20190314-1

今日の産経新聞朝刊の産経抄に「王子様」というキラキラネームの持ち主である高校3年の男子生徒が、自分で家裁に申し立てを行って「肇」という名前に改名したニュースを取り上げていた。
本人がTwitterに投稿して話題になっていたニュースで、それによると母親が父親に無断で「私にとっての王子様」という意味で「王子様」として出生届を出したそうな。本人が学校でいじめられることはなかったが、将来のことを考えて改名したという。
「肇」という名前は好きなアニメの名前から取ったらしいが、人ごとながら普通になってよかったと思う。

子供に奇抜過ぎる名前、キラキラネームをつける親はイカれていると思う。昔からそういうのがあって、俳優の下條アトムは名前が先にくるローマ字順の名簿で前にするため、かつ今後は原子力が平和のエネルギーとして使われると考えてアトムという名前をつけられたという。
下條アトムは漫画「鉄腕アトム」が誕生する前に生まれているが、小学校の同級生に賀来ウランという名前の女子児童がいたとテレビで語っていた。下條アトムはまだいいとして、賀来という名字なのにウランという名前をつける親はイカれているとしか言いようがない。

明石家さんまは自身の座右の銘である「生きてるだけで丸儲け」から取って娘に「いまる」と名づけた。このとき、大竹しのぶの母に命名を反対されたそうだが、その義母の名前は「江すてる」だったという。旧約聖書から取った名前らしいが、「江すてる」で苦労したから「いまる」に反対したのかも知れない。

このようなキラキラネームは日本だけかと思ったが、やはり海外でも増殖しているらしい。
昨年12月、アメリカの国内線に搭乗しようとチェックインした娘の名前を笑われたとして、母親が航空会社に猛抗議したというニュースがあった。娘の名前はAbcdeと書いてアブシディーだったという。
こんな名前、誰でも笑ってしまうだろう。娘が一生笑われる名前をつけた母親がいちいち憤慨していることに驚いてしまう。

変な名前だと自己紹介するときや、空港やホテルでチェックインするときに人の目が気になるわけだが、外国だと意図せず変な名前になることもある。トム・クルーズが娘にスリという名前をつけ、「日本語でスリの意味だ」と笑われていた。こういうことが起こる。
博美という名前の家族がいるが、台湾でホテルにチェックインするとき、たまに変な空気になることがあるという。フロントの従業員が半笑いなのは、博美は中国語でポメラニアンだからである。

逆に日本人から見て変な感じに思える中国人の名前も多い。例えば、SNSのフォロワーが3270万人もいる司会者の柳岩という人物。姓が柳で名が岩だ。字面からすると「ファンタスティック・フォー」の岩男みたいな感じに思えるが、「中国でもっともセクシーな司会者」と呼ばれる女性タレントだ。

今日の産経抄にも書いてあったが、日本人の名前は見ただけで男の名前か女の名前か判別できる。ときどき、男でも女でも使われる名前が少しあるくらいだ。
ところが中国人の名前は男と女の区別がつかない。美とか雪とかいう漢字、女偏の漢字が使われていたり、同じ漢字を2文字重ねていると女である可能性が高いが、基本的に名前の字面だけで男なのか女なのか分からない。だから仕事でやりとりするメールでCCに入っている台湾人や中国人の名前だけ見て勝手に女だと思っていたらオッサンだったというのがよくある。

そんな中国人の名前であるが、2011年にある女性が改名したというニュースがあった。その女性は赫赫(ハハ)という名前だったのだが、姓が賀で、これもハと発音する。つまり「ハハハ」という名前で、この発音は中国語の笑い声と同じになる。両親が我が娘にとんでもない名前をつけたわけだ。

中国でもキラキラネームは大幅増殖中で、ときおりニュースになる。中国人の名前は姓が1文字、名が1文字か2文字であることが多いが、最近増えているのは名前が3文字のキラキラネームだ。
楊という父親がいて、息子に光燦爛という名前をつける。楊は太陽の陽と同じ発音なので、フルネームが「太陽がさんさんと輝く」となってしまう。
王という名前の父親が娘に者栄耀という名前をつけたというのがあった。並べると「王者栄耀」になるが、これは中国で2億ユーザーを獲得するなど大ヒットしたスマホゲームのタイトルだ。
別の王さんの息子の名前が子殿下で並べて「王子殿下」、黄さんの息子の名前が金海岸で並べて「黄金海岸」なんてのもあった。

どう考えてもふざけているとしか思えない名前だ。子供の名前で大喜利をしているのだろうか。
これ以外にも、説明しても伝わりにくいので割愛するが、中国語の下品な言葉と発音が同じ、あるいはよく似ている名前をつけられてしまう子供もいるという。

洋の東西を問わず子供に珍妙なキラキラネームをつける親がいるわけだが、中国の狂ったような名前と比較すれば、日本のキラキラネームなんぞまだまだ足元にも及ばないのかも知れない。