先っちょマンブログ

2013年12月

ハイヒールの漫才のネタに、「リンゴはマジメ過ぎて、麻雀を覚えると言い出して、まず最初に麻雀の歴史から勉強しだした」というのがあった。
普通は麻雀を覚えるといったら、役を覚えたり、牌の取り方を覚えるもんだが、まずは歴史から学ぼうとしたことについて、ヤンキーで中卒だったモモコが大卒のリンゴに対して呆れるというものだ。

それはまあ普通ではないと思うが、クソマジメに言うと、歴史を知ることは間違いではない。
日本で行われているリーチ麻雀というのは、中国から日本に伝わった麻雀に対し、アメリカの進駐軍経由でアメリカ式のルールを取り入れた上で、日本に広まったものだ。
だから、流れでいうと、中国→日本→アメリカ→日本となる。七対子(チートイツ)や緑一色(リューイーソー)は、アメリカ人が考えた役だ。

そういうことを知っておいて損はない。
中国式の麻雀(麻将)は、個人の捨て牌を河に並べていかないから、麻雀でいうリーチなどもない。日本と麻雀と中国の麻雀がなぜ違うのか、歴史を知ることで理解することができる。

ただ、歴史を知るにしても、ある程度正確なものでなければならない。デタラメな歴史なんか、知る必要がないし、知っても悪いことしかない。

デタラメな歴史を使って世間に悪い影響を与えているのは、間違いなく韓国だ。
この国は、歴史は自分たちで都合のいいように作るものだと思っている。だから、自国に5000年の歴史があるとか平気でウソを並べ、挙げ句の果てには、漢字は韓国人が作ったなどと主張する。

その被害は近隣諸国だけでは済まず、「タイのムエタイ(キックボクシング)は韓国起源だ」などと主張して、タイ人から顰蹙を買っていた。
同じ格闘技でいえば、日本の空手についても、「テコンドーから派生した」などと、実際とは真逆の"歴史"が語られている。

テコンドーは、創始者の崔泓熙が日本の松涛館空手を学んだ上で1950年代に作り上げた格闘技である。
その後、韓国が国威発揚のために国技とし、オリンピックの正式種目にするために普及に尽力したものだ。

空手から生まれたテコンドーなのに、キチガイじみた韓国人は、テコンドー(もしくは、のちにテコンドーになる格闘技)が何千年も前に存在し、それを元に空手が生まれたと、全く逆のことをいうのだ。
よくそんなことが言えるものだと思えるが、韓国人の厚顔無恥は今に始まったことではない。

この韓国人による作られた歴史の罠にはまったのが、アメリカ人俳優のチャック・ノリスである。

チャック・ノリスは、1980年代頃に「地獄のヒーロー」や「デルタ・フォース」など、B級アクション映画の主役として活躍した俳優で、ここ数年は、彼の主演映画での無敵の強さを下敷きにした「チャック・ノリス・ファクト」で知られる。
「チャック・ノリス・ファクト」の一例を挙げると、「チャック・ノリスはコブラに噛まれ、5日間苦しんだ末…、コブラが死んだ」などだ。

 


チャック・ノリス

 
その「チャック・ノリス・ファクト」について、チャック・ノリス本人が解説したバカバカしい本があって、その日本語翻訳が「チャック全開!」というタイトルで先月発刊された。

その本の前書きでは、チャック・ノリスが自分について、アメリカの空手チャンピオンから、6度防衛の世界チャンピオンになったとか自慢を書いている。
そして、その最後にこう書かれてあった。

 

そして1997年、俺はまたも偉業を達成した。西半球の人間として初めてテコンドーの黒帯8段を授与されたのだ。4500年続く伝統のなか、はじめてのことだった。


恐らく、チャック・ノリスが手ほどきを受けていた韓国のテコンドーの関係者が、彼に対して「テコンドーは4500年の歴史がある」などと解説していたのだろう。
レスリングじゃあるまいし、テコンドーに4500年もの歴史があるわけがない。たかだか60年か70年ほどの歴史しかない、ブラジリアン柔術よりも歴史の浅い格闘技ではないか。

