先っちょマンブログ

2014年06月

0630-1

中国の食品偽装は偽装なんてレベルじゃないというニュースをよく耳にする。
下水に溜まった油から精製された地溝油なる再生食用油が出回っており、安物の屋台のみならず、一部のレストランでも使用されていると見られている。燃料にするのならともかく、下水から集めた油を食用油にするという発想が日本人からすると信じがたい話で、さらにそれを使って作ったものを客に出すのも信じがたい。実際、地溝油を使ったラーメンを食べた子供が死ぬという事件もあった。

コンビニで売られているペットボトルの水が、ミネラルウォーターでも何でもなく、水道水以上の汚染された水だったというニュースもあった。
中国では、金さえ出せば安全な水や食べ物を手に入れられると思うのは間違いらしい。中途半端な金のかけ方だと、騙されて偽物を掴まされる。

私が勤める会社の北京や上海近郊にある支社に出向している社員に、「中国で何を食っているのか?」と訊くと、「その質問はウンザリするほどされた」と言っていた。中国では水もダメ、食べ物もダメ、果ては空気もダメ。どうやって生きていくのかと思うわけだが、中国にいるとそれなりに慣れてくるし、何となく大丈夫そうなものを手に入れられるのだという。
本当に安全かは知らないが、現地の日本人は疑心暗鬼になっている点があるので、精神衛生上はあまりよくないだろう。私のように神経質なタイプは、中国で暮らすとストレスで神経をすり減らし、それだけで寿命が縮まるに違いない。

毒入り餃子事件があってからというもの、冷凍食品に関して、我が家では中国産のものを買わなくなった。別に私はちょっとくらい中国産でもいいのだが、嫁さんが気にして買わなくなった。業務スーパーなど、安物を扱うスーパーでは中国産の冷凍食品が多いが、その手のものが一切なくなった。

これまでは、加工食品は中国産のものが多かったが、消費者が買わなくなってきたので、ほかの国での生産にシフトしつつある。
僅かの金をけちって中国産を買い続け、それを食べ続けてヘンな病気になったら堪らない。費用対効果で考えると、中国産の食品を避けることが悪いこととは思えない。

これは人間用の食品として当然の話だと思うが、ペットフードでもこれと同様の動きになりつつある。ホームセンターのペットコーナーで犬や猫のフードを見てみるとよく分かるが、一昔前までは中国産の安物がそこそこあったが、今では本当に少なくなった。
ドライフードに関していうと、国産が意外と多い。外国産ではタイ産を結構見かける。海外ブランドのいいフードあたりは、オーストラリア産だったりする。

スーパーで食料品を買うとき、原産国がどこかをよく確認するようになった。ペットフードでもそれが必要で、実際にそれをやる人が増えてきた。
中国産が減るのは当然の成り行きである。

アメリカでは、2007年頃から中国産のジャーキーを食べた犬や猫が今までに5600匹以上が健康被害を受け、1000匹以上が死んでいると朝日新聞が報じ、Yahoo!ニュースのトピックとして取り上げられていた。
昨年11月に産経新聞が報じたとき、米食品医薬品局(FDA)の発表では580匹が死亡したとのことだったので、この半年で爆発的に増えたことになる。

アメリカでの被害は、特定のペットフード会社、或いは特定のジャーキーで起きているわけではない。共通しているのは中国産ジャーキーということだけだ。
恐らく、ペットフードの工場や企業単位で不正が行われて毒物が混入したのではなく、原材料レベルで汚染されたものをいろんな企業が使い、ここまで被害が拡散しているのだろう。
原因不明の腎不全などで死んだ犬や猫もいるため、中国産による本当の死亡数はもっと多いかも知れない。

FDAは中国産ジャーキーをむやみに与えないよう飼い主に呼びかけているが、原因が分かるまで販売中止にするくらいの措置が必要かも知れない。今のままでは、中国産ジャーキーによるペットの死亡が増えるだけである。
もしかすると、ペットフードを食べる変人がそのうち死んでしまうかも知れない。

