20170418-1

16日(日)に北朝鮮が発射したミサイルのニュースに関して、気になっていることがある。
北朝鮮が射程1000キロ程度の中型弾道ミサイルを発射し、5秒程度、60キロほど飛行したところで爆発したという。これについて一部のニュースでは"発射失敗"と報じていたが、発射は失敗していないのではないか。

発射のスイッチを誰かがポチッと押したときに発射台ごと爆発したら発射失敗だろうが、発射されたミサイルが5秒でも飛んで爆発したのならミサイルの発射失敗というより実験失敗の方がいいように感じる。
まあどうでもいい話ではあるが。

北朝鮮は金日成生誕105年となる太陽節(15日)に合わせて核実験かICBMの発射実験をすると見られていたが、トランプの脅しが奏功したのか、中くらいのミサイルを1発撃っただけで終わった。しかも結果は失敗である。
今月、北朝鮮でもっとも重要な行事は15日の太陽節だったが、25日には人民軍創建日も控える。そのときに核実験やICBMの発射実験をしてくるかも知れないが、トランプの脅しに即座に反応した金正恩にそこまでの度胸はなさそうだ。

それでも、トランプも金正恩もなにをするか予測できないタイプだから、朝鮮半島情勢がどうなるかは誰にも分からない。
アメリカが攻撃を仕掛けるにしても、韓国に10万人いるとされる在韓アメリカ人をどう保護するかの問題もあり、反撃されると韓国も日本もタダでは済まないからより慎重になりそうだ。北朝鮮はシリアのようななにもできない国ではない。
北朝鮮にしても、これ以上挑発してトランプを怒らせると、どんなことをされるか分からない。
結局は、膠着状態のまま時間だけが過ぎていきそうな気がする。

「どうせアメリカも北朝鮮もなにもしない」と高を括っているのが韓国人だ。朝鮮半島有事に関する危機感は一切なく、特になにをするわけでもないという。
大きめの地震が続いてから焦って防災用品を買ったりする国民性だから、実際に戦闘状態に入らないと分からないのだろう。

韓国人は朝鮮半島有事が起きるなどとは考えていない。一時期、4月27日に米軍が北朝鮮を攻撃するという「4月危機」がネットを中心に広まったが、その情報元が日本の個人ブロガーのブログだと分かり、そのブロガーをメディアが総叩きする事態になった。
個人ブログの内容を信じて大騒ぎしたのは自分たちのくせに、結局は日本人を叩く。こいつらの性質はずっと同じだ。

これ以外に、米軍が北朝鮮で作戦を展開するとしたら新月である4月26日の夜が濃厚という読みもある。
それが本当かどうかなど、国家間の戦争に関わるようなインテリジェンスを夕刊紙の記者や個人ブロガーが知っているわけがない。予想屋の予想みたいなもんだ。適当にいくつか言えば、当たる場合がある。

また、2ちゃんねるのポケモンGOに関するスレッドを見ていると、「GPSの精度が高くなったり低くなったりするのは米軍が軍事作戦を展開しようとしている証拠」などという書き込みがよくある。ほかにもGPSの精度が変わると戦争云々と書いているブログも多い。
GPSは元々米軍が開発して使用していたもので、大韓航空機爆破事件などをきっかけに航空機の位置情報把握などを目的としてレーガン大統領が民間利用を決定した。
この当時は米軍の都合で民間利用のGPSの精度が変わる場合があったが、クリントン政権時の1996年に民間利用のGPSも精度を変更しないという法的な制約ができた。そのため、戦争が近いとスマホやカーナビのGPSが狂いやすくなるとか正確になるという噂は間違いなくデマである。

個人のブログや夕刊紙、週刊誌あたりが朝鮮半島での米軍の軍事行動を好き勝手書くのは仕方がない。可能性はゼロではないし、限りなくゼロに近いわけでもない。宇宙人襲来の可能性はほぼゼロだろうが、朝鮮半島有事は比べものにならないほどあり得る話だ。
しかし、韓国人は日本人がこれを論じることを好ましく思わず、憤慨するようだ。安倍首相が言及したことに敏感に反応し、危機を煽るだけの煽動者として厳しく批判した。

有事に備え、邦人保護を考えて口にしただけで日本の首相が叩かれる。まるでそんなことは絶対に起きないと考えているかのようだ。大統領が不在で駐韓アメリカ大使もまだ決まっておらず、アメリカにまるで信用されていない国が韓国であることを忘れたのだろう。
こうやって韓国が怒るのは、日本が危機感を持つことで、他国にそれが伝播し、THAAD問題で減った中国人観光客の埋め合わせが期待できなくなるからだろうか。
朝鮮半島がメチャクチャになったらいいという期待感はもちろんあるが、まるで言霊信仰のごとく日本を責め立てるのはおかしい。

韓国のメディアは「北朝鮮を口実に日本が軍国化する」などと吹聴する。北朝鮮による朝鮮半島有事は心配するようなものではないが、日本が軍国化して韓国に攻め込むはあり得ると思っているのだろうか。どちらの可能性が高いか、一度くらいマジメに考えてみたらどうか。

韓国で今もっとも重要なことは次期大統領選だ。北朝鮮は二の次である。未だにセウォル号の事故に固執し、それが大統領選の争点のひとつになったりする国だから、自国のことしか目が行かず、北朝鮮のことはあまり気にならない。

「備えあれば憂いなし」という諺は韓国には存在しないのだろう。自然災害に対する備えもなく、船の沈没にも対応できない。問題が起これば、事後でワーワー騒ぐしか能がない。
そんな国が軍事衝突や戦争に対応できるわけがない。北朝鮮に対する韓国の反応は、どうしようもないことに対してただ目を逸らしているだけなのだろう。