20171210-1

8日(金)からアマゾンがサイバーマンデーというセールをやっている。特売商品を狙って買ってみると、このセールに注目している人が多いことが分かる。

8日18時から開始だったのだが、その開始と同時に特売が始まる目玉商品がいくつかあった。そのうち、I/Oデータの4TB外付けハードディスクを買おうかと思っていた。実はその時間、職場の忘年会が始まる時間で、店に早めに行って待機してタブレットの画面を見ながら待っていた。
18時になってアマゾンアプリのウォッチリストからハードディスクをタップしたら、画面に切り替わるまでしばらくかかり、2~3秒して表示されたときには1000台全部が売り切れていた。1秒くらいで売り切れたに違いない。

普段1万3480円のハードディスクが特価で1万980円だった。2500円引きなのだが、かなり安い。絶対に必要というわけではなかったのだが、今使っているテレビやレコーダーに接続しているのが容量いっぱいになりつつあるので、とりかえず付け替えようかと思っていたのだが、買えなきゃ買えないでガッカリする。
しかし、サイバーマンデーなどアマゾンのタイムセールは15分以内に決済しないとキャンセルされてしまう。こういうセールのとき、とりあえずカートに入れるだけの人や、決済し忘れる人がいるので、キャンセル待ちは有効だ。
案の定、15分後にキャンセルでの空きが出たので購入することができた。

それ以外にこれまで、LEDの投光器、10ポートとUSB充電器、4ポートのUSB受電器、ソーラー発電のUSB充電器、LEDセンサーライト、プロテイン、シャンプーするときに使う頭皮マッサージ機を購入した。そのほか、Kindle本の漫画まとめ買いセールで「ザ・シェフ」の全41巻が75%引きになっていたので4400円で買った。
4万円くらい使ってしまった。

今どきボーナスが出たからなんか買おうという人は少ないと思うが、この時期にこれだけ買うとボーナスに浮かれて買いものをしている人のように思える。
私はスマホの充電関係とLEDの照明が大好きなので、今すぐ必要ではないのだが買ってしまった。アマゾンの作戦にノセられている気がしないでもない。
ただ、ダイソンなどのコードレススティック掃除機だけはガマンした。既に2階用に1台あって、1階用に思ったのだが、2階のを使えばいいかと思い直した。

昨年はネクタイとか靴下とか、今でも開封していないどうでもいいものを買ってしまったが、日頃からアマゾンのタイムセールをチェックして目が肥えてきたので、普段のタイムセールでよく特価になっている商品は無視するようになった。
また、アマゾンは食品や飲料はあまり安くないのでそれも無視。食品や飲料はスーパーやドンキホーテの特売の方が安い。
一応自分なりにちゃんと見極めて購入しているつもりだ。それでも、2か月後にクレジットカードの請求を見て「ゲッ」と思うに違いないが。

ちなみに、欧米のアマゾンでは11月24日(金)前後にブラックフライデーのセールをやっていて、今はクリスマスまでの「12 Days of Deals」という12日間の特売セールをやっている。
中国のアマゾンでは特になにもやっていないようだ。

中国のオンラインの特売セールといえば、11月11日の独身の日(光棍節)とされ、オンライン商店最大手のアリババが「双11」と名付けたセールが知られている。
アマゾンは直販型で、商品のほとんどをアマゾンが販売する形態だ。アリババはマーケットプレイス型で、日本でいう楽天みたいなもんである。アリババは中国の物流、金融にも進出しており、その規模は楽天の比ではない。
今年の独身の日セールの売上は254億ドル(2.9兆円)で過去最高だった。独身の日は独身の人が自分のご褒美を買うための祭りみたいなもんだが、そのたった1日の特売セールだけで日本のアマゾンの年間売上(1.1兆円)の3倍近くを売り上げるのである。中国市場の規模の大きさがが分かる。世界中の企業が中国市場を目指し、中国人に跪くのがよく分かる。これだけの購買力を見せられたら、経営者ならヨダレが止まらなくなるのだろう。

ただ、アリババはマーケットプレイス型でいろいろ問題が多い。楽天に出している商店のみならず、アマゾンのマーケットプレイスも多くが信用できない。どうも胡散臭いところが多い。アリババは中国の商店が集まっているだけに、もっと信用できない。
実際、独身の日のセールでアリババを含めた通販会社16社の商品539商品の価格推移を中国消費者協会が調査したところ、8割の388商品は安売りではないのに安売り商品として販売されたいた。うち33商品にいたっては、普段より値上げされていたという。普段通りの価格が特価になっていた商品は、定価が高く設定されていたという。

中国の消費者も普段から調べて適正価格を知っていないと、特売セールで騙されて特売でもなんでもないものを買ってしまう恐れがある。
まあ祭りのようなものなので、楽しけりゃなんでもいいのかも知れないが、あとで冷静になって考えてみたり、買った商品の値段を知って落ち込む可能性がある。

実に中国らしい話だが、同じようなことが楽天でもあった。東北楽天ゴールデンイーグルスがパ・リーグ優勝したときの特売セールで、定価設定を上げて割引率を大きく見せて通常価格で販売するという手段が横行した。定価1万1500円のシュークリーム10個を77%引きの2600円、43万円のiPhone 4sを9万9800円として販売した店もあった。
楽天は販売業者20社が勝手にやったと主張したが、のちに楽天の社員が定価を高く設定して割引率を大きく見せるという手法を提案していたことが判明した。

だから、詐欺的セールが横行した中国を笑えない。楽天の方が4年も前にやっていたのが明らかになっているのだから、楽天の方が詐欺セールの先輩である。中国はそれに倣ったのかも知れない。

インターネットで特売セールにいろいろ参加できるようになったのはいいことだが、その分騙される機会が格段に増えた。特売ではないものを特売として買わされるだけなので、詐欺とまではいえないのかも知れないが、消費者にとってみれば酷い話である。
詐欺師に騙されぬよう、消費者は普段からものの適正価格を知り、目を肥やしておかねばならない。