中国から毒物であるジエチレングリコールがグリセリンと偽ってパナマに輸出され、それを元にシロップの風邪薬が作られ、服用した100人以上が死ぬという信じられない事件が起こったのが同じ2007年だった。
このとき、中国は「責任はパナマにある」と強弁し、パナマ側の訴えをまったく受け付けなかった。

恐らく、原因の毒物が特定されたところで、中国はその非を一切認めないに違いない。
ニセの薬品を販売し、よその国で人が100人死んでも知らんふりできるのが中国人だ。ペット相手に毒物を混入することなど何とも思わないし、ペットが何千匹か死んだところでどうってことないだろう。「犬猫が死んだくらいでどうした」と返されるのがオチだ。

ほかの原産国のペットフードで、このようなトラブルが起きたことがあるだろうか。これは、中国で中国人に作らせるから起こる問題である。
ペットが死亡した原因も分からず、当の中国人が調べる気もない。責任が分かっても認めないし、改善もしない。7年も続いているのには訳がある。
自分のペットを殺したくないのであれば、中国産のペットフードをペットに与えるべきではないのだ。


0629

ここ最近、私が住む滋賀県の県知事選が少しだけ注目されるようになってきた。今まで、滋賀のようなクソ田舎の知事なんて誰がなっても一緒だし、滋賀県民以外だけでなく、滋賀県民自体も県知事選になんぞ興味がないということが多かったが、新幹線新駅凍結と脱ダムを訴えた嘉田由紀子の当選は意外性があったので注目された。
その嘉田県政の2期目の選挙も注目された。

26日に告示され、7月13日に投開票が行われる今度の県知事選も、全国紙の政治面で比較的大きく取り上げられている。これも、嘉田知事のおかげで、彼女のあとを誰が継ぐかに注目されているからだろう。

嘉田知事がよかったのは、新幹線の新駅を栗東に造るというキチガイじみた計画を取りやめたことだ。栗東市の新幹線新駅は、当時の自民党系会派・湖翔クラブが強引に進めてきたことだ。JR琵琶湖線の草津駅から、JR草津線という単線のローカル線にも新駅を造り、そこで接続する新幹線の駅であったが、造る前から「誰がそんな駅を使うのか」ともっぱらの評判だった。20分~30分に1本しか出ていない草津線に乗り換えるくらいなら、JRで京都まで20分なり30分なりかけて行けば済む話で、京都駅なら「こだま」しか止まらない新駅と違って「のぞみ」も「ひかり」も止まる。
明らかに誰も使わない、ただの税金の無駄遣いで駅を造り、今後何十年も無駄に維持費をかけることを考えれば、やめて当然だった。県民が、新幹線新駅ストップ1本で訴えてくる嘉田由紀子を選んだのも当然だった。

だが、そのあとがよくなかった。一番のミスが小沢一郎に担ぎ上げられて日本未来の党を作り、その党首になってしまったことだ。自民党が大勝した先の衆院選で、61議席から9議席に減らすという大惨敗を喫し、新党も解散。脱原発を無責任に訴えたのみならず、選挙のために新党を作ったことでも有権者に呆れられた。

前の東京都知事選でもそうだったが、脱原発なんて選挙の争点にはなり得ないのだ。原発がある県ならともかく、よその県には関係がない。
にも関わらず、今度の滋賀県知事選で、なぜか原発の話がちらほら出てくる。

嘉田の後釜として、民主党の代議士を辞め、立候補してきたのが三日月大造である。こいつは、前の衆院選の小選挙区で敗れたが、比例で復活当選した人物で、代議士を辞めても、次点だった同じ滋賀県選出で小選挙区で落ちた川端達夫が復活するだけ。何か腹の立つ話である。

