先っちょマンブログ

2011年11月

十数年前、私がまだ大学生だった頃、大手電機メーカに勤める女のマンションに遊びに行ったことがあった。
もちろん、まあまあの下心を持ってである。
だが、行ってすぐに失敗したと気が付いた。

「何か飲みモンくれ」と言ったら、「冷蔵庫に入ってるから勝手に飲んで」と言われ、冷蔵庫を開けて引いてしまった。
入っていた飲み物が、アムウェイの紙パックのお茶、アムウェイの紙パックのオレンジジュース、アムウェイの紙パックのアイスコーヒーだったのだ。
「こんなもん飲めるか」と言いたいところだったが、そっと冷蔵庫のドアを閉めた。

よくよく部屋を見渡してみると、アムウェイの商品が積んであったりした。
マンションに入るときから、何となく嫌な予感がしたのである。マンションのゴミ捨て場に畳まれたアムウェイの段ボール箱が捨ててあったからだ。
嫌な予感というのは、もれなく的中するように思える。

ただ、私は昔から今のようにイヤらしい性格だったので、アムウェイをやっているヤツがどんな感じなのかいろいろ訊いてみることにした。
すると、女は私がアムウェイに興味を持ったと思ったのか、自分は下に何人も購買者がいるディストリビュータで、毎月会社の給料と同じくらいの副収入を得ているとか言い出した。
マルチをやって金儲け。下心なんか完全に吹き飛んでしまう女であった。

その後も、アムウェイの商品がいかにいいか、アムウェイはなぜ安いのかなどなど、どうでもいい説明をされた上、ヘンなビデオまで見せられた。
アムウェイにはやってるヤツらでのヒエラルキーというものがあって、売上によってランク分けされているらしい。
そのヒエラルキーのダブルダイヤとかいうランクの野郎が、フェラーリに乗ってごちゃごちゃ喋るイメージビデオであった。そんなもん、半笑いでしか見られないものだが、すごく長くて、最後の方は半笑いを通り越して、あまりのしつこさに腹が立ってしまった。

女にマルチがいかに悪いかを説明をいても、「アムウェイは違う」とか、あれやこれや反論してきて、面倒くさくなってしまったから、そのまま帰った。

その後、その女から、アムウェイの何かの会で表彰されてディストリビュータとして1個ランクアップするから、表彰式に花束を渡しに来てとか言われて、「誰が行くかアホンダラ」と返して終わりである。

アムウェイは「マルチではない」と必死に主張する。警察に挙げられるほどのバリバリのマルチではないかも知れないが、マルチまがいであることは間違いない。
アムウェイにしてもニュースキンにしてもミキプルーンにしても、個人が代理店になって誰かに売りつけるという商売は、私の尺度からすればアヤシイ商売で、マルチ以外の何ものでもない。

事実、アムウェイは長らくテレビCMを禁止されていたが、長野オリンピックのとき、ゴールドスポンサーになったとかで、CMを流していた。
アムウェイは、「ディストリビュータに入る収入は、本来ならば宣伝料金に当たるお金で、宣伝しないからいいモノを安く売れる」と言っているのに、メチャクチャである。

アムウェイのCMは、長野オリンピックのときしか見なかったと思っていたのだが、最近、「報道ステーション」でも見るようになった。
東幹久がナレーションをして、アムウェイのサプリメントは世界一売れていると宣伝するCMである。
世界一売れているかも知れないが、それは世界一買わされているアムウェイのヒエラルキーの下の方にいる連中がいるおかげだろうに。

そう言えば、産経新聞も数年前にアムウェイの全面広告を何度も掲載していた。毎週水曜日、数週間にわたって、アムウェイが「これまでマルチっぽいことをしていたが、新しいアムウェイは変わる」とかいう弁明が広告として掲載されたのだ。
全国紙の全面広告は3000~5000万円くらいするらしい。産経新聞は朝日や読売と違って発行部数が少ないし、割引もあるだろうから、いかほどの値段かは知らないが、広告を売りたくてしょうがない新聞としては上客だったに違いない。

アムウェイの広告が「ネットワークビジネス」とかいうマルチ雑誌に掲載されるなら問題なかろうが、「報道ステーション」でCMが流れ、産経新聞に広告が掲載されるのは問題だろう。
どちらも、ニュース報道を生業にしているのではないのか。

どちらの立場にしても、「アムウェイはマルチじゃない」との考えかも知れないが、それはただの詭弁であって、実態からはかけ離れた考え方だ。商売のためにそう思い込んでいるだけだろう。

そんなマスコミが、「山岡消費者担当相がマルチを擁護する発言をした」と報道するのである。
こんな片腹痛いことがあるだろうか。
自分たちがマルチの代弁をしたことを棚に上げ、大臣がマルチ擁護したと批判するのである。

