20170615-1

テロ等準備罪を新設した改正組織的犯罪処罰法が今日15日の朝に参院本会議で可決、成立された。賛成165票、反対70票だったという。

野党からの妨害工作が続くため、与党は参院法務委員会での採決を省略できる「中間報告」という手段を取った。国会法で定められている「中間報告」は、衆参両院の各委員会での審議を打ち切り、中間報告を出して本会議で討論と採決を行うものだ。
衆院や参院の各委員会は法案の具体的な内容を審議するところであり、審議を途中で打ち切って採決を取ることから、国会での禁じ手とされているそうだ。

野党はこれを踏まえて「究極の強行採決が行われた」と憤っている。法案審議の際に、無関係の加計学園のことを持ち出したり、金田法相の問責決議案や内閣不信任案を出すなど、余計なことばかりして時間を稼いでいた側がよく言えるもんである。

テロ等準備罪は構成要件がハッキリとしないところがあるため、恣意的に運用される可能性がゼロではない。その件に関する審議で、「キノコ狩りで逮捕」などとおよそあり得ない解釈を出してきて議論をメチャクチャにしておきながら、「審議が足りない」とはよく言えたもんである。
もう少しマトモな議論をする時間が増やせそうだったのに、自らその機会を捨てていたのだから、与党を批判する資格などない。

特に民進党は、13日の参院法務委員会で当日の採決をしないとの言質を得ることができず、とりあえずの邪魔のために金田法相の問責決議案を提出したが、そのせいで委員会は審議途中で散会となった。議論を放棄したも同然であり、与党のことをゴチャゴチャ責める資格はなかろう。
蓮舫は今回の採決について「民主主義ではない」と言っている。多数決こそ民主主義なのだが、皆が納得できる審議をしないことが民主主義ではない理由らしい。どうせどんな審議をしても納得するわけがなく、「自分たちが納得しないものはダメ」と言っているさまは、「国民感情が納得しない」という理由で慰安婦に関する日韓合意を反故にする韓国の連中のようだ。

反対派がいう「共謀罪」がそれだけイヤなら、改正組織的犯罪処罰法をさらに改正できるよう次の選挙で公約に掲げ、有権者に訴えればいい。
ただ、喉元過ぎれば熱さを忘れるというか、テロ等準備罪の容疑で取り調べを受ける一般人などまずいないだろうから、皆すぐに興味を失うに違いない。

朝日新聞は雨宮処凛という自称作家の政治活動家を引っ張り出してきて、「家宅捜索されると日記まで読まれる」と訴えさせていたが、「ゴスロリ作家」を自称するサヨクが北朝鮮に渡航したり、よど号ハイジャック事件のメンバーの子供と交流を持っていれば調べられるに決まっている。
こんなヤツは"一般市民"でもなんでもなくテロリストまがいの"プロ市民"である。およそ普通ではない例を持ち出して、言論の自由が侵害されるとか、社会が萎縮するなどと訴える方がおかしいように思えてならない。

ほとんどの有権者はプロ市民ではないから、テロ等準備罪にはなんの関係もない。「ひょっとして」と心配する人はいるかも知れないが、半年もすれば忘れてしまうだろう。
民進党や共産党の連中は危機を煽るかも知れないが、実感が湧かない危機を選挙の争点にする有権者はいないだろう。

それでも、こういう法律に難癖をつけて反対することで飯を食っている国会議員は必死だ。
次の政策で廃止を訴えたらよさそうなもんだが、そういう議員のなかで社民党や自由党など吹けば飛ぶような弱小政党の連中はそんなことを訴えたところで政党に支持は集まらない。
しかし、自分の支持者は僅かながらにいるわけで、そういう支持者の注目をあつめるためにアピールせねばならない。まるでひな壇で結果を残そうと必死になる芸人のようだ。

福島瑞穂を始めとする社民、自由両党の7人は牛歩戦術でアピールした。かつては牛歩戦術によって採決が徹夜で行われるなどの異常事態が発生していたが、今では投票に制限時間が設けられているので、福島瑞穂ら3人は投票することができずに無効扱いになった。反対票も投票せずに権利を放棄したコイツらは、一体なんのために国会議員になったのか。

山本太郎は牛歩をしつつ、壇上で「恥を知れ!」と絶叫した。タレント出身だけに、自分の見せ方をよく分かっている。
非合理的な時間稼ぎをしたのだから、その時間のムダ遣いも相当な恥だと思うが、この手の人たちの面の皮は一般人の千倍くらいあるのでびくともしない。
こいつを国会議員にした東京都民はどう思っているのだろうか。屁のつっぱりにもならないこのアピールを「よく頑張っている」として、次も当選させるつもりなのだろうか。

国会は立法府だと思っていたのだが、次も国会議員に当選したい泡沫政党の議員が自己アピールをする場でもあるらしい。
嘆かわしい話だ。