20170928-1

昨日の新聞で「民進党解党へ」という記事を読んで「ホントかよ」と思ったが、今日になって本当に民進党が事実上解党されることが決定した。
今日28日午後に民進党の前原誠司代表が次の総選挙の候補者を擁立せず、小池百合子率いる希望の党に公認を貰えるよう申請したうえで希望の党を全力で支援すると明らかにした。

前原代表は「名を捨てて実を取る」とうそぶいた。他党への合流ではなく、安倍政権打倒、政権交代のプラットフォーム作りなのだという。
これは単にものは言いようであって、実際は野党第一党である民進党がぽっと出の政党である希望の党への合流する事実に変わりはない。民進党にはプライドも信念もなかったことがよく分かった。そんな政党が東日本大震災や原発事故の対応にあたっていたのだから、恐ろしいというほかない。

今回の解散総選挙について、民進党の連中はさんざん「自民党の党利党略による解散だ」と批判していた。「政権交代のため」と屁理屈をこねているが、実際は自分たちの生き残りのために希望の党に合流するわけであって、これまでどの面下げて自民党を批判してきたのだろうか。

希望の党は日米安保や憲法改正に肯定的で、これまで態度を濁してきた民進党の一部のリベラルな所属議員には相容れないだろうし、希望の党が参院を廃止して一院制にする公約を掲げていることに参院議員が反撥している。そのため、民進党は即座に解党するのではなく、しばらくそのままになるという。
リベラル派と参院議員の残りカスだけが民進党に残ることで、年間100億円弱の政党交付金を返さないつもりのようだ。解党すると交付金を国庫に戻さねばならないが、形式的であっても存続させることで政党交付金を次の総選挙の費用にすることができる。
希望の党も選挙費用は喉から手が出るほど欲しいから、政治経験のある政治家を候補にでき、それら候補者の選挙費用を民進党に出させたりでき、願ったり叶ったりなのだろう。

政策云々によるものではなく、完全に次の総選挙での生き残りのために事実上党を解散したことについて、民進党の支持者らはどう思っているのだろうか。これまで応援してきた政党が一夜にしてなくなるも同然なのである。
民進党や山尾志桜里を強く推していた小林よしのりはブログで「合理的選択だ」として評価しているわけだが、「合理的だからまあいいか」で済ませる人がどの程度いるのだろうか。週刊誌に熱愛を報道され、AKBグループの総選挙で突如結婚宣言をしたNMB48のメンバーがファンを打ちのめしたが、それに近いような気がする。
困惑しているのは民進党支持者だけではない。旧社会党の流れをくむため、民進党支持を打ち出していた部落解放同盟や一部の労働組合などは今後いったいどうするつもりなのだろう。

民進党の動きによって総選挙が一気に流動化してしまった。政権交代を果たせなくとも、希望の党が野党第一党になるのはほぼ間違いなさそうだ。万が一政権交代ともなれば、小池百合子が初の女性総理になる可能性もあるが、総理大臣は国会議員でなければならないため、欲を出せば都知事を辞めて次の総選挙に立候補するしかない。
そうなれば、総理大臣になりたいから都知事の職を放り出して衆院議員に戻るのと同じであり、普通の感覚ならばそのようなことはできないが、小池百合子は厚顔無恥な女だからそのくらいは平気かも知れない。
小池百合子はまさに濡れ手で粟の状態である。安倍首相に楯突いて干され、自民党を飛び出して都知事に立候補したらなぜか人気に。その人気にあやかって民進党のザコどもが身を捧げてくるのだから、ウハウハ状態である。大きな政党の代表として君臨し、一時は諦めていた総理大臣の目も出てきた。

このきっかけを作ったのは山尾志桜里ではないか。山尾の不倫報道が支持率で伸び悩む民進党に打撃を与え、安倍首相に解散総選挙のチャンスだと見られてしまった。民進党は事実上解党され、小池百合子が図らずも大物政治家にのし上がる気配。すべて山尾のおかげであり、それを報じた週刊文春のおかげでもある。

週刊誌のクソしょうもない不倫報道が政界再編に結びついた。それだけでも日本の政治がアホみたいなことが分かるが、それがきっかけで政権交代ともなればもっとアホだと証明されることになりはしないか。

いずれにしても、政権交代しようがしまいが、自民党も希望の党も憲法改正に肯定的だから憲法改正が実現しそうな感じではある。
山尾志桜里の不倫のバタフライ効果で憲法改正が実現されたとなると、女性議員の不倫が歴史を動かした― と後世で振り返ることになりかねず、なんともいえない気持ちになる。