漫才コンビのブラックマヨネーズの吉田敬が「実話ナックルズ」とかいう雑誌を購読しているとテレビで語っていた。芸能界のスキャンダルや犯罪者、裏社会などをテーマにしている実話誌らしい。それ読んでヤクザの世界をいろいろ知ったと語っていた。
実話誌でヤクザ社会の実態を知ることができるのかは疑問だが、実話誌がヤクザの話題を好むことは間違いない。読んだことはないのだが、ヤクザの組織がどうなっているかとか、組織ごとの相関図とかがよく出てくるので、ヤクザに詳しくなるという。
主要な暴力団として、山口組、住吉会、稲川会などは聞いたことがあるが、誰が組長なのかもよく分からない。山口組の6代目組長の通称・司忍とかいうのがたまにニュースに出るので知っているくらいだ。幹部なんか知らないし、そもそもヤクザ組織がどういう風に構成されていて、上下関係がどうとか普通の人はまったく知らないだろう。
ヤクザの小さい組織が集まって中くらいの組織になり、それが集まってさらに大きな組織になっているということも知らなかった。昔の東映のヤクザ映画を見ていた人は知っているかも知れないが、私がそれを知ったのは「龍が如く」というテレビゲームのシリーズだった。
ゲームに出てくるような弱きを助け強きを挫くようなヤクザが実際にいるとは思えないが、大きい組織のなかで中くらいの組織同士が跡目やシノギを巡って抗争をすることは理解できた。
大きい組織同士の抗争は分かるが、同一組織内での抗争が現実のものに思えなかったが、近年の山口組の動向を巡るニュースを見ていると実際にあるのだと学んだ。
山口組の6代目組長・司忍は、弘道会という二次団体のトップで、本部が名古屋にある。元々山口組は神戸に本部を置く暴力団だったが、名古屋の弘道会の構成員が幹部として重用されることが多くなり、反撥が出て2016年に神戸山口組が分裂した。さらに、今年に入って神戸山口組から任侠山口組が分裂した。
この3つの組織が互いに抗争を繰り広げていて、今日も任侠山口組の代表が銃で頭を撃たれて死亡するという事件があったという。
なんでも、任侠山口組の織田絆誠という代表の家から車が数台出てきたところに別の車がぶつかってきて、現場で小競り合いをしているうちに「撃ってみんかい」と啖呵を切ったところ、実際に撃たれたのだという。
「撃ってみんかい」と言ったのが死んだボディガード本人かは知らないが、北野武の「アウトレイジ」みたいな死に方だ。
少し前に日本映画専門チャンネルで「アウトレイジ」と「アウトレイジ
ビヨンド」が放送されているので見てみた。関東一円を支配する巨大暴力団内部の抗争を描いた映画で、登場人物がヤクザかヤクザに通じた悪い警察かのどちらかで、映画のキャッチコピーどおり「全員悪人」だった。
北野武の暴力映画は深作欣二やクエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲスといった監督が撮る暴力映画と共通していて、登場人物があっけなく死ぬ。普通の映画なら、重要な登場人物は死ぬ間際にごちゃごちゃセリフを言って死ぬが、北野武の映画ではそうではない。めっちゃ怖そうだった椎名桔平が、なんの抵抗もできずにあっけなく無残な殺され方をしていた。
「アウトレイジ」はストーリーはあってないようなものの、なかなか面白かった。これと同じようなことを山口組の連中がやっているのかと思うと、周辺のカタギの人はたまったもんじゃないかも知れないが、外野から見ている限りは面白そうに見える。「アウトレイジ」に出てくるザコヤクザのように啖呵を切って、映画そのままに呆気なく殺されたのだ。
映画なら、組員を殺された方が復讐するのが次の展開だろう。実際にそうなるに違いない。
ヤクザが殺し合ってどうなろうが構わないが、巻き込まれることは勘弁願いたい。映画やゲームでは一般人はあまり巻き込まれないが、現実は下手するとヤクザが死なずに一般人だけ死んだりする。
現実はそう甘くはない。
そういう意味では、映画やゲームに登場する筋を通す格好いいヤクザや、正義のヤクザなんてのもいないのだろう。ヤクザのイメージは、飲食店からみかじめ料をむしり取り、中国人窃盗団の手先となって移動車の運転手や下調べを行うようなチンピラだ。特に中国人犯罪者の手先となって強盗の片棒を担ぐヤクザが情けない。カネのためにプライドを捨て、中国人にアゴで使われているのである。
それを思うと、周囲の迷惑を顧みずに抗争で殺し合いをしているヤクザもけしからん存在だ。カタギに迷惑かけまくり。
この世の中で、ヤクザが社会の役に立つことなどあるのだろうか。警察が本気で潰さないところを見ると必要悪と捉えられているのかも知れないが、一般人からすれば問題しか起こさない連中は不要でしかない。ヤクザが存在することで外国の犯罪組織の流入を阻止できているならまだしも、逆に強盗に手を貸すくらいだからそうとうも言えない。
ヤクザは映画やゲームの中だけで十分だ。
コメント
コメント一覧 (3)
本国に帰ってほしいですよ。
二作とも見て感じたのは、とにかく北野武本人の演技がとにかく大根で見てられないってことでした。ま、あくまで私個人的な感想ではありますが…。
役者が本職ではないにしろ、彼自身のシーンになると急にシラケちゃうなと思いながら観てました。
報道などでは出てこないですが、あれだけヤクザ映画が好きで自らカメラを回して撮るほどの北野武氏が、ヤクザ社会と全く縁が無いのかどうか怪しいところだけどなとも考えますけどね。。
ホント、なんかヤクザ社会を美化する向きがタマにありますが、実際迷惑しか掛けてないだろう彼らを何を持ち上げてんだと思います。
ヤクザの幹部もニュースでよく○○こと△△って韓国の本名が出てますね。4割だったか何だったか、結構な割合が在日のようで。
だとしたら、ヤクザが日本の犯罪組織ってのも何かヘンな話だったりしますね。
>> ひぃさん
たけしは事故してから何を言っているのか聞き取りにくくなったのもマイナスでしたね。「龍が如く6」で尾道の小さいヤクザの組長をやっていましたが、そこでも同じでした。
たけしはたけし自身を演じている感じですね。
あと、「ファッキンジャップくらい分かるよバカ野郎」ってセリフが「アウトレイジ」のだと思って期待していたら出てこなくて、調べたら別の映画だったと分かってひとりで変な空気になりました。