20190910-1

台風15号が関東を直撃し、鉄塔や電柱が倒れて大規模な停電を引き起こしたり、ゴルフ場のネットが倒れて近隣住宅の屋根を破壊するなど大きな被害をもたらした。
昨年、関西に大きな被害を及ぼした台風21号では、大阪で自宅の屋根の修繕待ちが数か月になったそうだ。未だに屋根にビニールシートを張っている家がある。台風15号の被害からの回復にも相当な時間がかかりそうだ。

さらに、漂流したタンカーがぶつかって関空の連絡橋が破壊されて通行不可になり、関空が文字通り陸の孤島になった。中国の大阪総領事館がバスを手配して中国人だけ真っ先に脱出させたというデマが広まり、バッシングされた台湾の大使に当たる人物が自殺まで追い込まれたりした。

そんなことになるのは関空が海に浮かぶ島で、陸地と橋1本で繋がっているだけだからだと思っていたが、成田空港でも似たようなことになった。鉄道やバスが運休になり、空港から出られなくなる人が続出した。

成田空港からJRの成田駅や京成本線の成田駅まで徒歩で1時間40分程度で、荷物があったとしても2時間くらいで着くだろう。だったら歩けばいいじゃないかと思うが、JRも京成線も長く運休していたため、成田空港からの脱出をためらった人が多いらしい。
とはいえ、ぎゅうぎゅう詰めで空港で待つくらいなら、成田から近い駅まで歩いて行って、そこからバスなりタクシーなり拾えばよさそうなもんだが、なぜ空港で外国人に混じって日本人が待機していたのか分からない。車で通れない道があったとしても、徒歩なら行けるだろう。私ならじっとしていられないので、多分歩いて出ていっただろう。

関空は立地条件のために孤島状態になるのは分かるが、成田空港が陸の孤島のようになることが信じられない。旅行で来た初日に成田でウンザリした外国人が多いようだが、来年の東京五輪も台風の時期にやるし、同じことが起こったらどうするつもりなのだろう。
関空でも成田でも、とりあえず徒歩でどうにかして出られるようにすりゃいい。それがそんなに難しいことなのだろうか。

仕事や旅行で台風とかちあって酷い目にあった人はご愁傷さまだが、旅行で台風の影響を受けた人は、台風シーズンに旅行しようとしたのが悪かったと諦めることだ。
プライベートで台湾に行くことが多いが、いつも7月から10月くらいの台風シーズンは避けている。ひとりで行く場合は格安航空で行くことが多いが、格安航空はすぐ運航休止になるうえ、そうなっても航空会社は何もしてくれないため、自分で宿泊先の手配や別の便を探さねばならないが、別の便は取り合いになるのでチケット価格が高いうえに取りにくい。だから嫌なのだ。

そのため、夏の台湾に行くことがあまりない。夏の台湾はマンゴーなどのフルーツの旬の時期であるが、そういうのは諦めている。
夏の台湾は仕事で行くに限る。何かあっても会社の金だし、足止め食らっても出勤扱いになる。

今回の台風15号では、総武線の津田沼駅の入場規制によって3時間待ちの大行列ができたというニュースがあった。午前運休で午後から出勤するにしても3時間並んで出勤するとか、日本のサラリーマンは一体どうなっているのか。ネットで「社畜の参勤交代」と揶揄されていたが、言い得て妙の表現ではないか。

私は台風で鉄道が運休になる日は出勤しない。前もって有給休暇を出しておく。開発の仕事なので、いつ休むかは個人の勝手だ。仕事をどう進めるかは個人の裁量となるから好きに休めるのだが、休むと同僚らに迷惑がかかる仕事だとそうはいかないのだろう。出勤などせずにどうせ余らせることになる有給休暇を使いたいが、出勤しようとする努力はせねばならないのだろう。
それが社畜と呼ばれる所以だろうが、陸の孤島となる空港同様に、これもいい加減変えていかねばならない。

鉄道やバスなどは台風の際に前もって運休を告知するのが一般的になりつつあるが、そんなときに出勤せねばならない日本の企業を変えねばならない。何時間も無駄に使って出勤しても、翌日以降の仕事に影響が出るし、必要以上に通勤に時間をかけることなど何より非効率的だ。
台風のせいで交通機関が麻痺している状態でも絶対に出勤せねばならないという仕事がそれほど多いとは思えない。

台湾では台風が来ると行政が「台風休暇」を出す。ネットやテレビで「学校休み、企業休み」と告知されるので、居住地域や勤務先、通勤経路が休みの地域にあると仕事が休みになる。インフラ会社のようにどうしても出勤せねばならない仕事では割増の手当てが出て、普通の企業は行政が休みを出すわけだ。強制での休暇だが、有給休暇ではない。そのため、台風休みに有給休暇を当てる人が多いが、それでも行政が「仕事は休め」と言ってくれるのがいい。

毎年毎年、台風で被害が出て、通勤や通学がとんでもなく混雑する日本にも台風休暇の制度が必要だろう。午前か午後、どちらかで鉄道が運休になった時点でサラリーマンが勝手に休めばいいのだが、そうはできない社畜の人たちのために行政が「休め」と言わねばならない。そこまでしないと日本人は仕事に来いと会社に呼ばれ、素直に従ってしまう。

こんなんだから、日本人の仕事のやり方は非効率的だと外国人から言われるのである。日本で何よりも大事なのは仕事をしようとするフリをすることであって、残業をして頑張っているフリをし、頑張って出勤しようとしているフリをせねばならない。有給休暇は労働者の権利なのに、休むと仕事をサボっていると見られることが嫌で出勤してしまう。風邪をひいても無理して出勤することがいいことだと思っているバカまでいる。
本来なら、台風の日に出勤するなと企業が社員に通達するべきであるが、何となくそんなことを言いづらい空気がある。だから、行政が変わりに言ってやらないとダメなのだ。

日本人の働きぶりは、マジメというよりも子供みたいだ。これまでそれで何となく成長できていたが、先進国でこれほど比効率的な働き方をしているのは日本だけだし、こんなことを続けていては何もよくならない。企業がこれまでの非効率的な働き方を変えられるよう、政府や行政がして後押ししてやる必要がある。なんて手のかかる子供なのだろうか。それに手を貸すべき政府や行政もできていないのだから、全員子供みたいなもんだが。

台風の日に休むこともできない。改善すべき点があると分かっているのに手を付けられない。
日本の社会のこの現状を何とか変えられないものか。