「李下に冠を正さず」という言葉をマスコミは知らないのか。創価学会の広告ならまだしも、マルチ業者の広告を堂々とやって、読者や視聴者に怪しまれている場合ではなかろう。
商売として苦しいからついつい毒饅頭に手が伸びてしまうのかも知れないが、そこをぐっと堪えることはできないのか。

 

防衛省幹部の田中聡とかいう男が沖縄防衛局局長を更迭された。更迭の理由は、昨夜に那覇市内で開かれたマスコミとの懇親会であるとか。
なんでも、防衛大臣が普天間飛行場の辺野古への移設について環境アセスメントを年内に出さない理由を問われ、「(女を)犯す前にこれから犯しますよとは言わない」という趣旨の発言をしたらしい。
どうやら、普天間飛行場の移設は沖縄の一部の人によく思われていないので、そのようなことを前もって言うわけがないという意味らしい。

言わんとしていることは分かるが、例えが悪かった。殆どのマスコミ関係者は聞き流したが、琉球新報だけは今日の朝刊1面トップ記事でデカデカとこれを問題として取り上げた。
琉球新報は「県民、女性をさげすみ、人権感覚を欠いた防衛局長の問題発言に反発の声が上がりそうだ」と記事の冒頭で書いた。
マスコミが書く「○○という声が上がりそうだ」というのは、「○○という声を上げなさい」という意味である。

本人は「犯す」発言はしておらず、「やる」とか言ったと言っているが、そんなことはどっちでもいい。
例えが悪かったかも知れないが、そんなもんは「例えが悪くてスミマセン」で済む話ではないのか。

この田中とかいう局長がバカであることは間違いない。認識が悪いのではなく、学習能力がゼロだからだ。
これまで、オフレコの場で言わなくてもいいしょーもないことを口にして、クビになった大臣や官僚がどれだけいたのか。つい最近でも民主党の大臣が舌禍事件を連発して起こしたばかりではないか。
マスコミはオフレコなんか関係なくて、とにかく政治家や官僚の足下をすくって、揚げ足取りのような記事を書きたがるのだから、飲み会の席でも押し黙っていればよかったのだ。
いらんことを喋るから、古舘伊知郎みたいな日本一のバカキャスターにまでイヤミを言われるのである。

古舘は「報道ステーション」でこのことについて、「沖縄は米軍基地でたくさんの迷惑を被っているのに、さらにこんな発言をされては…」という趣旨の発言をしていた。
米軍基地はマイナスだけではなく、沖縄に土地成金を生み出し、基地での雇用や米兵相手の商売を生み出すなど、プラスの面もあるというのに、まるで沖縄が一方的な被害者であるかのように、発言を薄らサヨクに利用されたわけだ。

ここまでの騒動になってしまい、こんな程度の失言でトバされる本人も何だか可哀想だ。「犯す」発言で出世の道はパーだろう。

今回の騒動で、問題だと思うのはふたつある。

ひとつは、オフレコでの失言を問題だと焚き付け、騒ぎにするマスコミの程度である。芸人をひっかけるテレビのドッキリ番組と同程度だろう。オフレコだと嘘をつき、相手にけしかけ、ちょっとした失敗を大きくして騒ぐだけである。

もうひとつは、他人に厳しすぎる世の中だろう。ちょっとくらい聞き流すとか、受け流すということは覚えられないのか。
相手に「すいません」と言えば、軽く終わらせることはできないのか。
ちょっと口が滑ったくらいで、他人に厳しく当たりすぎだろう。「ああ、あの人はお喋りが過ぎる人なんだな」くらいで済ませたらどうだ。

 

狩猟に使われる猟犬には、いくつかの種類がある。
ウサギやキツネなどを追いかけて捕まえたり、飼い主に獲物の居場所を知らせるハウンド、獲物に静かに忍び寄って飼い主に居場所を知らせるポインター、撃ち落とされた鳥を回収しに行くレトリーバーなどだ。

これらのうち、狩猟で使われるレトリーバーは漏れなく難聴になる。
レトリーバーはハンターである飼い主のそばにいて、飼い主が銃を撃ったあと、命令によって獲物を取りに行く。そのため、大音量の銃声を常に聞くことになり、大体1~3年ほどで難聴になってしまうのが殆どである。

聴覚というのは、空気中を伝わる振動を耳で感じ取るというものだ。
空気の振動(音)が外耳から入り、中耳の入り口にある鼓膜でその振動を受け、中耳の中にある骨に振動として伝える。その振動が内耳にある蝸牛へ伝わり、蝸牛内の有毛細胞に生えている毛で受け取り、脳へと伝わって音として感知することができる。

