先っちょマンブログ

2011年05月

先週の土曜日だったか、朝日新聞の朝刊に福井県知事が何やらごちゃごちゃ言っていた記事が掲載されていた。
なんでも、「定期点検中の原子炉の再稼働は絶対に認めない」とのこと。

簡単に言うと、「やっぱり原発はなんか危なそうだから、運転させない」という決意を示したわけである。
福島第一原発の4号機は、定期点検中でも建屋が爆発してメチャクチャになったが、福井県知事は安全を確実にするため、自分が納得しない限りは、関西電力に圏内11機の原子炉全てを廃炉にしろと命ずるつもりなんだろうか。

これで、関西も電力不足が確定だ。
今年の夏はギリギリ大丈夫かも知れないが、冬はどうか分からないし、来年になれば原発全停止で絶対にダメになる。関電管区はほかよりも原子力発電の割合が高いため、このままだと絶望しか感じない。

「危なそうだからやめろ」と、イメージでしかものが言えない連中を相手にしたって、電力会社は勝ち目がない。しかも非論理的思考が国民の多くに受け入れられるバカな国だから、どうにもならない。

「福島を見ただろ。原発を止めろや」と言っている連中は、木を見て森を見ずといった感じで、極めてミクロ視点になっているとしか言いようがない。日本の産業や経済はおかまいなし。
「福島みたいになったらどうする」で、全てを納得させられると思い込んでいるのだ。

これは、飛行機事故が怖いと言って、飛行機に乗らないのとよく似ている。
平壌から北京まで飛行機ならすぐなのに、ちんたら列車でしか移動しない金正日と同じだ。

多少面倒でも、船や電車でいいというならそれでも結構だし、飛行機に乗れないと行けないような海外旅行は、行かなければいいだけの話。
だが、原発はそう単純ではない。

今度の福島の惨状を見る限り、太陽光とか地熱とか、再生可能エネルギーへの転換にはちょうどいいチャンスではあるが、飛行機を使わずに列車に乗るみたいに、簡単に原発を斬り捨てられない。
天然ガスや石炭などの火力発電は金もかかるし、施設も足らないし、CO2も出しまくる。

今の試算では、現状での原発停止と火力発電への転換によって、日本が京都議定書を守るために年間1兆円もCO2の排出権を買わねばならない。火力にすることでただでさえ金がかかるのに、それに付随してCO2の後始末のために、毎年1兆円も払うとは、正気の沙汰とは思えない。

これから、再生可能エネルギーによる発電に切り替えるにしても、どう考えても20~30年はかかるだろう。その間、原発がなくて何とかなるとは思えない。どう考えても、日本の産業・経済は壊滅的な打撃を受け、立ち直れなくなる。
電気代が高くなるだけで、工場は次々と閉鎖され、海外に分散するに決まっている。当然、その分失業者が増えるし、倒産する会社も続出する。

今日の産経新聞が社説で、原発をこれからも使うしかないと主張したことに対し、「暴論だ」との意見が数多くあるが、私には、どう見ても現実的な主張にしか見えない。
再生可能エネルギーの利用を模索せず、原発の災害対策も見直さないまま原発を使い続けろというのなら暴論かも知れないが、現実的な落としどころを考えたら普通だろう。

菅直人のようにポーズのために浜岡原発を止めさせたり、福井県知事のように原発の再稼働を認めないのは、言うだけだから簡単だ。
実際、それをやるのは難しいし、死ぬくらいの困難を伴うだろう。

日本の行く末は、今年の夏に決まりそうな気がする。
暑くてもいい、不便でもいい、職を失ってもいいと皆が思えたら、原発即廃止の方向へ動くだろうし、ガマンの限界を超えてしまったら、「原発はやっぱりしばらく必要」という世論の声も高まるだろう。
もし、結局「原発なし」の方向のままどうにもならなかったら、来年に日本全国あちこちで火が噴いて、それこそ手遅れになってしまうのではなかろうか。
 

 

IT製品の開発という仕事をやる上で、最もタチが悪いヤツは、あまり知らないくせに口を挟んできて、いろいろやらせようとする上司である。

これまでで最も最悪だったのが、ある製品の設計段階で、会議にも出ていなかった上の方の上司が、「USBのクライアント機能があればいい」などと言い出したことだ。
そのおかげで、基板設計の段階でUSBのトランシーバのチップを載るようにして、さらにソフトウェアの開発でUSBマスストレージのドライバなどを作らねばならず、本当に鬱陶しかった。

