先っちょマンブログ

2015年08月

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台湾でここ数日、侃々諤々の議論を起こしているニュースがある。
台湾には台北の地下鉄などで使える悠遊卡(ヨーヨーカ)と呼ばれるSuicaやICOCAのような交通ICカードがあるのだが、8月26日にチャリティカードが発売されることが決まった。そのチャリティカードにプリントされているのが、なんと日本の現役AV女優の波多野結衣(はたのゆい)である。

波多野結衣はAV女優として知られているが、今年1月に公開された「沙西米」(サシミ)に出演し、女体盛りを披露するなど、台湾に活躍の場(?)を広げており、台湾では第二の蒼井そらのようになっているが、台湾の著名女優である林志玲(リン・チーリン)と似ているとして、台湾では「AV界の林志玲」とも呼ばれている。

その現役AV女優が交通ICカードにプリントされ、チャリティとして2枚セットで500元(2000円弱)で1万5000セット限定で販売されることになったのだ。

2枚セットのうち、1枚は天使版、もう1枚は悪魔版として写真がプリントされているのだが、発表直後に天使版の方が2014年にリリースされた波多野結衣のAVのパッケージと同じではないかと指摘する声が上がった。
すわ台北市が出資する悠遊卡の管理会社が肖像権の侵害かと話題になったが、実際は権利的には問題なかった。悪魔版は撮りおろし、天使版は波多野の事務所から提供されたものだったのだ。
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天使版(左)と悪魔版(右)
だが、「日本のAVと同じパッケージの悠遊卡はどうなのか」という議論が巻き起こり、明日9月1日に発売予定だったが、中止になってしまった。ただ、天使版の写真をほかのものに変えて販売はするらしい。

現役AV女優が交通ICカードのデザインに起用されるのはどうかと思うわけだが、当然のごとく台湾でもそのことが問題視されている。「品性を疑う」という声が出てるのも当然だろう。
波多野も波多野で、台湾の混乱について「私がAV女優であるせいで善意あるチャリティに協力できないのでしょうか。大好きな台湾に恩返しできないのでしょうか」などと発言し、これまた台湾で議論を巻き起こしている。

正直、個人的には笑える話だと思う。日本のAV女優をICカードのデザインに起用する台湾の交通公社がスゴイし、波多野結衣というAV女優が台湾でここまで知られているのもスゴイ。
このニュースは連日取り上げられていて、台湾のホテルにチェックインしたとき、ロビーに置いてあった台湾の新聞を見ていたら、騒動から6日経ってもまだ記事にされていたし、テレビのニュースでもまだやっていた。台北市長が「いくらなんでも騒ぎ過ぎだ」と苦言を呈したこともニュースになっていた。
このニュースのおかげで、私のように波多野結衣を知らなかった台湾人も彼女のことを知ることになるだろう。これまでエロい男性にしか知られていなかったが、今回の騒動で一気に知名度が高まった。

そもそもの話だが、台湾で日本のAVは違法である。台湾は日本と比べものにならないくらいエロに厳しく、台湾のエロ本を買っても乳首は出ていない。水着や手ブラばかりだから、日本の漫画雑誌のグラビアと同じくらいのエロさしかない。
テレビ放送などではケツの割れ目も禁止だから、台湾の「テルマエ・ロマエ」は阿部寛らのケツにぼかしが入っていて、公衆浴場のシーンではぼかしだらけだった。
「クレヨンしんちゃん」は台湾でも人気だが、台湾での放送はしんちゃんが「ぞうさん」と言ってチンチンを出すシーンでは、アクション仮面の顔でチンチンが隠されていた。

それほどエロが厳しい台湾であるが、違法ダウンロードや違法コピー品のAV販売で波多野結衣が知られている。
台湾には違法コピーDVDを販売している店がちょこちょこあって、4枚100元(400円弱)程度で販売されている。台北市内の有名な観光地である龍山寺に行ったとき、近くの警察署の前で違法AVが販売されていたのには笑ってしまった。

