先っちょマンブログ

2014年11月

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先週から筧千佐子という67歳の婆さんがニュースを賑わしている。75歳の夫を青酸化合物で毒殺した容疑で逮捕されただけでなく、これまでに4人と結婚していずれも死別しているほか、内縁関係の夫ふたりも死んでいる。最低でも7人が殺されたかも知れないという、アヤシサ満点の婆さんである。
毒を使って旦那を殺し、遺産を得ているのだから、文字通りの毒婦である。

このババアは、逮捕される前からマスコミに張られていた。マスコミにまで情報が行ってるヤツというのは、間違いなく犯人で、そのうち逮捕される。
逮捕前に筧は、テレビカメラの前で「自分は何もやっていない」などと身の潔白をベラベラと喋っていた。
テレビの前で話したところで、何かが変わるわけでもなく、変なところでボロが出るかも知れない。私だったら何を訊かれても無視するが、逮捕前の容疑者の何人かはテレビカメラの前で喋りたがる。言い訳をしないと落ち着いていられないのだろう。

結婚相手を殺害し、多額の遺産を得ていた筧千佐子は、株や土地転がしもしていたようだが、もっともハマっていたのは先物取引らしい。先物取引はFXと同じバクチみたいなもんで、素人が手を出すと幾らでも大損することができる。
筧は先物で大損していたが、それを取り戻そうとしたのか、先物の魅力に取り憑かれていたのか、人を殺して遺産を自分のモノにして先物につぎ込んでいたらしい。
それでも、10個ある銀行口座に残高は殆どなく、知人に1000万円ほどの借金もあった。

この婆さんは、素人がやるバクチの基本をまったく分かっていない。私は競馬やパチンコなどをまったくやらないが、大学生の頃は麻雀を死ぬほどやっていた。
麻雀などバクチを扱った書籍もいろいろ読んだが、バクチの心構えとして、ふたつ重要なことがある。

ひとつは、バクチは絶対に自分のカネで打つこと。バクチは人のカネで打つもんじゃないし、そうまでしてバクチを打つヤツは必ず深みに嵌まって出られなくなる。
人は分相応の生き方をせねばならないのだ。自分が持っているカネの範囲でバクチをやる分には構わない。それを超えて打ってはいけないのである。

そしてもうひとつが、引き際を知るということである。麻雀でよくあるのが、負けてるからといって熱くなり、倍プッシュといってレートを倍にして打とうとするヤツがいる。
これは絶対にやってはいけない。
倍プッシュをせずとも、めちゃくちゃ負けてる日は、おとなしく負けたまま諦めて帰るか、人のをしばらく見ておくなどした方がいい。
負けてるときは負けが続くというオカルト的な考えもあるのだが、時間を空けて、一旦冷静になることが大切なのだ。
人間、引き際が大切なのである。

このふたつの鉄則を守らないと、おかしなことになってしまう。借金を重ね、しまいには悪いことに手を出してしまうという悪循環に陥る。
筧千佐子はこの掟を守らなかった。そういうヤツは必ず身を滅ぼす。カネのために人を殺すようになり、しかもそれが段々適当になり足が付いてしまう。67歳にして、人生が終わったようなものだ。
先物取引で少し失敗したところで、やめておけばよかった。自分が持っているカネだけで先物でも違うバクチでもやっておけばよかった。
バカなヤツである。

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安倍首相による衆院解散に否定的な人が随分と多い。「600億700億というカネの無駄遣いだ」という意見が多い。
確かに無駄遣いかも知れないが、国内で回すだけの公共事業みたいなもんだから、いくら税金とはいえ、原発停止による燃料費輸入増で1日100億円の外貨が流出していることに比べれば大したことないように思える。

