前にアマゾンのプライムビデオで「グッド・ワイフ」というアメリカの法廷ドラマを見ていると書いた。その「グッド・ワイフ」のシーズン2から、マイケル・J・フォックスが準レギュラーで出演している。いろんな訴訟で主人公と争うことになる弁護士の役だ。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でハリウッドスターの仲間入りをしたマイケル・J・フォックスは、1980年代後半から90年代前半にかけて数多くの映画に主演したが、30歳の頃に発症したパーキンソン病が原因で俳優活動を退いた。闘病について綴った自伝「ラッキー・マン」は世界的なベストセラーになった。
私も買って読んだが、重い病気でもポジティブに捉える彼の考え方はよかった。
しばらくは「スチュワート・リトル」というアニメ映画の声優だけをやっていたが、本格的にテレビ復帰し、いくつかのドラマに出演することになる。「グッド・ワイフ」はそのひとつだ。
パーキンソン病の役者がどう演技するのか気になると思うが、「グッド・ワイフ」では神経疾患を患った弁護士として登場している。マイケル・J・フォックス演じる弁護士は裁判の冒頭で陪審員に語りかける。「神経疾患のせいで手足が震えたり、変な動きをするが気にしないで欲しい」と。
これは弁護士としての常套手段だった。そうやって陪審員の注目を集め、同情を買う。彼は悪徳製薬会社の顧問弁護士をしていたが、神経疾患を抱える弁護士が弁護するなら、製薬会社の言い分が正しいように陪審員は思ってしまう。
「グッド・ワイフ」には腹黒い弁護士や政治家がたくさん出てくる。マイケル・J・フォックス演じる弁護士のほかにも、自身が臨月であることを利用して弁護に利用する女弁護士も出てくる。
陪審員も裁判官も人間だから、弱い立場の人の意見に耳を傾け、ついついその味方をしたくなってしまう。特に病気や障碍でハンディキャップのある人には肩入れしがちになるし、同情される方はそれを利用する。
まったく理解できないことだが、昔から障碍者は心が清らかだと信じ込んでいる人がいる。知恵遅れの場合はどうか知らないが、満足に歩けない、目が見えない、耳が聞こえないというハンディキャップがあることで、どういう理由で心が清らかになるのだろう。
そこらへんは健常者も障碍者も同じだろう。健常者と同じくらいの割合で障碍者にも悪いヤツがいるだろうし、同じくらいの割合で心が荒んでいる。私だったら、健常者に対する妬み嫉みが多く噴出することだろう。
すごくルックスがいい人と、すごくブサイクな人がいたとして、ブサイクな方が性格がいいように思えるが、実際にはブサイクにも性格の悪いヤツが大勢いるし、美人でも性格がいい人も大勢いる。
健常者と障碍者もそれと同じで、健常者だから、障碍者だからというのは心が清らかであるとかいう判断の基準にはなりえない。
それでも人間は、なにかしらのハンディキャップを抱える人とか、大変な人生を歩んできた人を応援したくなってしまう。そういう人たちなら大丈夫だと信じ込んでしまう。極悪な障碍者もいるだろうし、貧乏をして苦労しているから貧乏人に優しいなんてこともない。
乙武はめちゃくちゃ不倫するし、のし上がった貧乏人が貧乏人を蹴落とすなんてよくあることだろう。
だから、他人を信任するにあたって、本人やその周囲の境遇などを参考にしてはいけない。本人がハンディキャップを抱えるかとか、苦労している人生を歩んできたかなどばかり見てしまうと、判断を誤ってしまう。
その典型的な例が今井絵理子だろう。耳が聞こえない長男を持つ母親であることを訴えて国会議員になった芸能人で、当選してから政治の勉強をするとかほざいたアホである。
子育てでいろいろ苦労している人なら、国をもっとよくしてくれるだろうと期待されたはずなのに、国会議員としてなんの成果も残せず、不倫の恋愛をしていると週刊誌に暴露されてしまった。
今日発売の週刊新潮が、今井絵理子と自民党の神戸市議会議員と不倫愛をしているとスクープしていた。ふたりは、ホテルやマンションで一晩過ごしているのを何度も嗅ぎつけられ、新幹線で手を繋いで爆睡しているところを写真に撮られるという脇の甘さ。
橋本健とかいう神戸市議は既婚者であるが、妻とは別居していて、離婚調停も4~5年しており、結婚生活は破綻している。それを不倫だと目くじら立てるのもどうかと思うし、そうでなかったとしても政治家が不倫恋愛をしたくらいでいちいち騒ぐようなものでもない。
しかし、今井絵理子は政治家としてなんの結果も残していない状態で、政治家になって不倫恋愛という不名誉な結果だけを人々の記憶に刻み込んでしまった。
こんなヤツに期待する方が間違っていたのである。子供が障碍者だからといって、シングルマザーとして子育てをしているからといって、立派な親で間違いないとはいえない。仮に立派だとしても、政治家として適しているかは分からない。政治家としての思想や理念をなんら判断せず、「耳が聞こえない子供がいるから」とか「有名人だから」というクソみたいな理由で今井絵理子を国会議員にしたのは有権者である。
自身の選挙期間中、インタビューに対して「選挙期間中なので答えられません」とか「沖縄のことは分かりません」などと回答するヤツに票を入れた有権者は反省すべきだろう。
そんなことで騙される人が多いから、選挙で利用される。政治家に向いていないような候補者でも、有権者がコロリと騙される。候補者や政党からすればちょろいもんだろう。
単純な有権者が多いから、ハンディキャップを抱えたり、子供のことでいろいろ大変そうなヤツを適当に見繕って政治家に仕立て上げることができる。
政治家や候補者の人となりまで知ることは難しいが、少なくとも今井絵理子の件に関しては、本人の問題というより、そいつに投票した有権者の問題に思えてならない。
今井絵理子なんぞに期待を寄せるのも間違っている。こんなヤツはロクな政治活動ができない。せいぜい、派閥の親分の指示に従って国会で投票し、プライベートでときたま色恋沙汰を起こすだけ。
国民はいい加減に学ぶべきである。
コメント
コメント一覧 (2)
選ぶ国民にも責任はあるでしょうけど、こんな奴しか立候補していない不幸な地域まで出てきてる現状では、担ぎ上げる側が国民を小バカにしてるほうが問題だと思います。東京や沖縄なんて、おかしな人しか立候補しないですもん。
公募で集めた人材や、有名人だという理由で政治家にするとロクなことにならないと自民党もいい加減気がついたことでしょう。
彼女は違いますが、小選挙区の場合は選択肢が限られるのでどうしようもないことがありますが、せめて国会議員の候補者は市会議員、県会議員を経た叩き上げとかちょっとは知恵が働く人にした方がいいのかも知れません。
まあ、そういう議員でも問題は起こすわけですが。割合的にはどうなんでしょうね。
よくない人が多く国会議員になれるのは、定数が多いからというのも理由だと思うんで、議員定数も最低でも今の半分くらいでいいんだと思います。