先っちょマンブログ

20160405-1

インドネシアの高速鉄道計画での日中の競争において、中国に土壇場で寄り切られて日本が中国に敗れた。
日本の整備計画を丸パクリした中国に負けたことが納得いかないが、中国がカネを出す条件を出したため、安さに釣られたインドネシア政府が決めてしまった。インドネシアにとって悪い選択だと思ったのだが、現実に中国があとから合弁会社の事業失敗の際の債務保証などカネのことでゴネてきた上に、中国語でのみ書かれた計画書のためにインドネシア側が困っていたり、地震対策などの安全性確保が不透明なため建設許可も下りないなど、様々な問題を抱えて一向に工事に取り掛かれない状況にあるという。
安物買いの銭失いとはよくいったものだが、インドネシアの決定はまさにそれになりそうな感じだ。

一方で、日本はインドネシア最大となる港湾整備を受注する見込みだという。2019年開講予定で、2000億円規模の事業費になるという。日本案の高速鉄道が7000億円弱の事業費だったから、2000億円の港湾整備も悪いものではないだろう。インドネシアに対し、中国との違いを見せつけるチャンスである。

インドネシアは人口が2億5000万人と多く、しかも人口ピラミッドは富士山のような形で若年層が非常に多い。これから先が非常に期待できる国であり、日本企業も近年多く進出している。
安倍政権は高速鉄道計画でのインドネシアの決定を「失望した」としたわけだが、それでもインドネシアには期待している。インドネシアからのインバウンドを増やそうと、2014年の12月にはインドネシアに対して15日以内の短期滞在に対して事前にIC旅券の登録を行えばビザを免除することにした。

それでどうなったか。2014年のインドネシアからの入国者数は16万4246人で、2015年には21万412人に増えた。4万6166人増えたわけだ。ビザの要件を緩和しても、3割しか増えなかったと表現してもいい。
その代わり、2015年1月に1258人だったインドネシア人の不法滞在者が、2016年1月には2228人と倍増した。
ビザ要件の緩和で訪日インドネシア人が3割増えたが、不法滞在者が1200人からおよそ倍の2200人になったわけである。

それだけならまだしも、2014年には17人だった難民申請が2015年には969人とめちゃくちゃ増えた。57倍である。
インドネシアは難民が出るような国ではないが、訪日インドネシア人が増え、日本に来たその足で「難民だから日本にいさせろ」と申請する輩が57倍に増えたのだ。

これはビザ緩和の失敗の典型ではないのか。日本は難民認定しない国だと強く批判されるが、こういうヤツらばかりが難民申請するのだから、却下して当然である。

安倍首相は個人的に親しくしているインドのモディ首相との首脳会談で、今年の1月から短期滞在数次ビザの発給要件を緩和し、滞在期間やビザの有効期間の延長をすることを明らかにした。これまでは「十分な経済力がある有識者とその家族」に限って1回15日まで滞在可能な有効期限3年のビザを発給していたが、今年の1月からは有識者という条件が外れ、滞在期間30日、有効期限5年となった。
インドへの期待と親しみを込めた決定なのだろうか。

インドの金持ちにしか発給しないビザだから、インドネシアのようにはならないかも知れないが、それでもビザ発給要件が今後さらに緩くなるとどうなるか分かったもんじゃない。

中国も同様である。中国の金持ちには行き先制限のない数次ビザが発給され、個人または団体の観光をする金持ちではない中国人は旅行会社を通じてビザの発給を受けねばならないため、日本に観光に来て不法滞在をしたり、難民申請をすることは難しいが、今後このビザ発給要件が変わると激増する恐れがある。

金持ちも貧乏人も等しくおもてなしするのが日本人としての矜持かも知れないが、だからといって誰かれ構わず受け入れるのは間違っている。外国人でもいい人ばかりだろうなどと甘っちょろい考えは捨てて、貧乏な国からはロクでもないヤツが来るということをある程度覚悟しておかねばならない。

日本が犯罪者も自称難民も受け入れるというのなら別だが、「観光客だけ来てください。ほかの悪い人は来ないでください」ではいかにも都合がよすぎる。
「悪いことも起こる」と国民に知らせた上で、外国人訪日者数を伸ばすべきだろう。都合のいいことばかり国民に言い聞かせるのは、それは国による詐欺のようなもんである。

20160404-1

昨晩「Mr.サンデー」を見ていたら、アメリカで行われた女子フィギュアスケートの世界選手権で優勝したエフゲニア・メドベージェワというロシアの16歳の選手がたいそう日本好きであると紹介されていた。
日本メディアのインタビューに対し、「日本語の歌詞が言えるのよ」と言って空で読み上げたのが「美少女戦士セーラームーン」のオープニング曲「ムーンライト伝説」の歌詞だった。

