祝日や有給休暇を取って平日が休みのとき、ごくたまにテレビを見る。日本のテレビは朝から夕方まで情報番組が占める割合が高いが、暇な主婦が毎日こんなもん見ているのかと考えるとバカになるんじゃないかと思ってしまう。
まだ昼に「笑っていいとも」のバラエティでも見る方がマシだと思うのだが、今は坂上忍がただただ管を巻くだけの「バイキング」とかいうクソつまらない番組に変わってしまった。
情報番組とは名ばかりで、流れる情報は東京周辺のグルメ情報やファッションの情報という本当に心底どうでもいい内容と、時事ネタに関しては誰かを批判して盛り上がれそうなネタを何度も繰り返すだけだ。
だから、情報番組に注目されて連日取り上げられたらイメージが下がってしまうのがよく分かる。
相撲界の一連の騒動によって、本来なら日馬富士や白鵬だけ批判されるべきだったのに、対応のまずさもあって批判の矛先が向いたために日本相撲協会や貴乃花親方までも著しくイメージダウンしてしまった。
女子レスリングの件でも栄強化部長に加え、インパクトの強い至学館大学の学長に批判が集中してイメージダウンが続いている。
同じような感じで今は森友問題が取り上げられており、安倍政権の支持率が急落したわけだがテレビを中心としたメディアでの取り上げられ方にかなり影響を受けているはずだ。政権側に理解を示すコメンテーターも僅かにいるが、キャスターもコメンテーターも寄ってたかってボロカスに言うので、何となく見ているだけの視聴者は安倍政権がいかにも悪いと受け取ってしまう。
近頃の日本の評価基準は減点方式になっている。なにかいいことがあれば加点されればいいのだが、最初の点数から減点していくだけの評価だ。
例えば今の安倍政権で、アベノミクスやら外交やら結果を残して評価されていい実績を残したとしても加点などされない。「それが当然」と言われるだけ。今回の森友問題のように減点対象があれば大きく減点され、支持率を大きく下げることになる。
年金積立金の運用で5兆円大損したと大騒ぎになったニュースがあったが、損したときだけ報じられ、得したときは報じられないから批判される。トータルで見てプラスでも、一時的に株式の時価総額で何兆円か損したら批判され「血税で補填される」などと騒ぎ立てられる。
よくないことだけ報じられるのはある意味仕方のないことで、これはしょうがないことである。
だからそれを見越して、なるべく悪く思われないようにしないといけない。報じられる側は批判的に報じられることを見越して対処していかないと、減点方式の評価で大きく点数を下げることになる。
それがまったくできていないのが麻生外務相だ。この人は森友文書書き換え問題に関する記者会見で元国税庁長官を「佐川」と何度も呼び捨てにした挙げ句、「佐川が責任者」と責任を押し付けてしまった。佐川・元国税庁長官は自分の部下だった人間だし、文書に関して佐川が責任者であることは間違いないのだが、正論をぶつけるのが常に正しいわけではない。
「佐川くん」とか「佐川さん」と言ったうえで、「文書上の責任者は彼だが、その監督責任は私にもあった」くらい言っておけばまだマシだったのに、麻生財務相はその会見後に袋叩きにされることになった。
私が見たアメリカのドラマでは、大物政治家や立候補者にはイメージ戦略のブレーンが付いていて、ポスターのデザインからファッションのチェック、スキャンダルがでたときの想定問答まで完璧にやっていた。ブレーンは州知事や大統領候補にも強く進言できる人物だった。日本の政治家にはそういうブレーンがいないのだろうか。いたとしても強くいえないのだろうか。
麻生財務相は至学館大学の学長のようにいかにもイメージが悪い。話し方しかり、高圧的な態度しかり。人からどう思われるとかあまり考えないらしい。どこぞの大学の学長ならそれでいいかも知れないが、政治家はそうではいけない。どんなに悪い政治家であっても、表ではにこやかにしていなければいけない。悪くない政治家なら尚更だ。イメージで減点されるのは損である。