チャック・ノリスは、ウソの歴史を吹き込まれたおかげで、ありもしないテコンドー4500年の歴史を自書に記してしまった。
韓国人からすればしめたものだろうが、チャック・ノリスにすると、ただバカなことを書いて恥をかいただけである。

何が正しい歴史なのか、自分でちゃんと勉強しないと、恥をかくということなのだろう。

 

嫁さんが20日(金)に放送されていた「世界の怖い夜!」(TBS系列)とかいう番組を録画して見ていた。世界中から集めた心霊動画をランキング形式で発表したり、芸人が心霊スポットでロケをするという内容の番組だ。
あまりのつまらなさに呆れてしまった。

紹介されていた心霊動画が本当にヒドイものばかりで、テレビで驚いたフリをするタレントや、子供たちはワーキャー言うかも知れないが、あんなものを見て驚いたり、怖がったりする大人などいるのだろうか。
どれもこれもフェイク動画ばかりで、アホみたいな内容だった。

素人が撮っているからといって、それが本物とは限らない。むしろ、素人だからこそ、全てがニセモノなのだ。

夜景を撮っているカメラで、遠くに真っ黒な女が映っていた。カメラを下にパンして、もう一度さっきの場所を映すといなくなっている。もう一度下にパンすると、ベンチの下から幽霊の顔が出ていた、というものがあった。
いちいち不自然にカメラを下に向けて足下を映している理由が分からない。

ある美容室の防犯カメラの映像で、美容師が移動したときに、誰も座っていない椅子の前の鏡に、幽霊の女みたいのがハッキリと映り、美容師が戻ってくると消えた。
今では、動画編集なんか素人のオッサンでもできるのだから、こんなもんは撮り放題であるわけだが、それよりも何よりも、こんな防犯カメラの映像をあとで何故チェックし、「霊が映っている!」と騒ぎになったのか。
まさか、美容室の業務終了後に、営業中の防犯カメラの映像を全部見直しているわけないだろう。事件があったわけでもなし、不自然極まりない。

この手の映像で一番不自然なのが、やはり映しているヤツのカメラの持ち方である。
いちいち都合のいいようにカメラの向きを変えるのもそうだが、とにかく映そうとしていることも不可解である。
映画「パラノーマル・アクティビティ」っぽく撮っている外人のカップルがいて、女の方が扉の向こうに吸い込まれ、扉が閉まってしまった。扉の下から指が出て「助けて~」と叫んでいるのだが、男の方が、まず扉を開けようとせず、下から出ている指を触ろうとしていた。しかも、右手でカメラをしっかりと回しながら、左手で女の指を触ろうとしている。そこから引っ張り出すつもりなのか。どう考えても演出である。

この「世界の怖い夜!」という番組は、フェイクで撮られた映像を心霊動画、恐怖映像として放送するからタチが悪い。恐怖映像と言われればそうかも知れないが、フェイクだという断りが一切ない。
挙げ句の果てには、心霊評論家の池田何とかというオッサンが出てきて、霊の解説をする。「この霊はご先祖様の霊で、あなたを守ろうとしているのです」などなど。
何の検証もせず、勝手に霊と決めつけている。

いちいちムキになって反論するのもアホ臭いが、この手の番組の制作が許されているのは何なのだろうか。
最初から、フェイクですよ、ドッキリですよ、ということで放送していればいいのだが、真実であり、「映っている不可解なモノは霊です」などと断言していいのか。
確かテレビは、本当のことしか放送してはいけないと放送法で決まっているはずである。虚偽の放送をすると罰せられるのではないのか。
テレビは、公共の電波を使われているので、ウソ、大袈裟、紛らわしいことばかり書いている新聞や雑誌と違って、それなりに厳しいらしい。
にも関わらず、心霊番組だけは野放しになっていて、真実であるかのように放送されている。

