先っちょマンブログ

2011年10月

藤子・F・不二雄のSF短編に「間引き」という話がある。
舞台は昭和55年だ。

主人公で、コインロッカーの管理人をしている男の元に新聞記者が訪れ、若者が赤ん坊をコインロッカーに捨てる現場を見て記事にしたいという。
その待ち時間の間、新聞記者が男に地球の人口の話をする。
百万年もの間、人類は人口増加率がほぼゼロに近かったのに、ここ100年ほどで急激に上昇し、2%を維持している。レミングのように、個体が増えすぎると自ら命を絶つような行動をする動物がいるが、人間もそうではないかと問いかける。その証拠に、何の理由もなく人を殺したり、母性の欠片もない親が子を捨てるようになり、自然と人口を調整するような働きがあるのではということだ。

現に、その新聞記者がいる間に、コインロッカーで殺人事件が起こり、赤ん坊を捨てる事件も起こった。

そのあと、主人公の男は嫁さんに毒入りのおにぎりを食わされてあっけなく殺される。食糧事情が悪くなり、旦那に食わせるメシをもったいなく思った嫁さんに殺されるのだ。
そのとき、地球の人口が45億人に達したというサイレンが鳴らされていた。

藤子・F・不二雄の別のよく似たSF短編に「定年退食」というのがある。
こちらの舞台は近未来だ。

定員法と呼ばれる人口抑制法がある時代で、食料は全て配給制になっており、年寄りは抽選で生きられる時代だ。
話の最後で、定員法が改正され、73歳以上は食糧の配給、医療、年金など国のサービス全てが打ち切られる。主人公の老人たちは、最後に自分たちが生きる場所なんかどこにもないと悟る話だ。

いずれの話でも共通しているのは食糧危機と、老人が歳を取ってから生きていられるかというものだ。
藤子・F・不二雄は危機感を読者に投げかけているわけだが、漫画が欠かれて30年経った今現在は、それよりももっとヒドイことになっている。

「間引き」にあった地球上の人口増加率は、1970年くらいの2%程度をピークに下がり続け、今では1.2%になっているが、それでも人口は増え続けている。戦争が減り、病気が減り、人が死ななくなったことが原因だ。
今日10月31日に、地球の人口が70億人を突破したのだという。ちっとも喜ばしいことのようには思えない。

「定年退食」の中では、抽選結果に不満を持つ老人が役所に怒鳴り込んだとき、役所の人間が「現在の人口構成では、生産者2.73人で年金生活者をひとり支えていて…」という説明をする。
今現在、年金受給者ひとりを支えるのに必要な労働者は3人だ。「定年退食」でジジイに食料が与えられず、実質的に死ねと言われていた設定とほぼ同じだ。
年金は、50年前は19人でひとりを支えていた。50年後は、ひとりでひとりを支えねばならない。つまり、あと50年経てば、老人ひとりに15万円払おうと思ったら、労働者が稼いだ15万円をそっくりそのまま年金に回すしかない。食糧問題よりも、年金問題の方が遙かに深刻だろう。

結局、何十年も前から、来るべき将来への危惧はあったわけだが、何ひとつ改善されていない。どの国の政府もただ漫然とやるだけで、危機感を特に抱かない。この国の政治はそれの最たるものだろう。
藤子・F・不二雄が危惧した将来よりも悪い将来が待ち受けていそうなわけで、これで大丈夫かと思うが、多分大丈夫じゃなかろう。
漫画に描かれていることより、もっと悪いことが起きそうだ。

 

30も半ばを迎えると、体のいろんなところにガタが出てきて、衰えが著しくなってくる。

最近、郷ひろみみたいな私の眉の毛が、やたら伸びてくるようになってしまった。ほっとくと、村山総理みたいなジジイの眉毛になってしまうかも知れない。
歳を取ると、毛根もボケ出したりして、変なところに毛が生えたり、毛が妙に長くなったりするらしい。
仕方がないので、眉毛を整えるはさみを買って、定期的に切っている。

頭の毛も、随分と白髪が増えた。前は嫁さんに切って貰っていたのだが、今はもうキリがないので放っている。そのうち白髪染めが必要になるだろう。

白髪はほかにも生えてきていて、鼻毛やチン毛として白髪が生えているのを発見したときは、愕然とさせられた。

体力も著しく低下した。
健康のため、休日やその前の日は、犬を連れて10キロ程度の散歩をしているのだが、寒くなってくると汗をあんまりかかなくなる。運動して汗をかくのがいいらしいので、先週から軽いジョギングを始めた。