そういう意味では安倍首相も麻生外相に近い。安倍首相は煽り耐性がゼロで、国会の答弁で野党から煽られると瞬間湯沸器のようになって気色ばんで反論してしまう。元々あまり滑舌がよくないのに、怒ったように早口で反論しても内容がほとんど入ってこず、「なんか怒ってるなぁ」くらいにしか受け取られない。
人は見た目が10割である。政権の支持率なんかその内容の殆どがイメージではないか。減点方式で評価される支持率において、イメージで点数を下げたら損である。
世の中には思想やら政治的な成果なんぞなにも気にせず、そのときどきのイメージだけでコロコロ変わる有権者が多い。減点があっても別件で評価するということがあまりない。ダメなことがあれば0点。0か1しかない。その評価は1にはなかなかならず、すぐ0になる。
私は安倍政権を思想、外交、国防、経済などで評価していて支持する立場であるので、安倍首相にはまだまだ頑張ってもらいたい。外交的緊張が高まる現在、どう考えても安倍首相は今の日本に必要ではないか。だからそのためにもイメージ戦略をもっとどうにかしてもらいたいと願うばかりだ。
コメント
コメント一覧 (5)
東アジア情勢が重要な局面にあるこの時期に最悪にも立憲民主あたりが政権を握るなんて事は絶対あってはいけません。何とかピンチを乗り切って国を守ってほしいですね。
マフィアの親分みたいな格好をしていてキャラは立っていますが、そういう人は得てして誤解を招きやすいですからね。真っ直ぐモノを言う人は好き嫌いハッキリ別れますが、叩かれだすと際限なく叩くところが出てきてしまうのがネックですね。
なんか大臣は辞めないといけない雰囲気になってきていますが、どうなるんでしょうかね。財務大臣なんて論功行賞でそこらへんの議員に割り当てることなどできないですし、実利を考えたらそのまま続投でいいと思うんですがねぇ。
国民ももっと政策に目を向けて批判して欲しいものです。野党がもう少しまともならと常々思ってしまいます。
若いころ3歳上の先輩と同じ職場に配転になりました、私は先輩より一ヶ月遅れて配転されたのですが妙にみんな馴れ馴れしい、付き合っているうちにお前ってそんな奴だったんだと言われてしまいました、私をよく知る一ヶ月早く配転された先輩が自分のイメージで私のことをその職場で吹聴していたので私のイメージは出来上がってたのでした。
実際に会って話もしない有名人はマスコミの報道からイメージされます。
また、マスコミが悪意を持って切り貼りで印象操作をすれば悪いイメージを植え付けることは容易にできます。
明確な事実もなく印象で人事が左右されることは好ましくないと思います。
特にマスコミの好みだけで大臣の首が飛ぶようなことがあってはなりません。
麻生さんにはまだまだ頑張ってもらいたいと思います、甘利さんの二の舞にさせてはなりません。
今の流れは麻生財務相の辞任は確定、あとは安倍首相も辞めるかってな感じの雰囲気を作り上げようとしているマスコミがあるわけですが、それが既定路線になってしまうと辞任を免れるのは難しそうですね。それが定着するまでに何とかしないと、安倍政権が残っても麻生サンは要職に残れないことになってしまうので、何とか頑張って貰いたいですね。
>> kazusaさん
安倍首相がこれまでの国会答弁で繰り返し印象操作の話をしていましたが、ここへ来てもやっぱり印象操作で攻める野党のやり口は変わりませんね。いかにそれが効果的であるか、野党がよく分かっているからでしょうね。その分与党も理解しているはずですが、マイナスイメージが付いてしまうとプラスに転じるのは容易じゃありませんから、相当頑張らないといけませんね。厳しいとは思いますが、あるとしたらボンクラ揃いの野党が攻めきれないくらいの敵失しかないんでしょうか。
何かで一発逆転あればいいのですが。