いきなりなぜそんなことを言ったのかも紹介されていて、選手の控え場所で浅田真央と談笑するなかで、真央チャンから「日本のファンの心を掴むためには日本語を話すといい」と助言されたらしい。
実際、この「セーラームーン」によって日本で報道されて日本人ファンが多く増えたらしいから、真央チャンはよく分かっている。

ロシアの選手は浅田真央や羽生結弦など技術のある選手を尊敬する傾向にあり、ユリア・リプニツカヤがエキシビジョンで羽生結弦とアイスダンスをしてデレデレしていたが、このメドベージェワも羽生結弦との練習で乙女のようになっていた。
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ちなみに、メドベージェワについて「メドベデワ」と表記しているメディアがある。プーチンの子分でロシアの首相をやっているメドベージェフというのがいるが、ロシア語で何かの名詞に基づく名字は男女で変化するようになっていて、男ならメドベージェフ、女ならメドベージェワとなる。「メドベデフ首相」と表記しているメディアはないと思うので、メドベージェワでいいのだと思うのだが、「メドベデフ」や「メドベデワ」と表記されているロシア人もいてややこしい。「メドベデワ」と発音しにくいので、やはりメドベージェワでいいだろう。

そのメドベージェワが日本好きになったキッカケは、宮﨑駿のアニメだという。ロシアメディアのインタビューに答えていた。
ほかにも海外の日本好き女子のご多分に漏れず「セーラームーン」が好きで、インタビューで歌詞を喋っただけでなく、自分で描いたイラストを披露していた。
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こういうのを見ると、改めて日本のアニメの影響力を思い知らされる。ワールドクラスのサッカー選手は大抵が「キャプテン翼」を見ていて、それに影響されたというが、それ以外の一般人でも、英語のスラングでWeeabooと呼ばれる過度の日本かぶれは、まず間違いなく日本のアニメや漫画が好きである。
Weeabooの定義として、「日本のものをありがたがる」とか「アニメの歌をそらで歌える」というのがあるが、フィギュアスケートの日本人選手から貰った日本のお菓子に大喜びしたり、「セーラームーン」の歌をそらで歌えるメドベージェワはWeeabooに分類されるのだろう。
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「YOUは何しに日本へ?」でも日本のアニメが好きになり、そこから日本にも興味を持ち、憧れだった日本に来たという外国人が本当によく出てくる。
そういう外国人に注目するから多いように感じるのかも知れないが、それでも少なくないことは間違いない。

宮崎アニメや夕方くらいに放送しているアニメで一般層の外国人を、深夜に放送しているアニメでアニメオタクの外国人を惹きつけて日本好きにするのだから、日本のアニメや漫画の影響力は本当にすごいというほかない。
同じようなものに韓国が推し進めるK-POPや韓流ドラマがあり、一定の支持層獲得には役立ったが、底が浅い分ブームが去ることで多くのにわかファンも去った。そういう意味では、アニメや漫画の息の長い貢献度は国から表彰されていいレベルである。

安倍内閣では伝統的な日本文化のメインカルチャーからアニメや漫画、音楽などのサブカルチャーまで含め、日本文化を「クールジャパン」とかいうお寒い名前で推し進めようとしていて、島尻安伊子議員が沖縄・北方担当大臣、科学技術政策担当大臣、宇宙政策担当大臣を兼任しつつ、クールジャパン戦略担当大臣までやっている。クソどうでもいい大臣職を設け、それを全部兼任させている形であるが、これだけ兼任してマトモにできるわけがない。しかも、沖縄及び北方対策担当の大臣なのに「歯舞」も読めない人である。

「クールジャパン」とは名ばかりで、適当にやっているようにしか思えない。クールジャパン戦略担当大臣こそ、海外事情に詳しいアニメオタクを民間出身として任命すりゃいいのではないか。そもそもの話として、自分で「クール」とか言っている時点でダメなように思えるが、ここは思い切って日本の伝統文化とサブカルを分け、サブカル担当大臣がいろいろできるようにした方がいいように思う。

国連で日本の言い分をゴチャゴチャ訴えるより、日本のサブカルによる"文化侵略"で日本好きを増やし、日本の味方になる外国人を増やすほうが効果的なように思える。
多方面から攻めるという意味でも、いろいろ手を尽くして日本好きを増やすべきである。間違いなく効果がある。

今のところ、クールジャパン戦略とやらで安倍政権の本気を感じられない。もっともっと押しまくるべきなのに、肝心のところで手を抜いて中途半端にやっているさまを歯がゆく感じずにはいられない。