ジャージに着替えて颯爽と走り出したのはよかったのだが、数百メートル走ったところで、ふくらはぎの筋肉が痛くなり、息も絶え絶え、呼吸がしにくくなってマジで死ぬかと思った。
タバコを吸っていたときにジョギングした感覚と似ていて、足の筋肉はおろか、心配能力も自分では想像できないほど低下していた。

途中途中歩きもって、30分弱走るのが精一杯だった。昔の感覚のスピードで走ると、すぐにばててしまう。
だが、ウォーキングでは殆どかかない汗も、ジョギングならものの15分ほどでたくさんかけた。

この金曜日と土曜日は、そのジョギングをしたあと、45分ほど犬の散歩に出かけた。
だが、それが悪かった。

汗を大量にかいたあと、「なんか寒いな」と思いながら歩いていたのがどう考えても悪かったらしい。
ここ数か月風邪をひいていなかったのに、それをしただけで一発で風邪をひいてしまい、今38~39度くらい熱がある。

今年は有給休暇を1日も使っていないので、たまに熱が出るくらいでちょうどいいのだが、運の悪いことに、明日は客先への提出物の期限で、死んでも出社しなければならない。
もうできあがっているので、午前中だけ出社して、午後半休で帰ろうと思っているのだが、久々に風邪をひいて辛い思いをしそうだ。

私は、遠距離恋愛中だった今の嫁さんに会いに横浜へ行って、40度の熱があるときも、マクドナルドでビッグマックを食ったくらいの人間で、熱への耐性はまあまあある方だが、それは20代前半の話であり、30半ばの今はどうか分からない。

最悪、2日ほど休んでもいいかと思う。悪いのは風邪をひいた私ではなく、私ひとりしかできないことをやらせていた、危機管理能力が欠如した会社の方なのである。

と、思い込むことにして、あまり気にしないようにしよう。
また気管支炎になって、喘息の薬を吸いながら数か月苦しい思いをするのもイヤだし、会社のために無理なんかしたくはないのだ。

 

昨晩、ドラフト会議のもようを報じるニュース番組を見ていたら、日ハムの勇気ある横槍で巨人行きが阻止された菅野の憮然とした顔を見て、嫁さんが「選ばれる選手は、好きなチームを選べないの?」と今さら言っていた。
嫁さんはスポーツに全く疎いから、ドラフトが何たるかを全く知らないのだ。

好きなチームに入れたら、人気球団、特に巨人に選手が集中してしまうことを説明して、菅野みたいなアホなヤツが、巨人に当然入れると思っている方がおかしいことも付け加えておいた。
だが、嫁さんはそれでもイマイチ納得がいっていないようで、「パ・リーグのチームに選ばれたら最悪じゃん」とか言っていた。

最近はパ・リーグもそれなりに盛り上がっているし、パの方が実力も上だろうし、そんなことはない。
選ばれて最悪なのは、身売りで揺れる横浜ベイスターズくらいのもんだろう。

ドラフトは、「どのチームに入団してプロ野球選手になるか」ではなく、「プロ野球選手になって、どのチームに入団するか」なのである。
これは、一般人の就職とよく似ている。プロ野球選手になる連中は、日本野球機構という会社に入って、どの部署(球団)の所属になるかということである。入社しても、希望の部署に入れないことなんかザラにあって、プロ野球のドラフトで、選手の思い通りにならないことも普通だ。

入社前に、所属部署が分かるだけまだマシかも知れない。気に入らなかったら入社を拒否したらいい。「どこの部署でも働きます!」という新入社員は頑張ればいいのだ。

昨日のドラフト会議では、巨人入団志望の東海大の菅野が、ものすごく男を下げ、株を下げた。
原監督の甥か何か知らんが、巨人と相思相愛で巨人に入るのが当たり前と思い、巨人以外は指名するなという空気を出していたのがそもそもの間違いだ。そこへ割って入った日本ハムが、本当にステキだと思う。「欲しいから指名する」。これが本来のドラフトだろう。
巨人は、長野や沢村など、ほかの球団に指名させないよう、事実上の逆指名の雰囲気作りに執心してきた。巨人ファンには腹の立つ話かも知れないが、それ以外の野球ファンにとってみれば、「ざまぁ見ろ」という結果である。

