先っちょマンブログ

2011年06月

2003年のイラク戦争の前、イラクのフセイン大統領がアメリカのブッシュ大統領に、「大量破壊兵器がない証拠を出せ」と因縁を付けられた。イラク側は「ない」と回答したのだが、アメリカは「そんなことあるわけない」と主張し、問答無用でイラクに戦争を仕掛けた。

実際、イラク制圧後にアメリカがイラク中を探しまくったのだが、結局、大量破壊兵器自体見つからず、かつて存在したという証拠すら見つけられなかった。

アメリカがイラクにただ因縁を付け、ボコボコにしただけの戦争が、イラク戦争だ。

そもそも、アメリカの因縁の付け方がムチャクチャであった。「大量破壊壁が存在しない証拠を出せ」という否定の証明をイラクに求めたのである。
数学でもない限り、否定の証明なんぞできるわけがない。イラク中を開けっぴろげにしたところで、結局はアメリカに「どこかに隠しているんだろう」と言われて戦争を仕掛けられるだけである。

身近なことで考えると、どれだけムチャであるか分かりやすい。

例えば、嫁さんや恋人に「浮気してない証拠出しなさいよ」などと言われても、"浮気をしていない証拠"なんか出せるわけがない。自分の毎日の行動を相手に示したところで、それを頭ごなしに「ウソ」と言われたり、「してるに決まっている」などと逆上されたら終わりだ。
女には理屈が通じないのである。

相手が否定の証明を求めてくるのであれば、逆にこちらから、それがあるという証拠を出せと言ってやればいい。前述の女の場合は、「俺が浮気しているという証拠をお前が出せ」と言えばいいのだ。

「○○でない証拠を出せ」と言っているヤツは、大抵がアホか、アメリカみたいに相手に因縁を吹っ掛けたいチンピラである。

たまに仕事上の客で、製品や中のソフトウェアに関して、「問題ないことを証明しろ」とか言ってくるヤツがいる。どうしようもない低能の薄らバカである。
だが、客に「あなたはどうしようもないバカですね」とは言えないので、「問題が全くないとは言い切れませんが、これだけ検証をしています」とか言って検証リストを提示したり、「万が一問題があった場合は、ただちに原因を究明し、修正するようにします」などと言うのだ。
どんなバカな客でも、それで一応納得する。それでも納得しないほどのバカなら、それ以上客として相手にできない。

それと同じようなバカをやっているのが、橋下徹・大阪府知事である。

彼は震災後、急に「原発をなくせ」と息巻いているわけだが、九電の玄海原発の再稼働を佐賀県知事が容認するような姿勢を見せたところ、猛烈にかみついた。
「原発が安全であるというデータはない。知事は霊感でも持っているのか」

橋下府知事は、データデータと言ってロジカルシンキング(論理的思考)をしているかのように装っているが、実際はそうではない。
また、「安全である証拠を出せ」というのは、否定の証明になっていないように見えるが、実際には、安全を示すには問題や危険がないことを示す必要があり、結局は「原発に問題がないことを証明しろ」と言っているのと同じだ。

そんなもん出せないに決まっている。実際、「どんな災害があっても絶対安全」などと言い切れるわけがない。言い切れないと分かっていて、原発推進派に無理問答を押し付けているのである。

さらに橋下府知事がダメなのは、関電の15%節電要請に未だにデータデータともっともらしいことを言った上に、「電力不足が7%なのに、15%の節電要請はオカシイ」などと主張している。
オカシイのは自分の考え方である。

橋下府知事はマージンという言葉をご存じないのかも知れないが、電力が7%足りないときに、10%の節電が行われたとしても、余裕度は3%分しかない。
電力の使用率が95%を超えると、いつ停電が起きてもおかしくない危険水域になる。急に暑くなって一気に電力消費量が上がるかも知れないからだ。
だから、7%足りないのに10%の節電要請というのはどう考えてもあり得ない。

また、もしギリギリでいくとしても、10%の節電要請では、実際に皆が10%の節電を行うとは限らないわけで、余裕を見て大目に要請するのは当然のことだ。15%の要請で、実質的に10%だったら、何とかギリギリ電力が供給できるかも知れない。
それが普通だろう。

システムのスペックにマージンを持たずに設計するのは、中国人のようないい加減な連中のすることで、常識ある社会人ならば、常にマージンを確保するのが当然だ。
消費電力が10Wの機器には15WのACアダプタを使い、5VDCの電源周りには耐電圧16Vや25VDCのコンデンサを使う。これが日本人の設計思想である。

橋下府知事は、論理的思考ができているように装いながら、実際は何もできていない御仁である。
国旗掲揚とか国歌斉唱みたいな数字に関係ない思想の分野なら感情論だけで、激情しながら政策を推し進めればいいが、数字と論理的思考が必要な電力消費に関して、アホ丸出しの姿で口を挟んでいる場合ではなかろうに。
 