滋賀県や各市町村のネット掲示板などを見ていると、三日月はすこぶる評判が悪い。こいつは、衆院選当選4回の中堅で、JR西日本の労働組合出身という強みを活かして国土交通副大臣や国土交通大臣政務官を務めた。
選挙戦で「地元のために」とか言いながら、地元に何ら利益誘導することのなかった議員で、自分が少しでものし上がろうと必死だった。
産経新聞に出資母体のJR西労組から1億円を超える献金を受け、その一部が記載漏れだったばかりでなく、国交省の政務三役というポストに就いていながら、JR西の労働組合から多額の献金を受けていたことを記事にされていた。
地元のためになることをせず、JR西日本の労働組合から多額の献金を貰い、国交省の重要ポストで恐らくJRのためにだけ何か頑張ったのだろう。
また、地元に帰ってこず、会合も開かない。選挙のときだけ、地元のイベントに顔を出す。
そんなヤツだから、評判が悪い。

そんな候補だが、原発に関しては原子力規制委員会の新基準を満たした原発は再稼働すべきだという立場だった。労働組合のサヨク分子は知らないが、JRは基本的に原発再稼働派なんだだろう。
ところが、嘉田知事の後任を名乗り出たとき、嘉田知事の政策を維持するために再稼働反対に舵を切った。
しかし、県知事選では連合の支援を受ける。連合に傘下する企業の労働組合は、原発再稼働派も多いし、何より関西電力が入っている。だから、選挙戦で表だって反原発を唱えられなくなってしまった。
恐らく、当選してから反原発を出してくるのだろう。

だが、よくよく考えてみると、滋賀県の県知事選で原発再稼働が話題になること自体がおかしい。原発は滋賀にはないのだし、何より原発は国政の話であって、福井の隣にある県の県政でごちゃごちゃ文句を付ける内容でもないのだ。
それを思うと、共産党の候補の坪田五久男になると、ポスターを見たら「国政に物言う知事を」というスローガンで、「憲法改悪」「消費税増税」「原発再稼働」「TPP」にNOを突きつけるとある。完全に狂っている。県知事は国政に口を挟むのではなく、県政を第一に考えるべきであろう。

ハッキリ言って、ブレブレの三日月大造、共産党の坪田五久男は話にならない。
消去法で、自民・公明推薦の候補である小鑓隆史しか残らないのが現状だ。

毎度毎度、選挙では消去法による候補者選びばかりになってしまう。今度の滋賀県知事選でもそうなりそうな気がするが、選挙戦初日に応援弁士として滋賀に来た石破茂が演説で「選挙に初めて出る新人で知名度がないのが悩みだ」と漏らしていた。だから、自民党に勢いのある今でも、誰が県知事になるか分からない。
そもそも滋賀県は、民主党政権時代に、衆院、参院すべての選挙区で民主党の候補が勝ち、民主党以外の議員がいなくなってしまうような県である。リベラルというより、県民がアホなせいか、流されやすいのだ。
今度の県知事選、一体どのようになるのだろうか。

0627-1

日本人の民族的な特徴のひとつに、昔から清潔であることが挙げられる。

例えば、幕末に日本に来たアメリカ総領事のハリスのハリスは、下田に暮らす一般庶民について、「世界中の国々では貧乏には不潔さが付きものであるが、日本人の家屋は必要な清潔さを保っている」と評した。

ホメロスの「イリアス」を元にトロイアを発見したシュリーマンは、趣味で遺跡発掘をする前に貿易商や武器商人を生業としていて、世界中を旅していた。そんなシュリーマンが清と日本を旅したとき、日本人について次のように旅行記に記した。
「日本人が世界で最も清潔であることは異論の余地がない。どんなに貧乏でも、毎日町の至るところにある銭湯に通っている」

イギリス公使だったオールコックも、「日本人は清潔で、身の回りのみならず町全体がそうであるよう心がけている。清潔さでは日本人は他の東洋人より大きく勝っていて、特にシナ人に勝っている。シナでは目と鼻のある人ならば誰もが不快に感じる」としている。

