20170801-1

私の人生とか価値観に大きな影響を与えたのは、間違いなく上岡龍太郎だと思う。笑福亭鶴瓶とのトーク番組「鶴瓶上岡パペポTV」が好きで、中学生の頃から毎週欠かさず見ていた。
今になって思えば、上岡龍太郎は金言のような深いことをよく言っていた。

上岡龍太郎は1円玉を落としても拾わないと言っていた。上岡曰く、腰をかがめてお金を拾う動作は労働の対価としては3円だから、1円玉を落としても拾わず、5円玉なら拾うとしていた。
それが本当かどうかは知らないが、自分の行動がいくらになるのかを考えるのは重要だ。100円を節約するために、遠出の買いものをしてガソリンを200円使ったら意味がない。時間の対価を考えることも必要だ。
1円を落として拾わない人はいないと思うが、そのような考え方を持つことは必要だ。かっぱ寿司の寿司食べ放題のために何時間も並んだり、ポケモンGOで50円欲しいがために何十分も時間を浪費している人を見て何をしているのかと思わずにはいられない。

番組内で鶴瓶がよく「○○すると、いつも△△になる」ということを言っていた。例えば、新幹線やエレベーターに乗ると毎回変な人と会うという内容である。それに対し上岡龍太郎は、「それはキミがそう覚えているからであって、毎回ではない」とツッコんでいた。鶴瓶はムキになって「本当にいつもなんや」と荒れていたが、これは上岡龍太郎が正しい。
鶴瓶のような認識は確証バイアスと呼ばれる。強く意識したことだけ記憶に残り、そうでないことは忘れてしまう。「ここの道はいつも信号にひっかかるな」と思っても、赤信号のときだけ覚えていて、そうでないときに覚えていないからそう考えるようになる。
「いつも○○だ」と主張するときは、偏りを取り除き、理屈で話をせねばならない。

また、上岡龍太郎がとある空港で並んでいるときに、ビデオ撮影をしている一般人から「何か面白い話をしてください」と言われたとして大変憤慨していた。
上岡は「自分は芸人で喋りのプロであり、そのプロに対してタダで面白いことを話せとは何ごとか」、「プロの彫刻家がいたとして、その人にちょっと彫ってくださいと木を渡すのか」と憤っていた。確かにそのとおりだ。
「YOUは何しに日本へ」という番組で、空港でインタビューをしている番組ディレクターが、日本にやって来た音楽家や歌手に対し、「ちょっと演奏してみてください」とか「ちょっと歌ってください」とよくお願いしている。
それには「この程度のプロなら、お願いしたらやって当然」という思いがある。プロのバイオリニストに対して「ちょっと弾いてください」とは大変失礼な話で、確かに上岡が言うとおり、彫刻家に何か彫れと言っているのと同じだと思う。
番組でディレクターがそう言うたびに、上岡龍太郎の発言を思い出す。

鶴瓶がドラマに出演した話で、鶴瓶が共演者の小川知子について「小川知子の演技はすごい」と言うと、上岡は「すごいという言葉自体には意味がない」、「すごい上手、すごい下手、どっちにもなる」とツッコんで鶴瓶をキレさせていた。
今も「すごい」とか「やばい」とテレビでよく言われるが、何がすごくて、何がやばいのか。そこらへんの言葉はもうちょっとうまく使った方がいい。

そして、政治家が何か事件を起こすたびに上岡がよく言っていたのが「政治家は一番下の人間」である。
スポーツ界などでダメになった落ちこぼれがタレントや芸人になり、そのタレントの落ちこぼれが政治家になるわけで、あらゆる業界でダメになったヤツが行き着く最下層が政治家だというのが上岡龍太郎の持論だった。

言われてみれば、どこぞの業界でダメになったから転身したという政治家が多く、政治の世界はほかの業界から転落した人間の掃き溜めのようで、政治家にはカスみたいなのが多い。

「このハゲー」と絶叫しながら秘書を殴った豊田真由子もそうだろう。官僚から代議士への華麗なる転身かと思われたが、実際は人望もなく、官僚としての先が見えなくなったゆえの転身ではないのか。ちなみに、豊田真由子は東大1年生のときに、上岡龍太郎のテレビ番組の「東大女子50人」という企画に出演し、ジュリアナダンスを披露していたそうだ。
このとき彼女が、上岡から「政治家は最下層」と強く刷り込まれていたら、政治家になってあのような恥を晒すこともなかったかも知れない。

今井絵理子と不倫したと報じられた橋本健という神戸市議に抗議するため、神戸市役所に多数の抗議の電話がかかっているらしい。政治家が不倫したり女にうつつを抜かしたくらいで怒っていたらキリがないのだが、抗議したくてしょうがない人はどこにでもいる。
そういう人たちは、政治家は志も人となりも立派だと思っているから怒るのだろう。最初から政治家は最下層の人たちで、カスの寄せ集めだと思っておけばそれほど腹も立たない。選挙はカスのなかからマシなカスを選ぶものであり、ふるいにかからなかったカスが議員になり、馬脚を現したところでいちいち怒ってもしょうがない。

どうしようもないカスだと思うなら、次から当選させないようにすればいい。
政治家に求める理想が高すぎるから、何かあるたびにいちいち腹が立ってしまう。最初からどうしようもないカスたちがたくさんいることを理解しておけば、いちいち怒らずに済む。
たまにハズレがいるのではなく、たまにアタリがいるだけなのが政治家だと思っておけばちょうどいい。