長野は、2回の横槍で邪魔されたが、結局巨人に入団した。菅野もそうなるのかも知れないが、来年までどうするのだろう。時間を潰すためにアメリカ留学するか、社会人野球に行くのかも知れないが、次もほかの球団が邪魔してやればいい。

記者会見で憮然とした態度を取り、いかにも不満そうな口調で話していた菅野とは対照的に、「大学ビッグ3」と呼ばれた他のふたりはよかった。

東洋大の藤岡は、ロッテに指名されて涙を流していた。ロッテみたいな球団に行きたくないのかと思っていたら、自分を真っ先に評価してくれたロッテに行けることが嬉しくて泣いたのだ。藤岡は菅野と違い、意中の球団を口にして、ほかの球団に圧力をかけることはなかった。

明治大学の野村は、元からどの球団でもいいと宣言しており、その宣言通り、指名権を得た広島に入団する意志を示した。

やはり、こうでなくてはならない。
このふたりは、伯父さんがいる人気球団に入れなかったから、ウジウジしている女々しいヤツとの違いを見せた。
菅野は、アンチ巨人の野球ファンからすれば、ただ鬱陶しいだけの選手だ。日ハム入りは決断できないに決まっている。
長野のように粘って巨人に入ればいいが、そのときは、アンチ巨人から叩かれることを覚悟しておいた方がいいだろう。

 

毎年11月から12月は、クリスマス向けの年末商戦で、各ゲーム機でビッグタイトルのソフトがリリースされる。
今年は、「コールオブデューティ モダンウォーフェア3」、「バトルフィールド3」、「バットマン
アーカムシイティ」、「アンチャーテッド3」などのビッグタイゴルが年末に集中しているため、どれをやってどれを捨てるかでゲーマーを悩ませている。

私はこれらのうち、11月2日の「アンチャーテッド3」、12月22日の「コールオブデューティ モダンウォーフェア3 吹替版」を購入する。

年末商戦ソフトの中で最も注目されているのが、「コールオブデューティ モダンウォーフェア3」と「バトルフィールド3」だろう。
これらは、どちらもFPSと呼ばれる、一人称視点での戦争ゲームで、ひとり用のキャンペーンモードもさることながら、ネット大戦をするマルチプレイヤーモードが人気のタイトルだ。

日本での人気はあまりないが、海外ではFPSがかなり人気がある。PS3やXBOX
360といったコンソール向け(家庭用)ゲーム機のメジャータイトル以外に、PC向けに無料オンラインFPSというのがたくさんリリースされている。

ただ、無料FPSは「コールオブデューティ」シリーズや「バトルフィールド」シリーズのファンからは嫌われている。特に韓国の企業が出している無料FPSは「チョンゲー」などと蔑まれているのだ。

その理由は、韓国企業のゲームだからではなく、無料と謳っておきながら、アイテム課金で金を取るシステムだからである。
無料でゲームはできるが、無料のままだと対戦で負けまくって殺されまくる。強く、有利になるには、いい武器や能力を買う必要があるのだ。
逆にいうと、金さえ出せば、金が出せずにこぢんまりと遊んでいる中学生や高校生などの貧乏プレイヤーに勝てまくる。
これが好かれていない理由だ。

「コールオブデューティ」や「バトルフィールド」は、当然ソフトを買う必要はあるが、対戦では皆平等だ。経験値を積んでレベルを上げることで使える武器が増えたりするが、誰だって時間さえあればレベルが上げられる。有利な武器を買う必要がない。
今度の「コールオブデューティ」は、課金武器があるらしいが、買ったら有利になるようなものではなく、物好きが買うためのものだろうと予測されている。

無料MMO RPGなどもそうだが、無料という名のオンラインゲームは、ちゃんとやろうと思えば大体がアイテム課金で金を取られる。
そういうシステムのビジネスなんだろうが、どうもしっくりこない。ゲームの中だけの強い武器を買うことなんか、究極の虚業であり、そんな実態のないもんに金を出すのが信じられない。

最近は、ゲーム機の性能がアップしたことで、ゲームの開発費が爆発的に増え、映画並みに100億円くらいかかるゲームも多くある。
世界的にゲーム関連企業が苦しむ中、アイテム課金ビジネスで儲けようと企む企業が増えた。