日本人は元々体臭が少なく、昔からよく風呂に入るなどして清潔感を保ってきた。清潔であることは日本人の美徳とされている。
欧米人やアジア人など、日本人の視点からするとどいつもこいつも不潔で、毎日風呂に入らないばかりか、体臭をごまかすために、より匂いのキツい香水を使ったりする。何だかよく分からないが、とにかく鼻につく香水の匂いを漂わせている外人に一度は会ったことがあるだろう。

日本人のDNAには、清潔感を求め、匂いに敏感になるような性質が刻み込まれているのだろう。それの追求が時代を重ねるごとにどんどん加速していき、今や日本人の身の回りは抗菌や脱臭を謳った商品で満ちあふれている。悪いとは思わないが、やり過ぎの感はある。極度の清潔さや無臭に慣れすぎてしまうと、小汚い外国に行ったときに苦労する。世界中の殆どの場所は、日本より圧倒的に汚いし、臭い。
それに、小さいときからあまり清潔な環境に慣れすぎると、免疫機能などが備わらないとか何とか言われている。何ごともほどほどがいいのだ。

やり過ぎでいうと、最近「スメハラ」(スメルハラスメント)という言葉をよく耳にするようになった。匂いで他人に不快感を与えることである。
昔から、口臭、ワキガ、汗臭さなどの体臭は嫌われていたが、少し前からそれに加齢臭が加わった。中年以上のオヤジから漂ってくる独特の匂いである。

2001年、資生堂が加齢臭の原因は「2-ノネナール」という化学物質であるという研究成果を発表して話題になった。それ以降、それが分泌されるらしい耳の裏をゴシゴシ一生懸命洗うオヤジがいたが、加齢臭に対して効果がなかった。
昨年になって、マンダムが加齢臭の別の原因を突き止めた。頭頂部や後頭部から分泌されるジアセチルという成分で、それが30代、40代以降が発する加齢臭に関係しているという。ジアセチルは不快な強い脂臭で、酢の匂いの120倍の臭気だとか。

どうやら、加齢臭があるからといって、耳の後ろばかり洗っていても何の意味もないらしい。一生懸命に洗うべきは頭であるらしい。
それでも、男の多くは洗髪に1~2分しかかけないそうだ。髪が短いのでちゃちゃっと洗って終わり。だいぶ前のエントリで書いたが、頭を洗うことは洗髪というが、実際は髪を洗うことより頭皮を洗ったり、もみほぐすことの方が重要らしい。

私は昔から念入りに頭を洗っていたが、最近のパターンはこうだ。
まず洗髪用のブラシを使って普通のシャンプーで髪の毛だけを軽く洗う。整髪料を取ることが目的だ。次に、また洗髪用ブラシを使いながら、サクセスのトニックシャンプーで洗う。
そして、数か月前に買ったパナソニックの頭を揉み洗いしてくれる装置を使って、普通のシャンプーを少し付けて4分間洗う。
全部で5~6分。念入りすぎるくらいに洗っている。このくらいやれば、頭皮もキレイになって、匂いも控えめになるのかも知れない。

オッサンの加齢臭は女に嫌われるわけだが、男だって不快に感じないわけじゃない。私は味覚オンチだが嗅覚は優れている方で、他人の匂いが気になって仕方がない。加齢臭全開のオヤジにはできるだけ近づきたくない。
しかも、加齢臭=頭皮の脂臭であるならば、余計に嗅ぎたくない。

臭いものを生理的に受け付けないという日本人の感覚は、科学的にもあっている。
匂いは微粒子を鼻から吸い込んで、鼻の奥にある細胞で受け、それを電気信号に変えて脳に伝えることで感じ取ることができる。他人から発せられた口臭や皮脂の匂い、汗の匂いを感じるということは、他人から出ている微粒子を自分の体内に取り込んでいるわけである。受け付けないのは当然だ。
しかも、他人から出ている化学物質を全部鼻で受け止めているわけではない。息を吸い込むことで肺に取り入れている。汚いオッサンの口臭を嗅ぐということは、そのオッサンが出している微粒子を、自分の体内に取り込んでいることと何ら変わらない。