しかも、それでいい結果になればよかったが、誰も搭載したUSBの機能なんぞ使わず、原価アップにも関わらず何のためにUSBのチップを載せたのか、何のためにUSBのドライバを作ってファームウェアにねじ込んだのか、全く意味が分からなかった。

イマイチよく分かっていない上司が、思いつきで部下に何かやらせても、ロクなことにはならない。大抵の上司はアホなんだから、下からの提案をいいか悪いかだけ判断してりゃいいのだ。

それと全く同じことで、もっと規模を大きくしたことを菅直人がやっていた。

東工大出身の菅直人は、一時自分を"原子力の専門家"だと勘違いしていたようで、福島第一原発を無意味に視察したり(パフォーマンスという観点では若干意味があったかも知れんが)、東電がやろうとしたことにいちいち口を挟んだりしていた。

それが今になって原子炉のメルトダウン問題で一気に噴出し、大問題になっている。

原子炉を廃炉処分にすることを渋っていた東電が、ようやくそれを諦めて福島第一原発の1号炉に海水を注入しだしたというのに、始めてから20分後に、55分にわたって海水注入を中断したのだ。
新聞報道などによると、原子力安全委員会の班目委員長が、「海水を注入することで、燃料棒が再臨海を起こす可能性はゼロではない」と菅直人に進言したため、菅直人がブチ切れ、それを伝え聞いた東電が止めたとか何とか。
官邸はしらばっくれるが、菅直人の命令として、海水注入を止めさせたのかも知れない。

班目委員長の発言は頷ける。技術者はよくこのような発言をする。「ほとんどないが、あるかも知れない」といっておけば、何かあっても逃げが効く。極めて保守的は発言だ。まあ、事実なのだから仕方がない。
だが、菅直人みたいなアホに説明するときは、正確なニュアンスで伝えるべきであった。「ゼロではない」ではなく、「ほとんどないけど、もしかするとあるかも知れない。けど、安全面を考えたら、海水注入は正しい判断」であるべきだったろう。

自分の能力をわきまえているトップであれば、それでいいのか悪いのか、専門家の判断をよく仰いでから判断すべきであったが、自称"原子力の専門家"はそうではなかった。
ついでに、何でも自分が指示してやるのが"政治主導"だと勘違いしている御仁であるから、結果的によくない判断がくだされたのだろう。

海水注入が55分中断したからといって、メルトダウンが起こらなかったかどうか分からないが、悪影響はあってもいい影響はなかったのは確かだろう。
今さらごちゃごちゃ言っても結果論でしかないし、野党がそこを責めても何の問題解決にもならないという声がある。

そうは言うが、問題があったのだから、それを放置するわけにはいかない。問題は、根本的に解決しないと、同じことが繰り返される。それが常識。
放っておいたら、またもや"政治主導"なる伝家の宝刀を抜いて、何をやるか分からない。
今回の問題の根本原因は、成り上がりの市民活動家で、自分を"原子力の専門家"だと勘違いしているバカが総理大臣になったことだろう。だったら、それを排除すればいい。

ただ、首相の首をすげ替えたところで、菅直人よりややマシになったバカが首相については意味がないわけだが。

 

今日の朝日新聞の社説は笑った。あまりにも露骨すぎる内容だったからだ。

【朝日新聞】 日中韓協力―震災での絆を土台に (5/23)

朝日新聞の社説子は、中韓に対する領土問題や歴史認識できしんだ関係も、震災で認識した隣国との絆をもってすれば豊かな協力の実りに繋がる、と手放しで褒め称えていた。

中国や韓国は、それほど人や金を出したわけでもない上、中国に至っては、震災対応でどたばたしている自衛隊の対応能力を調べるため、領空侵犯で日本を挑発するなどしていた。
韓国は、日本の教科書が竹島の領有権に触れていることが気に入らないとして、震災の義捐金を取りやめたりしていた。