「どうして解散するのか」という疑問を多くの人が持っているらしいが、小学4年、放送部所属の中村クンという少年もそのひとりだった。
中村クンは、衆院解散を疑問について、多くの人から意見を募るため、「どうして解散するんですか?」というWebサイトを立ち上げた。Twitterのハッシュタグ「#どうして解散するんですか」で人の意見を聞き、自分の考えを発信していた。

民主党の公式アカウントや蓮舫がTwitterで「天才少年」、「素朴な疑問がよく分かる」などと持て囃していたその中村クンのサイトは、すぐに訝られた。

小学4年生が作ったにしては、新しいWebサイト作成技術が使われて、デザインが凝っていて、「why-kaisan.com」というドメインが取得されていた。その件について指摘されると、中村クンは「プログラムができる友達と作った」などと答えていたが、どう考えても怪しかった。
また、小学4年のクセに、Macを使って、1年間で何万円もかかるAdobe製品を利用し、クレジットカードで契約が必要なAmazon Web Service(AWS)を利用していた。その割りには、Twitterで難しい漢字を使っておらず、Webサイト制作の天才でも、国語は天才ではなかった。

誰が小学生を騙っているのかと話題になったが、「why-kaisan.com」と類似したJPドメイン「why-kaisan.jp」が取得されていて、そのドメインの登録者名がNPO団体「僕らの一歩が日本を変える」代表になっていることが判明した。
政治的な活動をするNPO団体が小学4年生を騙ってニセサイトを作ったのではないかと話題になったが、当のNPO団体はそれを否定。
だが、22日(土)になって、そのNPO団体代表である慶応大学法学部の青木大和なる男が「自分がやった」と白状した。

青木大和はNPO団体の関与を否定した上で、「自分が単独でやった」とし、小学生を騙ってサイトを作った理由について、「解散の理由を小学生だった頃の自分に重ね合わせ、ほかの人の意見を知りたくなった」などと弁明した。
さらには、「どのような意見であれ、多くの人が衆院解散など政治について関心を持っていてくれたことが分かった」などともっともらしいことを書いていた。

自分が小学生を騙って国民の多くを欺こうとしたが、動機は不純ではない。結果的によかったではないか。
そう書いている。すべて言い訳と都合のいい解釈である。

この青木大和という男は、PC遠隔操作事件の片山祐輔並にバカな男である。他人のフリをしようとしてバレることほど恥ずかしいことはない。
ただ、この男は当初からこのようなことして、炎上商法で注目を浴びようとしていたのではないかという見方もある。

【東洋経済ONLINE】若者代表は古市さんじゃない、オレたちだ! (2014/1/2)
【東洋経済ONLINE】25歳以下で結成する新政党「0党」の野望 (2014/1/3)

上記は、今年の正月に東洋経済ONLINEに掲載された青木大和と、小学生ニセサイト作りに手を貸したTehuとかいう男のインタビュー記事である。
下の後編の方に、ネットの炎上ネタでいいから注目を浴びて、賛同意見を集めた上で若者向けの政党を立ち上げるなどという計画を話している。

お寒い野郎である。こんなヤツが今のオトナや政治を批判し、小学生を騙ったニセサイトで注目を浴び、新党結成、政界進出を目論んでいるのである。
世の中ナメているとしか思えない。

こんなヤツにバカにされる日本の政治も情けないのかも知れないが、この手のキチガイじみた野郎でも、PC遠隔操作事件の片山や、痴漢経済学者の植草一秀のように一定の支持を集めるのである。
ネットで炎上しても注目され、一定の支持を集め、何かすることができる。恐ろしい世の中になったものだ。

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今年の7月の話だが、これまでの人生で一番といってもいいほどドキドキし、半ばパニック状態になってしまうできごとが起こった。

その日は土曜日で、昼過ぎに我が家で飼っている柴犬の首輪を洗って干した。
そして、リビングなどに掃除機をかけようとしたのだが、掃除機がうまいこと収納されていなくて、前に使った嫁さんを呪いながらイライラしつつ犬を裏庭に出した。
裏には通路にロック付きのフェンスがしてあって、犬は出られない。