 

私は仕事でほぼWindowsしか使っていないのだが、製品によっては開発環境がLinuxのものがあって、それらの開発をするときはLinuxディストリビューションのひとつであるFedoraを使っている。
デスクトップ環境はデフォルトのGNOMEで、特にごちゃごちゃいじったわけではないのだが、下のタスクバーに天気と気温が表示される。設定している大阪市の場合、関空の天気と気温らしいが、このところ暑さ全開であるため、Linuxを立ち上げて気温を見る度ウンザリする。

今日もLinux上で見てみたら、摂氏34度、体感気温は38.9度と書いてあった。実際計測された気温だけでいいのに、体感気温まで書くから余計にウンザリしてしまう。

 


我が家は滋賀にあるのだが、先週から冷房をつける毎日だ。設定温度は例年より1度高くしているが、それでも節電もクソもない使い方である。
滋賀や京都は盆地なので、夏は暑く、冬は寒いという最悪な土地なのだ。

夜寝るときも入れっぱなし。うちはオール電化契約なので、夜11時から朝7時までの電気代が3分の1になる。だから、暑い夜は冷房つけなきゃ損々ってわけだ。

節電のためにテレビの深夜放送や、コンビニの深夜営業をやめろとムチャクチャ言うバカがいるが、電気が有り余っているときに使って何が悪い。
夜中の電力は揚水発電に回せるとか何とか言われるが、揚水発電は夜間に余った電気で水を汲み上げておくモンで、原発がかろうじて動いている今では、全部揚水発電に回してもまだ電力は余ってるのだから、気にすることはない。

ただ、これがこの先どうなるのかと、今から本当に心配になってしまう。
赤ん坊や要介護の年寄りがいる家庭は、暑い時期に冷房なしでやり過ごすわけにはいかないだろうし、昼間の仕事の効率のことなんかを考えると、夜は冷房を付けて寝たい。
昼の仕事だって、暑いところでやったら、効率が下がるだけ。冷房をガンガンに効かせて働きたいところだ。

皆、そう思っている。
しかし、福島があんなことになった以上、それをおいそれと口にできない雰囲気になっている。

個人では皆、過度な節電や冷房を弱めたりつけないことにブーブー言うわけだが、少しでも人が集まったとたん、誰も文句が言えなくなる。

日本は、サヨクが中心になって"個"のみを考え、"個"のために"公"を捨てる世の中になったというのに、反原発の動きでサヨク連中は"公"のためと称し、あらゆる活動を制限しようとしている。
暑いのはガマンしろ、職を失ってもガマンしろというわけだ。これぞまさに全体主義である。"個"なんてもんは、全体主義を前にすれば、いとも簡単に吹き飛んでしまうのだ。

福島第一原発の放射線被曝でまだ誰も死んでいないが、全体主義の中で押し進められる節電ファッショでは、人が死んでもおかしくない。
放射能で誰も死ななかったのに、熱中症で大勢死んでは笑い事では済まない。

反原発の連中は、死んでも原発を再稼働させたくないから、電力不足に陥らせぬよう節電を強制しているわけだが、そんなもんに協力するのがアホらしくなってきた。
これからもっと暑くなる。私はもうガマンできない。

 

社会人になって、会社で製品開発というもの作りをして、仕事の難しさを知った。
仕事をやる上で、納期厳守と客先対応というのが一番難しい。

開発という仕事をする以上、常に納期に縛られ、それに振り回される。それだけならまだいいが、作った製品でトラブルが起き、そのトラブル対応に追われるのは心底ウンザリする。
自分が悪いといえば悪いのだが、実際は「オレは悪くない」と言いたいことが多い。

そういうことをいろいろ経験してきたから、よその企業でいろんなトラブルがあったとしても、自分に置き換えることで理解できるし、「まあ、しゃーないか」と思えることが多くなった。

例えば、震災後に起きたみずほ銀行のトラブルがある。数日にわたって振り込みや引き落としができず、えらい迷惑を被った人が大勢いた。私自身も、会社の旅費精算口座から金を引き出せないまま、急な出張に行くことになって、出張中に金に困ったことがあった。

トラブルの原因は、解説した義捐金専用口座を、振り込みがたくさんあるときは特別な設定にしないといけなかったのに、通常の口座と同じにしてしまったため、振り込みが多数重なって、システム全体がめちゃくちゃになったというものだった。

これは、義捐金用口座の設定を間違えたヒューマンエラーが原因であるが、そのように設定できてしまうシステムにも問題があるだろうし、通常口座でも振り込みが重なっても設定が切り替わるなどして、問題が起きないようなシステムになっていなかったことも問題だろう。