朝の情報番組の占いコーナーも気になるが、あれは一種のエンタメみたいなモノでまだ許せるが、心霊番組だけは許しがたい。
「不可解なモノが映っていました。これは霊です」
これは、アホが言うことである。不可解なモノが映っていたのなら、なぜ検証をしないのか。誰がどういう背景で撮影したのか。フェイクとして撮影することが可能でないのか。加工はされていないのか。
その検証をした上で、「これはフェイクではなく、撮影上のエラーやご認識でもないので、もしかすると霊の可能性もあります」ならまだ理解できる。
アホに見せるための番組だから、そいつらの程度に合わせて番組を作っているだけなのか。

嫁さんにどう思っているのか尋ねたら、「この番組は、フェイク動画を心霊動画として放送してるからねぇ」と分かっていたし、「心霊ロケで具志堅はいつも女の子をおいて逃げるから酷いのよ」と、違った見方をしていた。
まあ、ちゃんと分かっているのならいいかも知れないが、これを真に受けるバカなヤツ、いや、純粋なヤツが大勢いるのは間違いない。

何が面白いのか知らないが、こういうテレビの心霊番組は、いい加減規制されるべきではないのか。これのどこに、真実が含まれるというのか。

 

今日、12月の給与明細と一緒に源泉徴収票を受け取った。自分の年収が幾らかよく分かっていなくても、年の瀬に源泉徴収票を見ることでどの程度だったか思い出すことができる。
今年は、昨年よりトータルで18万円増えていた。この冬のボーナスは少なかったが、夏のボーナスがやや多かったので結果的に微増した。

源泉徴収票にある「支払金額」、つまり会社が私に支払った税金などが引かれる前の金額が「年収」に当たるらしい。
この「年収」は3年前と比べると随分増えた。私が勤める会社は、社員に決して時間外勤務手当を支払わず、サービス残業、サービス出勤を強制し、社員が自殺しても気にしないブラック企業であったが、労働基準監督署の度重なる是正勧告のおかげで、やっと残業代を支払うようになった。出勤と退勤の電子記録を取るようになったので、ごまかしようがなくなったからだ。
厚生労働省はブラック企業の実態調査を行い、悪い企業には社名を公表するなどのお仕置きをするらしいが、うちの会社は先に対策をやっておいてよかっただろう。

年収の話はともかくとして、ボーナスが出たら、それを貯金に回すだけでなく、何かしら買わないといけない。金を使ってこそ、日本の経済がよくなるというものである。
ずっと受け身の姿勢で、「アベノミクスの効果が感じられない」などと不満ばかり垂れているばかりではない。消費者がマインドを変え、経済を変えていくくらいの心意気でないといけない。うじうじやっているから、20年もデフレが続いたのである。

私はあまり物欲がない方で、欲しいものは特になかったのだが、とりあえず服や靴を買った。年末の大掃除で、古い服は捨てることにする。

また、数年前にアプリで産経新聞東京版を読むために購入したiPod Touchから、ソニーのウォークマンNW-F886に買い換えた。産経新聞がAndroid対応し、スマホで紙面が読めるようになったので、iPod Touchが音楽専用になっていたのだが、やはり音楽プレイヤーはソニーである。ノイズキャンセリングがこれほどいいとは思わなかった。iPodとは天と地の差で、すごくいい音楽が聴けるので、通勤電車の中で心地よい音楽を聴きながら寝られるようになった。
3万円だが、その費用に見合うくらいの満足感を得た。

そのほか、年末用になかなかの量のイクラや数の子も買ったし、ペットのためにいろいろ買い換えた。
それなりに金を遣ったが、最後に迷っているのが洗濯機である。

我が家の洗濯機は、呪われたシャープの洗濯機である。
私が買ったシャープ製品はことごとく潰れた。32型ブラウン管テレビは2年に1度潰れて修理した。オーブンレンジも5年ほどで1回潰れた。独身時代に会社の寮に入るときに買ったテレビデオもビデオだけ潰れ、2ドア冷蔵庫は会社の給湯室に置いていったのだが、それも潰れてただの箱になってしまった。
日本製の家電というのは、新しいものに買い換えるまで使えるのが普通だと思っていたのだが、私が買ったシャープ製品は全部先に潰れたので、買い換えることになった。忌まわしい思い出だ。
もちろん、洗濯機も例外ではなく、2年ほど前に1度潰れ、修理したと思ったら、今年になって電源部分に問題があるとしてリコールがかかってしまった。

