20161028-1

未だに「ポケモンGO」をやっている。今、レベル30の半ばくらいだ。
7月のリリース当初の最盛期に比べると、アクティブユーザーは10分の1くらいになっているだろうが、それでも「ポケモンGO」の元になった位置ゲームの「Ingress」よりユーザーは多いと思う。
通勤の行き帰りと、休日の犬の散歩でポチポチやってるだけだが、気が向いたら金曜日の仕事終わりに大阪駅前でやっている。大阪駅までやると、「ポケモンGO」をやっている人は全員オッサンだ。

「ポケモンGO」はゲームとして未完成で、それほど面白さがあるわけでもないが、歩く目的を与えるツールとしてはよくできているので、健康を気にするオッサンにはちょうどいいのだろう。
現在ハロウィンイベントと称し、ゲーム内で重要なポケモンの飴が普段より多く貰えるイベントをやっており、今だけやる人が少し増えたかも知れない。

「ポケモンGO」はゲーム内課金があるが、課金しなくても問題ない。時間を使えばゲーム内でコインを稼ぐこともできるし、課金してもプレイの効率がよくなるくらいでしかない。
私は毎月2400円のペースで課金しているが、ウォーキングのエクササイズをするための課金だと思って自分を納得させている。

課金するくらいやっているわけだが、メチャクチャ必死にやっているわけでもない。2ちゃんねるを見ていると、車に運転しながらやっているヤツもいるようだが、自分は運転中はもちろんのこと、信号待ちのときもやらない。気が散ってしまうし、そもそも絶対に捕まえないといけないポケモンなんか滅多に出ないし、アイテムも必死に集める必要もない。
車で買い物に行くと、嫁さんは助手席で「ポケモンGO」をやっている。車の助手席、バスやタクシーの乗客ならなにをしていても構わないだろう。

ところが、少し前から「ポケモンGO」で時速40キロ以上で移動中にポケモンが一切表示されなくなった。運転しながらポケモンを捕まえようとして事故を起こすバカがいるために運営側が規制したのだろう。そのため、助手席などでポケモンを捕まえることができなくなった。

それだけやれば十分かと思っていたが、上には上がいるもんである。26日、愛知県一宮市で川合信右という会社員が運転するトラックが小4の男子児童を撥ねて殺した。川合は運転中に常に「ポケモンGO」をやっていて、事故当時は画面に気を取られてブレーキも踏まずに子供を轢き殺した。

運転中にできることなど、ポケストップと呼ばれるオブジェクトからアイテムを入手することくらいしかない。それとも、ゆっくり運転してポケモンを捕獲しようとしていたのか。
いずれにしても、こうやって死亡事故がなくならないのであれば、そのうちポケモンのみならずポケストップも表示されなくなるだろう。それでいいと思う。

ただ、「ポケモンGO」関連の死亡事故で気になるのが、その報道のされ方である。
スマホを見ていて事故を起こしたとき、「ポケモンGO」以外は具体的にアプリの名前が報道されることはないのに、どういうわけか「ポケモンGO」だけは名前が出てくる。「LINE」をやっていて事故を起こしたヤツなど山ほどいそうだが、どういうことなのだろうか。

2ちゃんねるを見ていると、「電通の陰謀なのではないか」という書き込みがあった。「ポケモンGO」は運営会社がアメリカ企業にナイアンティック社で、「パズドラ」や「モンスト」のような日本のソーシャルゲームと違い、ユーザーにめちゃくちゃ課金をさせるゲームではないし、ゲーム内にスポンサー企業のポケストップは表示されても、広告が表示されることもない。
「ポケモンGO」はサービス開始当初から、日本のスマホ向けソーシャルゲームを作っている会社から目の敵にされるのではないかと言われていた。ユーザーの射幸心を煽るのではなく、緩やかな課金とうまいスポンサー収入でやりくりするソーシャルゲームは、日本のゲームメーカーや広告配信を手がける電通にとって邪魔でしかない。
だから、「ポケモンGO」に関するネガティブなニュースがあると、「ポケモンGO」がアピールされて報道されるという陰謀論である。

電通は新入社員の女の子を死ぬまで働かせる力はあっても、新聞やテレビなどの全メディアを掌握して報道の統制を取れるほどの力はあるまい。
警察が話題のゲームだからと「ポケモンGO」という名前を出して記者発表し、メディアがこれまた注目されるからという理由で「ポケモンGO」という名前を出して報道しているだけなのだろう。
とはいうものの、「ポケモンGO」よりユーザーが多そうで、車の運転中にもやりそうな「LINE」はニュースにならないわけで、陰謀論が出てくる理由も理解できる。

警察発表かメディアの報道で、スマホのながら運転で起きた事故で「ポケモンGO」のときだけアプリ名を出すからこんなことになる。
どういう基準でそうしているのか知らないが、ダブルスタンダードだといわれても仕方がない。だから、スマホでなにをしていて事故を起こしたのか、アプリを起動していたのなら何のアプリだったのか記者発表し、報道せねばならない。
これは凶悪事件の容疑者でも同じだ。警察やマスコミが勝手に「精神的に問題がある」などとして報じたり報じなかったりするから、変な憶測が飛ぶ。

この情報化社会では、分かっている情報はすべて出すべきなのだ。その情報がいるかいらないかは、受け手が勝手に判断する。
それで何が問題があるだろうか。