20170806-1

安物買いの銭失いとはよく言ったもんで、安モンを買って使いものにならなかったとか、別のものを書い直したということは本当によくある。

昨年6月、Amazonでロボット掃除機を2万5000円で購入した。ANKERという米企業が家電に参入して第1段としてリリースした「RoboVac 10」という製品だ。
ANKERはGoogleの社員だった人物がGoogleを辞めて立ち上げた企業で、モバイルバッテリーやUSB充電器でよく知られており、ANKERのモバイルバッテリーをいくつか持っていて、いいものばかりなのでANKERを信じて買ったが、ちょっと失敗だった。

「RoboVac 10」はどこぞの中国企業からOEMで購入してANKERブランドで出した製品らしく、そこらへんの中華ロボット掃除機と同程度の品質だ。
普通に掃除はしてくれるのだが、ひとつだけどうしても気に入らないところがあった。段差などを検知する仕組みが入っているはずなのだが、掃除をさせると必ず玄関に落ちてしまうことだ。夜の間にタイマーで掃除をかけると、朝に玄関で逆さまに転がっている無残な掃除機を見ることになる。
しょうがないので、上がりかまちに段差になるような鉄の棒を置いて、障害物と認識させることにした。おかげでアホなロボット掃除機が玄関に落ちなくなったが、玄関に棒が横たわっているのを意識せねばならず鬱陶しい思いをしていた。

そこをずっと不満に思っていたので、先月のAmazonのプライムデーでiRobotのルンバ870を購入した。フィルター2個おまけで4万円だった。
さすがロボット掃除機のさきがけだけあって、ルンバはかなり賢い。安モンと比べるといかにも高そうな作りになっていた。

前の2万5000円のロボット掃除機で学習していたおかげで、リビングの床にものをあまり置かないようにし、扇風機のコードなどが掃除機に巻き込まれないよう配線していたおかげで、ルンバは最初からうまく使えた。また、バーチャルウォールという赤外線を発する機械が2個付属していて、それを使えば行かせたくない場所に見えない壁を作ることができる。
ルンバは放っておいても玄関から転落しないようだが、玄関にバーチャルウォールの機械を置けば間違いなし。日本の家庭事情に合わせて吸引力を強くしており、犬や猫の抜け毛もバッチリ集めてくれる。

こんなことなら、最初からルンバを買っておけばよかった。2万5000円でロボット掃除機がどんなもんか試してみようと思って買ったわけだが、1年で使わなくなったことを思うともったいなかった。
実家では使えるだろうか。

Amazonで「安いから」とか「よさそうだから」という理由で大して考えずに買ってみて、結局よくなかったとか使わなかったというものが山ほどある。どれだけ安く買ったところで、そういう無駄遣いをしていては意味がないのだが、買いものとはそういうもんかも知れない。

とはいうものの、買う方としてはちょっとは賢くなってきた。少し前にマーケットプレイス詐欺というのが流行ったが、元々マーケットプレイスでは買わなかったのだが、どうしても必要なときはちゃんと吟味するようになった。

例えば、今日タイムセールになっていた車のトランク用ケースを見てみよう。

【Amazon.co.jp】CATUO 車用収納ボックス 大容量 折り畳み式 防水 滑り止め 60x40x33cm 大中小型車用

車のトランク部分がゴチャゴチャしている人にはよさそうな商品だ。私は樹脂製のハードケースを車で使っているのと、こんなデカイものでトランク部分を専有してしまうと、米やらペットボトルのケースやらを載せられなくなるので買わないが、評価を見るとよさそうに思える。
ただ、この手の商品には注意が必要だ。

商品の説明を読むと、「高密度オックスフォードを作られて,ボックスが変形なし」と不自然な日本語で書いてある。日本語の「てにをは」といった助詞は外国人にとってうまく使い分けるのが難しい。
商品を出品している「Songholy」という販売業者のリンクを見てみると、中国の広東省深圳市の企業だと分かる。
発送がAmazon.co.jpになっていて、お急ぎ便でも来るので、日本のAmazonの倉庫にあってそこから来るからまだ安心だが、たまに中国からEMSで発送されてくるものがある。その場合、船便で来るので2週間くらいかかる。

こういう商品の善し悪しを見るため、大抵の人はレビューを見る。13人が全員星5つを付けているが、「Amazonで購入」という印が付いていないレビューは日本語もレビュワーの名前も不自然だ。
最初に中国の販売業者が10件だけ星5つでサクラのレビューを付けているのである。こういう商品はAmazonに山ほどあって、レビューの平均値だけ見て買ってはいけない。

中国の業者が中国で販売されている商品をAmazonで売っているからといって、必ずしも悪いものではないのだが、なかにはよくないものも含まれる。
特に、無線LANやBluetoothなど電波を発する電子機器、電源を日本のAC100Vのコンセントに接続する家電などは、日本の法令に定められた規格を取る必要があるのだが、取得には費用と時間が必要で、中国企業がAmazonを通じてそのまま販売していることがある。
表記のないものは違法製品であることが多く、一度指摘したことがあるのだが、中国業者が製品の代金を返してきた。そのあと、Amazonに問い合わせ、こちらが調べる形で返品するハメになった。不誠実極まりない。
そのうえ、違法製品である旨を記した私のレビューをAmazonに抗議して削除するなどしてきた。私が逆にAmazonに抗議し、自分のレビューを消した理由を問い詰めると、レビューが復活した。

Amazonに対し、「法令違反の商品を指摘するレビューを販売業者に言われるまま削除するとは法令遵守の精神はないのか」とゴチャゴチャ問い詰めると、違法製品は排除するよう努力しているなどと返事があったが、電気用品安全法に違反していると指摘した商品はまだAmazonで販売されている。

正直なところ、Amazonで中国の業者が販売している中国製品は買わないほうがいい。とくに電子機器とコンセントに接続する機器だ。即火事になるとは言わないし、安全性に欠けるかどうかは分からないが、日本の基準に合わないものより、合ったのものの方がいいに決まっている。
トランク用ケースとか、ハンドスピナーとか、どうでもいいものは好きにすればいいが、万が一のときに火を噴いたりする可能性があるものはやめておくべきだ。

玄関から転げ落ちる2万5000円のロボット掃除機くらいなら「安物買いの銭失い」で済むが、得体の知れない中国製品で火事にでもなれば銭失いでは済まなくなる。
中国のネット通販サイトのみならず、Amazonでもサクラレビューを載せまくるなど、カネ儲けならなんでもやる中国企業に騙され、損をしないようにしたい。