販売店の情報や、修理記録から、私がその洗濯機を持っていることをシャープが把握しているため、「廃棄したか、まだ使っているか連絡をください」というハガキが2回来たが、面倒なのでそのままにしている。
そろそろ買い換えてやろうと思っているからだ。
ワイシャツの襟汚れ専用の超音波洗浄機が付いているタイプで、それが非常に気に入っているのだが、ただの洗濯機で乾燥機能がないので、日当たりの悪い我が家では、嫁さんが冬の選択に難儀しているのだ。

「消費税が8%になる前に買い換えるかな」などと思っていたが、よくよく考えてみれば、15万円の洗濯機を買っても、消費税アップ分は4500円である。大したことないのでどうでもいいようにも思える。
だが、そろそろ買い換えるなら、わざわざ4500円多く払う必要もないかと、やはり前倒しがいいような気がする。

これを考えると、たかだか洗濯機くらいでもそう思うのだから、3月までに駆け込みで家電や車などを買う人がどっと増えるだろう。そして、その反動として、4月以降に消費が落ち込み、経済に大きく影響するに違いない。
これまで、消費税3%が導入されたときも、5%になったときも、猛烈に消費が落ち込んで、経済に打撃を与えた。今回も、絶対そうなるに決まっている。なんせ、税制改革で余計に負担が増えそうな生活で、大して収入も増えないのに消費税だけアップしたら、そら皆が3月までに買うものは買って、4月以降出費を抑えようとするに決まっている。
7月のボーナス以降は幾らか期待できるだろうが、それでも期待したほどではなかったら、消費の落ち込みはずっと続くに違いない。

「今でしょ!」と言わんばかりに予定通りに消費税がアップされた。国際社会に日本の財政再建を訴えるにはそうするしかなかったが、本当に大丈夫なのか、多少は心配である。
アベノミクスなしで、民主党政権のまま消費税アップされることを考えれば、100万倍マシだが、どうなることやら。

消費税アップに関して、産経新聞は積極的に容認していて、それ以外は反対意見が多かった。新聞で反対するなら、増え続ける社会保障費を賄う対案を出せと思うのだが、そういうのは全く出てこなかった。
「無責任なもんだ」と呆れかえるが、もっと呆れるが、今度は新聞社が一丸となって、「軽減税率の導入を」「導入の際は新聞を対象にしろ」と言い出していることである。

その主張を見ると、「新聞は必要不可欠なものであるから、消費税アップするな」「欧米ではそれが普通だ」というものばかりである。
建前はそうだが、実際は値上げによって契約者が離れていき、部数が減ることを嫌がっているだけだろう。

めちゃくちゃ自分勝手な言い分である。
新聞だから社説などで意見表明できるが、ほかの業種に言わせれば、「俺たちの商品も軽減税率の対象品にしろ」であろう。

例えば、私が勤める会社はパソコンなどのIT製品を作っているので、それらを軽減税率の対象にして欲しいのは間違いない。政府の方針で内税で売れとか言っていたので、ロット販売する客との契約が消費税込みになっている。「消費税がアップしたから、契約の販売価格も上げさせてくれ」と客にお願いしても通らない。「だったら、ほかの会社の製品探すよ」などと脅されるので、泣く泣く消費税アップ分を自腹で損するしかない。
そんな会社、山ほどある。「新聞だけ抜け駆けすんじゃねぇよ」と思うサラリーマンは多いだろう。

新聞社は、「弱者のために軽減税率導入を」などと主張しているが、結局のところは新聞の値上げを阻止したいだけではないのか。
よくもまあ、こんなお為ごかしが平然と言えるもんである。
新聞社こそ、この世の中に数多ある業種のなかで、もっとも厚顔無恥な業種ではなかろうか。

 

昨晩、猪瀬都知事が辞めるとのニュースが流れて、「やっとか」と思った人も多いだろう。
どう見てもおかしな借用書、二転三転する釈明、5000万円を無利子で貸してくれる赤の他人を「親切な人」と思ったとかいう無理な主張など、どう考えても真っ黒で、辞任以外考えられなかった。
あんな釈明でこの事態を乗り切れると考えていたと思うとぞっとする。

