず、タイヤル語と日本語しか話せなかった。そんな祖母と日本語で会話していたビビアンは自然に日本語が身についたという。
ビビアンの家は母親、姉、弟が日本への留学経験があり、日本統治時代を知る祖母を含めて、日本に対する感情はよさそうだ。

ところが、である。そんなビビアン・スーに関するYahoo!ニュースに、「ビビアンが反日映画を作るまでは応援していたのに」というコメントが書き込まれていた。
なんのことかよく分からず、「ビビアン・スー
反日映画」で検索をしてみたら、「反日映画のセデック・バレにビビアン・スーが出資」というニュースがあった。どうやら、それのことを指しているらしい。

「セデック・バレ」については、Blu-rayを買って鑑賞し、その感想をこのブログに書いた。

映画「セデック・バレ」 (2014/02/05)

日本統治時代の台湾で、小学校の運動会のときに日本人が現地の少数民族に大量虐殺された霧社事件を描いた映画だ。ジャンル的には抗日映画になるが、実際に映画を見てみれば、これを反日映画だと思う人はいないのではないか。
監督の魏德聖(ウェイ・ダーション)は、「海角七号」や「KANO」という中国が激怒した親日映画を作った人である。台湾の抗日運動に焦点を当てたというより、少数民族のアイデンティティを描いた映画だ。

かなりの制作費がかかったため、ビビアン・スーは映画に出資したうえで、ノーギャラで原住民の警官の妻役で出演した。
セデック族の警官は日本を裏切り、セデック族による日本人虐殺を手引したが、ビビアン・スー演じるその妻は日本に保護されていた。日本を裏切った夫のことが知れ渡っているため、日本人からの報復を恐れたが、妊娠していたその妻に対して現地の人間が「日本人は妊婦を殺さないから大丈夫だ」と言う。

史実を多少誇張した程度の映画であって、反日でもなんでもない。日本人の悪人は事件のキッカケとなった殴打事件を引き起こしたイヤな日本人警官くらいで、過度な反日描写があるわけでもないし、日本を貶めようとしているわけでもない。

Yahoo!ニュースにビビアン・スーのことを反日だと書き込んだヤツは、きっと「セデック・バレ」を見もしないで、ネットの情報だけを鵜呑みにして彼女のことを悪く言っているのであろう。
「セデック・バレ」を見て反日映画だと認識し、それに出資したビビアン・スーを反日運動に加担したと思ったのであれば、頭がどうかしているとしか思えない。

これとよく似た話で、アンジェリーナ・ジョリーの「アンブロークン」という映画があった。第二次大戦中に日本軍の捕虜となった米軍人によるノンフィクション小説を映画化したもので、日本では公開前に反日映画のレッテルを貼られた。原作の小説に、日本の風習によって捕虜が行きたまま日本人に食べられたという間違った描写があり、そのせいで反日映画のレッテルを貼られたようだ。

日本での公開にすったもんだがあったのだが、実際に公開後に映画を見た人は口を揃えて「思ったほど反日ではなかった」と評した。
産経新聞で毎週金曜日に文化面に掲載されている映画レビューも同様だった。

【産経ニュース】「不屈の男 アンブロークン」 反日的ではない、製作者は公平な描写を心がけた (2016/02/12)

米兵の捕虜を執拗に虐待し、ボコボコにするシーンはてんこ盛りであるものの、実際に原作を書いた本人がボコボコにされたわけだし、実際に捕虜への暴力もあっただろうと予想できる。日本のイメージが悪くなるわけだが、この程度で反日映画のレッテルを貼るにはいかにも単純過ぎる。

そもそも、「セデック・バレ」にしても「アンブロークン」にしても、見もしないで反日映画だと決めつけているのが間違いなのだろう。日本にとって不利なことが出てくるだけで反日映画と評するのは、いかにもバカそうに思える。

内容をよく知りもせず、ネットなどの伝聞情報だけでレッテル貼りしたり評価をすると、あとで必ず恥をかく。
いい勉強になった。肝に銘じておこう。

20170913-1

Amazonのプライムビデオで見ていた「グッド・ワイフ」というアメリカの法廷ドラマが9月23日のプライムビデオの入れ替えで無料視聴の対象でなくなるらしく、焦っている。焦っているというか、諦めの境地だ。
シーズン7まで出ていて、現在シーズン4の途中まで見た。シーズン4まで吹替版があってそちらを見ていて、シーズン5以降は字幕で見ようと思っていたのに、再度プライムビデオに登録されない限り見る機会が失われそうだ。

「グッド・ワイフ」を見始めた頃はあまり面白くないかもと思っていたが、登場人物のキャラが立つようになって面白くなってきたところだった。
アメリカの司法制度についても、ぼんやりとしか分かっていなかったが、いろいろ詳しくなった。

主人公はシカゴの大手弁護士事務所の女弁護士で、刑事や民事の裁判で弁護人を務めるが、ときに米軍の軍法会議で弁護を行うこともある。これまで見た話のなかで、軍法会議に関係する話が2回あった。
1回は中東で無人機によるミサイル攻撃の任務に当たっていた女性兵士がミサイルの誤射により多くの民間人を殺害してしまったことの罪を問われた軍法会議。もう1回は、弁護士資格を持つ女性下士官がアフガニスタン赴任中に民間軍事会社に属する傭兵から性的暴行を受けそうになり、民間軍事会社を訴えた民事裁判だった。