台湾ではエロが禁止であるが有名無実化しているのと、日本のAVが異常なほど人気があるため、今回のようなバカバカしい騒動が起きるのだろう。
正直、日本は世界一のエロ大国であるが、AV女優が台湾ほど人気を博しているわけでもなく、知られてもいない。ましてや、現役のAV女優が公的なものに起用されるなんてありえない。せいぜい、AV女優がテレビのエロ番組にちょろっと出るくらいだ。

ドスケベで、アホみたいな騒動が起こるのが台湾である。


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20150830-1

先週の火曜日に台湾出張から帰ってきたところなのに、明日月曜からまた台湾に行かねばならなくなった。私が勤める会社で開発した製品がエンドユーザーでトラブっていて、一応問題は分かったはずなのにメーカーが説明しに来いとメチャクチャ言うからである。
1か月、2か月経っていたらややこしいトラブルでも歓迎したい出張だったが、帰ってきてすぐに行くと新鮮みも面白みもなにもない。邪魔くさいというほかない。

前回の出張は、前日の昼3時に来いと言われて急遽チケットを手配せざるをえなかったので、自分で格安航空のジェットスターを取った。今回は事前に分かっていたので、会社の総務部を通してチケットを手配しようとしたら、時間的にちょうどいいのがチャイナエアラインしかないという。しかも、ひとり9万5000円。そのあと6万5000円になったと情報が来たが、上司に9万かかるといったら、「安全のためにLCC以外で行け」と言っていたくせに、「チャイナエアラインで9万ならジェットスターの3万でいいか」などと言い出したので、今回もジェットスターだ。

ジェットスターやピーチなどの格安航空は、やはり安いだけあって客層に若干問題がある。ドンキホーテにヘンな客が集まるのと同じかも知れない。
近くに夏休みを利用して海外旅行に出かける学生なんぞがいたら、その席はハズレである。隣がカップルだった場合もハズレ。ずっとつまんねー話を聞かされるハメになる。音楽でも聴きながら寝るに限るが、離発着時は電源を入れられないので、3時間のうち1時間くらいはガマンしていないといけない。

それでもまだ喋るだけのヤツならまだいいが、子供が近くにいると恐怖すら感じる。信じられないくらい大きい声で泣き出したりすると、不快指数はマックスになる。
子供は騒がないように、搭乗する前にめちゃくちゃ遊ばせておくか、腹一杯にさせておくべきだろう。
そうはいっても、空港は利用客にはそれほど優しくない施設だから、そうもいかない。

前回、関空から出発するとき、保安検査場で台湾人の家族と空港職員がめちゃくちゃ揉めていた。台湾人家族のひとりが日本語ができるようで、職員に訴えていた内容で揉めている内容が分かった。母親が抱えている乳児に飲ませるミルクを作るため、水筒にお湯を入れて持参してきたのだ。
空港職員は液体は持ち込めないから水筒のお湯を捨てろと言うが、捨てられたらミルクを飲ませられないと抗議していたのだ。職員は「機内でもお湯は貰える」などと説明していたが、台湾人家族は困ったような顔をしてうろたえており、その乳児の兄とみられる幼児は、職員に対して「お母さんを苛めるな」というような内容の中国語をめちゃくちゃ大きい声で叫んでいた。

揉めている台湾人と職員をよそに保安検査場を通り過ぎながら「お湯なんか持ち込めへんのは当たり前やろ」「日本に来たときはどうしたんや」と思ったのだが、あとで調べてみると関空がおかしいように思えてきた。

関空の保安検査場がどのような決まりになっているのかは調べてもよく分からなかった。国土交通省が設けた原則の通り、100ミリリットルを超える液体はすべて禁止なのかも知れない。
それに対し、成田空港のQ&Aサイトを見ると、国際線であってもベビーミルクとベビーフードは液体物持ち込みの制限対象外で、検査場通過時にお湯の確認をするが機内持ち込みは可能としている。