30分ほど掃除をして庭を見たら、犬がいなかった。我が家の柴犬は、私の感情を読み取って、怒ったりしていると不安になるタチなのだが、掃除機にちょっとイラついていた私に外に出されたことに不安になってパニックになったのか、プランターを載せる木製の園芸用品を足場にして、フェンスを飛び越えてどこかに行ってしまったらしい。

犬はパニックになっていたかも知れないが、こちらも顔が青ざめ、パニック状態になってしまった。
30分ほど前から見ていないので、最大で30分前にどこかに行った可能性がある。
一度、台所の勝手口を開けている間に知らないうちに外に出たことがあったが、玄関の前で「入れてくれ」と言わんばかりにヒュンヒュンないていた。
また、数年前に裏庭から一度だけ脱走したことがあったのだが、近所の公園でウロウロしているところを近所の人が見つけて教えてくれたので助かったことがある。

ところが今回は、家の周りにいないし、何より30分前に行方不明になった可能性がある。しかも、間の悪いことに首輪を外している。首輪には、名前と家の電話番号、私の携帯電話番号が見えるように貼ってあるのだが、それをしていないのだから、万が一どこかで死んでもうちには連絡が来ない。
本当に、顔面蒼白、目の前が真っ暗になった。私はネガティブな性格なので、いろいろ悪いことを考えてしまった。

とりあえず、リードとハーネスを持って部屋着のままで家を飛び出したら、自転車に乗った小学校低学年くらいの男の子と女の子が自転車で通りかかったので、「柴犬見なかった?」と尋ねると、男の子は「知らない」と言っていたが、女の子に「柴犬は中型犬くらいで茶色い犬」と説明したら、「さっき、首輪も付けていない犬が誰かに触られてた」などと言う。
どこなのか聞いても要領を得ないので、恐らくどこかから家に帰っている途中だったその小学生らに「案内して!」と言ったら連れて行ってくれた。鬼気迫る顔に恐れをなしたのかも知れない。

その小学生らが連れて行ってくれたところは、車の往来が激しい幹線道路を渡ったところで、うちの犬が女子大生にナデナデされていた。
その女子大生がどこかの家から逃げ出した犬だろうと心配して、しばらく見ていてくれたのだ。
私はその女子大生と、案内をしてくれた小学生らに死ぬほど礼を言って犬を連れて帰った。

たまたま家を出たときに通りかかった小学生が犬を目撃していて、犬好きの女子大生が心配して面倒を見てくれていた。この巡り合わせがなかったら、うちの犬はどこぞで車に轢かれて死んでいたかも知れない。
今まで神様に感謝などしたことがなかったが、これまでに味わったことのないような幸運に感謝した。
また、片側2車線の幹線道路をどのように渡ったのか、想像しただけで背筋が寒くなった。

我が家の柴犬は、小さい子供は得意ではないが、人懐っこい性格なのもよかった。ほかの動物に興味を示さず、犬や猫に近づいていくこともない。それも災いした。人や犬に咬み付いていたりしたら、犬が無事見つかっても、そのあと無事では済まない可能性がある。
人に咬みついたりすれば、殺処分をせざるを得ない状況に追い込まれる可能性が高い。

私が小学生の時分に、友人の犬に左腕を思い切り咬まれたことがあった。縫うほどではないが、二の腕を深く咬まれ、病院で破傷風予防の注射を打った。それを打つと、腕に鯖のような青い模様が出て気持ち悪いと思ったことをよく覚えている。
友人のその犬は普段から咬み癖があって、家の人をよく咬んでいたらしいが、私という他人を咬んだことがきっかけで殺処分されてしまった。あとからその話を聞いて、すごくショックだった。
咬まれはしたが、死んだわけでも指を失ったわけでもない。そのあと、もっと酷い事件を起こすかも知れないが、それでも殺処分なんかして欲しくなかった。