過去最高得票を受けて都知事に再選し、東京五輪招致という偉業を成し遂げたのに、カネで全てを台無しにしてしまった。
「落選したあとの生活が不安だから、親切な人から5000万円を無利子で借りた」というのはウソで、選挙資金として5000万円を借り受け、返すつもりはないが、その見返りとして便宜を図るつもりだったというのが真実なのだろう。最近になって出てきた、東電病院の売却に関して、猪瀬がごちゃごちゃ口を挟んで売却を迫ったというニュースは、その証拠なのではなかろうか。

ここまでめちゃくちゃなウソを重ねてきたわけだが、百条委員会が設置され、偽証できなくなったら終わりだ。全部「記憶にございません」と答えればいいのだろうが、それで問題を乗り切ることはできない。
ついに諦めてしまった。

せめて、徳洲会に金を取りに行くときに、公用車ではなくタクシーを使うなり自分で運転するなりすれば、そう易々とバレなかったかも知れないが、公用車にどこに立ち寄ったかの記録があれだけ正確に残っていたら、今さら何をやっても手遅れである。
猪瀬は公用車の記録のことを知っていたのであろうか。

これまでの猪瀬の対応は、呆れるようなものばかりだが、逆説的に考えてみると、驚異の粘りと根性、厚い面の皮の持ち主と考えることができる。

常人ならば、あんなめちゃくちゃな言い訳をやろうとも思わない。都議会でちょっと責められたら、折れる人が殆どだろう。
だが、猪瀬は最後の最後まで諦めなかった。ブレーンがいるとは思えない、子供みたいな言い訳を重ねて難局を乗り切ろうとした。普通の人なら、恥ずかしくて口にできないような主張もした。

そして、自分の妻の死も利用し、「妻が死んで忙しかった」とか、「貸金庫は妻が管理していた」などとも証言していた。
「それだけはやめとけよ」と思うわけだが、厚顔無恥な人間ならばそんなことも可能なのだろう。死人に口なし。それが例え自分も妻でも利用する。

猪瀬のメンタルはある意味スゴイと思われるのだが、そこまで粘らせる理由があるのだろう。東京都知事という職は、そこらへんの国会議員よりも力があって、社会に及ぼす影響も強い。
それに、東京五輪招致という輝かしい実績を引っ提げて、いろいろやりたいこともあったのだろう。
何にしても、猪瀬はもう終わりだ。都民から再び信任を得ることはできないだろうし、ジャーナリストにも戻ることはできまい。領収書の書き方を知らず、厚顔無恥な主張を平気で繰り返し、およそ一般人が持ち合わせるような常識すら持っていない人間が、ジャーナリストやノンフィクション作家としてこのあとやっていけるわけがない。

政治家として猪瀬が終わったから、あとは検察に任せるとして、問題は次の知事だ。なかなか嗅覚の鋭い東国原英夫という前科者の芸人あがりが、日本維新の会の会派を離脱し、衆院議員も辞職した。
「太陽の党関係の老人たちとそりが合わなかった」とか何とかごちゃごちゃ言っているが、猪瀬の辞職と自身の都知事選出場を見越してのことだろう。
本人は今日の記者会見で、「現時点では出馬の予定はない」などと言っているが、あとで「気が変わった」というに決まっている。自公からの支持が得られ、都知事選で当選する見込みが出てきたら、間違いなく立候補するだろう。

山本太郎を参院議員にしてしまう東京都民だから、東国原英夫も都知事になってしまうかも知れない。「タレント出身の議員で、宮崎県知事の経験もあるなら安心だろう」などという考えが働くかも知れないが、本当にそれでいいのだろうか。
1986年にビートたけしと一緒に講談社を襲撃し、現行犯逮捕された男である。不起訴処分にはなったが、1997年にはたけし軍団の後輩に暴行して傷害容疑で逮捕され、略式起訴され罰金を支払った。
その件の謹慎中である1998年には、イメクラで16歳の少女と淫行に及んだことがバレた。法的な処分はなかったものの、謹慎中にイメクラで若い女から性的サービスを受けるという倫理観に欠如した男であることには変わりがない。