そんな国から貰った僅かの協力は、朝日新聞に言わせれば「豊かな協力の実り」となる。
だったら、台湾やアメリカからの協力は、どのような表現になるのであろうか。

今度の日中韓の首脳会談についての手放しで褒め、安全上全く問題のない福島県産の野菜を温家宝が食っただけで、避難所をにやけ顔で見舞っただけで評価した。

その上で、広大な土地を持つ中国での自然エネルギー開発に日本が技術支援をしろとまで言ってのけた。
今の我が国のこの状況で、中国での発電所建設に投資するとか、頭がオカシイとしか思えない主張である。

朝日新聞の社説は、中国様や韓国様から協力を頂いたのだから、それをもっと発展させて、日本の復興に役立てようと訴えた。

その一方、産経新聞は今朝の社説で、日中韓の首脳会談をせっかくやったのに、震災支援に対してへーこらするだけで、領土問題やガス田開発問題で中国や韓国に一言も文句を言わず、議論すらしなかった菅首相に文句を付けた。

朝日新聞は手放しで褒め称え、産経新聞は言うべきことを言わない菅首相に文句を言った。
どちらの社説が、一般人の思いと近いだろうか。言わずもがなという感じだが、僅かな支援で頭を下げまくる首相に全く文句がなく、中国や韓国から多大な協力をして貰って、日本は助かっていると思っている国民なんぞ、一部のクルクルパーを除いていないのではないのか。

菅政権は、中国と同じく領空侵犯してきたロシアにも、「震災で協力を頂いたのだから、文句は言わない」とアホなことを言っていた。
中国や韓国に対してもそれと同じなんだろう。いや、震災で全く協力していなかったとしても、土下座外交が行われていたに違いない。

菅首相を始めとする菅政権の人間が強く言えるのは、結局国内の人間だけ。
首相が東電に乗り込んで怒鳴り散らしたり、大臣が「消火活動をしないと処分する」と恫喝するしかできない。
挙げ句の果ては、自分たちより立場が下だといって、民間企業である中部電力に年間2500億円の損失を出すよう浜岡原発を止めさせたり、銀行に東電に対する債権放棄を求めるという暴挙までやってのけた。

なんという内弁慶であろうか。国民には強く言え、どんなムチャクチャでやらせるわりに、中国、韓国、ロシアなどには文句を言うことすらできない。
家族にだけ強気に出るバカなニートみたいで、情けなくて涙が出る。

 

アマゾンで、サーキュレータを買った。扇風機みたいなヤツで、部屋の空気を循環させ、エアコンの効率を高めるための補助家電だ。
ゼピールとかいう会社の、amazon.co.jp限定ホワイトモデルだ。1980円で安い。

何年か前に、同じ製品で黒いタイプをものを買った。
ゼピールのサーキュレータは、安い上に、"弱"や"中"で使ったときに音が静かでいいのだ。ハネウェルのサーキュレータも持っているが、モータの回転音がすごくで、テレビをつけているリビングまだしも、寝室で使うなら話にならない。

今年の夏は、サーキュレータに加え、扇風機が売れているのだという。
私は別に節電を心掛けて買ったというより、お気に入りの製品のホワイトバージョンが出たから買っただけだが、扇風機やサーキュレータを積極的に買っている人は、節電に協力的な人なんだろう。

わざわざ扇風機を買うってことは、エアコンの使用を控えめにして、扇風機を使うとは、献身的で素晴らしい。
そんなことをしても、お構いなしにエアコンを使うヤツがいて、電力が足らずに停電になってしまった場合、扇風機ももちろん動かなくなるわけだが、それを分かっていつつ、自分から積極的に節電に協力しようと思う人がそれだけいることは、非常にいいことだと思う。

そのほかにも、数年前からブームになっているゴーヤの栽培による"緑のカーテン"が、今年は空前のブームになりそうな勢いだ。あちこちでゴーヤが売れまくっているらしい。
ただ、それがうまくいくかどうかは微妙なところだ。

市役所や学校などでうまく育ったところだけマスコミで紹介されているが、昨年、近所でゴーヤ栽培をしていた家は、ことごとく失敗していた。
"緑のカーテン"にはほど遠いヒョロヒョロっぷりで、「それを植えるくらいなら、キュウリの方がいいだろ」って思うものがたくさんあった。

