先っちょマンブログ

2012年05月

台湾3日目だった昨日は、別件で来ていた他部署の先輩社員の晩飯をあーだこーだ理由を付けて断った。
台北市内にあるエビをその場で釣って、その場で焼いて食う店らしいが、そんな悪趣味な食事はゴメンである。そもそも、毎日晩飯を会社の同僚と食いに行ったら、台北をブラつくことができないじゃないか。

どうも、会社の先輩連中は台北を観光するという気がないらしい。何度も台北に来ているからではなく、最初から観光する気なんかさらさらなく、土産もせいぜい空港でパイナップルケーキを買うだけ。
なんつーヤツらだろう。

というわけで、ひとりでホテル周辺を3時間うろついた。

適当に歩いていたら、有名な士林夜市ではない、小規模の余市があったので、アンコとクリームの大判焼きだけ買ってみた。
私は日本語しかできないが、身振り手振りで何となく通じる。
というか、現地でスーツ姿で歩いている台湾人なんぞ殆どいないので、日本系の顔でスーツを着ている人間は日本人だと台湾人は思うらしい。スーツに加え、ネクタイをしていたら完璧。ネクタイまでしてスーツを着ている台湾人なんかいないのだ。
だからすぐに日本人だと思われて、「アンコとクリーム?」と訊かれた。

私が歩いた台北市内は、期待したような大きな店がなかった。日本でいうパルコやOPAみたいな店があれば、そこだけ行けば何でも買えるが、そういうのが全くなく、ビルの1階に入っている小さい店ばかり。
そんななか、比較的大きい、3階建ての個人商店の雑貨屋でいろいろ買った。小さい麻雀牌、どうやって遊ぶのか全く分からない漢字が書かれた丸い駒の「象棋」、さらに何と表現していいか分からない麻雀牌みたいなのが嵌っている丸いヤツなど、ワケが分からないものを中心に購入した。

空港の土産物は、高くてツマランものしかないから、こういう地元の店で、適当に台湾らしいものを買うのがいいのだ。

さらに、CD屋で適当にCDを買った。台湾の芸能人は誰ひとり知らないが、ベスト盤のCD3枚、PVのDVD1枚が入って450元(およそ1200円)でお得そうなのを買った。
日本の自宅に戻ってからWikipediaで調べたら、楊丞琳(レイニー・ヤン)とかいうアイドル歌手だった。日本にもファンが多いらしいが、誰かは知らなかった。

 


ファンには悪いが、誰?


また、ついでにコンビニで台湾のエロ本を買ってみた。台湾で表向きに許されているエロがどの程度のものか確認するためだ。
コンビニにあまりエロ本がないのだが、一番エロそうな「SEXY NUTS」というのを買ってみた。169元(およそ450円)だった。

 


「情欲&性の崩壊」とは、すごくエロそうなのだが・・・

 
宿泊しているホテルに帰ってビニールを破って中身を確認したのだが、思ったより規制は厳しいようだった。

台湾では乳NGらしい。日本のAVの紹介で、アソコの毛はもちろん、バストの部分にまで、犯罪者に付ける目線みたいな黒い四角で隠されていた。

街中のカワイイ女子を撮影した写真は、日本のエロ本によくあるのと違っていた。日本のエロ本は、街で声をかけた女にソフトクリームなどを舐めさせているが、台湾のは普通のスナップ写真。

グラビアは当然ヌードなしで、水着か下着かよく分からない格好で、ポーズを取っているだけ。
日本の漫画雑誌に付いてくるグラビアは、グラビアアイドルの女におまたを開かせたりしているが、そういうポーズも一切なし。
何のケースにも入らず、DVDが板のまま入っていたのだが、中身はグラビア撮影時の模様をただ延々とビデオで撮っているだけ。うるさいBGMがずっと流れている。
台湾のエロ本は、ヤンマガよりもエロくなかった。

エロ本の中身は、日本のAVの紹介、日本のアダルトグッズの紹介、恵比寿マスカッツの記事、AKB48の柏木由紀の記事、SDN48が解散したという記事(写真は芹那のグラビアだけ)等、日本の話ばかり。

台湾には、コンビニなどで日本のお菓子やらカップ麺、ジュースなどが日本直輸入でそのまま売られていて、国民への日本の浸透度は高い。日本語で表記した台湾の食品もあるし、マツダは日本語のナレーションでCMを流していた。
それ以外に、エロの分野でも、やはり日本の浸透度が高いことが分かった。

