20190319-1

私が住む滋賀では大部分のスーパーがレジ袋が有料だ。正確にいうと一部のスーパーだけが無料で、ほとんどの業者が滋賀県が定めた「レジ袋削減の取組に関する協定」に参加しているために大部分のスーパーで有料になっている。
普段スーパーで買い物をすることはないが、たまに嫁さんが旅行に行っているときなどにスーパーに行き、エコバッグを持っていないことを思い出して5円出してレジ袋を購入することになる。それを何度か繰り返したので、通勤に使うカバンとプライベートでよく使うカバンに300円ショップで買ったエコバッグを入れておくようになった。

そのおかげで、海外出張のときに現地のスーパーやコンビニでなにか買ってもエコバッグがあるので困らない。台湾でも中国でも韓国でも、レジで会計するときに店員がなにかを話しかけてくる。おそらく「レジ袋を購入するか?」という質問で、持っていないなら必要であることを伝えないといけないので面倒だ。だがエコバッグを持っていれば、予めそれを出しておいて入れる気満々の雰囲気を出していれば店員は質問してこない。
それを考えると、急な海外出張があり得る身としては通勤カバンにエコバッグを入れておく必要がある。スーツケースの中に入れておくなどしたら、出張先でそれを出し忘れたりするから常に持ち歩いていた方がいいのだ。

もう何年も前からこれだから、政府が全国一律でレジ袋有料化を義務付ける方針を出したところで特に不満に思わなかった。大阪や京都、兵庫あたりだとどこのスーパーでもレジ袋をくれるので、滋賀と違って便利だとは思うが、レジ袋を持ち歩く習慣が身に付くと大して気にならなくなる。
嫁さんは常に3つくらい持っていて、スーパーでカゴ2杯くらいの買い物をしても問題ない。3個持ち歩けとはいわないが、1個くらい持ち歩いて構わないだろう。

コンビニの場合、冷たい飲み物と温めた弁当を買った場合、一緒の袋に入れにくいが、そういうときは金を出して買えばいい。
個人的に問題なのは買う量が多くなるホームセンターで、大きい袋が3つ4つになる場合があるが、どうせ車への積み下ろしだけなのでスーパーのカゴみたいなのを自分で買っておけばいいのかも知れない。

政府がレジ袋削減強制の指針を打ち出したとき、ネット上で相当不満の声が上がっていた。「プラスチックごみに占めるレジ袋の割合は大きくない」というのが多かったが、そんなことを言っていたら何も進まない。プラスチック製ストローと違ってレジ袋は代替品がいくらでもあるのだから、やらないよりはやった方がいい。
滋賀でレジ袋が有料になって最初は不便だと思ったが、すぐに慣れた。不満があってもすぐに慣れる。

滋賀県のホームページを見ると、レジ袋削減の取り組みによって、この5年の間にスーパー1店舗あたりの平均で1年間にレジ袋45万枚、原油削減4700リットル、CO2削減14トンの実績があったという。

【滋賀県】レジ袋削減の取組について

1店舗あたり1年でCO2削減14トンが多いのか少ないのか分かりにくい。
エアコンの設定温度で暖房を1℃下げる、冷房を1℃上げることで一家庭あたり月3キロCO2が削減できるそうだ。1年のうちエアコンを使うのを7か月とすると、一家庭あたり年間21キロ。1店舗14トンという量は、700件弱の家庭が省エネでエアコンの設定を1℃変えるのと同じくらいだろうか。
そうやって考えてみると、それなりのCO2削減効果があるように思える。

外国人が日本に来ると、スーパーやコンビニで売られている食品の多くがプラスチックや発泡スチロールの容器に入っていて、レジでも過剰にビニール袋をくれると口を揃えて言う。日本は海外に比べて非エコなのは間違いない。
海外みたいに魚の切り身や飯をビニール袋に入れられるのはゴメンだが、無料レジ袋くらい廃止しても構わないだろう。そうでもしないと示しがつかないってもんである。

スーパーで貰ったレジ袋は、家でゴミ箱にセットされ、ゴミを入れられる用途に使われることが多いだろう。無料で貰えなくなると100円ショップで買うことになり、結局エコにならないかも知れないが、それでも全員がそうするわけではないし、一定の削減効果はある。
なにかやっているということを世界に示すためにも、レジ袋の有料化なんぞさっさと進めたらいい。繰り返すが、そんなもんはすぐに慣れる。レジ袋をなくすのではなく、5円だか10円だか出せば買えるのだから不便もしない。不満に思うのは最初のうちだけだ。