センサーの役割を果たす有毛細胞というのが非常に重要で、この細胞に生えている毛で振動を感じ取り、音として脳に伝える。
この有毛細胞の毛は、大きな音を聴き続けると痛んでしまい、役割を果たさなくなる。それが原因で難聴になるのだ。

狩猟で連れてこられたレトリーバーは、銃声を何度も聴くから難聴になる。銃を撃つ飼い主は銃声をガードする耳当てをしているから、難聴にならない。
狩猟犬用の耳当てがあるとか聞いたことがないから、狩猟犬であるレトリーバーは、数年で耳が悪くなってお役ご免になるのが決まりなんだろう。可哀想な話である。

レトリーバーは人間に命じられて、ある意味仕方なしに難聴になるわけだが、人間の場合は自分から難聴になろうとするヤツがかなり多い。

アメリカ一のスケベ大統領であったビル・クリントンは、若い頃に音楽を大音量で聴き過ぎたせいで耳が悪くなってしまったと告白していた。
アホ丸出しである。

通勤電車で、たまに信じられないくらいの音漏れをさせて音楽を聴いているヤツがいる。ある程度距離があるのにそこそこのボリュームで聞こえるということは、本人はどんな音量を耳にしているのかと思ってしまう。
こういうヤツは、大抵がiPhoneやiPodに添付されている昔ながらのタイプのイヤホンか、耳にかけて耳に当てるだけのタイプのイヤホンをしている。
構造的に耳に隙間ができて、当然音が漏れやすくなるし、聴いている本人も雑音を拾いやすいので音を大きくしがちだ。

今はそんなもんを使わなくても、カナル式のイヤホンという、耳にぴっちり入って、小さい音量でもそれなりに聴くことができる素晴らしいイヤホンが出ている。値段はピンキリだが、1000円くらいからある。
ノイズキャンセリング機能があるのもあって、それだと尚更いい。
カナル式イヤホンを使えば、本人も周囲の人もすごくハッピーになれるわけだが、頑なにiPhone付属のイヤホンとか付けているヤツは何なのかと思ってしまう。

大音量で音楽を聴いているヤツは、難聴予備軍である。自らのカラダを痛めつける無知を可哀想に思うし、カナル式イヤホンを使わない情報弱者ぶりも可哀想になってしまう。

 

大阪市長選と大阪府知事選のダブル選挙は、大阪維新の会がどちらも制して、新市長に橋下徹・前知事、新知事に松井一郎・同会長が当選を果たした。
投票が締め切られた夜8時の段階で出口調査による当確の速報が流れるくらいの圧勝であった。

まあ、当然の結果であろう。
橋下新市長に対抗する平松前市長は、既得権益を死守しようとする大阪市職員の支持と、一部の反橋下の支持を受けているだけで、大阪市民への訴えは、「橋下行政による独裁を許していいのか」というものばかりだった。政策もへったくれもなく、ただ反橋下、反独裁を訴えるばかりだったのを有権者から見透かされており、その裏に公務員を守るという市長という姿も見え隠れしていた。
誰がそんなヤツに投票するのだろうか。

府知事選も同様だ。これも反橋下から展開された反維新の会という政策ではない"政策"を、自民、民主の相乗り候補が訴えるだけ。
アホみたいな内容だった。

橋下新市長は早速、「維新の会による大阪改革に反対する職員には去って貰う」と宣言しており、職員は戦々恐々だろう。
大阪府知事になった当初は、知事に楯突くアホ丸出しの女職員がニュースになったりしたが、今度はそうもいくまい。
職員にとったら恐怖政治の始まりかも知れないが、腐りきった大阪を変えるには、このくらい勢いがあって、力のある人間がトップダウンでやるしかない。
年収1000万円超の市バスの運転手がゴロゴロいる大阪市を変えられるのは、こういうタイプの人間だけだろう。
それは大いに期待できる。

期待するところは大きいのだが、マスコミの評価はどうなるであろうか。
元々朝日新聞などは橋下府政に厳しかったが、それよりも何よりも、関西のマスコミでは産経新聞大阪版がとりわけ、橋下に対して厳しかった。

大阪本社版の産経新聞は、国税から聞き出したネタを元に、橋下が脱税したと言わんばかりの記事を掲載し、逆に訴えられて、謝罪広告を掲載させられるという屈辱を橋下に味わわされた。
それ以来、産経新聞大阪は橋下憎し路線を貫いて、4年前に彼が大阪府知事に当選した際、新聞記事に3人のコメントを掲載したのだが、3人とも反橋下の意見であった。バランス取りもせず、ひたすら橋下を叩きまくった。

その後、森脇睦郎とかいう社会部部長が、橋下知事に対して、「同じタレント知事だが、東国原知事とは違って自民・公明推薦というしがらみがある橋下氏には期待できない。橋下に唯一期待できるのは"知名度"と"若さ"だけ」だとぶった切っていた。
森脇という記者は、大阪夕刊編集長になっても、半年後に署名記事で「橋下知事は政治に対する信頼を壊した」などと書いて、とにかく橋下叩きをやめなかった。