今週の19日(水)に、大分県中津市で、集団登校中の幼稚園児や小学生計7人が、民家から脱走した雑種犬に腕や足を咬まれる事件があった。
いずれも数日から2週間の怪我で、5針縫う怪我をした子供もいた。

【朝日新聞】登校中の小学生ら、犬に襲われる 7人が手足にけが (11/19)

普段おとなしい犬でも、興味をもった子供を追いかけ、その子供が興奮したり、追い払おうとしたりすると、逆に興奮して普段やらないことをやってしまう可能性がある。
子供たちの怪我が大したことなくてよかったのだが、気になるのがこの犬の今後である。

翌日、近所に住む40代の男性が飼い主だと名乗り出ていたことが分かった。
そのニュースに対し、「犬は悪くない。悪いのはお前だ」というコメントが相次いだが、そんなことは言われなくても分かっているだろう。名乗り出れば責任を負わされ、子供たちへの補償なども必要になるが、ちゃんと名乗りでたのだからよかったと思う。

ひと言で「飼い主の責任だ」と言う人が多いが、責任はあるとしても、私個人的にはしょうがないと思うところがある。
先日、脱走した犬がうちの犬に咬みついて、その飼い主のオバハンが「繋いでいたヒモが切れたんやからしゃーないやろ」と私に言い放ってブチ切れたという話を書いたが、しょうがないことはしょうがないのである。
飼い主がそれを言う資格はないが、気を付けていても、起こってしまうことがある。

うちはたまたま犬が何もしなかったが、もしかしたら何か起こったかも知れない。犬嫌いに棒切れで叩かれ、反撃していたかも知れない。
うちの犬は、2週連続でよその犬に咬まれたわけだが、その咬みついた犬だって、適当に飼っていた家から逃げ出したわけではないし、うちの犬に咬みついている間に飼い主が来たからよかったが、もしかするとどこかで人を咬んでいたかも知れない。
犬を飼っている人間ならば、犬が家から逃げ出してしまうことは、あってはならないが、実際に起こることがあるのだ。

犬が逃げて子供を咬んでしまったのだから、飼い主は子供の家族に治療費や慰謝料を払うべきだろう。
ただ、よくありがちな「犬は殺処分して落とし前付けました」ということだけはやめて欲しい。今さら成犬に何があっても人を咬むなとしつけることはムリだろうが、逃がさないように厳重に管理することはできる。
それでいいではないか。

「他人に咬みついたから即死刑」では、犬が可哀相に思える。なかには、犬の殺処分を求める人もいるらしいが、少なくとも私にはそこまでの処罰感情を持てない。
これは、犬を飼っているからそう考えるのだろうと思われるかも知れないが、犬を飼っていなかった子供のときも同じことを考えた。
ちょっとしたことで、ほいほい犬を殺す風潮をなんとかしたいと思う。

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子供の頃、テレビで放送される高校野球やマラソン中継など何が面白いのかと思っていたが、歳を重ねてオッサンになってくると幾らか楽しみながら見るようになってきた。
衆院や参院の選挙の日は、どのチャンネルも夜8時から選挙特番しかやらないので退屈だったが、今ではかなり楽しめるようになってきた。
どの党がどれだけ議席を獲得したとか、どの有名議員が落選したとか、泡沫候補が意外と健闘したとか、なかなか面白い。

安倍首相が21日の本会議での衆院解散を決定したため、12月に総選挙が行われることになった。2日公示、14日投開票らしい。
来月の11日から15日にかけて、台湾旅行に行くことになっていたので、選挙特番を見る楽しみが奪われてしまった。ネットで速報は見られるが、イマイチ臨場感が足りない。
それに、初めて期日前投票に行かねばならなくなった。普通の投票なら近くの公民館で済むのに、期日前投票はそうはいかないから面倒である。

