20160913-1

ここ何週間か世間を賑わしていた蓮舫の二重国籍問題であるが、台湾の大使館に相当する台北駐日経済文化代表処から蓮舫に連絡があり、台湾籍(中華民国籍)が残ったままだったという事実を本人が記者会見で明らかにし、謝罪をした。
あれほど台湾籍は抜いたと言っていたわりに、途中でその主張があやふやになり、結局「記憶の不正確さから混乱を招き、おわびする」との謝罪でオシマイである。

蓮舫は6日(火)に台湾籍放棄の手続きを取ったとしているが、まだ台湾籍は抜けていないので、民進党の代表戦に出馬している国会議員でありながら、日本と台湾の二重国籍になっている状態である。

日本の国籍法では22歳以上については基本的に二重国籍が認められていないが、外国籍を抜くことについては努力義務となっており、二重国籍のままでも罰則もなにもない。日本国籍を持っていれば、被選挙権が与えられ、国会議員になることができる。
蓮舫本人も、民進党など野党の連中も、「違法ではないから問題ない」としている。法的に問題ないことは間違いなかろうが、どうにも納得がいかない。
納得しないことを共産党議員が「差別だ」と主張しているが、外国籍のがある人間が国会議員をやって、総理大臣になる可能性があることがオカシイのは間違いないのではないか。

シルベスター・スタローン、ウェズリー・スナイプス、サンドラ・ブロックが出演した映画「デモリションマン」で、アーノルド・シュワルツェネッガーが2032年のアメリカ大統領を務めていることを知ったスタローンが「外国人は大統領になれないのでは?」とサンドラ・ブロックに訊いたところ、「人気があるから憲法が変わって大統領になった」と説明するシーンがあった。

アメリカでは外国生まれで帰化した人間でもシュワルツェネッガーのように州知事になることはできる。しかし、アメリカの国家元首である大統領になることはできない。アメリカでは憲法でアメリカ合衆国で生まれた市民(natural born citizen)だけが大統領になる資格があると決まっている。
オバマ大大統領について、インドネシア生まれだから大統領の資格がないのではないかという話があった。実際はハワイ生まれであるわけだが、陰謀論者がケニア生まれだとか、インドネシア生まれだとか言いふらしている。外国生まれは大統領になる資格がないのだ。

日本の総理大臣が国家元首であるかは定かでないが、法規上の最高権力者であり、自衛隊の最高指揮官であることは間違いない。そんな総理大臣について、外国生まれどころか、外国籍を持っていてもなれる可能性があるというのはおかしな話ではないか。
蓮舫のように、国会議員になったり、大臣になれることすらおかしいように思える。
これが差別というならば、甘んじて差別者だというレッテルを受け入れよう。

蓮舫の二重国籍が問題ないのなら、在日韓国人の2世や3世などの特別永住者で、日本国籍と韓国籍の両方を持っている人物ももちろん問題ないことになってしまう。韓国籍ならまだマシだが、北朝鮮系の朝鮮籍でもいいと誰が思うのか。
実際、二重国籍者が日本国籍を捨てて韓国籍や朝鮮籍を選んだとしたら、日本国籍を失うわけで議員資格も失うわけだが、二重国籍のままなら金正恩の手先として議員活動できてしまうわけだ。

自殺した新井将敬のように在日だったが帰化して国会議員になった連中は大勢いるが、その議員らには二重国籍疑惑はないのだろうか。
特に韓国では2010年の国籍法改正により、若い男の場合は兵役の関係で国籍放棄が容易でなくなった。ここらへん、全部クリアできているのだろうか。クリアできているとは思えないのだが。

蓮舫の二重国籍問題について、本人が忘れていただけだと問題を矮小化して考える政治家が多いが、本質的には大問題だ。日本の政治における問題点を洗い出したといってもいい。

蓮舫が自身の国籍について「勘違い」で済まそうとしていること、政治家になるにあたってなんの確認もしていなかったことについて、政治家としての資質に関わるので問題ではあるが、正直これ自体については大した問題ではない。
ただ、二重国籍者が地方議員や国会議員になって、いろいろやっていそうなことは想像に難くないのである。これを問題といわずになんというのか。

韓国籍、朝鮮籍、中国籍を持った総理大臣が誕生し、自衛隊を指揮することを想像すると恐ろしくなってしまう。
そのことを差別だと主張する政治家がいることに、それ以上の恐ろしさを感じる。