20170807-1

私が住む滋賀県は、どういうわけかあまり台風が直撃しない。ここ十数年、台風による暴風や豪雨の被害とかの記憶がない。ただ、今回の台風5号は近畿直撃コースではないかと心配していた。
朝起きたら、案の定雨がメチャクチャ降っている。まだ四国にあるというのにものすごい大雨だ。
嫁さんが弁当を作っていたので、とりあえず駅まで行ってみたが、駅に着いたときにはズボンの膝から下も、靴までビショビショになってしまった。

あまりにもイラッと来たので、会社の先輩に「今日は会社に行きません」と連絡を入れた。家を出る前から迷っていたのだが、出勤すると帰りの時間に台風の暴風域に入っている可能性がある。朝に濡れたせいで出勤する気が失せてしまった。
昨年、台風でもない大雨のため、JR京都線が運転見合わせになり、金曜日の晩に大阪駅の電車内で一晩過ごすハメになり、翌朝も電車が止まったままなので新幹線を使って新大阪から京都まで移動してやっとこさ帰った記憶がある。そんなことは二度とゴメンだ。
私が勤める会社は頭がオカシイので、台風が来ても社員に早く帰れとは絶対に言わない。定時まで仕事をさせるのは当然と考えている。フレックスタイムで午後3時に帰ったとしても、帰りにまたもやビショビショになるのは間違いなかった。

休んではみたものの、朝の6時くらいにメチャクチャ雨が降っただけで、そのあとはちょっと多めに降っているくらいだったので、出勤できないこともなかったが、どうせ毎年有給休暇を消化しきれずに失ってしまうだけなので、休んでもバチは当たるまい。
雨が降って会社を休んでいたら「南の島のハメハメハ大王」みたいだが、台風直撃が分かっているのに出勤する方がどうかしている。

日本よりも圧倒的に多く台風が来る台湾では、台風が来そうなときに市や県の首長が「颱風假」という台風休みを宣言して学校や役所、銀行などが休業する仕組みがある。民間企業も大体休みになって、コンビニや個人商店の一部は開いていることがあるが、百貨店なども休みになる。だから観光で行っているときに台風に当たると、地下を使って雨に濡れないように移動しても百貨店などが閉まっていて買い物すらできないということがよくある。
観光客としては最悪だが、行政が台風休みを宣言してくれる方が堂々と休めるからいい。日本では、職場の目を気にして台風の日にイヤイヤ出勤している人が多いだろう。

だから、日本も台湾に倣って台風休みを設ければいい。お盆前に山の日とかいう意味不明な休日を作ったり、キッズウィークというクソみたいな制度で休みを分散化させる前に、台風でも出勤しようとする日本のサラリーマンから救ってはどうか。

日本人はかつては働きすぎだと言われたが、休日の日数だけで見るとそうでもない。中国人、台湾人、韓国人の方が少ない休日で、毎日長く働いている。
それでも有給休暇の消化率が悪いので、休みは少なくなる。そこで政府が知恵を絞ってキッズウィークを設け、ムダに長い子供の休みを秋に振り分け、そこに有給休暇を使わせるという魂胆だ。

休暇の分散自体は悪いこととは思わないが、有給休暇の取得率を上げたいのであれば、未消化として消えることになる有給休暇の余剰分を会社に買い取りさせれば、カネを払いたくない会社は有給休暇を未消化にさせないよう積極的に休みを取らせる。ついでに、年末やお盆以外に5日連続で休みを取らせるよう義務付けりゃ、適当に休みが分散する。

有給休暇を企業が買い取ることは行政通達によって不可とされているそうだ。だからそんな話を聞いたことがない。
政府の言い分では、カネで労働者の休暇を買い上げ、休みを減らすことはよくないことらしい。「カネ出すから働け」のなにが悪いのか分からないが、カネにするか休みにするかは労働者に選ばせりゃいいし、そもそもそんな心配をしなくても、会社はカネを払いたくないから社員に有給休暇を取らせ、その穴埋めのために休んでいない社員を余計に働かせるだけだろう。

だから、キッズウィークもいいが、台風が来ているときに行政から休暇を推奨するくらいしてもいいと思う。上っ面でいい格好をしたい企業ばかりだから、行政に逆らって出勤しろとは言わないだろう。気を遣わずに有給休暇を使え、残りが少ない人は強引にでも出勤すりゃいい。
この制度に誰が反対するというのだろう。

台風の日にずぶ濡れになりながら気合いで出勤する必要などない。休めばいいし、店も閉めりゃいい。
それを後押しするのは政府しかない。