【成田空港】セキュリティガイド よくある質問Q&A

国土交通省の機内持ち込みに関する資料を見ると、規制対象の液体物ではあるが例外扱いとして乳児用の離乳食や飲料を挙げている。保安検査員が確認などをできるとあるが、乳児用のお湯やらドリンクに関しては持ち込めるはずなのだ。

【国土交通省】量的制限の対象となる液体物のリスト (PDF)

これを考えると、成田空港のQ&Aは常識的で、関空で私が見た対応は非常識としか思えない。水筒の中身がお湯か可燃物かくらいアホでも分かるだろう。確認して、持ち込み可とすべきだった。
さらには、この7月にようやく関空の数か所に水やお湯のサーバーが設置された。台湾の桃園国際空港には水や熱湯が出るサーバーが置いてあって、利用者や作業員が水筒に汲んでいる。
関空の出国エリアにあるらしいので、仮に保安検査場でお湯を捨てても、飛行機内で貰わなくてもお湯を水筒に入れることはできたはずだ。

調べれば調べるほど、先々週の19日(水)の関空の保安検査場の職員はなにをしていたのかと思わずにはいられない。別に利用者に対して冷たくあしらっていたわけではなかったが、「乳児用だろうとお湯は持ち込めない」という判断が本当に正しいのか疑問だし、「機内でお湯が貰える」というのも間違いで、正しくは「出国エリアでも機内でもお湯の調達はできる」だった。

外国人観光客への「おもてなし」とはよく言ったもんである。空港職員の対応が今ひとつだとその国に対するイメージが変わってしまうが、関空でも悪く思われたかも知れない。
急増する外国人観光客向けにいろいろやっているようだが、画竜点睛を欠く状態になっていないだろうか。

20150828-1

崩壊しつつある自国経済をなんとか立て直すために市場無視で中国政府が人民元を何度も引き下げたり、なんとか上海株がこれ以上下がらないようにしようと官製相場の買いましで下支えしても、中国経済が下降線をたどっていることは間違いなさそうだ。
中国発信の世界同時株安も発生しており、中国の中国による中国のための都合のいい経済は終わりを迎えるのだろう。

それでもそれにすがりたいのが韓国である。
日本の場合、百貨店などが中国人の爆買いに期待を寄せており、中国経済の先行きに不安を感じているようだが、それでも日本は内需国家であり、なんだかんだで自国民によって経済を支えている。
韓国の場合、GDPのおよそ半分が輸出によるものであり、典型的な外需国家だ。自国民だけで自国経済を支えられず、外国に頼るしかない。
現在、韓国がもっとも頼りにしているのが中国だ。中国にモノを買ってもらい、中国人を自国に呼んでもモノを買って貰おうと必死だ。中国人は9割が貧乏人かも知れないが、それでも地球の人口の5分の1が中国人なのだから、残り1割の金持ちに期待せざるを得ないのも理解はできる。

ただ、韓国がよくないのは、露骨な中国への擦り寄りをするところだ。安全保障上ではアメリカに頼っておきながら、市場主義経済によって経済的には優遇して貰えないものだから、アメリカの懸念を差し置いて中国に尻尾を振ってしまう。AIIBにはもちろん参加し、「抗日戦勝70周年行事」に出席した上で、軍事パレードも参観するという。
西側の主要国首脳は軒並み参加を見合わせたが、朴槿恵にとっては習近平に媚びを売る絶好のチャンスだから、見逃すわけにはいかないのだろう。

中国は「抗日戦勝70周年行事」なんぞを開催するわけだが、現在の中国共産党は第二次世界大戦で日本と真正面から戦ったわけではなく、蒋介石率いる国民党の陰に隠れて後方でゲリラ戦をしていただけだ。
日本からしてみれば中国共産党軍と戦ったわけではなく、負けたという意識もない。現在の中共は日本との戦いで弱っていた国民党を叩いて、まさに漁夫の利で中国大陸を治めた。まともな抗日戦などやっていない国で開催される茶番の抗日戦勝記念式典に、これまた日本と戦っていない韓国が得意気に参加する。これは笑い話だろうか。