猪瀬のすごい考え方にぞっとしたが、東国原が東京都知事になって、東京五輪を引っ張っていくのかと思うと、そちらもかなりぞっとする話だ。
それだけはやめて欲しいのだが、共産党やら民主党やらの推薦を受けた候補が当選するのも困ったもので、私は都民ではないが、これからの東京都の行く末が実に悩ましい。

 

日本の家電メーカがここ10年ほどで凋落してしまった原因はいろいろある。

ひとつは、家電のデジタル化が挙げられる。アナログ時代の家電は、生産工場での調整が必要で、海外の二流メーカがマネをしようと思っても、一朝一夕ではうまくいかなかった。
だが、テレビのように内部基板の多くがデジタルされ、さらに部品ひとつひとつの性能が上がることによって、製造技術がないメーカの工場でも簡単に作れるようになった。

また、よその清貧を買ってきて、分解し、部品などを解析し、同じように作るというリバースエンジニアリングも容易になった。
そのおかげで、韓国や中国の企業のように、日本やアメリカの製品を調べ、同じように作るというパクリ製品の開発が簡単にできるようになった。
それによって、韓国や中国など、技術開発を疎かにするような二流企業でも、それなりの製品が作れるようになってしまった。

それと関係のある凋落原因のもうひとつに、日本メーカが高付加価値商品にこだわりすぎたことも挙げられる。
昔であれば、いろんな機能が付いていて、いい性能のものであれば、少々高くても売れていた。だが、近年は最低限の機能があれば、そこそこの性能で、そこそこの品質でもそれでいいという消費者が増えてきた。テレビが潰れたら、買い換える。そのサイクルが普通になったので、安物を買って、潰れたら修理せずに新しいものに買い換えるため、性能や品質など二の次になった。

特にアジアやアフリカの新興国でその傾向が顕著であるが、かつての高付加価値神話に囚われた日本メーカの固定観念と、中韓のカスメーカが作るものと同等の安物なんか作れないという日本の技術者のプライドによって、高価な高付加価値商品を望まない人たちに、自分たちが作ったものを売ろうとしてきた。当然売れない。当たり前の話である。

日本メーカもアホではないので、東南アジアやインドで巻き返すため、エアコンや洗濯機でとにかく安さを追求した製品を売るようになってきた。日本ブランドの品質を保ちつつ、機能を大幅に削った製品だ。
エアコンならば、リモコンなしで、小難しい機能など全くなく、ただ冷たい風邪が出るだけの単純なもの。洗濯機ならば、洒落た全自動ではなく、ただただ丈夫な二層式。

それでいい。低所得者のニーズに合った新興国で売れる安いタイプと、日本向けに売れる高付加価値タイプを作ってこそ、日本の一流メーカだ。
優れた企業は、時代に合わせて変わっていかねばならないのである。

最近、よく聞くのが「選択と集中」である。企業として、残すべき事業は残してそこに資源を集中させ、捨てるべき事業はさっさと捨てて損切りしてしまうというものだ。
それをうまくやってのけたのがIBMである。
かつてIBMはコンシューマ向けにパソコンを開発・製造・販売をしてきた。IBMのノートPCのThinkPad Xシリーズは、神奈川県大和市の研究所で開発される高品質PCの代名詞みたいなもので、絶大な支持を得ていた。
だが、IBMはコンシューマ向けPCが薄利多売で行かねばならないリスクの高い事業だと判断して中国のレノボに全て売却しB2Cビジネスを捨ててしまった。自らはビジネス向けのB2Bに特化し、企業向けのサーバ開発、それを使ったソリューションサービスで躍進した。

「選択と集中」といえば聞こえがいいが、これは儲かる事業だけ残し、儲からない事業を捨てるという単純なものではないと思う。
薄利多売でも、それなりの売り上げを見込める事業であれば、残していかねばならないのではなかろうか。

