20180608-1

プロゴルファーの片山晋呉が一般ゴルファーを怒らせたとしてニュースになっていた。
なんでもゴルフツアーは大会前に主催者やスポンサーの招待客とプロゴルファーが一緒にゴルフをするプロアマ戦というものが行われるそうだが、そこでの片山の対応に招待客が激怒して、1ホール終えただけで帰ってしまったそうだ。

問題が起こったのは、日本ゴルフツアー機構(JGTO)主催の「日本ツアー選手権 森ビル杯」(5月31日~6月3日)だった。プロアマ戦はプロとアマが各ホールから一斉にスタートする。片山と招待客3人のグループは13番ホールからスタートし、プレーを終えて14番に移動するところで片山は招待客を放ったらかしにして13番ホールのグリーンに残ってパッティング練習を続けていたのだという。
招待客が14番ホールに来るよう促したが、片山は「まだ前が詰まっている」と言って練習を続けたことに招待客のひとりが憤慨し、1ホール終えただけでクラブハウスに戻ったのだという。

プロアマ戦は試合の前日に行われるため、同行するプロがグリーンを確認するためにパッティング練習をすることは普通なのだという。それでもプロが招待客をもてなすことが目的であるため、有名プロでもそれなりの対応をせねばならないそうだ。
片山晋呉は普段から横柄で変なヤツだと知られており、片山にいちいちキレる招待客もどうかと思うわけだが、片山がポケットに手を突っ込んだまま話をするなどしており、自体を重く見た日本ゴルフツアー機構は片山を処分するそうだ。ついでに、「スポンサーファースト」を掲げてプロアマ戦を重視していた選手会長の石川遼が謝罪をするハメに。

こういうのを見ると、プロゴルファーもいろいろ大変なんだなと思い知らされる。年に賞金1億円稼ぐような選手でも、その賞金やツアーの開催費用を出しているのはスポンサーであり、スポンサーありきのプロゴルファーだから、主催者はスポンサーが招待したお客さんを接待せねばならない。
それは別に日本だけではなく、アメリカでもイギリスでも似たようなものらしい。

JGTOが片山の処分を速攻で決めたのは、人気が落ちてツアーが減る一方の男子ゴルフへの危惧があるそうだ。女子ゴルフの方は人気があり、ツアーの開催数も多い。プロアマ戦は女子プロが招待客と一緒にグリーンのラインを読んだり、ちょっとしたレッスンをしたり和気あいあいとしているそうで、かなり好評らしい。それがスポンサー獲得に繋がっているわけで、女子と違って男子ではスポンサーの招待客を怒らせるようなことをしていると思われてはスポンサー離れに繋がってしまう。

私はゴルフをしないし、ゴルフのスポンサーになるような一流企業から招待されるような人間でもないので、招待客の気持ちは分からないが、どうせなら男子プロより女子プロと一緒に回りたいと思う。招待されるような地位にあるアマチュアゴルファーはオッサンが多いだろうし、オッサンはイ・ボミのような女子プロゴルファーの方が好きだろう。
男子プロでもプロと回れるだけいいのかも知れないが、そこで横柄な態度をしているプロを見たら腹が立つかも知れない。

とはいえ、片山晋呉の気持ちも分からないでもない。「なんでいちいち素人の相手をしないといけないのか」と思っていたに違いない。
スポンサーあってのゴルフツアーなのだから、プロが招待客をもてなすのも仕事のうちなのだが、片山はそういう仕事に向かないタイプなのだろう。

かくいう私も接待はやりたくないタイプだ。営業ではなく技術職なので接待をする必要はないのだが、よく仕事で客のために本来やらなくてもいいようなことをやらされる。私が勤める会社は機器売りなので、買った機器を使っての問題点とかその調査は間に入っている業者がやるべきなのだが、たまに「メーカーにやらせろ」というアホな客がいる。そして、エンドユーザーの元に出向いて、説明をしたり調査をしたりさせられる。

基本はお断りだが、大口顧客ともなるとそうもいかない。客商売は王様でも乞食でも同じ対応であるべきだが、お得意さんは特別扱いになる。
仕事とはいえ、本来の仕事とは違うことをさせられ、基本的な知識もない客に説明し、理解させることにウンザリする。私はすぐ顔や態度に出るので、あとで上層部経由で連絡が入って怒られたこともあった。どう考えても出世しないタイプだが、どんな客でも言うべきことは言わしてもらう。

片山晋呉もそれと似たようなものではないか。プロゴルファーは招待客をもてなすのが本来の仕事ではないと考え、対応がおざなりになってしまった。その気持ちは分かる。
片山は「プロ失格だ」と批判されているが、ファンやキャディーに対する横柄な態度を取るなど元々愛想がよくないタイプなのだから、今後はプロアマ戦で招待客の接待なんぞさせない方がいい。プロアマ戦に出ないということは前日練習ができずに不利になるし、8万円だけだがギャラももらえなくなるというペナルティがある。

片山晋呉はホスト役に向いていないし、またトラブルを起こしそうなのだからしょうがない。こういう性格は直らないだろう。
なにごとにも適材適所というものがある。