20160726-1

ドイツでイスラム教徒の移民や難民による傷害・殺人事件が相次いで起こった。
18日(月)にはアフガン難民だった少年が電車内で斧やナイフを振り回して5人に負傷させるという事件を起こした。
22日(金)には18歳で移民二世のイラン系ドイツ人がマクドナルドで銃を乱射し、9人を殺害、16人を負傷させるという事件を起こした。
24日(日)には難民申請中のシリア人がなたで知り合いの女性を殺害し、男女ふたりを負傷させる事件を起こした。
また、同じ日に飲食店でシリア人による自爆テロが起き、11人が負傷した。

労働力不足を補うために移民を積極的に受け入れてきたドイツであるが、このようなことが立て続けに起こると、移民政策に疑問を持つドイツ人も増えるだろう。自国に招き、仕事も与えてやったのに、恩を仇で返すのだから当然だ。

イスラム国は事件後に自分たちに感化された人間による犯行だと後出しジャンケンで犯行声明を出したが、実際はどうだか分からない。ただひとつ言えるのは、イスラム教徒の移民や難民が人殺しやそれに準ずる事件を起こしたことは間違いない。

こんなことが起こると、イスラム教徒排斥を掲げるトランプが正しいように思えてしまう。イスラム教徒には自浄能力がないのだから、このようなことを繰り返さないためには、自国にイスラム教徒を移民や難民として受け入れないこと、引いては入国もさせないことが正解ではないのか。

ただ、それをしたところでドイツで起きたこれらの事件の再発防止にはならない。ドイツ国内には既に多くのイスラム教徒がいるわけだし、そもそもイスラム教徒だけがこのような事件を起こすわけではないからだ。
このような事件は、根本的に防ぐ手立てがない。

それを思うと、今日未明に神奈川県相模原市の障碍者福祉施設で入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負った事件で、政府が再発防止策を検討しているという報道があったが、なにをどう検討するのかと思わずにはいられない。
事件現場に厚生労働省の職員ふたりを派遣したというが、再発防止に有効な手立てなど見つかるとは思えない。

犯人の植松聖は、2月に「障碍者600人を殺す」などと吹聴し、勤務先の障碍者福祉施設で問題を起こすなどして退職させられていた。退職する直前の2月14日、15日には衆議院議長公邸などを訪問し、「日本のために障害者470人を抹殺する」「障害者が安楽死できる世界を望む」などと記した手紙を渡したのだという。
その後、警察に連絡が行き、他人を傷付ける恐れがあるとして措置入院の対応が取られた。
その際、大麻の陽性反応があり、医師の診断は大麻精神病、妄想性障害だった。大麻好きの人たちは「大麻精神病など存在しない。大麻は悪影響を及ぼさない」というが、本当だろうか。

それはともかく、植松は措置入院で強制的に入院させられるが、12日後には退院させられている。
問題があるとしたらそこであろう。

再発防止策として「障碍者福祉施設の警備を厳重にする」などという案が出てくるのであろうが、少ない職員でどう対応するのか。そもそも、職員は刃物を持った暴漢になど対応できまい。
警備会社に依頼してもカネがかかるだけで、事件が防げるとは思えない。
カギを厳重にするなどといっても、今回の植松のように4年も仕事をしていて、施設を知り尽くした元職員の侵入など防げるわけがない。

政府や行政として再発防止策を考えないことはできないのだろうが、考えたところでどうにもならないのが現実だ。
今回のこの大事件はテロや通り魔のようなもので、防ぎようがない。

ただ、事件を減らすことはできるはずだ。犯人の植松はキチガイ野郎だとして入院させられていたはずなのに、たった12日で退院させられた。もっと長期間入院させられ、厳しい検査に合格しないと退院できないようになっていたらよかった。結果論でしかないが、そこが悔やまれる。

結局、精神病、統合失調症の罹患歴は犯人を利するだけでしかない。刑法39条に照らし合わし、心神耗弱ならば刑の減軽、心神喪失ならば無罪となってしまう。
日本犯罪史上、1938年の津山三十人殺しに次ぐような大量殺人であるにも関わらず、相模原市の事件は犯人に優位なことがある。弁護側は心神喪失を押してくるのは間違いない。

発言や考え方はキチガイじみていたが、犯行の準備を行い、事件後に警察に出頭していることなど、自分の犯した罪や与えられる罰が理解できないほどの心神喪失とは思えないし、心神耗弱状態であったかも疑わしい。考え方や行動がオカシイくらいで同情の余地を示し、刑を軽くしている場合ではない。

政府が考えねばならないのは、今回のような大量殺人の再発防止策ではなく、刑法39条の改正、撤廃ではないのか。
このような猟奇的な殺人事件が起こるたび、刑法39条が取り沙汰され、刑法39条が犯人にどれほど優位に働くかが注目される。
それこそが、異常な事態ではなかろうか。