書いているだけで気分が悪くなるが、匂いがあるからそのように感じられるだけで、無臭であっても多少は他人から発せられる何らかの物質を吸い込んではいるのだろう。ただ、臭い匂いの粒子を吸い込むのとそうでないのでは、随分違う気がする。

口臭にしても体臭にしても加齢臭にしても、不快な匂いというのは自分では感じにくい。たまに通勤電車でメチャクチャ口が臭いオッサンがいたり、とんでもないワキガのヤツがいたりするが、本人はなかなか気付かない。人間の能力として、自分が発する匂いは気にならないようになっているらしい。自分が放つ悪臭に気を取られると、ほかの悪臭を嗅ぎ取る能力が落ちてしまうからだ。口が臭いからといって、自分の口臭ばかり気になっていたら、腐っている食べ物に気が付かないかも知れない。

だから、臭い人がいたなら、他人が教えてやるべきだ。匂いが気になって仕方がない日本人だから、言いにくいかも知れない。子供のイジメで「臭い」と言われることがあるように、他人から指摘されるとイヤかも知れない。しかし、誰かが教えてやらないと気が付きにくいのだからしょうがない。
まずは家族、できれば会社の同僚あたりも、匂いのことを教えてやるといい。少なくとも私はそうするし、そうして欲しい。

0626-1

私が住む滋賀には、びわ湖放送というテレビ局がある。テレビ東京のネット局であるが、いかにも地方のテレビ局丸出しで、地元企業のテレビCMは驚くほどショボい。テレビ東京の番組をまともに放送しているのはプライムタイムくらいで、それ以外の時間帯は基本的にテレビショッピングを垂れ流しているイメージだ。

テレビ東京の番組は夜9時以降、「ワールドビジネスサテライト」まで同じものが放送されていると思うが、ほかの番組は数週間遅れだったりする。
毎週月曜の夕方には、「Youは何しに日本へ?」が放送されている。これは1か月遅れだ。

「Youは何しに日本へ?」は、成田や関空などの日本の国際空港にいる外人に対し「何しに日本へ来たのか?」と質問し、面白そうな答えをした人に密着取材するという番組だ。
ただの観光だけでなく、剣術を習いに来たとか、ノープランで旅行しに来たとか、とにかく変な外人ばかりだ。

今週の放送は東京で5月26日に放送されたもので、特集の1本目は日本のカツオ漁の実習に来たインドネシア人が、初めてカツオ漁船に乗るというだった。
外国人実習制度は、海外から来た実習生を奴隷のように扱い、給料をピンハネする悪い日本人経営者のニュースが多くていいイメージがないが、カツオ漁の実習はまともそうだった。2か月半に渡って集団生活で漁や日本語を学び、そのあと3年間、日本各地の漁業組合のカツオ漁船で仕事をする。
インドネシア人実習生たちは、実習で得られる給料でインドネシアの家族を助けたいと言っていて、一様に親孝行であり、実習にマジメに取り組んでいることに感心した。

番組の2本目の特集は、フリーメイソンに関するものだった。成田空港で声をかけたフィリピン人が、フィリピンにあるフリーメイソンリーのグランドロッジのマスターで、日本のグランドロッジで新しくフィリピン人がマスターになるので、その就任式に参加するというので密着取材してみるという内容だった。
ちなみに、フリーメイソンリーとはフリーメイソン個人が集まる団体のことを指す。

司会のバナナマンのふたりはフリーメイソンリーのグランドロッジに潜入するとあって驚いていたが、別段驚くような話でもない。「フリーメイソンは世界を牛耳る秘密結社だ」などとよく言われるが、別にそのようなことはない。フリーメイソンリーは秘密結社でも何でもない。なぜなら、普通にこうやってメディアに取り上げられるからだ。