「それを想定していなかったのが悪い」などと軽く言って、バッシングするヤツがいるが、そんなもんはトラブルが起こってからは幾らでも言えることであり、ただの結果論でしかない。
トラブルが起きたら、尻をぬぐった上で、同じ過ちを繰り返さぬよう、再発防止策を練って実行すればいいのである。

同じことが東電にも言える。

今日の株主総会で、東電は株主から叩かれまくった。元々2000円で持っていた株主がキレて怒っているのならまだ分かるが、株主総会に参加するために200円になってから買った連中にも叩かれまくった。

確かに東電の対応にはかなり問題があったかも知れないが、原発事故について東電にだけ責任を負わせるのは、なんかオカシイような気がしてならない。
IAEAから電源確保について問題があると指摘があったのに東電は無視していたわけだが、それでも原発における国の基準は満たしていたのである。何か誤魔化して基準を無理矢理パスしていたのなら問題だが、ちゃんと国の基準をパスしていて、問題が起こったのだから、それは国の基準に問題があったとしか思えない。

だとしたら、これまでその基準で放置してきた、自民党や民主党などの政権にも責任の一端があるし、所轄の経済産業省やら原子力安全・保安院やらにも問題がある。

ここで東電を庇うとおかしく思われるかも知れないが、東電は国の基準を守っていたことは忘れてはいけない。
それで事故が起きて、その結果だけを責められたら、私が担当だったとしたら、「オレに言うなよ」と思うに決まっている。とんでもない結果になったことは申し訳ないと思うだろうが、基準を守っていたにも関わらず、「想定しなかった」という結果論で責められても、「知らんがな」と思ってしまうだろう。

その上、会社の経営があと一歩で倒れるというところまで傾いて、自分のお先は真っ暗である。
そんな状況で、トラブル対応するわけであるから、ヤケクソになって逆ギレしてもおかしくない状況である。
それを思うと、まだ頑張っている方だと思えて仕方がない。

どんなトラブルでも、トラブルを責める方が一方的に強く、トラブルを出した企業側はひたすら堪え忍び、トラブル回避向けた動きをするのみである。
東電は、むちゃくちゃ叩かれても仕方のない状況であるわけだし、これまでの日本の企業であり得なかった空前絶後の大トラブルを出したわけだが、ここは何とか踏ん張って貰いたいと思う。

 

経済産業省所管の日本エネルギー経済研究所が今月発表した「原子力発電の再稼働の有無に関する2012年度までの電力需給分析」という資料によると、日本中の商用原発を全て停止した場合、2012年度における一般家庭の電気料金は、2011年度に比べ18.2%上昇するという。平均値で計算すると、1000円強だ。

このニュースが流れたとき、「月1000円の電気代アップで済むなら、さっさと原発なくせ」との世論が吹き荒れた。
ついでに、どういうわけか「原発がなくても代替発電所の稼働で電力が足りる」と書いているブロガーも多くいた。資料にはそんなこと全く書いていないのだが、一体どういうことなのだろうか。

電力が足りていて、月平均5800円の電気代が6800円になるだけだったら、原発はすぐにでもなくしてしまっていいかも知れないが、実際はそうではない。
「月1000円」しか見えていないヤツは、自分ことしか考えられない低能にしか見えない。電気を使うのは、てめえの家だけではないのだろうに。

資料によると、家庭用電気料金は18%の値上げで済むが、それが産業用になると36%になるという。電気代を月に何百万、何千万円も払っている工場などにとっては、36%も電気代を値上げされたらたまったもんじゃない。
しかも、安定供給されているのならまだしも、このままでは来年の夏季には全国的に決定的な電力不足に陥ることは間違いなく、供給不安定による停電などがあった場合、おちおち工場を動かすこともできない。
半導体の工場などは、1秒の瞬停でもその後のライン検査に数時間を要するため、計画停電なんか以ての外だし、一時的な停電も許されない。

ここへきて、大手企業では国内工場の生産ラインを海外に移管してしまおうという動きが活発になっている。電力供給が不安な上、電気代上昇が確実な日本でもの作りなんかできないというわけだ。
工場を管理する社員は海外工場への転勤になるが、工場に勤めている作業員はもちろん全員クビになる。

また、原発停止による火力発電等稼働によって、排出されるCO2は1990年比で18.7%上昇する。余計に排出して京都議定書の排出枠を超えたCO2は、排出取引によって金で解決せねばならない。その額、年間1兆円だ。税金を1兆円使って、虚業としか言いようのないアホみたいなCO2取引で、クソみたいなよその国に金を搾り取られるわけである。

