20171019-1

昨日18日(水)に北京で開幕した中国共産党大会で、習近平が3時間半にも及ぶ政治報告を行った。前回2012年の党大会で胡錦濤が行った演説が1時間30分だから、いかに長いかがよく分かる。共産圏の独裁者がウダウダと話す演説と同じだ。
演説をぶつ間、習近平は時折水を飲むものの、3時間半ぶっ通しで喋りまくった。3時間半も演説する方もスゴイが、それを聞く連中もスゴイ。北朝鮮なら寝たら死刑になるからうたた寝などはしないだろうが、中国でもなにを理由に失脚するか分からない。緊張感を持って3時間半聞かされる方はたまったもんじゃない。2300人集まったとされる党代表らはどのようにガマンして聞いていたのだろうか。

演説のなかで習近平は反腐敗キャンペーンの成果を自慢した。「ハエもトラも叩く」とされる反腐敗キャンペーンは、要するに都合の悪いヤツを追い落とすための口実だ。中国の行政は上から下まで腐りきっていて、末端の役人から党の上層部までクリーンな人間はいないだろう。
中国で仕事をすると、アレコレ難癖つけて賄賂を要求する役人が年に1回くらいやって来る。ヤクザのみかじめ料のようなもので、下っ端がそれなのだから、上がどんなものかは容易に想像がつく。
しかし、中国共産党で上の方までのし上がるような連中は、カネと権力で人心掌握してうまくやりくりしているのだろう。

今度の党大会で、習近平は前国家主席の胡錦濤と元国家主席の江沢民を従えるようにして歩き、尊大な態度を見せていた。党の序列上位が並ぶテーブルでは、椅子がギッチリ並べられていたが、習近平の真ん中の席だけ左右に空きがあり、いかにも偉そうな感じだった。習近平は毛沢東や鄧小平と並ぶ指導者になりたいようだが、その様子は皇帝のようでもあった。

江沢民や胡錦濤がさながら習近平のお付きようになっていたわけだが、コイツらは失脚しないだけまだマシである。江沢民は習近平に目の敵にされているようだが、それでも権力を振りかざして身を守ってきた。
最高権力の座から退いた途端に転げ落ち、袋叩きにされるのが中国のお隣の韓国だ。大統領から退いて一般人となった政治家をいろんなことを口実にして逮捕し、牢屋にぶち込んだり、死刑判決を出したりしてきた。捕まらなくても自殺に追い込まれたヤツも少し前にいた。ロクな余生を過ごしていない歴代大統領ばかりである。

朴槿恵も例外ではなかった。弾劾されるかのように大統領の座から退いたら、収賄だのなんだので逮捕され、裁判を受けるために拘置所に留め置かれている。「証拠隠滅の恐れがある」として保釈も認められず、6か月拘置され、さらに6か月の延長が認められた。それに抗議するため弁護団が全員辞任し、国選弁護人で裁判を続けることになるという。引き継ぎに時間がかかるため、裁判の開始も大幅に遅れ、未決勾留期間が更に伸びる。
朴槿恵はいくばくかの特別待遇は受けているが、直近まで大統領をしていた人間のこの転落ぶりは少し可哀相に思えてくるほどだ。まさに、水に落ちた犬を袋叩きにしている。

水に落ちた犬を打てと説いたのは魯迅だった。水に落ちた犬を不憫に思って手を緩めてしまうのではなく、陸に上がって再び咬み付くようなことがないよう徹底的に叩きのめせということらしい。日本人からすると、そのような情け容赦のない行動はよしとされないが、中国ではそれが是とされ、かつてシナの属国を1000年以上続けていた朝鮮半島の連中にも受け継がれており、忠実に守っているのが韓国人だ。

韓国人は歴史的なシナの影響を否定するために漢字を捨てた。シナの影響を否定するのならば、シナの文化、考え方も捨てたらいいのに、それは捨てないらしい。
日本は他国のいい文化を取り入れ、独自に昇華させた。韓国は他国から文化を取り入れたことをなかなか肯定しないが、実際は中国の文化や思想はよく取り込んでいる。つまり、赤ん坊の死体を粉にして薬として服用したり、落ちた犬を死ぬまで叩き続けることは内心ではいい文化と考えているのだろう。