産経新聞大阪本社版で叩かれまくった橋下知事のおよそ4年間はどうだっただろうか。自民や公明とのしがらみで何もしなかっただろうか。寧ろ、自民や公明とのしがらみをぶった切ったではないか。期待できたのは知名度と若さだけだったか。東国原よりもダメだっただろうか。
とてもそうには思えないのだが。

橋下徹という新市長に問題がないとは言わない。同和政策だけは絶対に変えようとしない姿勢(週刊新潮との対決は別の機会に書く)や、府庁舎移転問題など、いろいろ問題があるわけだが、それでもこれまでの市長よりも期待ができるし、大阪市と大阪府が一体となって、これまでの悪い行政を見直してくれるだろう。
ここは素直に期待すべきではなかろうか。

 

宮内庁が女性宮家創設を政府に提案したというニュースがあって、産経新聞が早速社説で取り上げた。
女性宮家の創設を「女性宮家問題」と、問題にした上で、男系の歴史を踏まえて熟議せよと訴えた。

憲法改正に繋がるような議論があると、朝日新聞が「慎重に」とか「熟慮しろ」と書くのは、簡単に言うと「それはやるな」ということである。
産経新聞は一応「女性宮家創設は有意義な提案である」と社説に書いて逃げをうっているものの、要するに女系天皇に繋がるような女性宮家創設なんか認めないということだ。

産経新聞は、別冊正論を1冊まるまる使って、女性・女系天皇を推進する小林よしのり叩きを展開したくらい必死に男系維持を主張しているのだが、今回も考えは全く変わっていなかった。

「反対するには対案を」ということで、産経新聞は代わりに幾つか提案した。そこらへんは、ただただ反対するだけの朝日新聞などと違ってリッパだとは思うのだが、内容がよくない。

案のひとつが、「臣籍降下した旧宮家の男を皇籍復帰させよ」というものだ。
女系天皇の話になったとき、男系維持派が必ず持ち出す話で、「候補が4人いる」と主張はされるのだが、誰だかハッキリしていない。いるのかいないのか分からない男が、男系の血を継ぐ候補に勝手に祭り上げられているのである。
そもそも、旧宮家出身、いいとこの出の一般人になった人間が、今さらすごく大変な皇族になろうと思うのだろうか。

そんな中、候補らしき男がひとりいる。やたらとマスコミに出てくる竹田恒泰である。
旧宮家ということで、皇室の話になると必ず者舎利出てくる竹田は、「自分は皇籍復帰できたとしてもしない」と言っていたが、実際はまんざらでもなさそうで、怪しいもんである。
旧宮家は、そこらの平民の家よりはよほど立派な家系だろうが、それでも今は皇族でも何でもないタダの一般人である。竹田みたいな男が、将来天皇になるとか、竹田の子供が天皇になるとか、私からしたらまっぴらゴメンである。

産経新聞がもうひとつ出してきた案が、小堀桂一郎が産経新聞のコラムで書いた内容で、女性天皇に男系皇族の血を引く男と結婚させれば男系は維持できるというものである。

これはもう、話にならん。
男系維持へのこだわりがここまで来るというのは、末恐ろしいものを感じる。まるで、皇族には人権など存在せず、とにかく男系(八木秀次が主張するY染色体)を維持するために、とにかく遠い親戚と結婚しろと、赤の他人が強要することになる。
そんなこと、この現代社会であり得るのか。
皇族がどうあるべきか、皇族が誰と結婚すべきか、下々の人間が好き勝手に言っているわけだが、どう考えてもムチャクチャだろう。

男系維持に固執しても、今の皇室典範では近い将来破綻するのは目に見えている。男ばかり生まれるわけがないし、もし子供すら生まれなかったらそれで終わりだ。

そうかと言って、簡単にこれまで一般人だった人間を皇族として抱え上げるのはどうなのか。


これらについて、天皇陛下を始めとする皇族の意見はまったく聞けないわけだが、秋篠宮殿下は旧宮家の皇籍復帰を暗に反対されているし、そもそも、昭和天皇が側室制度を拒否し、今上天皇以降もそれが続いていることを考えれば、考えは明らかではないのか。

今やタダの一般人が皇籍に戻って、「天皇になりました」とか「天皇の父親になりました」とか言われても、ぽっと出の成り上がりみたいな天皇を敬愛できるだろうか。「次の天皇は、これまで通りのY染色体を引き継いでいるから親しみあるわ~」なんて言う国民がいるのだろうか。
私だったら、男系女系に拘らず、今の皇族の方々、その子供が天皇になればいいと思うし、そちらの方が敬愛できると思うのだが。

 

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