20170629-1

先週の21日、韓国文化観光研究院が公開したデータを元に、聯合ニュースが「外国人観光客でもっともケチなのが日本人」だと報じた。

【朝鮮日報】訪韓旅行客 財布のひもが最も固いのは日本人=中東が支出額トップ (6/21)

韓国文化観光研究院が1万2000人を対象に行った調査によると、中東の観光客の旅行費用はひとり当たり2593ドルでトップ、日本人は813ドルでダントツで最下位だった。
日本人は韓国のりなど食品ばかり買うとの結果だった。

この費用に宿泊費が含まれるのか不明だが、多分含まれるのだろう。観光で2泊して200ドル使ったとすると、お土産や食事に600ドル使っていることになる。まあ、そんなもんだろう。
中東の連中は、美容整形や医療目的で訪れている人もおり、1割が1万ドル以上使っている。そのために平均を押し上げられた。しかも、1万2000人の調査対象のうち、中東の人間は135人しかいない。調査対象の1%くらいしかいないヤツらの平均値はあまり参考にはならない。日本人は中東の人間より圧倒的に多く韓国を訪れているのだから、消費総額では中東を遥かに上回っている。
聯合ニュースやその記事を配信した朝鮮日報は日本人をケチ呼ばわりしたかったに違いない。

日本人がケチ呼ばわりされて腹立たしい限りだが、韓国で大してカネを使わないのは確かだろう。
かつては美容整形のために韓国に行ったヤツも多いらしいが、中国人ですら整形や医療目的での渡航が減ったわけで、日本人で韓国で整形しようと思うヤツは相当勇気のあるヤツだ。だとしたら、韓国でカネなど使うわけがない。
この円安の時代に、ブランド品をわざわざ韓国で買う必要性もない。

昨年仕事で韓国に行ったとき、お土産として地元のスーパーでコチジャンと韓国のりを買っただけだった。コチジャンはまだ残っているし、韓国のりも食べ切れなくて捨てた。韓国のりは空港で買うとバカ高いが、スーパーで買うと安い。それ以外に、自分用に雑貨屋でタブレットを入れる韓国製のクッションバッグを買ったくらいか。
あとは食事だけだったので、あまりカネを使う必要がなかった。

当然である。中国人は韓国で平均2000ドル使っているが、中国人は化粧品や家電を買う。ところが日本人にとっては化粧品も家電も、韓国で売っているものは日本の下位互換のものばかりだ。化粧品ならともかく、家電になると保障もなし、電圧も違うものを買う必要がない。必然的に韓国のりばかりになる。

この2週間で2回台湾に行ったが、台湾でも似たようなものだ。ただ、韓国よりはカネを使った。私はカバンが好きなので、台湾に行くたびにカバンを買う。台北と台南でそれぞれ3万円ずつくらい使って帆布カバンを買った。わりと高めの台湾茶も買った。
あとは嫁さんに頼まれて、日本で買えないような食材を地元スーパーやカルフールなどで購入し、台湾のCDも買った。
2回行って、それぞれ5万円ずつくらい使ったが、せいぜいその程度だ。正直、高額なものがない。
空港に大陸からの観光客がいて、中国人には台湾でも家電を買って帰るカッペみたいなのが未だにいたが、日本人で家電を韓国や台湾で買って帰るヤツなどいないだろう。

台湾や韓国に行けば、日本の買いもの環境がいかに優れているかを実感できる。台湾や韓国のスーパーや雑貨屋を見ても、日本と比べて特に安いものはない。すごくいいというものもなく、日本人は日本では買えないものか、日本で買うと高いものだけ買っていくにとどまるのも当然だろう。
日本で売られているものは種類が豊富でかなり安い。台湾の場合、個人商店のような小売店が多く、なにか買うのに多くの選択肢はない。価格も安いわけではない。

台湾や韓国で買いものをすると、日本のありがたさが分かる。たくさんの種類があり、それなりに安いものを買うことができる。
そのうえ、ドラッグストアなど外国人観光客が来そうな小売店には免税レジがあり、その場で消費是の免税が受けられる。台湾の場合、同じ日に同じ店舗で2000元(7400円)以上使えば5%の免税が受けられるが、百貨店ならサービスカウンターに行かねばならないし、店によっては空港で免税処理をせねばならず面倒臭い。観光客に対してあまりフレンドリーではない。

それに対し、日本のドラッグストアや家電量販店は品揃え豊富で安いうえにその場で免税が受けられるのだから、外国人が購入して当然だ。しかも、日本で販売されている商品は海外に比べて洗練されたものが多く、ハズレが少ない。

日本では中国人の爆買いが減って外国人観光客のひとり当たりの単価が下がったが、相変わらず生活必需品を中心に外国人に売れている。免税措置などを日本政府が推し進めていることのほか、各小売店がそれぞれ努力しているからだ。
その一方、韓国ではTHAAD問題で中国人が減り、日本人に来てほしいくせに日本人がケチだと文句を付ける。魅力的な商品や購買意欲をそそるような小売店がないなど、自分たちの努力が足りないことを棚に上げ、他人を腐すことしかしない。

いいことは自分たちのおかげ、悪いことは他人のせいにするその性質を直さないと、韓国は韓国立国としていつまで経っても向上しまい。
問題を見つけ、改善することがものごとをよくするための基本なのだが、それを分かっていない韓国の観光業は未来永劫なにも変わらないままに違いない。