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台湾で民主進歩党の蔡英文主席が総統に就任した。蔡英文総統は台湾独立を明言しないものの台湾独立派と見られており、中国政府に厳しい目で見られている。就任演説で「ひとつの中国」について言及しないなど、これまでの慣例を変えつつあり、中国離れを就任期間にどんどん中国から離れていくのではないかとされている。

前の総統だった馬英九は、最後の最後になってこれまで日本の沖ノ鳥島について中国に同調して「島でなく岩である」と主張し、台湾漁船の保護を名目として巡視船を派遣するなどした。蔡英文総統への牽制球のようなものである。
だが、蔡英文総統は一部の台湾人の意見など気にもせず、就任早々に巡視船を沖ノ鳥島から引き上げさせ、馬英九政権で「岩である」とした主張を取り下げた。

馬英九は沖ノ鳥島に関して中国に媚びへつらい中国と同じ意見を述べ、最後っ屁として巡視船の派遣を行ったが、中国蔡英文総統は日本との外交関係を重視するため、即座にそれを撤回した。
台湾では「弱腰だ」という意見も出たが、大した影響はなかった。

ただ、それに関して昨日30日の立法院(日本の国会にあたる)内政委員会の質疑において、内政部長が沖ノ鳥島についての国民党議員からの質問に対して、「内務部の管轄ではない」としながらも「沖ノ鳥礁(台湾での名称)は基本的に岩であり、日本のEEZは存在しない」と回答した。
このことについて、台湾のニュース番組では「内政と外交の不一致だ」と報じられていた。
また、民進党に批判的な聯合報は新聞の1面で大きく取り上げていた。
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蔡英文相当は馬英九政権時代の主張を急転回させるなど、「親日すぎる」と批判されている。日本としては歓迎すべきものであるが、あまり強硬すぎるものは大丈夫なのかと逆に心配になってしまう。

聯合報に関しては、夕刊で「沖ノ鳥は礁であると内政部長が発言」と報じた日の朝刊で「日本の被曝食品が解禁」とこれまた1面で報じていた。
台湾では昨年からは日本の殆どの都道府県産品を対象に産地証明書と放射性物質検査証明書の添付が必要になった。事実上の禁輸措置に等しい。
それが7月にも解禁される見通しだとして騒ぎになっている。
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実際、台湾では輸入したカップ麺や菓子が「福島県や茨城県の工場で作られていた」として大騒ぎになったことがあった。
福島第一原発内で製造されたならまだしも、福島県の工場で作ったからなんだと思うわけだが、中国人や台湾人、韓国人は口にする者の毒とか放射能とかに敏感で、とにかく気にばかりしている。日本人からすると不衛生なものを食っている口なのになにを言うのかと思うわけだが、中国人が「放射能に効く」とされた塩の買い占めに走ったり、台湾の空港で日本人観光客に対して震災後しばらくガイガーカウンターでの放射能チェックをしていた。

台湾や香港で日本の食品から微量の放射性物質が検出されたとしてニュースになったこともあったが、基準値内とかそういうことはあまり重視されない。ちょっとでも放射性物質が検出されれば「放射能汚染」と大騒ぎされてしまう。
福島県周辺の食品は危ないと未だに信じている台湾人も多く、このちょっとした騒動は簡単には収まりそうにない。

さっさと誤解を解くよう蔡英文総統に期待したいところだが単に「親日ゆえの食料品禁輸措置の解禁」などと思われると誤解は溶けそうにない。
日本側もこれまで以上に放射能に関する誤解を解くよう努力した方がいいし、蔡英文政権の手助けもした方がいいだろう。