バンダイナムコなんかその典型で、人気シリーズのゲームを出したら、中のキャラクタが着替えられる服を何百円で売ったりだとか、そういう商売ばかり熱心にやっている。
AKB48の商売と一緒で、集めたく、買いたくなってしまうファンの心理につけ込んだうまい商売なのかも知れないが、個人的にはいいとは思えない。

そういうものとは無縁と思われていた任天堂のゲーム機でも、アイテム課金が中心のゲームソフトが出るらしい。
ニンテンドー3DSで出るらしいが、3DSのユーザは子供や女などのライトユーザが多いから、アイテム課金でどれだけ儲かるか甚だ疑問だが、時代の流れがそうだから、任天堂もやってしまうのだろう。

今や、ゲームソフトを買うだけではなく、追加のアイテムをオンラインで買わないと満足できないゲームが増えてしまった。
ゲームは基本それほど金のかからない遊びであるが、何だかんだで金がかかるように仕向けられて行っている。
金ばかりかかる世の中になったもんだ。

 

今月11日(火)に、大阪の長居陸上競技場で行われたサッカー日本代表のW杯3次予選タジキスタン戦は、その1か月くらい前にチケットが販売された。

これまで、国内外を問わず、日本代表戦を何度も観に行っている私の父親がどうやってチケットを取っていたのか知らないのだが、11日の試合だけ「ネットでのチケット争奪戦に参加してくれ」と初めて頼まれた。

あとで嫁さんから伝え聞いた話で分かったのだが、部活でサッカーをやっている近所の中学生とうちの父親が随分前から仲がよく、その中学生に気軽に「次の代表戦連れてったろか?」とオヤジが言い、その中学生に期待させたため、何が何でもチケットを取らねばならないことになったらしい。
オヤジは「チケットが取れなかったときは取れなかったとき」と言っていたらしいが、近所の子供に無責任に期待を持たしたことにオカンがキレて、絶対取ると思い直したとか。

オヤジはその中学生に、前の南アフリカW杯の土産を買って帰り、そのお返しにその中学生から修学旅行のお土産を貰ったらしい。そんなこと全く知らなかったのだが、それはさておき、うちのオヤジが何を考えているのかもよく分からん。

日本サッカー協会のサイトや、チケットぴあ、ローソンチケットなどで売られるということで、事前にアカウントを作り、発売日(土曜日)の朝10時を待っていた。
9時半くらいからスタンバイしていたのだが、9時55分くらいになったところで、どこのサイトもビジー状態になって全く繋がらなくなった。
繋がらないまま10時に突入し、30分ほど「つながらねー」とイライラしていたところに、父親から「チケット取れた」と電話がかかってきた。

父親の話によると、ネットでチケットを取るときは毎回こんな感じらしい。それで、東京方面に住んでいるサッカー観戦仲間が、ぴあのチケット売り場で直接取ったらしい。
ひとりはチケットぴあの売り場、残り何人かでネットでトライしていたらしい。

嫁さんが言っていたが、人気のチケットはネットでは取りにくいので、チケット売り場か、ローソンのLoppi端末などで取るのが常套手段らしい。
だから、人気アーティストのコンサートチケットが発売されるとき、ローソンやファミリーマートのチケット端末前に順番待ちができるのだとか。

それだったら、そうやって直接買う方が確実で、私がチケットを取るために1時間も時間を割いて、悪戦苦闘する必要なかったではないか。
私はてっきり、オヤジが仕事でいないから、代わりに取らされるのかと思っていた。
腹の立つ話である。

そんなオヤジだが、来月の北朝鮮戦とタジキスタン戦も観戦に行くらしい。
海外は南アフリカのW杯で最後だと、南アフリカから病気になった死にかけの状態で帰ってきて明言していたのに、また海外に行くのだ。どれだけ金を遣うつもりなのか。
愚息には遺産をビタ一文残さないつもりなんだろうか。

北朝鮮での試合は、サッカーではあり得ない人工芝の平壌スタジアムらしい。
日本人が何人行くのか知らんが、4万人入る平壌スタジアムで、北朝鮮の連中に絡まれたり、出国するときに難癖付けられて拘束されないか気になるところだ。

毎日の薬が欠かせない体のくせに、北朝鮮で拘束されて、かつて流行した「自己責任だ」などというバッシングを日本人からされることがないことを祈るばかりだ。

 

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