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以前に台湾の姉妹グループであるAKB48 team TPに所属する日本人メンバーの阿部マリアが、JKT48を卒業してインドネシアで外国人タレントとして活躍する仲川遥香や、台湾でもっとも有名な日本人タレントだった佐藤麻衣のようになるかも知れないと書いた。

親日の国と反日の国 (2019/05/06)

中国語がある程度できるようになってテレビ出演が増え、台湾で知名度が上がっており、日本でくすぶっているより未来は明るいように思える。

上記のエントリでは台湾で若い人に人気の「木曜4超玩」というインターネット番組のホストである通称・邰哥(邰アニキ)という邰智源に阿部マリアがたいそう気に入られていると書いたが、8月8日(木)の放送でも阿部マリアがゲスト出演していた。
「木曜4超玩」の放送前に番組メンバーらが生中継でトークをする番組にもゲスト出演しており、それを見た人がコメント欄に「マリアは邰哥のバッテリーだね」と書き込んでいた。阿部マリアが出るといつもより張り切っているからだ。

台湾には阿部マリアのようなぶりっ子のタレントはあまりおらず、なおかつ日本人ということで、テレビ番組に出演すると「カワイイね~」とチヤホヤされ、男性出演者がデレデレするのがお決まりのパターンになっていて、それが面白くていつも見てしまう。今回も邰智源が「カワイイ」を連発し、触ろうとしてディレクターに叩かれたり、ほかの女性出演者に阻止されていた。

8日放送の「木曜4超玩」では一日系列という企画で邰智源と阿部マリアが生花店の店員となり、生花の仕入れやフラワーアレンジメントに挑戦するという内容だった。
そのなかで生花に挑戦しようということで、日本人の講師を呼んでふたりが生け花をやっていた。

久子先生と呼ばれていた生花講師は、できあがった作品を褒めていたのだが、そのときに邰智源があしらった金色っぽい黄色い花を指して「金、ゴールドは中国の方はとっても好きですね」と日本語で話していた。台湾人視聴者向けの字幕では「中国の方は」というのがさらっとスルーされて「黄色や金色の花は台湾人が非常に好きですね」となっていた。

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台湾人の大半は中国人だと言われることを嫌がる。子供に股割れズボンを履かせ、空港のロビーで子供にウンコをさせるような国の人間と一緒にされたくないと思うのも当然だろう。

台湾では自身が「台湾人」「中国人」「その両方」のどれに当てはまるかという帰属意識の調査が毎年行われていて、今年は56.9%が「台湾人」と答えたという。調査が開始された1992年には17.6%だったが年々上昇し、2014年には60%を超えたがその後若干減少。そして今年になって再び上昇に転じた。

台湾では経済が低迷すると中国寄りの意見が増えて「台湾人」と答える人が減り、中国の脅威が増すと「台湾人」が増える傾向にある。今年は正月早々に習近平が30年以内に台湾を併合して一国二制度を敷くと宣言したり、その一国二制度を敷いていたはずの香港で問題が起きたりといろいろあったせいで「台湾人」の回答が増えたのだろう。
そのおかげで支持率が低迷していた蔡英文総統が息を吹き返し、来年の総統選で再選不可能と言われていたのに再選の可能性が高くなってきた。ぼんやりしていると、中国に侵略され、一国二制度の名の下に中国共産党の一党独裁支配下に置かれることになる。

台湾人を中国人と呼ぶことは非常にセンシティブな問題だ。日本人のほとんどは台湾人と中国人を同一視しておらず、国は台湾を国とは認めないものの、多くの日本人は台湾を中国とは異なる国だと認識しているだろう。だが、中にはそこらへんに鈍感な人がいて、久子先生のように中国語を話す人はみんな中国人だと認識するデリカシーのない人がいる。
テレビ朝日の番組が台湾人のことを絶対に「台湾人」と呼ばず、台湾人だけ「台湾の方」と呼ぶように、久子先生の発言には悪意があったわけではなかろう。だから撮り直しなどもなく字幕の方で直してスルーされたわけだが、そこらへんはもう少し気を遣って欲しかった。

日本人には他国の人が特に敏感なことについてあまりにも無関心で、鈍感な人が多いと思う。まあ日本人だけではないのかも知れないが、他国の情勢にあまり興味がないからそうなるのかも知れない。だから台湾人と中国人をごっちゃにしたり、韓国人に罵られてもヘラヘラしていられるのだろう。
日本人はもう少しだけ、よその国に関心を持つべきだ。