20200408-1

今日8日(水)の午前0時から7都府県で新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令された。ニュースの見出して「7都府県」とだけ書かれることが多いが、対象は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡らしい。
私の勤め先は今週から本格的に在宅勤務に入っているが、在宅勤務を実施している会社は政府のLINEでの調査によると5%ちょっとしかないらしい。安倍首相が在宅勤務を推奨していたが、家から社内ネットワークに接続するには会社側で相当な準備が必要なため、よーいどんで開始することなどできない。普通にやっても半年から1年くらいかかりそうだし、最初から在宅勤務できない職種はもとより、準備ができていなかった会社は諦めて出社するか、家でそれっぽいことをするしかない。
言う方はお気楽なもんだが、在宅勤務できる職種が限られ、かつ在宅勤務するための準備にかかる労力と費用が相当かかることを政府は分かっていないといけない。

昨日の記者会見とその後の質問で、安倍首相がいろいろと重要な話をしていたが、民放全局が行っていた緊急テレビ中継では何度もCMが差し込まれた。しかも民法各局でCM時間がかぶっていることが多かった。私はNHKを見ないのだが、「もしかしたらCM中も質問と回答が続いているのか?」と思ってNHKにしたらCM中もずっとやりとりが行われていたようだ。
元々CM枠が決まっていたのだろうが、CMを流さないようにできないのなら中継はNHKだけでよかったのではないか。

よほどの災害か大事件が起きない限り放送予定を変更しないあのテレビ東京ですら中継したのだから、国民、特に東京都民に重大な危機感を与えたとは思う。
それのせいで学校が休みになった若い人たちが「コロナ疎開」とやらで地方に行き、そこで拡散しないか懸念されている。「そうなるのは都市封鎖できないからだ」という声があるが、法制上できないのだからしょうがない。強制力や罰則を伴う外出規制ができないのも法律でそこまでの私権制限ができないからだが、それでいいと思う。

ニュースのコメント欄を見ているとたまに「超法規的な措置で外出に罰を与えるべきだ」などと主張している人がいるが、法治国家である日本でそんなことをされたら堪ったもんじゃない。日本では戦前の経験から厳しい私権制限が行えないようになっていると言われているが、政府が緊急事態宣言を発令して国民に外出や移動を禁じなくても、できる限りの範囲で外出自粛をすれば十分だろう。
それができない人がいるから強制力が必要だという意見が出るわけだが、日本人なら外国人みたいにムチで躾けなくても、言えばそこそこできるのではないか。

日本と外国、特に欧米の違いを示す踏切の話がある。
日本の踏切の遮断棒はかつては竹で、今は繊維強化プラスチックでできている。遮断棒が車を傷つけにくい素材でできているのだ。
それに対し欧米、とりわけアメリカでは金属製のチェーンが降りてくる踏切が結構ある。日本では無理をすれば遮断器が降りている状態でも踏切に強引に車で進入できるが、チェーンの踏切は絶対にそれをさせない。線路上で立ち往生した場合に困るが、とにかく車をぶっ壊してでも踏切に入れないようにしているわけだ。遮断器が降りていても強引に入ってくるヤツがいるからである。

欧米人はアホで政府の言うことを聞かないからムチが必要で、日本人なら言えば躾ができる。アホな犬と賢い犬みたいな違いだが、日本人は賢い犬の方でありたい。

日本では私権制限のほかに、人権に関しても十分すぎるほど配慮されている。武漢からの政府チャーター便で帰国した人物がPCR検査を拒んだということがあった。日本では強制的にPCR検査を受けさせることができないわけだ。これのせいで新型コロナウイルス感染症が感染症法に基づく指定感染症、検疫法に基づく検疫感染症となったわけだが、それでも嫌がる人を強制的に検査させることはできないらしい。
私が住む滋賀では、草津市にあるニチコン草津という会社でクラスターが発生した。数名の感染者が出たのだが、感染者の濃厚接触者である同社社員のひとりが発熱などの症状が出ているにも関わらず、検査を絶対的に拒否しているという。
強制的に検査させられないため、県は仕方なく自宅での自己隔離を要請しているようだが、県は対応できなくとも、勤め先であるニチコン草津は何かしらの対応が取れるはずだ。クラスターを発生させておきながら事後処理の責務を果たさないクソ企業になりたくないならば、感染の疑いが強いにも関わらず検査を拒否する社員に何らかの処分を課して従わせるべきである。

こういう輩が出てくると、強制力が必要かと思えてしまうが、だからといって一律で人権侵害行為の強制がいいとは思えない。私は普段人権にはうるさくない方だが、アホなヤツらのレベルに合わせてものごとの基準を下げてしまうのが好きではないので、こんなことで強制力云々は嫌だ。どこかのアホのために強制的に何かやらされるなんて受け入れがたい。

韓国では自宅隔離を要請した人が勝手に自宅から外出しないよう監視するため、電子ブレスレットの導入を政府が進めているという。よく海外で性犯罪者や殺人犯の所在地把握のために足首に取り付けられるアンクレットと似たようなものだ。
韓国には4万6000人の自宅隔離者がいて、うち3万6000人は海外から入国した人物だ。それらの人々に装着させ、家から出ないか監視するわけだ。スマホに専用アプリが入れられ、スマホから20メートル以上離れると通報される。スマホを持って家から出ても通報される。
自宅隔離中なのだから家から出なけりゃいい話だが、政府によって自宅から離れないか常時監視されるわけだから、いい気分がしないに決まっている。スマホにわけのわからないアプリを入れられるのだってゴメンだ。

日本では感染が明らかになった後、それまでどこに行っていたか追うのに苦労しているという。毎日決まった行動をしていない人はどこに行ったかハッキリ思い出せないことがあるし、行った場所を隠したい場合もあるからだ。
私の場合、スマホでGoogleのロケーション履歴が有効になっているため、何か月経っていようがどこに行ったかがすぐに分かる。Gooleマップのメニューから「タイムライン」を選択すると、完璧ではないものの、どんな移動手段でどの経路で何時何分にどこに行ったかがハッキリ分かる。
例えば、台湾滞在中だった1月1日のロケーション履歴がコレ。

20200408-2

元日からチャリンコを10キロくらい漕いでショッピングモールを訪れていた。これを見ればどこで買い物をして、どこで飯を食ったをハッキリと思い出せる。

自分が新型コロナウイルスに感染した場合、もちろん国や県の要請に従うし、自分の行動履歴も全部出すつもりだ。拒否する理由がない。
感染していなくても、特に用がないのに出かけたり、ブラブラとショッピングをするつもりもない。
だが、本来はやる必要がないことをアホなヤツのせいでやらさせるのはゴメンだ。外出自粛を強制させられたくないし、どこにいるか見張られたくもない。そんなことはアホが多い国でやるべきである。

日本もそんなアホな国に仲間入りしたくなかったら、とりあえず今は国や地方自治体の要請に従い、大人しくしてじっと耐えるしかない。
少なくとも私はそうする。