20170424-1

航空母艦を中心とし、巡洋艦2隻、駆逐艦1隻、潜水艦1隻、補給艦1隻で構成されるアメリカ海軍の戦闘部隊を空母打撃群(Carrier Strike Group)というらしい。打撃群というあまり聞き慣れない言葉がなんとなくカッコイイ。
昨日から海上自衛隊と共同訓練を行っている第1空母打撃群は、空母カール・ビンソンを中心とした空母打撃群だ。任務を終えてアメリカに帰還する予定だったが、急遽朝鮮半島近海に向かい、海上自衛隊と訓練を行っている。

北朝鮮はこれをアメリカによる挑発行為だと主張し、米海軍の空母などミサイル1発で撃沈できると豪語した。空母は想像よりも遥かに大きく、長さが333メートル、最大幅は76メートルもあり、サッカーのフィールドを縦に3面くらい並べたサイズで、乗員は5600人、航空機が66機も入っている。そんなもんを1発で撃沈するには、弾道ミサイルを当てないとムリだろうが、北朝鮮にはそんな芸当はムリだろう。

ここ数日のニュースでカール・ビンソンの話がよく出ているが、日本には米海軍の横須賀基地を母校とするロナルド・レーガンがある。第5空母打撃群を率いるロナルド・レーガンは、外国の基地を母港とする唯一の空母だ。横須賀にはジョージ・ワシントンという空母が配備されていたが、定期点検ならびに原子炉燃料棒の交換のためにアメリカに帰り、代わりにロナルド・レーガンが配備された。

私の嫁さんが横須賀市の出身で、実家が横須賀市にあるので、結婚してから年に1回くらいは横須賀に行っていた。横須賀には海上自衛隊の基地と米海軍の基地があり、基地の近くで海上自衛隊の艦船や米海軍の空母や巡洋艦を見たことがある。
さっきも書いたが、空母は思っているよりもめちゃくちゃ大きく圧倒される。昔の戦艦もカッコイイが、空母もカッコイイ。

横須賀市内は米兵や米軍関係者でいっぱいだ。横須賀中央駅近くで待ち合わせをしていたとき、何気なく行き交う人を見ていたら、ナンパ目当てのアメリカ人と日本人の女が結構いることに気がついた。屈強な米兵なら誰でもいいという、「イエローキャブ」と呼ばれる日本人女が多いことにウンザリしたが、アメリカ人男と日本人女で互いにWin-Winの関係ならそれでいいのだろう。

20数年横須賀に住んでいた嫁さんに、「米軍のことはどう思ってんの?」と訊いたことがある。答えは「別に、なんとも」だった。
米海軍の横須賀基地には、原子力空母の配備に反対する反原発派や、核持ち込みの疑いを糾弾する反米サヨクがちょこちょこ出没するらしいが、沖縄のような反米運動はないらしい。嫁さん自体、基地内に住む米兵の奥さんが暇つぶしのためにやっている英会話教室に子供の時分に通っていて、「基地のなかは本当にアメリカと一緒」と憧れのように話していた。憧れといっても、アメリカ本土と同じスケジュールで映画が上映されていたり、アメリカと同じファストフード店が並んでいて、バカでかいハンバーガーが出てくるとかそういったものであるが。

嫁さんの実家の近くにも米軍関係者と見られる黒人家族が住んでいて、Yナンバーの車を所有していた。週末に関係者を呼んで庭でバーベキューをしていて、そこだけアメリカの風景のようだった。
近所付き合いもあるらしく、普通に暮らしていた。
嫁さんが「まあ別に」というのも頷ける。

沖縄の米軍関係のニュースを見ると、沖縄県民の憎しみのような感情ばかりが伝わってくる。実際、沖縄県民全員が米軍や米兵に憎悪の感情を抱いているわけではなかろうが、地元紙2紙や朝日新聞の報道を見ると、米兵だという理由でぶっ殺しそうな勢いだ。
嫁さんから聞いた横須賀の雰囲気とはまるで異なる。

横須賀は米海軍で、沖縄は米海兵隊が中心だという違いがある。海兵隊にはグリーンカードだけ所有する外国人がかなり多いようで、そういうのが沖縄で事件を起こすケースが多いようだ。また、沖縄の方が基地が圧倒的に多く、米兵も多いので、事件が起きる件数もそれに伴う増えてしまう。
米兵が強姦事件などを起こすと、それに対する憎悪が巻き起こるのは当然であるが、それでもあそこまでの米軍憎しは本当なのだろうか。

沖縄の市長選で、アメリカが憎くて仕方がない翁長雄志を支援する「オール沖縄」の候補が与党推薦候補に3連敗した。1月の宮古島市長選で、3月の浦添市長選、そして昨日のうるま市長選だ。
沖縄の地元紙2紙は反米や反基地こそが「沖縄県民の総意」としているが、「オール沖縄」は全然オールではない。「相違」の間違いではないのか。
与党系候補が市長になったところで米軍基地の容認というわけでもないだろうが、少なくともアメリカに敵意むき出しの「オール沖縄」への支持ではないことが分かる。

翁長雄志を始めとする「オール沖縄」の連中がやっていることを見ると、アメリカと日本の本土に憎しみを抱けという煽動に見えて仕方がない。「アメリカ人は酷い」「本土の人間は沖縄県を差別する」と吹聴し、中国には目をつぶる。
「沖縄県民へのヘイト」だと叫んでも、結局は自分たちもアメリカや日本にヘイトを垂れているだけであり、そんな連中が支持を集めるわけがない。

なにが県民の総意なのか知らないが、こういうヤツらばかりが目立ってしまう現状に一番問題がある。
沖縄県民の意見が完全に一致するとは思えず、「オール沖縄」は沖縄県民の相違でもなんでもないだろう。県民の相違とか民意とかを謳う政治団体ほどアヤシイものはない。