0427-1

今日、運転免許証の更新に行ってきた。前にゴールド免許を交付されてから5年間、一度も捕まらなかったので、今回もゴールド免許だ。
警察署でも運転免許証の更新ができるらしいが、平日に2回に分けて手続きと取りに行くのをやらないといけないので、どう考えてもサラリーマンには無理なので免許センターに行った。

ゴールド免許の人は、優良運転者講習だから30分で済む。一度も捕まってもいない"優良運転者"が、どういう理由で交通安全協会だか警察だかの説法を聞かねばならないのかと思うわけだが、視力検査をして顔写真をとったあと、免許証を作るまでの待ち時間だからしょうがない。
おとなしく聞くことにした。

その講習のなかで、交通安全について受講者に説く教官が滋賀県下の交通死亡事故について説明していた。
昭和44年(1969年)に年間255人だった死亡者数も、平成4年(1992年)には190人になり、平成16年(2004年)には104人になり、昨年の平成25年には最低の74人になったのだという。

昔は、全国で1万人以上交通事故で死ぬというのが普通だったのに、近年その数がどんどん減ってきて、5000人を下回っている。その傾向は、もちろん私が住む滋賀でも同じなのだ。

事故の発生件数や負傷者数がそれほど減っていないのに、死亡者だけ減っているのには理由がある。講習では、その理由について3つ挙げられていた。

(1)飲酒・酒気帯び運転の厳罰化や、シートベルト着用の義務化など、法令が厳しくなり、取り締まりも強化されたため。
(2)エアバッグやABSなどの装置が備わり、それに加えて事故が起きたときの衝撃吸収など、車輌の性能が上がったため。
(3)各地へのAEDの設置が進んだ上、医療が進んで助かる人が増えたため。

(1)がどこまで効果があるのかは分からないが、法律を厳しくし、取り締まりを強化することで交通死亡事故減少の効果があるのだろう。「法律を厳罰化しても殺人事件は減らない」という人がいるが、これを見ると本当にそうかと思う。

これら3つのなかで、どれが一番効果があるのだろうか。よく分からないが、(2)と(3)は死亡者数減少にかなり効果があるように思える。特に(2)。
昔はエアバッグなんかなかったが、今やこのエアバッグで救われている人はかなり多いのではなかろうか。また、ぶつけられる側からしても、日本の車輌の安全基準は本当にすごく、最近では撥ねた人をなるべく傷付けないように設計されたボンネットやフロントガラスが採用されているんだとか。

小学校3年の頃、担任の教員がボルボに乗っていた。このスウェーデンの車について、担任が話していたことをよく憶えている。
「日本の車は事故が起きてもエンジンルームが潰れるようになっていて、乗っている人が助かる。会社は、ガチガチの鉄の箱みたいなもんだから、事故ったらエンジンが車内スペースに飛び出してきて、ドライバーがエンジンに押しつぶされて死ぬ」

今での会社がそうなのかは知らないが、日本の車が、事故発生時に車を潰して衝撃を吸収することで、ドライバーや被害に遭った人を助けようとしているのは間違いナイナイ。そういう設計思想なのだ。
正直言って、大きな人身事故など起こしたら、その車は普通は廃車だ。だったら、潰れて構わない。自分の命も家族の命も、誰か知らない他人の命ですら、車を買い換えるというカネで済むのなら、それでいい。

その設計思想をまったく理解しないのが中国人だ。中国では「日本の車は危ない」という話が本当によく語られている。日本のメーカが、車両の重量を軽くし、かつ価格も安くするため、安物の鉄を使っているため、すぐに潰れるという話をよく聞く。
その証拠としてよく挙げられるのが、ドイツ車と日本車での事故だ。軽く当たっただけなのに、ドイツ車は無傷のように見え、日本車はバンパー部分などが歪んでしまっているという話。
だから日本車は弱い。そんな車には乗れない。

実際は、ドイツ車も日本車も同じようなものだし、ホンダの車がへこみもせず、フォルクスワーゲンの全部がひしゃげてしまったという写真もあったりするが、そんなことは関係ない。イメージだけで語られるのだ。
中国人はアホだ。

これは価値観の違いだろうか。。日本車は安い、安いから潰れやすい。そんな潰れやすい車には乗りたくないという価値観。
中国では人の命よりも車の方が重要なんだろう。人をひき殺しても、数十万円払って終わりなんだったら、300万円出したマイカーは絶対に潰したくない。マイカーが潰れるくらいなら、誰か知らないヤツが死んでもいい。その程度なのかも知れない。

中国では、交通事故には遭いたくないものだ。