共同通信の世論調査によると、安倍首相の衆院解散の意思表明について「理解できない」としたのが63%で、「理解できる」とした30%を大幅に上まったという。
今日の産経新聞1面に記事になっていたが、安倍首相は元々解散するつもりなんかなかったようだ。公明党が何というのか知らないが、2年後の衆参ダブル選挙を考えていたそうな。
ところが、小渕優子や松島みどりの件で民主党から執拗に責められ、さらにほかの閣僚への追求もやまず、重要法案の審議が停滞するなど国会が空転したことでしびれを切らしたというのだ。
また、財務省の連中が国会議員の切り崩し工作を行い、消費税アップの延期を何としても阻止しようとしていたことも理由のひとつで、それを聞いた安倍首相が激怒したとか。

前の総選挙から2年しか経っていないのに、また解散して出直すというのだから、国民から無駄と見られて理解されないのもしょうがない。
とはいうものの、民主党の執拗な嫌がらせを封じるためにも必要なのかも知れない。
「大義なき選挙」などと批判するマスコミも多いが、前回の総選挙と比べてより具体的になったアベノミクスや集団的自衛権、沖縄の米軍基地問題、原発の再稼働など、問うべきことは山ほどあるので、理由なんぞ幾らでも付けられるし、見つかると思うのだが。

先の共同通信の世論調査の話に戻るが、調査では比例代表の投票先として、自民党が25%、民主党が9%だったという。
民主党は前回、大惨敗したときより更に議席を減らす可能性が高いわけだが、自民党295議席、公明党31議席の計326議席を有する与党も議席数を大きく減らすと見られている。安倍首相は与党で絶対安定多数の266議席獲得が目標だと掲げた。今より60減らす覚悟だという。勝敗ラインは与党過半数の238議席だという。それだと、88議席も減らすことになる。

自民党が議席を減らし、民主党も減らすとなると、どこかが増えるということになる。維新は橋下代表があんな感じでフワフワしているし、みんなの党は解党された。生活の党は小沢一郎以外民主党に合流するし、社民党と同じくないのも同然の党だ。共産党が議席を伸ばすとも思えないし、ロートル集団と見られている次世代の党も厳しそう。
だとすると、やはり自民党と民主党での奪い合いになるのではなかろうか。

それにしても、今回の共同通信の世論調査などでいつも薄ら寒く思うのが、未だに民主党に期待している連中が国民の1割ほどいることだ。
9%が民主党を支持し、同じく9%が与党と野党が逆転すればいいと考えている。

民主党政権時代のことを思い返してみよう。
ガソリンの暫定税率を廃止するといったが実現されなかった。毎月2万6000円の子ども手当もなかったことに。高速道路無料化もウソだった。
停滞する日本経済に為す術なしでデフレが加速したし、1ドル70円台の史上最高値、「3倍になる」と言っていた日経平均は8400円台の史上最安値を記録した。
埋蔵金60兆円がどこからか出てくるはずだったのに見つからず、「コンクリートから人へ」だったはずが公共事業9兆円の削減もされず、最低時給も1000円にならなかった。
「最低でも県外」の普天間基地はそのままだし、4年間議論すらしないはずだった消費税のアップを決めた。
アメリカの新聞にルーピー(愚か者)とバカにされる鳩山由紀夫が総理大臣になって恥をかき、菅直人という史上最低総理大臣のときに東日本大震災が起きて恥の上塗りをした。菅直人が信念で止めた原発は今も止まったまま。

人によっては原発停止を支持するかも知れないが、何をとってもロクなことがなかった。
それでもまだ民主党を支持するヤツがいる。民主党支持の連合や部落解放同盟の連中かも知れないが、具体的に何を期待できるのか詳しく聞きたいものである。
少なくとも、今の安倍政権より期待できることなんてあるのだろうか。