エロに厳しく、堂々とエロいものが売れないのだから、日本のAVが裏でこそこそやりとりされ、日本のAV女優が大人気なのもよく分かる。
台湾の男にとって、日本は天国みたいな国に違いない。

 

昨日、台湾企業の台湾人社員との食事の席で、震災のことについて話したと前のエントリで書いた。

そのとき、日本の原発の話にもなった。
日本の原発がどうなっているか、電力事情がどうなっているのか、台湾にはあまり伝わっていないようだった。

ふたりの台湾人女性は、年に何度か仕事で日本に来ているので、「今年の夏は、日本、特に関西には来ないほうがいいと思いますよ」と言ったら、「なんで?」と訊いてきた。
「原発が止まっていて、電力が足らないからです」と説明しても、「止まっているのは、爆発した福島の原発だけじゃないの?」と言うので、「日本の原発50基がぜんぶ止まっているんです」と返したら、「ええー」という反応だった。

モノ作りの会社の幹部だけあって、言うことが的確だった。

「電力が足らないと、暑いだけじゃなく、生産が困るじゃないですか」
「自ら競争力を落としてるんですねー」

まったく仰るとおり。日本人は、自らの首を自らの手で絞めているのである。台湾のキャリアウーマンの視点でそのように見える。
日本のビジネスマンも技術者も、皆がそう思っている。

そう思っていないのは、根っからの反原発派は、電力不足になっても「暑いのをガマンすればいい」くらいにしか思っていない、製造業などとは関係ない仕事をしている人間だけである。

「なんで関係ない原発まで止まってるんですか?」とも訊かれた。
「日本人がアホだからです」という回答しかできない。ほかになんと言えるのだろう。

福島第一原発の爆発事故を見て不安なのは分かるが、それでも原発の再稼動なしに不安定な電力供給の下でマトモな仕事ができるわけがない。
余裕を持って電力を供給できない国なんぞ、二流以下の国であるわけだが、日本は自ら二流国へ落ちていった。

日本の産業や経済がボロボロになったとしても、原発を動かすべきではないのだろうか。
反原発の連中は、原発なしでもやっていけるというが、ものすごい節電を強いられて、ギリギリの電力需給で自転車操業のようなことをやって、ようやくなんとか「やっていける」状態だ。
そんなもんは、「やっていける」うちには入らない。

事情を知らなかった台湾人が、日本の国際競争力が落ちると即答できるくらいなのだから、日本を叩き落そうと虎視眈々と狙っている国からつけ込まれる恐れがある。
それ以前に、放っておいても日本は勝手に自爆するかも知れない。

台湾は、震災のあとにたくさんの義捐金や応援物資を援助してくれたが、日本の電力不足までは面倒を見てくれない。
できるできないの前に、日本人が勝手に選択した道なのだから仕方がない。

台湾人の心配を省みず、日本はどんどん没落への道を進んでいくのである。

 

台湾2日目。

今日は、台北市から新竹市(シンチュー)へ移動し、そこで取引先の台湾企業との打ち合わせがあった。新竹市には科学工業区域というのがあって、そこにはIT企業が多く集まっている。そのなかの会社のひとつだ。

まずホテルからタクシーで台北駅まで移動。タクシーの運転手に「タイペイ・ステーション」と言ったら伝わる。まあ、当たり前か。

台北駅は無駄な空間があるなぞの駅だったが、いろんな店がたくさん入っていて、台湾新幹線(台湾高速鉄道)を待つ間、ぶらぶらしてみた。

 


台北駅の意味不明な広い空間


東急ハンズがあったので入ってみたら、日本から仕入れたと思われる日本の製品ばかりが置いてあって、台湾らしいものが欲しかった日本人には意味がなかった。

台湾の新幹線は、当初はヨーロッパの高速鉄道システムが導入されるはずだったが、台湾で大きな地震があって、地震に強い日本の新幹線の車両が採用された経緯がある。
そのため、台湾の新幹線は日本の700系とほとんど同じだ。車両の形状や、座席などがまったく同じ。トイレがやや狭く、車両のドアが自動ではなく押しボタンで開けるくらいが違いだろうか。

 


オレンジ色の700系


台湾新幹線は、テキトーにやっても何とかなる。行きはコンビニで予約し、帰りは窓口で買ったが、スタンダード(普通車)かビジネス(グリーン車)かさえ区別が付けば、どうということはない。

