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中国の食品偽装は偽装なんてレベルじゃないというニュースをよく耳にする。
下水に溜まった油から精製された地溝油なる再生食用油が出回っており、安物の屋台のみならず、一部のレストランでも使用されていると見られている。燃料にするのならともかく、下水から集めた油を食用油にするという発想が日本人からすると信じがたい話で、さらにそれを使って作ったものを客に出すのも信じがたい。実際、地溝油を使ったラーメンを食べた子供が死ぬという事件もあった。

コンビニで売られているペットボトルの水が、ミネラルウォーターでも何でもなく、水道水以上の汚染された水だったというニュースもあった。
中国では、金さえ出せば安全な水や食べ物を手に入れられると思うのは間違いらしい。中途半端な金のかけ方だと、騙されて偽物を掴まされる。

私が勤める会社の北京や上海近郊にある支社に出向している社員に、「中国で何を食っているのか?」と訊くと、「その質問はウンザリするほどされた」と言っていた。中国では水もダメ、食べ物もダメ、果ては空気もダメ。どうやって生きていくのかと思うわけだが、中国にいるとそれなりに慣れてくるし、何となく大丈夫そうなものを手に入れられるのだという。
本当に安全かは知らないが、現地の日本人は疑心暗鬼になっている点があるので、精神衛生上はあまりよくないだろう。私のように神経質なタイプは、中国で暮らすとストレスで神経をすり減らし、それだけで寿命が縮まるに違いない。

毒入り餃子事件があってからというもの、冷凍食品に関して、我が家では中国産のものを買わなくなった。別に私はちょっとくらい中国産でもいいのだが、嫁さんが気にして買わなくなった。業務スーパーなど、安物を扱うスーパーでは中国産の冷凍食品が多いが、その手のものが一切なくなった。

これまでは、加工食品は中国産のものが多かったが、消費者が買わなくなってきたので、ほかの国での生産にシフトしつつある。
僅かの金をけちって中国産を買い続け、それを食べ続けてヘンな病気になったら堪らない。費用対効果で考えると、中国産の食品を避けることが悪いこととは思えない。

これは人間用の食品として当然の話だと思うが、ペットフードでもこれと同様の動きになりつつある。ホームセンターのペットコーナーで犬や猫のフードを見てみるとよく分かるが、一昔前までは中国産の安物がそこそこあったが、今では本当に少なくなった。
ドライフードに関していうと、国産が意外と多い。外国産ではタイ産を結構見かける。海外ブランドのいいフードあたりは、オーストラリア産だったりする。

スーパーで食料品を買うとき、原産国がどこかをよく確認するようになった。ペットフードでもそれが必要で、実際にそれをやる人が増えてきた。
中国産が減るのは当然の成り行きである。

アメリカでは、2007年頃から中国産のジャーキーを食べた犬や猫が今までに5600匹以上が健康被害を受け、1000匹以上が死んでいると朝日新聞が報じ、Yahoo!ニュースのトピックとして取り上げられていた。
昨年11月に産経新聞が報じたとき、米食品医薬品局(FDA)の発表では580匹が死亡したとのことだったので、この半年で爆発的に増えたことになる。

アメリカでの被害は、特定のペットフード会社、或いは特定のジャーキーで起きているわけではない。共通しているのは中国産ジャーキーということだけだ。
恐らく、ペットフードの工場や企業単位で不正が行われて毒物が混入したのではなく、原材料レベルで汚染されたものをいろんな企業が使い、ここまで被害が拡散しているのだろう。
原因不明の腎不全などで死んだ犬や猫もいるため、中国産による本当の死亡数はもっと多いかも知れない。

FDAは中国産ジャーキーをむやみに与えないよう飼い主に呼びかけているが、原因が分かるまで販売中止にするくらいの措置が必要かも知れない。今のままでは、中国産ジャーキーによるペットの死亡が増えるだけである。
もしかすると、ペットフードを食べる変人がそのうち死んでしまうかも知れない。

中国から毒物であるジエチレングリコールがグリセリンと偽ってパナマに輸出され、それを元にシロップの風邪薬が作られ、服用した100人以上が死ぬという信じられない事件が起こったのが同じ2007年だった。
このとき、中国は「責任はパナマにある」と強弁し、パナマ側の訴えをまったく受け付けなかった。

恐らく、原因の毒物が特定されたところで、中国はその非を一切認めないに違いない。
ニセの薬品を販売し、よその国で人が100人死んでも知らんふりできるのが中国人だ。ペット相手に毒物を混入することなど何とも思わないし、ペットが何千匹か死んだところでどうってことないだろう。「犬猫が死んだくらいでどうした」と返されるのがオチだ。

ほかの原産国のペットフードで、このようなトラブルが起きたことがあるだろうか。これは、中国で中国人に作らせるから起こる問題である。
ペットが死亡した原因も分からず、当の中国人が調べる気もない。責任が分かっても認めないし、改善もしない。7年も続いているのには訳がある。
自分のペットを殺したくないのであれば、中国産のペットフードをペットに与えるべきではないのだ。