もちろん、火力発電の推進によって、原油価格やLNGの価格も上昇するため、ガソリン代や灯油代、ガス代に跳ね返ってくる。

日本エネルギー経済研究所の資料にある1項目だけを見れば、「1家庭あたり月1000円の負担で原発廃止可」に見えてしまうが、実際は問題が多すぎる。
実際、その資料にも、「(原発の)安全性の確保を最重要課題としつつ、原子力発電の再稼働問題を真摯に検討することがわが国にとって喫緊の課題になる」とある。

「月1000円」に踊らされて、産業用の電力のことを考えられない人間は、もの作りに関わったことがなく、製品のコストとか原価とかを全く考えたことがない人なんだろう。

反原発を唱える人の中には、節電のためにエアコンを止め、「暑ければ窓を開ければいい」と言うヤツがいる。
日本の職場は殆どが夏季に猛烈な暑さになる。窓を開けてどうこうなるものではなく、仕事をしたことがないニートの発言に思えて仕方がない。

週末に行かされたトラブル対応のための出張先は、東電管区内で、その会社では社員の人が皆ウンザリしていた。
私が詰めていた実験棟は冷房が効いていたためよかったが、一般の事務所は休日や時間外に冷房が入らないため、「とてもじゃないが仕事ができない」と言って、その社員が実験棟にノートPCを持ち込んで、資料作りなどをしていた。

原発を動かせば済む話なのに、しかも原発を一時停止しても安全でも何でもないのに、ガマンを重ねる必要があるのだろうか。今はまだ暑くなりかけだからいいかも知れないが、実際に7月の梅雨明け後、皆が本当にガマンしきれるのだろうか。

暑さだけでなく、税金を毎年1兆円余計に払っても、ガソリン代が値上がりしても、仕事をクビになっても、ガマンできるのであろうか。
日本人はガマン強い民族だが、そこまでガマン強いのだろうか。私にはそうは思えないのだが。

どう考えても、急激に脱原発に進めるわけがない。何の調整もせずにいきなり脱原発に向かえば、ヒドイことになるに決まっているのだが、反原発の人たちは、「どんなに酷い目に遭っても、福島で酷い目に遭った人よりマシだ」という。
結局それも、個人の話だ。個人的に酷い、酷くないはそうかも知れんが、国家レベルで見れば、急激な脱原発はマイナス以外の何ものでもない。どんなプラスがあるのか。一部の人間が何となく納得するという、ただの感情論でしかない結果しかないではないか。

脱原発は1年で進めるもんじゃなく、20年、30年のスパンで進めるものだろう。
そのガマンはできないのか。

 

今、出張先のビジネスホテルにいる。
昨日突然、上司からトラブルが起きている客先に行って、試験に立ち会って来いと言われたからである。

準備して昼過ぎに会社を出て、客先に入ったのが夕方の5時。
その時点でウンザリなのだが、要領悪くちんたら作業をする客のせいで、作業が大して進まなかった上に、夜の11時まで付き合わされた。
もちろん、新幹線の終電なんぞとっくに過ぎているため、仕方なくビジネスホテルに泊まることにした。
今日もこれから作業である。

ビジネスホテルは、ドーミーインという変な名前のビジネスホテルチェーンにした。
近くに東横インもあるのでそっちにしようかと思っていたのだが、現地の営業が「ドーミーインがいいらしい」というのでそこにした。

思ったよりよかった。
6300円という価格ながら、できたばかりという理由もあろうが、施設がキレイで、朝食も簡単なバイキングで腹いっぱい食えた。東横インは無料ながらしょぼいパンが出てくるだけだ。
"天然温泉"とされる大浴場もあって、リラックスできた。

4時間しか寝てないが、朝に温泉に入ってきて、今日も頑張れそうである。

東横インもそうだが、こういうビジネスホテルでは、どういうわけか朝日新聞をタダで配っている。今朝もフロント近くに山積みされていた。
朝日新聞の出版部数のどれほどが、ビジネスホテルで配られているものなのだろうか。

今秋発売の週刊文春に、1974年7月に三大紙で初めて原子力PRの広告が掲載されてから、"反原発の総本山"だった朝日新聞が親原発に転向したという記事が掲載されていた。
そんな朝日新聞であったが、3・11以降は再び反原発に転向し、現在に至る。今日の朝刊も、1面の天声人語から社会面まで反原発記事が踊っていた。

原子力をPRする広告なんかこれから入らないだろうし、弱った電力会社ならいくら叩いても問題ない。水に落ちた犬を叩きまくる中国人と同じやり方だ。
金のために叩くのをガマンしていたのだから、その反動はものすごい。
週刊現代や週刊文春と一緒になって、反原発にせいぜい精を出せばいい。頑張ってネガティブキャンペーンをしても、日本の産業界は急に脱原発に展開できないのは間違いない。

せっかく貰った朝日新聞だが、読むところがあんまりないので、15分ほど眺めたら飽きてしまった。
チェックアウト時に捨てていくことにしよう。

 

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