戦後、韓国は連合国に戦勝国と認めて貰えなかった国だ。中国に臨時政府を立ち上げて抗日戦を繰り広げていたと主張するが、実際はどうにもいかなくなった朝鮮半島を日本に統治して貰っただけ。日本として第二次大戦を戦ったわけで、そんな国がどの面下げて抗日戦勝記念式典に参加し、大統領が軍事パレードに出席するのだろうか。

めちゃくちゃ恥ずかしいことであり、よほど面の皮が厚くないとできそうにないわけだが、朴槿恵は十分すぎるほど面の皮が厚いのだろう。主要国の首脳に列席して貰いたい習近平に媚を売り、貸しを作ることができれば、あとで便宜を図って貰えると期待しているのだろう。
カネのためなら少々の恥は厭わない。カネのためなら大統領が習近平にケツも差し出せる。まるで売春婦みたいだが、それが韓国である。
韓国の"輸出産業"に出稼ぎ売春婦という性産業があることを考えると、それも納得できる話かも知れない。

20150827-1

川内原発再稼働のとき、一部のメディアが「責任の所在が明らかになっていない」と不満そうに報道していた。
万が一の原発事故があったとき、誰が責任を取るかが明確になっていないということらしいが、川内原発については九州電力が「自社が責任を負う」と明言している。それではダメらしい。

私には理解できないのだが、どうも誰かが責任を取らなければならないらしい。事故当時の総理大臣がいいのか、電力会社の社長がいいのか知らないが、どのような責任を負わせるかもよく分からない。
総理大臣を辞職するとか、社長を辞めるといった責任の取らせ方ではないだろう。おそらく刑事罰が望まれているのではないだろうか。

JR西日本の列車脱線事故で歴代3社長が業務上過失致死傷罪で強制起訴されたが、それはATSを設けないとか、運行ダイヤに問題があるとかだから罰を与えたいというのはまだ分かるのだが、原発の場合は原子力規制委員会の検査をクリアし、厳しい基準で運営されているのに、誰にどんな責任を負わせるのか疑問でならない。
万一のときは九州電力が補償するだけでは納得できず、誰かを牢屋にぶち込みたいというのはどういう気分なのだろうか。

ちなみに、107人が死んだJR西日本の列車脱線事故は、強制起訴された歴代3社長は一審、二審ともに無罪だった。
福島第一原発の事故はそれとは比較にならないくらい多くの人に悪影響を与えたが、一般市民が巻き込まれて死んではいない。正直、法治国家の日本で、原発事故に関して誰にどのような罪を負わせるのか、私には分からない。

責任の所在が明らかでないという話でいうと、新国立競技場のデザイン問題もある。役人がひとり飛ばされたらしいが、名目上はそうではなかった。
ただ、どう考えても問題があったのは確かだ。
にわかには信じられないのだが、新国立競技場のデザイン案選定を任された安藤忠雄ら建築家たちは、文部科学省の担当から予算の話はよく聞かされず、デザインで選んでくれと言われたという。
普通は、まず最初に予算を提示し、その上でどんな機能をもたせるのか、どんなデザインにするのかを選ぶべきだと思う。「パソコンを買いたい。何を買えばいいか」と相談されたとき、予算は幾らか、どんなことに使うのかを訊くはずだ。新国立競技場のデザイン案は、予算抜きで「とりあえずかっちょよくて、高スペックなパソコンを買え」と言ったようなもんである。
どう考えても問題だったから、文部科学省の久保公人とかいうスポーツ・青少年局長が辞職に追い込まれたのだろうか。とりあえず責任を取らされたわけである。

何か問題があったら、担当部門のトップが責任は取るべきなのだろう。その職を解かれて終わりに思えるが、原発事故や列車事故ではそれだけというわけにはいかないのだろうか。

