20171115-1

ここ最近、時間があればアマゾンプライムの「有田と週刊プロレスと」という番組を見ている。くりぃむしちゅーの有田哲平が過去の週刊プロレスをネタにプロレス談義に花を咲かせるという番組だ。
VTRなど一切なく、ただ有田がゲストを相手にプロレスを語っているだけで、プロレスを知らないとちっとも面白くないだろうが、プロレスを知っているならすごく楽しめる。

放送第1回は、新日本プロレス(新日)の1995年10.9東京ドーム大会だった。新日から派生したUWFが分裂してできたUWFインターナショナル(Uインター)との団体抗争戦で、メインイベントで武藤敬司が高田延彦をドラゴンスクリューからの4の字固めで破った伝説の一戦が行われた。

当時Uインターは「最強」を謳って格闘技路線を進んでいた。そのUインターを伝統的なプロレスをしていた新日がトータルで5勝3敗で破り、しかも大将の高田延彦からプロレス技でギブアップを奪ったことは大きな意義があった。10.9東京ドームはプロレスファンには強い思い入れがあるイベントなのである。

有田がそれを詳しく語っていたのだが、Uインターが新日と団体抗争を展開するきっかけについて第20回で語られていた。

前年の1994年、当時アメリカの総合格闘技UFCで無敵のチャンピオンだったホイス・グレイシーの兄、ヒクソン・グレイシーは400戦無敗でもっと強いと日本でも話題だった。そのグレイシー一族を試合に呼び込もうとしていたのが格闘技路線を走るUインターだったが、グレイシー一族がなかなか話に乗ってこない。業を煮やしたUインターの安生洋二が1994年12月、アメリカのヒクソン・グレイシー柔術アカデミーへ道場破りに行き、完膚なきまでにボコボコにされて失神KOをするという事態になってしまった。

この道場破り事件以降、最強を謳っていたUインターも大したことないとプロレスファンに思われるようになり、興行的に苦しくなったUインターが新日本プロレスと団体抗争戦を行うわけである。
私のプロレス人生のなかで、新日とUインターの団体抗争は一番面白かったと思うのだが、それが新日の最後のピークだったかも知れない。同時期に総合格闘技ブーム、K-1ブームが起き、プロレス人気が下火になってしまう。新日本プロレスから橋本真也や武藤敬司が離れたり、全日本プロレスのゴタゴタも相まった結果かも知れない。

そのあとしばらくプロレスブームはくすんだ状態だったが、5年ほど前に新日本プロレスの経営母体がブシロードというカードゲーム会社に変わってから一変し、女子人気を取り込むなどして再びブームの火を燃やすようになってきた。テレビのバラエティ番組でプロレスラーをよく見かけるようにもなった。

一旦人気が落ち込むとそれを回復させるのは大変だが、あの手この手で頑張って乗り切るしかないのである。

プロレス界と同じように、相撲界も人気が著しく落ち込んだことがあった。千代の富士やら若貴やらブームが何度もあったが、若い力士を親方がビール瓶で殴って翌日の稽古中に死亡させるという事件が起こったり、朝青龍が知人の一般男性に暴力を振るうなど暴力事件が相次いで、見限られるようになってしまった。
私は元々相撲には興味がなかったのでどうでもよかったが、ここ最近は落ち込んだ人気も回復し、満員御礼が続くようになったようだ。

せっかく人気を回復した相撲界だったが、スポニチが昨日報じた横綱・日馬富士の暴行事件で全部吹き飛びそうな様相を呈している。
報道によると、貴ノ岩(貴乃花部屋)というモンゴル出身の力士が、鳥取巡業の際に「モンゴル人飲み会」で一緒に飲みに行った日馬富士(伊勢ヶ浜部屋)にビール瓶で顔面を殴られ、馬乗りになられて20~30発拳で殴られたのだという。貴ノ岩は顔の骨を折るなど大怪我を負った。

その後の報道では、日頃から先輩への敬意が足りないと怒っていた日馬富士が、飲み会の席で自分が喋っているのに貴ノ岩がスマホをいじっていたとか、「あなたたちの時代は終わった」と発言したとかで激昂し、ボコボコにしたのだという。
もし貴ノ岩が先輩への敬意を蔑ろにしていたり、生意気な口を効いていたのなら誰かがシメていいのだろうが、横綱が激キレして傷害事件を起こしてはならない。横綱には品位とか品格とかいうものが求められるらしいから、そんなことくらいで後輩をボコボコにして病院送りにしてはいけないのだ。

どういう理由だろうが、先輩が後輩をボコボコにしてしまうのは問題だ。ましてや、横綱ならなおさらだ。朝青龍が事実上横綱の地位を追われて出ていったのだから、日馬富士も同じ憂き目に遭うのは間違いない。まあ、身から出た錆というやつだ。

しかも、貴乃花親方は10月29日に鳥取県警に被害届を提出しており、取り下げることも考えていないらしい。ややこしそうな貴乃花親方が相手だから、相撲協会が火消しをすることもムリだろう。
その相撲協会にしても、事実を知っておきながら隠蔽していたフシがあり、間違いなく相撲ファンの反感を買う。それに、飲み会には白鵬と鶴竜の両横綱も同席しており、白鵬は暴れる日馬富士を止めに入ったそうだが止められず、鶴竜は日馬富士から罵声を浴びせられたそうだ。結果的になにもできなかったわけであり、それの責任も問われそうだ。

同じような暴力事件を何度も起こすのだから、相撲界はもう終わりだと思う。プロレス界はなんとなくの雰囲気で人気が下火になったことがあったが、大した理由がないから盛り返した。
相撲界の場合、暴力親方が実刑判決を受けて牢屋に入ったり、横綱が後輩をビール瓶で殴打して大怪我させる刑事事件を何度も起こしている。相撲は日本の伝統競技であり、相撲協会は文部科学省が監督官庁のはずだが、責任感のカケラもない。同じような問題を何度も起こすのは、それを改善する気がないからだろう。暴力事件を起こせば相撲界がどうなるか日馬富士は理解していなかった。これは個人の問題であるが、酒癖が悪い横綱のお目付け役くらい付けておくべきだった。そこらへん、軽く考えていたのだろう。

相撲界の踏ん張りどころは数年前になんとかやり過ごしたのかと思っていたが、またもややって来てしまった。現役横綱の逮捕となれば大変な騒動になるし、ならなくてもファンの失望を買い、大量のファン離れを引き起こすことは間違いない。
ここで離れていくのはファンではないのかも知れないが、ファンはそんなものである。

相撲協会みたいな世間を舐めた団体は、もっと苦労をすればいいし、なんだったら解体すればいい。文部科学省が相撲協会を見放して、相撲協会が派閥で分裂するとか、その後に団体抗争を繰り広げるとかすれば、人気も少しは回復するかも知れない。相撲に興味がなくてプロレス脳の私はそう思ってしまう。

とにかく、なにも変わらないことが証明された相撲協会は今のままではダメだろう。甘やかされている組織なんぞが勝手によくなるわけがないのである。文字通り、一から出直すしかない。