私が思うに、花など植えるためのガーデニング用の12リットル程度の普通のプランターでは、ゴーヤはちゃんと育たないのだろう。
野菜を育てるための50リットルくらいのプランターを使うか、地面を直接耕して、畑の土を入れて育てないとダメだろう。
でも、そこまでするんであれば、ちゃんと育つかどうか分からないゴーヤを待つよりも、よしずを買って、立てかけた方が早いし確実だと思う。

節電のために、国民がアレコレいろいろやろうとしているのは結構なことだが、それはまだ暑くないからだろう。
暑くないから、何となく楽しむような感じで節電対策に臨んでいるのかも知れないが、これが7月8月になり、昨年の猛暑日みたいな地獄の暑さが巡ってきたら、呑気に節電とか言っていられない人が大勢出てくるに違いない。

そのような状態になったとき、それでも節電を貫き通せるのだろうか。
個人的には、3月に沸き起こった有名人に対する義捐金ファッショのように、「あそこが冷房使いまくりだ」などと、節電ファッショが起こり、それに起因したトラブルが数多く発生すると思う。

「電気の無駄遣いだ」と言ってパチンコ屋で暴れるヤツが出てくるだろうし、弱すぎる冷房になった満員電車で、暑さのあまりぶち切れるヤツも出てくるだろう。

外人は、大地震があってもじっと耐える日本人を賞賛したらしいが、多くの国民が、夏の暑さもじっと耐え、ガマンしていられるのだろうか。
何か起こりそうな気がしてならない。

 

統一地方選で自身が率いる「大阪維新の会」が完全勝利とは言えない結果に終わったことについて、橋下徹大阪府知事が「敗北だ」などと何やらしおらしいことを言っていたが、ここへきて急に勢いを盛り返してきた。
大阪府内の公立学校の教員に対し、卒業式などで国家斉唱時に起立を義務づける条例を作ろうとして、「守らない教員はクビだ」とツイッターなどで息巻いている。

橋下府知事自身が言っているように、んな当たり前のことを条例で義務づけないといけないような社会がダメで、ちゃんと罰することもできないことが異常なわけだが、どこらへんまで処分できるのか見物である。
橋下府知事のいつものパターンは、世間を焚きつけるような大袈裟なことを最初にぶちかまして、侃々諤々の議論を引き起こし、世間の耳目を集めるというものだ。だから、今回も「起立しない教員はクビだ!」とブチ上げただけかも知れない。

恐らく条例案が提出され、可決されるだろうけども、そのあとどうなるかが問題なのだ。一部の反抗的で、反国家的な教員と、橋下府知事とのチキンレースになるかも知れない。

その一部の教員は、「思想統制だ」などと言っているが、忘れてはならないのは、日本国民には職業選択の自由とかいうヤツが、そいつらが大好きな日本国憲法で保障されているということである。
国や府が決めたことに従えず、自分の思想を侵されると思うのであれば、教員をやめればいいだけの話。
普通の会社員は、会社や上司が決めたアホな決まりも仕方なく守るもんであり、公務員だって少々気に入らないことがあったとしても、決まりには従うべきだろう。

会社や上司がどうしても気に入らず、自分に合わないと思う会社員は会社を去る。同じように、公務員も職場を去ればいいのだ。

嫁さんの地元の横須賀市で、市の職員が人事異動を不服だとして、元の職場に無理矢理通い詰め、仕事もせずにただ机に座って給料だけ貰っていたという噴飯もののニュースがあった。
こんなことが許されるのは公務員だけ。

公務員なら何をやっても許されるという風潮は変えねばならない。
ただ、国歌斉唱のときに立つだけの話だろう。ちょっとガマンして立つだけだ。国旗が嫌いとか、国歌が嫌いとか、自分の職を賭してまで貫き通すような信念じゃなかろうに。

国歌斉唱のときに立つのではなく、チンチンを勃たせろという条例なら、「自身のプライドに照らし合わせてできない」と主張しても頷ける。
国歌斉唱時に起立することは、チンチンを放り出すのと同じくらい恥ずかしいことなのか。そうじゃなかろう。

この国の国旗や国歌がどれだけ嫌いが知らんが、そんなもんはてめえの心の内に収めておけばいい。
何のつもりか知らんが、アホみたいに周囲にアピールするようなことか。
「思想統制」というのは、「この国を嫌ってはならない」などということを強制することであって、起立する決まりを作ることではなかろう。

 

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