この手の責任のとり方でいうと、潔くなかったのが、東京五輪エンブレムのパクリ疑惑で針のむしろになっているデザイナーの佐野研二郎について、佐野が経営しているデザイン事務所が担当したサントリーのエコバッグで多数のパクリが発覚した。
この件について佐野は、「自分は監修しただけで、デザインは会社の部下がやった」と堂々と主張していた。

「オレのせいじゃない、悪いのは部下だ」―― 最悪の上司の言い訳である。
仕事を監修する立場であるならば、問題があれば自分が非を負い、責任を取るべきなのだが、佐野研二郎はそれを拒否した。これだけ見ても、コイツがどれほど品性下劣なヤツであるかがよく分かる。
ただまあ、これも責任の取らせ方がよく分からない。サントリーはエコバッグを破棄せねばならなくなったため、費用を賠償請求すべきで、佐野もそれを飲むべきだが、それ以外の責任の取らせ方が難しい。元々短髪だが、丸刈りにするくらいだろうか。

責任の取らせ方というのは非常に難しい。

20150826-1

今回の台湾出張は、現場トラブルのためどれだけ滞在するか分からなかったが、思っていたより早く原因が分かったために昨日急遽帰ってきた。
台風が心配だったが、飛行には大して影響がなかった。だが、鉄道が問題だった。

昨日は滋賀県の野洲川にかかる鉄橋で風速が25m/hを超えたために、JR琵琶湖線の大部分の区間で運転取りやめが続き、運転している区間でも電車のやりくりや折り返し運転の都合で遅延しまくりで、家に帰るのが大変だった。
スーツケース1個に、機内持ち込みの手荷物2個、土産の傘を1本持った状態で迷惑ながら超満員の電車に乗り、まったく動けない状態で1時間立ちっぱなしでやっと京都から2駅先の大津駅まで行ったところで、「これ以上乗ってられない」と電車を降りてしまった。
実家の母親に電話してわざわざ迎えに来て貰い、家まで送って貰った。あのままあの超満員に乗って電車に乗っていたら本当に死んでいたかも知れない。

3年前に同じくトラブルで台湾出張したときも、帰りが強風だか大雨だかで関空特急や新快速が運転取りやめになっていたのだが、そのときはお盆休み期間だったからまだよかった。今回は本当にツイてなかった。
先日の台風13号で電車での車中泊を余儀なくされた話を書いたが、台風のときにムリヤリ出勤する風潮を変えねばならない。

電車での帰宅がままならないのでタクシーで帰っている人もいたようだが、何千円、ときには1万円近くも出してタクシーで帰宅する人の気が知れない。そんなことをすれば何のために出勤したのか分からないくらいの出費になってしまうではないか。

台湾ではタクシーをしょっちゅう使っていた。客先の事務所が電車やバスでいけない場所にあったというのも理由だが、タクシーが安いからである。
台湾のタクシーは初乗り70元(280円)、1メーター5元(20円)で分かりやすく、料金は感覚的に日本の3分の1程度だ。ついでにいうと、領収書を貰うとどのタクシーも金額も日付も書かれていない領収書を渡すので、仕様で使っても会社の経費精算のときに幾らでもごかましが効く。
日本のタクシー料金は世界的にもかなり高額なくせに、タクシーの台数は多い。台湾とは物価が違うので比較にはならないが、台湾程度の料金ならばもっと使う人もいるだろう。
台湾は料金が安くて使う人が多いので、タクシーは客を乗せて降ろし、また拾うを繰り返すので、安い料金でも運転手が文句を言わない。いいことづくめである。

台湾に仕事や旅行で行くたびに、タクシーと食事の費用について安くつくことはいいと思うが、正直、それ以外のところで日本と比べるといいことばかりではない。
私は台湾は好きだが、台湾信者ではないので手放しで称賛しないし、悪いところは多いと思う。敢えて台湾の悪いところを挙げてみよう。