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先月の産経新聞紙上で、義家弘介代議士が平成10年から14年にかけて筑摩書房の高校教科書「国語I」に掲載されていた作家の池澤夏樹のエッセイについて批判していた。

【MSN産経ニュース】子供が使う教科書だからこそ 衆院議員・義家弘介 (10/19)

その国語教科書のエッセイのなかで、こんな内容が書いてあったそうだ。

日本人の(略)心性を最もよく表現している物語は何か。ぼくはそれは「桃太郎」だと思う。あれは一方的な征伐の話だ。鬼は最初から鬼と規定されているのであって、桃太郎一族に害をなしたわけではない。しかも桃太郎と一緒に行くのは友人でも同志でもなくて、黍(きび)団子というあやしげな給料で雇われた傭兵(ようへい)なのだ。更(さら)に言えば、彼らはすべて士官である桃太郎よりも劣る人間以下の兵卒として(略)、動物という限定的な身分を与えられている。彼らは鬼ケ島を攻撃し、征服し、略奪して戻る。この話には侵略戦争の思想以外のものは何もない。

お伽話の「桃太郎」は、桃太郎が鬼を一方的に征伐し、鬼ヶ島を征服して略奪するという、日本人の侵略戦争への思想を描いた話で、それ以外には何もないのだという。
日本人の獰猛さが現れたものがお伽話「桃太郎」なのだという。

お伽噺の「桃太郎」や童話の「ジャックと豆の木」では、鬼や巨人が特に悪く描かれているわけではないが、鬼や巨人は退治されてお宝を奪われる。「よく考えると不条理な話だ」などと、友人らと話すようなどうでもいいような内容が高校の国語の教科書に掲載されたわけだが、その話を日本人の侵略性に結びつけているとは恐れ入る。

池澤夏樹という作家は、従軍慰安婦問題に関する朝日新聞の誤報の生みの親とも言える元朝日記者の植村隆が北星学園大学の非常勤講師を解雇されたことに猛烈に反発し、支援団体を立ち上げるような人物だ。
サヨク思想にまみれた文化人は、何でもないことを日本人の残虐さや獰猛さとして批判する。どんな些細な事でも「軍靴の音が聞こえる」などと言って、日本に徴兵制が復活し、日本が侵略戦争を起こすと主張する。

池澤のバカげたエッセイに対して、「そんなもんを国語の教科書に載せるとはなにごとか」と義家代議士が批判するのはもっともだと思うわけだが、これに反撥していたのが同じく作家の川上未映子だ。
川上は週刊新潮で連載しているコラムで、池澤のエッセイへの批判に対し、「人が違えば、角度を変えれば、こんなに違う内容になる、世界には色々な考え方をする人がいると教えるのに絶好の題材であるのに、義家氏は高校生からものを考える機会を奪おうとしているようにしか感じられない」と書いていた。

この女は何を言っているのだろうか。義家代議士は、どんな考え方があってもいいが、このような一方的な思想と見解が教科書に載ることが問題だとしているのである。
「桃太郎」が鬼の側から見れば酷い話だとすればいいだけなのに、「桃太郎は日本人の侵略戦争に対する価値観を表した話である」などとしていることは、キチガイじみた考えではないか。

川上未映子のために、中国人がよく口にする話を教えてやろう。
シナ文化圏で日本人が食事をすると、出てくる箸の先端が丸くなっていて使いにくく感じる。日本の箸は先端にいくにしたがって細くなっているが、中国などの箸は若干細くなって、先端が丸くなっているだけである。たまに鉛筆のような箸もある。
日本と中国の箸の違いについて、中国人はこんなことを言う。
「中国の箸の先が丸いのは温和な漢族の特性を表し、日本の箸の先が尖っているのは日本人の攻撃性を表す」

池澤のエッセイはこれと同じくらいバカげている。それが国語の教科書に採用されているのだから、普通の感覚の大人であれば、批判するのも当然ではないのか。

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