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テレビ朝日の「陸海空 地球征服するなんて」(土曜夜10時)という番組で、先週からバイきんぐの西村が「激安!いいね!アース」という企画で台湾一周の旅ロケをしている。
Instagramに旅の写真をアップし、"いいね"の数×0.1円が支給される。ディレクターとふたりでその金額で旅をするというものだ。
その昔、「ロケみつ」という番組で「ブログ旅」という企画をやっていて、ブログのコメント数に応じて現金が支給され、それを元手に旅をするというのがあった。それのパクリ企画だ。

タイ編のときは"いいね"×1円だったが、放送後にフォロワーが増えたので倍率が0.1円になった。台湾編が始まったときはフォロワーが5万人で、1回の投稿に付く"いいね"が1万5000件くらいだ。1日1500円くらいしか得られず、それだけしかないとタイならなんとかなったかも知れないが、台湾ではかなり難しい。
現に、先週の放送までで4日かかって台湾最南端の岬から高雄まで辿り着いたが、たかだか100キロ移動するのに4日もかかった。台湾で長距離移動するのはバスがもっとも楽で、豪華なバスが多いので時間さえあればバスで移動するのがいいが、高尾から台北までバスで2000円から3000円くらいかかる。ふたり分の料金を"いいね"で稼ぐことは不可能だろう。

ネタバレ覚悟で企画のInstagramアカウントを見たら、斗六を経て台中で爺さんが派手なペイントの絵を描く村に行って、台北に行き、9日目に台湾東部の花蓮に到着している。少しずつ移動したらカネがかかるだけなのに、そうやって移動しているということは、途中で倍率などルールの変更があったのかも知れない。そうじゃなければ絶対にムリだ。

【Instagram】西村アース(仮)

ちなみに西村は、台北で炎亞綸(アーロン)という台湾の芸能人と写真を撮っている。炎亞綸は飛輪海(フェイルンハイ)という台湾のスーパーアイドルグループ出身で、偶像劇と呼ばれる台湾のアイドルが出演するドラマに多く主演している超有名人だ。普通に台北にいて出会えるような類の芸能人ではないため、偶然であったような感じになっていたら、どう考えても番組の仕込みである。
この番組は、アマゾン奥地の部族の村で染料を全身に塗りたくって紺色の肌になってしまったナスDというのが有名で、ナスDの肌の染料が落ちてきたとき、放送時にCGで色を付けて濃くしていた前科がある。偶然出会って、写真を撮ってくれて、番組の趣旨に賛同して"いいね"してくれたのなら話は違うが、ヤラセくらいはするに違いない。

西村もディレクターも台湾の物価をまったく理解しておらず、頭の悪そうなふたりの恥ずかしい行動で日本人が悪く思われるんじゃないかと思うこともあり、企画の進め方はやや疑問であるが、日本で番組を見ている限りでは台湾の魅力がそれなりに視聴者に伝わっていると思う。肉燥飯(ローツァオファン)を「うまいうまい」と食っていたが、それや魯肉飯(ルーローファン)は日本人なら絶対においしいと思う味で、しかも小ぶりの茶碗1杯で80円くらいと安い。この手のB級グルメのようなものを食べたい人には台湾はちょうどいい。

また、優しい人も多く出てくる。テレビの撮影をしているということもあるが、台湾では困っていそうな人を助ける人が多い。日本人だから特別というわけではなく、旅行者には特に優しい。
LCCの飛行機の搭乗にチェックインできず、高雄空港の外で夜中にひとりで泣いている日本人女性を現地の警察官が保護して、自費で食べものや飲みものを与え、日本語ができる警察官を手配して無事日本に帰ってもらったというニュースもつい最近あった。

日本と台湾はよい関係が続いており、台湾からの訪日旅行客がかなり多いが、日本でも手軽に行ける旅行先として台湾ブームが起き、相互交流としてうまくいっている。台湾でうまいものを食べ、現地の人によくされたらまた来たいと思うし、日本に来た台湾人を歓迎したいと思うようになるだろう。互いのイメージが向上するわけだ。

もっとそういうことが広まればいいと思っていたのだが、それに対して水を差すような行為をした日本人がいた。

9日(土)の午後2時、台湾の桃園国際空港を離陸したバンコク行き中華航空835便が30分後に空港に引き返すという事態が発生した。日本人客が機内で大騒ぎしたせいである。
バンコクに向かうために福岡から搭乗した日本人客3人が、経由地の桃園の免税店で酒を購入。それを飲んで機内で大騒ぎし、客室乗務員に諌められたが言うことを聞かないばかりか、座席やトイレでタバコを吸い、乗務員と口論をするまでに発展。迷惑行為が収まらないため、機長判断で空港に戻ったという。同機には乗客260人がいて、4時間遅れで午後6時に出発したが、クソ迷惑な日本人のおかげで旅の初日が台なしになった。

その日本人3人は台湾の民間航空法違反で5万台湾ドル(20万円弱)の罰金刑が科される。それ以外に中華航空やほかの乗客から賠償請求されればいいと思うほど、日本の恥である。旅に浮かれてハメをはずすとは、どんだけの田舎モンなのかと思わずにはいられない。
現地でも速報としてニュース専門チャンネルで報じられるなどした。
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この日本の恥でしかない3人は、40代の中年男性で、機内での騒ぎからひとりは43歳、姓は「薩摩」だと台湾の聯合新聞網が報じている。起訴されれば名前が明らかになるかも知れないが、現地ではテレビや新聞が日本人客の名前が不明ながら顔出しで報道している。

酷いのがトップ画像に掲載したニュース映像に映っているメガネのハゲで、空港警察に連行されるときにズボンのポケットに手を突っ込んで歩くなど反省の色がない。事務所でもなんらかの言い訳をしているようで、こんなクソみたいなオッサンが台湾で恥を晒してしまった。
台湾のYahooニュースのコメントを見ると、日本人への罵詈雑言が並んでいるが、それも致し方ない。

少なくともコイツら3人は、二度と中華航空に乗れないだろうが、それだけでは手ぬるい。
中国では海外で騒ぎを起こした中国人旅行客の海外旅行を制限することができるようだが、日本でも導入すべきだろう。このような日本の恥は国外に出すべきではない。