新竹市の取引先で3時間打ち合わせしたあと、取引先の日本語のできる役員と、日本担当者とで食事に行った。どちらも女性である。向こうに連れて行って貰ったので、いわゆる接待のようなもんである。
実際は、取引先の台湾企業の人が日本に来たら、こちらの会社の社員が食事に連れて行っているので、おごったりおごられたりする関係だ。

新竹市内にある「シェラトン新竹」にある焼肉屋「老乾杯」という店に連れて行ってもらった。一流ホテルのなかにあるお高い焼肉屋である。
ただ、日本の高級ホテルにある焼肉屋の半分くらいの価格設定だと思われる。

ごちゃごちゃと世間話をし、中国語の話なんぞもして、3時間ほど食って飲んでしていた。「老乾杯」では、いちいち店員が焼いてくれるので、それが逆に鬱陶しかったが、食事はおいしかった。
台湾の焼肉屋は、ほとんどが日本式の焼肉屋だ。韓国式も稀にあるが、網焼きではなく、鉄板焼きのところばかりで、店もあまりキレイでないところが多いので、台湾人にはあまり好かれていないらしい。
「老乾杯」は完全に日本式だったため、私は台湾らしい酒を飲みたかったのだが、アサヒビール、日本酒、焼酎などばかりだった。

その食事の席で、私は「これだけは伝えなければならないと思っていた」と前置きをして、「東日本大震災での台湾からの支援を日本人すべてが感謝している」と伝え、「そのことを日本政府が中国政府に気を遣って台湾に伝えないから、日本人の思いを伝えたかった。ほかの台湾の人たちにも伝えて欲しい」と述べた。

ふたりの台湾人女性の反応は、「そうだったんですかー」というものだった。
やはり、日本政府の感謝の意は台湾の一般人にまったく伝わっていなかったのである。「何となく、日本政府が中国に気兼ねして何も言わないのかもと思っていました」と言われたのだが、日本人として恥ずかしい限りである。

その取引先企業の新竹にある部署では、150人ほどの台湾人が勤めているらしいが、「たぶん、全員寄付したと思います」と言っていた。
本当に、台湾では、国民総出で日本の支援をしてくれたのである。
日本の企業でも、日本人社員全員が義捐金を出したわけではあるまい。1社しか分からないが、台湾の企業では全社員が義捐金を出してくれた。

そんな台湾に、日本政府はまとも謝意も伝えられない。これは何なのだろうか。

ちなみに、それを見かねた日本人の有志が、募金を集めて台湾の新聞に謝意を伝える広告を打ったことが何回かあった。そのことを知っていますかと尋ねたら、「それは広告を見たし、ニュースにもなっていたから知っている」と言っていた。
アホな日本政府に代わって、日本がやるべきことをやった有志の行動が、報われていることは分かった。
そのような民間の動きは、決して無駄ではなかったのだ。

中国の方しか向いていない今の民主党政権は、本当に今度だけで見限るべきだろう。
誰が友達で、誰が悪いヤツかも判断できない連中が、国を動かしてはならないのである。

 

私はこれまでの人生で海外にはハワイにしか行ったことがなかった。大学の卒業旅行と新婚旅行である。

嫁さんは、私の母親に連れられて中国やインドネシア、イギリス、フランス、オランダ、チェコ、ルーマニアなどいろいろ行っているので、パスポートが賑やかだが、私のは更新したこともあってまっさら。

それが、今日から仕事で台湾に来たので、ようやく2か国目が追加された。

何回か台湾に出張で行ったことがある上司が同行しているので、特に気を遣うこともなくのんびり来られた。
しかも、台湾の現地法人の人が桃園国際空港にハイヤーを寄越してくれていたので、台北に行くまでジタバタする必要もなかった。

余裕があったので、ハイヤーの車中でいろいろ景色を眺めていた。
景色はどうということはないのだが、台湾のドライバーの運転がとにかく気になった。

桃園国際空港から台北市内へ向かう高速道路は4車線あるのだが、とにかくドライバーが車線変更をしまくる。1分間に2~3回は車線変更して、少しでも遅い車はどんどん抜いていく。
台湾出張の常連によると、ハイヤーだからまだ運転はマシな方で、ボロいタクシーに乗っているドライバーの運転はもっと危ないらしい。

車線変更だけだったらいいのだが、台北市内に入ってから、スクーターがクソほど走っている中、ギリギリの幅のところをビュンビュン走っていく。ぶつかりそうでぶつからない。
日本の交通事情と同じで構えていると、まったく落ち着かない。

