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インターネットの動画配信サービスを利用すると、レンタル屋で借りるのがいかに面倒かを認識させられる。オンデマンドというだけあり、見たいときにすぐ見られるし、借りたディスクを返却する必要もない。レンタル屋で借りた方が圧倒的に安いが、アマゾンプライムのようにサービスに加入していれば無料で見られる映画があるし、NetflixやHuluなら月1000円でいろいろ見られる。
パソコンやスマホの画面でなら正直見ていられないが、FireTVやChromecastを買えば自宅のテレビで見ることもできる。

便利な世の中になったものだ。手塚治虫が50年前に描いた21世紀の未来のようである。空飛ぶ車などはまだないが、テレビ関係は昔の想像よりも遥かに便利になった。

そのうえ最近はテレビ番組が公式動画として民法各局が寄り集まって作ったTVer(ティーバー)というサービスで配信されている。見逃し配信として最新話を1週間見ることができるのだが、私がTVerを評価するのは見逃し配信のためではない。ドラマでもバラエティでも毎週録画するので昔みたいに録画し忘れたということは滅多にない。TVerが便利なのは居住地域で放送していないテレビ番組を見られることだ。

滋賀では民法の全系列を見ることができるのだが、問題はテレビ東京系列だ。びわ湖放送というテレビ局があるのだが、テレビ大阪のようにテレビ東京の番組を全部放送しているわけではないので、見られない番組がたくさんある。
例えば千鳥が司会する「NEO決戦バラエティ キングちゃん」という番組はびわ湖放送では見られないが、TVerかテレビ東京が独自で配信しているサイトで見ることができる。
テレビ大阪制作の「吉本超合金A」もびわ湖放送では見られないが、TVerで見ることができる。

昔なら考えられないことだ。昔は大学やら就職やらで民放の少ない地方に行けば馴染みのテレビ番組が見られなくなるじゃないかと思っていたのだが、今ではあまり関係なくなってきた。

私はなにか作業をするにあたってついつい効率を求めてしまうので、TVerはいろいろ活用できる。
例えば、HDDレコーダーで録画した好きなテレビ番組を編集してブルーレイに保存しているのだが、CMをカットしたり、番組タイトルをサムネイルにする作業をすると時間がかかる。そのとき、タブレットでTVerを見ながらやれば、ふたつの作業を同時にこなすことができる。

これまで見逃したとか見られないテレビ番組を見ることができるTVerというサービスは非常に素晴らしいと思うのだが、利用者数は思ったほど伸びていないらしい。テレビ番組のほんの一部しかないことや1週間しか配信されないことが原因だろう。
台湾のテレビ局の場合、YouTubeへの無断アップロードが絶えないため、テレビ局や番組自体が公式アカウントを作ってYouTubeで配信されているので、かなり多くの番組をYouTubeで見られる。テレビ局側からすればYouTubeの広告収入はたかが知れているのでTVerを作ったのだろうが、1週間だけという制限があまりよくない。
とはいうものの、あるのとないのでは大違いだ。1周間の配信であっても、配信されるテレビ番組が増えればもっと利用者が増えるに違いない。

こうなってくると、テレビ放送とはなんなのかという話にもなってくる。公共の電波を使って放送されているのがテレビ番組だが、ネット配信でオンデマンドで見る方が遥かに便利だし、スマホでもパソコンでもネットに繋がっているものなら見られるのだから、視聴方法も遥かに多くなる。
ネットの普及によって新聞が窮地に陥っているようだが、テレビだって同様だろう。テレビを見る人が少なくなってきているようだが、決められた時間に1回しか放送されないテレビの不便さが今の時代にそぐわなくなってきている。

テレビのネット配信のみならずAbemaTVやアマゾンプライムのようにネット配信専用の番組も多いが、ネット配信番組はテレビ番組に比べると放送コードなどの制限があまりないので、低予算でも面白かったりする。
インターネットが利用できない家もあるのでテレビ放送がなくなる世の中にはならないだろうが、絶対にテレビ放送がなくならないとも限らない。しかし、時代の流れとしてはいろんなメディアがインターネットに集約していくのは間違いない。
今でもまだ新聞社勤務やテレビ局勤務は一流の社会人であるが、そのうちそうでもなくなる時代が来るし、そのうち新聞を読んだことがないとか、テレビを見たことがないという人も出てくるのだろう。

そんな未来になるとは昔は思いもしなかった。そう考えると感慨深いものがある。