とにかく歩きにくい
商店が立ち並ぶ道の歩道は、それぞれの店が歩道を勝手に改装しているので、段差が多くて舗装の状態もバラバラ。見た目がよくなく、危ない。また、車道にバイク、ときには車が堂々と駐輪駐車されていて、さらに店が商品の陳列棚や陳列ケースを歩道に出すこともあって、歩きにくいことこの上ない。

とにかく危ない
台湾は歩行者優先の概念がないため、「車が止まってくれるだろう」と思っていると事故に遭う。新竹市の中心部に4車線の回転ロータリーがあるのだが、車を効率よく回すのにはいいが、信号がないために歩行者は車が来ないことを見計らって横断せねばならず、慣れないとずっと渡れずにいることになる。逆に慣れると、どのタイミングで渡るかが分かるようになり、多少強引に渡ることで車を強制的に止めさせる技術も身に付く。

とにかく清潔さに欠ける
台北の商業区や小洒落た店はキレイだが、基本的に多くの店があまりキレイではない。汚いは言い過ぎかも知れないが、キレイではないことは確かだ。
飲食店は観光客が行くような店はキレイだが高く、地元民が行くところはキレイではないが安い。味はどちらも大して変わらないので、清潔さを求めないのであれば地元民向けの店を利用する方がいい。台湾はどこの店でもそこそこおいしく、ハズレがあまりない。
あと、トイレに紙を流せないところが多い。ホテルなら自分の紙だけだからまだいいが、MRT(地下鉄)の公衆トイレで人が使ったあとの紙があふれるクズ物入れを見るとゲンナリする。

それほど物価が安くない
台湾人の会社員の収入は、日本人の一般的な会社員のおよそ半分から3分の1程度だ。それを考えると、日本人から見て食品やタクシーが安いのは当然だが、それ以外のものは日本とあまり変わらず、現地の物価から考えると高い。パソコン製品やスマホの価格、生活雑貨の価格は日本と大して変わらない。
また、電機店やドラッグストアの安売り店があまりなく、チェーン店のドラッグストアも定価売りが基本で、競争原理があまり働いていない。
共働きで三食外食の家庭が多いため、食品の品揃えが豊富なスーパーマーケットのような店が極端に少ない。

たまにニセモノがある
台湾は中国と違って、アニメの違法ライセンス商品が少ない。日本と同様にサンリオのキャラクター全般が人気だが、ちゃんとしたライセンス商品ばかりだった。
例外がスタジオジブリもので、キャラクター商品としては「となりのトトロ」が群を抜いて人気であるが、アヤシイ感じの絵柄のライセンスなし商品ばかりだった。

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なんかあやしいトトロ

これを考えると、日本がいかに恵まれているかがよく分かる。
飲食店は殆どの店がキレイだ。道もよく整備されていて歩きやすく、違法駐車や違法駐輪のせいで車道を歩かねばならないことはまずない。歩行者優先なので危険も少ない。
個人的にはこれがもっとも大きいと思うのだが、日本は競争原理が過剰なほど働いている。価格、品揃え、サービスでの競争が激しいため、少しでも手を抜くとすぐに店が潰れる。台湾は家電の大型量販店があまりなく、パソコン製品などは専門の個人商店みたいな店で買うことになるが、品揃えに問題があるし、大して安くもない。日本のように「とりあえずヨドバシカメラやビックカメラに行っておけばいい」とはならない。

台湾は好きだが、正直なところ長く住みたいとは思えない。天国のように思える日本でぬるま湯につかったような生活をしていると、台湾での生活はたいへんに思える。
海外に行くと、日本のよさを思い知らされる。人間が感じるいいとか悪いとかいう感情は、何かと比べての相対的なものでしかないのだ。
それを考えると、あらゆる面で世界的な標準を超えていて快適な日本に居住していると、海外で日本より悪いところばかりが目に付いてしまう。ある意味不幸ではあるが、別の意味では日本人であることに幸せを感じるのである。

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