乱暴な運転が台湾流かと思っていたら、夜にニュース番組の「黄金89點新聞」というのを何となく眺めていたら、「砂利を積んだトラックが乱暴な車線変更をしていました」とか、「路線バスが対向車線にはみ出してきて、対向車とぶつかりそうになりました」というニュースをやっていた。
台湾の車にはドライブレコーダーが普通についているので、その映像がニュースで取り上げられたりする。落ち着きのない運転ばかりの台湾でも、乱暴運転はテレビのニュースで糾弾されるらしい。

ついでに、「黄金89點新聞」というニュース番組では、最近リリースされた「Diablo 3」というオンラインPRGで、接続数が多すぎてユーザがサーバに接続できない「エラー37」でゲーマーが困っていますとか取り上げられていた。
日本のニュース番組では、ゲームの世界でのニュースなんぞ取り上げられないが、台湾には変わったニュース番組が多い。

それで、落ち着きゼロのハイヤーで台北市内に入ると、台北市内にはやたらとコンビニがあるのが気になった。セブンイレブンと、「全家」という表記のファミリーマートが、本当に掃いて捨てるほどある。
都心部になればなるほどコンビニ密度が増えていって、50メートル間隔で店があったりする。店舗の面積は日本の一般的なコンビニの半分くらいしかないが、とにかく数が多すぎる。

ちなみに、ファミリーマートの店舗に入ったときに鳴る音楽は、台湾でも一緒だった。

台湾はなにかと興味深い。
明日は台湾高速鉄道に乗って新竹市というところまで行く。中国語がまったくできない上司といくことになるのだが、いろいろ面白そうなものが見られそうで楽しみだ。

 


台湾のビルの窓ガラスは夏の日差しの強さを弱めるため色が付いているそうな

 

 

今日は個人的にいろいろとある日だった。
明日から台湾出張なのだが、朝9時の関空なので、前泊するために出張用のキャリーバッグを持っての出勤だった。
それに加えて、いつもの時間に家を出ると、電車に乗っている間に金環日蝕のピークを迎えてしまうので、30分早く出ることにした。

電車に乗って大阪駅を過ぎ、淀川を渡るところで、淀川の堤防にたくさん人がいて、テレビ局のカメラもあるのが見えた。
普段、早朝の淀川の堤防なぞ、散歩している人がちらほらいるだけなのに、うじゃうじゃ人がいて新鮮だった。

出勤途中の時点で既に太陽が欠けていたので、ウキウキしながら急いで職場に荷物を置き、外に出て日蝕観測をした。

前日から曇り空が気になっていたのだが、ずっと曇りだったわけではなく、太陽が見えたり見えなかったり半々だった。
日蝕メガネで延々と見続けるのも目に悪いので、たまの曇り空はちょうどいい休憩になって、返ってよかったのではなかろうか。

日蝕を見ていて思ったのだが、地球の自転は思ったより速い。
一番速い赤道上でおよそ1680km/hらしいのだが、三日月状態からゴールデンリングになり、「おお~っ」と思っていたら、あっという間にゴールデンリングでなくなってしまった。

思っていたよりすぐに日蝕が終わってしまったのだが、あのくらいの時間だからいいのかも知れない。
その上、滅多に起こらない。
私が死ぬまでに、近畿で見られそうな日蝕は、2035年9月2日の皆既日蝕、2041年10月25日の金環日蝕の2回ほどらしい。
次に見るまでに死ぬかも知れないし、死ぬまでに何回かしか見られない天体ショーなのだから、今日はおおよそ満足だった。

私は今日の金環日蝕を数年前から楽しみにしていた。
ところが、そうでない人も相当多いらしい。通勤途中も、どう考えても日蝕の時間に地下鉄に乗っているであろうサラリーマンがたくさんいたし、何より、会社の駐車場で観察していたら、「物好きだねぇ」と声をかけてくる先輩社員が多かった。
私の日蝕メガネを貸してやったのだが、本人は端から見るつもりもなかったらしい。

信じられん話である。
生物がいる地上から見た衛星のサイズが恒星とほぼ同じであることなど、どう考えてもほとんどありえない奇跡で、金環日蝕やら皆既日蝕は、もしかすると宇宙全体で地球でしか起きないことかも知れない。
宇宙的に極めて稀かも知れない天体ショーに興味がないなんて、私の尺度からすれば、どうかしているとしか思えない。

日蝕に興味を覚えない人は、いったいどんなことに興味を覚えるのだろうか。
日蝕観測はとても楽しかったが、そのことがとても気になった。

 

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