前者は日頃から女性差別をしていた上官がミサイル誤射に関わっていたと弁護したが女性兵士は有罪判決を受けた。後者は、証拠不十分として性的暴行の訴えを軍法会議が受理せず、民事で訴訟を起こして傭兵に罪を認めさせ、民間軍事会社から慰謝料を取ろうとして訴訟を起こしたもので、傭兵の罪は認めさせたものの、性的暴行があった10分前に移動のために軍の任務を解かれて軍の指揮下になったことを理由に民間軍事会社の責任は問われなかった。

いずれも、軍法会議の難しさや特殊過ぎる軍隊の決まりについて思い知らされるような内容だった。

軍隊の世界は一般社会とは大きく異なる。一般社会とは違う決まりがあり、一般常識を軍隊に持ち込むことはできない。だから軍法会議というものが存在する。軍隊の決まりで軍人を裁くのだ。
これについて先月、産経新聞で特集を組んでいた。

【産経ニュース】憲法76条の壁・軍法会議なき自衛隊(上) ”素人”裁判 国防が「殺人罪」 一般法廷 軍事的知識なく…「これでは戦えない」 (8/22)
【産経ニュース】憲法76条の壁・軍法会議なき自衛隊(中) 守れぬ規律と情報 有事の敵前逃亡「懲役7年」の実力組織 (8/23)
【産経ニュース】憲法76条の壁・軍法会議なき自衛隊(下) 議論タブー視 政治動かず 石破茂氏「大臣のときにやっておけば…」 (8/24)

日本には軍法会議(軍事法廷)が存在しないため、自衛官に規則に背くような行為があった場合、軍法会議ではなく一般の法廷で裁かれることになる。軍法会議は軍人を厳しく裁く一方で、一般には理解しがたい特殊な状況下での行為から軍人を守るという働きもする。北朝鮮の不審船との抗戦やPKOで軍人が殺人罪に問われ、一般法廷で裁かれたら堪ったもんじゃなかろう。

また、軍法会議がないために、カンボジアで自衛官が起こした交通死亡事故では自衛官がなんら罪に問われることはなかった。自衛官は国連を通じてカンボジアと結んだ地位協定によって現地の法律での裁判を免除されている一方、日本の道路交通法では国外規定がないために交通事故で現地人を事故死させた自衛官は自衛隊内で注意や減給処分されるにとどまった。
日本とアメリカは地位協定を結んでおり、米兵は日本の法律で裁けないが、米兵が駐留先の日本で犯した罪は軍法会議で裁かれるわけで、大きく違う。

記事では、軍法会議など特別裁判の設置を認めない憲法76条第2項の問題だとした。自衛隊は軍隊ではなく、さらに軍法会議がないため、いろいろな問題が起きるのは誰の目にも明らかだ。
自衛官は敵前逃亡しても、重要機密事項を外国のスパイに漏らしても、軽微な罪にしか問われない。普通の国ならば重罪に問われ、死刑になる可能性もあるケースだ。

自民党の改憲推進本部が議論を再開し、改憲草案が来月にも出てくると見られている。
そのなかの一番の争点が自衛隊の扱いだ。日本国憲法では9条第1項で戦争放棄、第2項で戦力不保持を謳っているが、どう考えても自衛隊は第2項に違反している。石破茂元幹事長は第2項の改正を唱え、安倍首相は現在の条文は維持しつつ、自衛隊の存在を第3項として追記する穏当な案を支持している。

どちらにしても、このままでは自衛隊は軍隊ではないままとなり、憲法76条も改正されずに軍法会議などの特別裁判もできそうにない。

自衛隊が軍になり、軍法会議を開けるようになったところで、弁護士資格を持つ人間が軍隊に入り、通常任務をこなしつつ軍法会議の弁護人や検察官を務めたり、裁判官になったりする必要があるわけだが、果たして弁護士資格を取って軍隊に入ろうと思う人が出てくるのか。あるいは軍人のなかから司法試験合格者を出せるのかなど、いろいろ問題がありそうだ。

ドイツなど一部の国では軍法会議がなく、軍隊のための特別な軍法をもって一般法廷で軍人を裁くようだが、日本がそれに倣うにしても、結局は自衛隊が軍隊にならなければ話にならない。

ほんの少し前まで、改憲の話をするだけで人非人のようにバッシングにあったが、今では改憲するのは当たり前で、なにを変えるかという議論まで進んでいる。歓迎すべき状況だが、重要な改憲議論は概ね9条と自衛隊にまつわるものだ。
まずはお試しで憲法改正してみて、後世でがっつり変えるという先送りをしても、結局お試しだけで終わってしまう気がしてならない。

自民党には9条に関して全部変えるくらいの勢いでやって貰いたいが、あまり期待できそうにない。国民投票のことを考えると、踏み込んだ改正案が出せないのは仕方のないことかも知れない。
自衛隊に関する憲法改正案を国民投票にかけたとして、それが反対多数で否決されたら目も当てられない。

だが、このままでは自衛隊はずっと中途半端なままだし、日本の安全保障についても中途半端なままになりそうだ。本当に国のことを考えるのであれば、そんなことでいいとは思えない。
安全保障について不感症ではなく、ちゃんと議論ができる国民であれば、政治家も改憲案で現状の問題を先送りせずに大きい賭けに出ることができるのかも知れないが、そんな期待はできそうもない。
戦争がいいか悪いかという二択でしか考えることができないバカな国民ばかりの国では、軍隊を持ち、普通の国になることなど夢のまた夢なのだろう。

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