先週の台湾出張のとき、日本の出国手続きの手荷物検査で、ひげ剃り用ジェルを没収されてしまった。
液体やスプレー缶はダメだと聞いていたのだが、ジェルまでダメだとは思わなかった。ちゃんと調べていなかった方が悪いのだが、新品をボッシュートされ、少々腹がたった。手荷物検査で引っかかるようなものを持ち込むテロリストがいるのかと。持ち込むのなら、C4爆弾みたいな固形爆薬にするだろうに。
その件で、こんなことを聞いた。
ある人が手荷物検査で、シャンプーやボディソープで引っかかったことがあった。その人はアレルギー体質で、自分にあったシャンプーや石鹸が必要なため、ホテルに据付のものや、現地で適当に買えるようなものではダメで、自分用のものを持ち出す必要があった。
そのことを必死に係員に伝えると、可燃物チェックをすることになった。
シャンプーやボディソープに対し、チャッカマンを使った着火テストをいちいち行い、燃えないことを確認した上で持ち込みOKになったらしい。
この対応もかなり変である。燃えない爆発物だってあるだろうし、そもそも、もしそれが火を近づけることで爆発する液体だったらどうするつもりだったのか。手荷物検査場で、出国者を巻き込んだテロが、空港の係員によって引き起こされたかも知れない。
だから、要するに、最初から可燃物や爆発物ではないという前提に基づきチェックが行われたわけである。
昔、伊丹空港でポケットに入れて持ち込んではいけない品の中に、登山靴が含まれていた。登山靴をポケットに入れているヤツがいるとは思えないのだが、その表記は今でもあるのだろうか。
飛行機の持ち込み禁止品は航空会社や渡航先の国によって異なる。台湾便で利用したJALは、ナイフ類、ハサミ、スタンガン、先の尖ったもの、バット類(ゴルフクラブ含む)となっている。
9・11のテロのあと、爪切りまでダメということがあったが、今では大丈夫らしい。
だが、以前に産経新聞のコラムで曽野綾子さんが文句を言っていたのだが、ハサミの形をしているというだけで、ハサミ類が十把一絡げで禁止されている。
身の回りのケアをするための、すごく小さいハサミを没収され、曽野さんは文句を言っていた。「そんなものでテロができるとは思えないし、もしそれで誰かを脅したとしても、すぐに取り押さえられるだろう」と書いていた。
そのとおりである。
私の会社の後輩社員が、だいぶ前に台湾に行ったとき、手荷物に電子部品のハンダ実装用のピンセットが含まれていた。それを帰りの台湾の空港で没収された。行きのJALでは問題なかった。
先が尖っているから危ないという理由である。
ボールペンがよくて、ピンセットがダメな理由がよく分からない。長さ1ミリのチップ抵抗やチップコンデンサをつまむためのピンセットで、テロを企てるようなイタいテロリストがいるとでも思っているのだろうか。
テロを警戒するのは結構だが、もうちょっと賢い取り締まりをやって貰いたいものだ。
現状、少なくとも今の手荷物検査では、まともなテロリストには何の効果もないだろう。だいぶおかしい精神異常者を捕まえることができるくらいではなかろうか。