日本のメーカに関して、儲からない事業をどんどん捨てて、儲かることだけに集中しろという論調がよくあるが、それを進めると最終的には何も残らなくなってしまう。
韓国のサムスンとLGにやられ放題で、日本メーカが次々の惨敗したテレビ事業について、悲観的な見方が多いが、果たして本当にそうなのだろうか。
テレビを見る人は減ってきているが、それでも腐ってもテレビである。しかも、テレビ放送は見なくとも、Blu-rayなどのコンテンツを見る人は大勢いるし、テレビがなくなってしまうとも思えない。

テレビは現在のフルHD(1920×1080px)放送から、4K(4096×2160px程度)放送へ移ろうとしている。
「地デジ化でようやくアナログからデジタルのフルHDに変わって、誰が4Kなどを望むのか」というジジイの戯れ言みたいな意見があるわけだが、技術は常に進歩するものであって、消費者は自然とそれを追っていく。
DVDが出た頃、ビデオの画質より遙かにいいことに多くの人が感動した。
Blu-rayが出たときは、「DVDで十分」という意見もあったが、結局はBlu-rayの画質を見てしまうと、DVDには戻れなくなる。Blu-rayのプレイヤーやコンテンツの売り上げが伸びるのも当然である。

だから当然4Kだって伸びるに決まっている。大型家電店で4K画質を見ればそう思う。今はまだ4Kテレビの値段は高いが、各メーカが今から開発しておいて問題ない。
フルHDパネルへの移行時期に日本メーカは選択ミスを犯してしまったが、4K移行時期にうまく攻めることで、一発逆転でサムスンやLGを追い越していくこともまだまだ可能だ。
それに、2020年には東京オリンピックが行われ、その頃には普通に4K放送が行われるのだから、4Kテレビは家電メーカにとって当然重要なファクターだと思われる。

私はそう思っているのだが、産経新聞はそう思っていないらしい。

【MSN産経ニュース】 歳末商戦“救世主”になれない「4Kテレビ」の期待外れ…大きい、高い、コンテンツがない、客寄せの域を出られず (12/18)
【MSN産経ニュース】 アップル、グーグル、サムスンなど見向きもしない日本の家電見本市CEATECの惨状…盛況の米見本市と対照的、“日本家電没落”を反映 (11/6)
【MSN産経ニュース】 「ポストiPhone」生み出せぬ日本メーカーの末期症状…いまだ高画質TVに固執する経営者たちの“無能” (10/29)
【MSN産経ニュース】 韓国に再びボコボコにされるのか? 4Kテレビでも日本企業は“完敗”予想?! (2/18)

特に大阪本社版の記事を書いている織田淳嗣とかいう記者の記事が目に付くが、ほかにもいるようだ。
4Kテレビが憎いのか何なのか知らないが、とにかく4Kはダメだのオンパレード。家電メーカに対して、家電を作ってはいないアップルを引き合いに出し、足下にも及ばないと蔑んでいるようにしか見えない。アップルなんぞ、たまたま復活できてブランドを確立できただけであって、家電メーカとは本質的に抱えている問題が異なる。

日本メーカはサムスンやLGには勝てないとか書かれてあり、さらに韓国メーカはウォン安だけで伸びてきたわけではないとしている。
確かにサムスンやLGは力を付けてきたが、吹けば飛ぶような力であって、恐れるほどのものでもない。それに、サムスンがディスプレイ事業で日本から撤退したように、少なくとも日本では、韓国メーカの製品は売れない。日本メーカに同じようなモノがあるのだから、皆そちらを買う。
世界市場においても、韓国は続くウォン安に苦しめられるだろうし、TPPの結果いかんによっては、日本がアメリカ市場において韓国メーカからシェアを奪還できる可能性は十分ある。

産経新聞は、日本の家電メーカがテレビ事業を再起させようとしていることに不満らしいが、消費者の立場からすれば、日本メーカがこれ以上テレビ事業から撤退され、韓国製を買うしかないような状況になる方がよほど不満である。

日本の家電メーカはきっと立ち直ることができる。「ソニーらしさが失われた」と評されたソニーも、やっとそのらしさを取り戻しつつあるし、ほかの企業も生き残りを賭けて十分に頑張っていると思う。
日本の家電メーカはこのまま没落していくのか。決してそんなことはないはずだ。

 

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