ただ、同じテレビ東京の「やりすぎ都市伝説」でアホみたいな都市伝説が広まったことや、映画「ダ・ヴィンチ・コード」のイメージが先行するなどして、世界を牛耳る秘密結社に仕立て上げられてしまった。
番組で同行ディレクターが、新しい日本グランドロッジのマスターに対し、「世界を牛耳っているというのは本当ですか?」と直球の質問をしていたが、マスターは「そこまでの力はない」と否定し、自分たちは慈善活動などをしているだけと言っていた。

これを見ても、陰謀論が好きな連中は「ごまかしている」などと言うのだろうが、結局はフリーメイソンリーというのは、ロータリークラブやライオンズクラブと大して変わらない団体で、奉仕活動などを地味にやっているだけだ。
フリーメイソンであることを示す指輪やネクタイピンをしている人がいて、仕事で知り合ったフリーメイソン同士が仲間意識を持ち、秘密の挨拶を交わすことがあるらしい。せいぜいこの程度。
取材が入ったグランドロッジでは、フリーメイソンリーのマークが入ったマグカップ(1200円)や手ぬぐい(800円)が売られていた。そんな秘密結社があるだろうか。

日本のフリーメイソンの数はおよそ2000人だと言われている。最盛期は5000人いたが、会員になる人が減ってきた。
「ダ・ヴィンチ・コード」がブームのとき、フリーメイソンに憧れて、月に一度行われている説明会に大勢押し寄せたらしいが、やっていることが想像と違うことにガッカリする人が多く、大して会員が増えなかったらしい。

フリーメイソンリーは自分たちがどんな活動をしているのか、普段世間に広くアピールすることはない。それに加え、いろんな噂が立っても基本的に否定も肯定もしない。とにかく世間に何もアピールしないので、「秘密にしている」と勘繰られ、言われ放題になってしまう。

テレビ東京の「やりすぎ都市伝説」では、芸人の関暁夫がフリーメイソンリーの陰謀論ばかりを唱え、「信じるか信じないかはあなた次第です」としつこく言っていた。
この関暁夫という芸人は本当に最低で、言い返してこないフリーメイソンリーのことはとにかくめちゃくちゃに言う。世界で起こるあらゆる戦争や紛争の原因がフリーメイソンリーにあるかのごとくだ。
どんなデタラメを言ったところで、相手が反論してこないのだから、言いたい放題である。
芸能界には、秘密結社よりも悪いことをしている連中が大勢いるはずだが、そういうヤツらが秘密裡にやっていることの方がよほど都市伝説としてふさわしいと思うわけだが、そのようなアンタッチャブルには当然触れない。

フリーメイソンリーはテレビ東京や関暁夫に文句を言わず、世間に対して反論もしないから、悪者に仕立て上げられる。
「沈黙は金」などと言われるが、必ずしもそうではない。
この世の中に、黙っていていいことはそれほど多くない。特に、自分に降りかかる火の粉に対しては、自ら積極的に払っていかねばならない。

だから、日本も黙っていてはいけない。黙っていると、日本を貶めようとする国に悪者にされてしまう。「理解してくれる国があるはずだ」という考え方はいかにもマズい。
河野談話はもっと積極的に検証を行い、従軍慰安婦問題について言うべきことを言わないといけない。徴用工問題もそうだ。南京事件やそうである。
韓国や中国がやっていることを許すと、「無理が通れば道理が引っ込む」という世の中になってしまう。そんなことは許してはならない。面倒でも、いちいち反論していかねばならない。

0625-1

今週の日曜日、産経新聞に悪徳シール販売についての記事が掲載された。

【MSN産経ニュース】5万円の「電気代安くなるシール」効果なし 各地で相談続々 (6/22)

国民生活センターが注意を呼びかけているものだが、ネズミ講まがいのセミナーで、電気代が安くなるという触れ込みのシールを3~5万円で買わされる被害が続出しているのだそうな。
それによると、シールからマイナスイオンが発生しており、屋内のブレーカーに貼ることで静電気が緩和され、電気の流れがよくなり、電気代が3~4割安くなるとか。