20160403-1

3月31日(木)から4月2日(土)にかけて義父が家に来ていた。京都や滋賀で観光し、桜も見てきたらしい。
2日に新幹線で帰っていったのだが、嫁さんが新幹線の京都駅で父親を見送ったあとに天皇皇后両陛下に出会ったと言っていた。意味が分からなかったのだが、両陛下が奈良県橿原市で行われる神武天皇没後2600年の式年祭とやらにご出席されるために新幹線で京都駅まで来られて乗り換えされる最中だったとか。
京都駅で芸能人すら見たことないし、一般人が天皇陛下を間近で見る機会などほぼないというのに、すごい偶然である。

それはさておき、嫁さんと義父が京都の観光地やら桜の名所に行ったら、どこも外国人だらけだったという。
特に顕著だったのが、嫁さんがネットで調べて行ったという親子丼で有名な店だ。嫁さんと義父以外、客が全員外国人。中国人や台湾人、韓国人のアジア人に、アメリカだかヨーロッパだかの白人ばかり。ついでに、中国語に対応できるように中国人と思われる店員もいたという。

民進党など野党の政治家は「アベノミクスは失敗した」と息巻いている。日経平均7千円台、1ドル70円台という未曾有の円高で日本経済をメチャクチャにした旧民主党の連中がどの口で言うのかと思うわけだが、少なくともアベノミクスで円安が進み、外国人観光客が増え、対象なりとも経済効果があったことは間違いない。
インバウンド消費に期待する声が多いわけだが、儲かっているのは百貨店やドラッグストア、ホテルなど一部の業種で、日本経済全体でいえばありがたがるほどの効果があるのか疑問だ。

「中国人の爆買いが日本経済を救う」などと主張するヤツがいるわけだが、韓国を見ればそんなもんは長く続かないことがすぐに分かる。
韓国も中国人の爆買い景気に湧いていたが、だんだんと中国人観光客の消費が落ち込んできているらしい。中国人が炊飯器やブランド品をずっと買い続けるわけないのだ。

台湾のテレビ番組をYouTubeで見ていて、2回に分けて「大阪で絶対に買うべきもの」という内容の企画をやっていた。洋服やメガネなどもあったが、やはり目立ったのがドラッグストアで買える化粧品や食料品などだった。
台湾にはドラッグストアがたくさんあるのだが、それほど安くない。日本の商品をそのまま売っていることもあるが、当然日本より高い。日本で安く買えるものや日本でしか買えない商品について、日本の商品がいかによく、いかに創意工夫されているか力説していた。

日本はどんな商品も競争が激しく、いいものが売られている。品質だけでなく、価格の競争も激しいので、いいものが安く買える。だから、ショッピング目当てで来る観光客の立場では、韓国と日本は全然違うわけであるが、だからといって今のような爆買いが続くわけがない。現に習近平が観光客の爆買いを抑えるよう海外で落とす外貨の制限をし始めたが、そんなことがなくとも今の上り調子は続かないだろう。

ところが、政府や役人らは浮かれているのか、2020年には訪日観光客を2020年には倍の4000万人、2030年には6000万人にするという目標をぶち上げた。
傍から見て狂気の沙汰に思える。

今の年間2000万人の状態で、国内でホテルやバスが足りていない。特に大阪はホテルの稼働率が90%を超えるような状態が続いており、大阪に出張に来るビジネスマンがいつも宿探しに苦労するような状態だ。外国人と日本人がホテルを取り合うわけだが、向こうは何か月も前から予約しているわけで、日本人ビジネスマンに勝ち目はない。

今でも大阪や京都は外国人だらけだ。飽和状態といっても過言ではない。この状態から、あと4年で外国人を倍にするのである。正気とは思えない。
2倍になった外国人をいったいどこに泊めるつもりなのか。政府は「民泊」などと言っているが、120%トラブルが起きる。民泊にされたマンションで外国人と一般居住者が揉めるくらいだったらまだいいが、そのうち人殺しなどの犯罪も起きるのではないか。
政府はホームステイ型の民泊も進めるらしいが、誰が見ず知らずの外国人を泊めるというのか。

安倍政権は勢いがあればなんでもできると思っているのか知らないが、訪日観光客を倍々ゲームで増やそうなんて考えない方がいい。
「地方にもっと外国人を呼びこむ」などとしているが、そんなにうまくいくわけがない。前に「移民に働いて貰い、子供も産んでもらう」などと甘いことを言っていた政府だから、なんでも都合のいいようにものごとを考え、自分たちの考えがうまくいくと思うのだろうか。

ちょっと評判いい店が欲をかいて客の回転率を上げようとすると、サービスの質が下がって評判も下がり、結局客が減ることになる。
日本がやろうとしていることはそれではないのか。

「外国人が日本経済を救ってくれる」などと考えているからこうなるのだろう。捕らぬ狸の皮算用は必ず失敗にする。欲をかいてめちゃくちゃな目標など立てない方がいい。欲張り者は必ず失敗する。

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