なぜこんなものに騙されるのだろうか。
一部の家電メーカが謳っているマイナスイオンやらプラズマクラスター自体、その効能について胡散臭いわけだが、それは置いておくとして、(1)ブレーカーに貼ることで静電気が減り、(2)静電気が減ることで電気の流れがよくなり、(3)電気代が安くなるというこの三段論法がいかにもおかしい。
ブレーカーからどれほどの静電気が出ているのか、静電気が減ることで電気の流れよくなるのはどういう理屈なのか、電気の流れがよくなると何故電気代が安くなるのか、ある程度理屈で考えられる人ならば、全部デタラメだということが分かるはずだ。

恐らく、訪問販売なら誰も買わないが、セミナー形式で販売するから買ってしまうのだろう。ネズミ講形式になっていると、売る方は必死に畳みかけてくる。売られる側はウンザリするが、「買えば解放して貰える」と思って買ってしまうのかも知れない。

セミナーに私みたいな人間がいれば、ごちゃごちゃ言って販売業者をブチ切れさせて終わるかも知れないが、世の中には議論が嫌いな大人しい人が多い。「知り合いに紹介されたから」という理由で断りにくい人も多いだろう。日本には優しい人が多すぎる。

とはいえ、もうちょっと理屈で考えられる人が多ければ、こんなことが起こる余地は少なそうだ。年寄りだと分からないことが多いかも知れないが、「年寄りだからものを知らなくて当たり前」ではオカシイ。もっと知るべきなのだ。

普段生活をしていて、「これはどのようになっているのだろう」と考えない人が相当いることに驚かされる。
地上デジタルのテレビはどういう仕組みで電波が飛んで、テレビでどのように処理しているかとか、IH調理器でどういう理屈で温めているのか、電子レンジはどうなのか、パソコンやスマホでどのような通信をしているのか、などなど、詳細を知らないにしても、使っていて気になって、ちょっと調べてみようと思ったりしないのだろうか。
インターネットがどのような仕組みなのか知らずにネットをしている人も多いのかも知れないが、それではまるで、漫画のなかで江戸時代からタイムスリップしてきたサムライが、テレビを見て「魔法の箱だ!」と驚いているのと似ている感じがする。

何も知ろうとしないから、すぐに人に騙されたり、マスコミに煽動されたりする。
以前、電気代を下げるシールと似たような商品で、ケータイの電波をよくするシールが販売されていたが、少し考えてみれば、ケータイにシールを貼るだけで、アンテナがバリ3になることなんてあり得ないと分かるはずだ。

また、未だに電磁波防止エプロンのようなマヌケなものを着けているOLがいる。パソコンのモニタから発せられる電磁波を防ぐと謳われているが、電磁波というのは周波数にもよるが殆どがいろんなものに反射して回り込んでくる。体の前だけエプロンを着けても何の意味もない。
そもそもの話として、電磁波を極度に恐れるのがオカシイ。世の中は電磁波だらけであり、パソコンから出ている電磁波だけ防ぐ意味が分からない。それほど電磁波を浴びるのがイヤなら、電磁波シールドを施した家で、電源を搭載した製品を一切使わずに原始人みたいな生活をするべきだろう。

自分で論理的に物事を考える力がないと、変な健康食品に騙されたり、ホメオパシーやらオカルトを信じたりしてしまう。電磁波や放射能を極度に恐れ、それをできるだけ避ける生活をするようになる。
自分で勝手に無駄なことを信じたり、金を使っている分にはまだいいが、たちの悪いことに、必ず最終的に人に勧め、強制することになる。「福島産の食品は危険だ」とか「福島には住めない」などと吹聴するヤツはその典型だろう。

よく「無知は罪」だと言われている。無知が損するだけならいいのだが、必ず他人に迷惑をかけるので罪になる。
普段から理屈抜きで行動したり、何も考えないのではなく、最低限の物事は知り、考えながら生活したいものである。

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