先っちょマンブログ

2015年10月

20151030-1

中国が長らく続けていたひとりっ子政策を廃止し、3人目以降については未だ制限があるものの、子供をふたりまで自由に作れるようにしたのだという。
微博を見ると「全面二胎」とか「全面二孩放開」のタグでかなり盛り上がっていた。

2年前から夫婦どちらかがひとりっ子ならば申請をすれば子供をふたり作れるようになっていたようだが、思ったほど申請が増えなかったため、全面的な解放に踏み切ったらしい。

これには中国政府の危機感が感じ取れる。36年にわたってひとりっ子政策を続けてきたおかげで、中国の人口ピラミッドはいびつになってしまった。80年代90年代以降生まれの子供が極端に減り、年寄りの世代が増えてきた。生産年齢人口の減少は国力の衰えを意味する。人口抑制のために思い切った政策を取ったおかげで、国内の人口ピラミッドのバランスが崩れてしまった。

さらには、跡取りとしての男児が好まれることから産み分けが行われるようになり、若い世代では極端に男が増えることになってしまった。出生時男女比率でいうと115.88である。女児が100とすると、男児が115もわるわけだ。
日本では昔から概ね105前後で推移しており、115がいかに多いかが分かる。
このように世代によって極端に男が多くなると、結婚できないことも出てくる。元々、社会が発展するにつれて日本と同様に結婚する人の比率が下がってきた中国であるが、男が多すぎるのも無視できない問題になっている。

また、それ以外にもひとりっ子ということで親から可愛がられ、甘やかされて育つのでワガママ放題になり、中国では子供が「小皇帝」と呼ばれる。
中国や台湾などの中華圏では子供の学校に親が送り迎えをするのが当たり前だが、そのときでも中国ではカバンを親が持つことが普通だ。そんな風に育てられた子供が将来どのようになるか、大体想像がつく。

ほかにも、中国では子供の誘拐も横行している。子供を誘拐する犯罪グループがあり、さらってきた子供を男の子が欲しい家に斡旋販売したり、臓器売買を行っているというのだ。
このようなことは週刊誌などで読むだけのものに思えるが、実際にあるのだから驚きだ。
私が勤める会社の同僚だった中国人社員が日本に単身赴任していたのだが、中国に残してきた子供と奥さん、その母親で遊園地に行ったとき、子供が行方不明になってしまった。誘拐されたと大騒ぎになったのだが、その後、1か月ほどしてたまたま誘拐団が摘発されて子供が奇跡的に無事で戻ってきた。
日本では考えられないような恐ろしいことが中国では起こっている。

それもこれも、すべてひとりっ子政策の弊害だ。ひとりっ子政策によって4~5億人の人口増加が抑制できたそうだが、今になって考えれれば、そんなメリットよりも遥かにデメリットの方が大きかったのではないのか。

今さらひとりっ子政策をふたりっ子政策に変えたところで、いびつな人口構成は変わらない。今の中国の若者は就職難で、結婚難でもある。ひとりっ子政策を変える前に、もっと経済的な政策で若者が結婚をして、子供を作れるように変えていかねばならないのは日本と同じであるが、中国は経済的に困窮している若者は日本と比較ならないほど多く、簡単ではない。

ハッキリ言うと、中国経済と同じで、人口構成を今からどうにかしようとしても手遅れなのだ。上海株ですらどうにもできなかった中国政府が、信頼されていない国民を焚き付けて、急に結婚と出産を増やして生産年齢人口の増加を目論んでもうまくいくはずがない。

中国は急速なスピードで発展しているといわれるが、それと同じくらいのスピードで衰退しているようにも思えて仕方がない。

20151029-1

台湾出張から帰ってきた。やはり我が家は落ち着く。
半ば強引に帰ってきた感があるのだが、客がいうままいつまでも台湾にいるわけにはいかない。

台湾出張はいつも急であるため、自分でLCCのジェットスターかピーチを取っていたのだが、今回も急ではあったが会社経由で取ったのでエバー航空だった。
行きはボーイング777で座席の前にモニタがあって映画などを見られたが、帰りはLCCと同じエアバスの320でしょぼい感じだった。LCCよりちょっと高いのにガッカリである。

また、エバー航空は台湾の桃園国際空港のターミナル2を使っている。JALやANAもターミナル2で、ジェットスターやピーチはターミナル1に離発着する。
桃園国際空港はターミナル2がクセモノで、できればターミナル1を使いたいと個人的に思っている。

理由は簡単だ。ターミナル2には中国人が多すぎるからである。ターミナル1は中国の航空会社が3つ乗り入れているが、主に春秋航空で中国人は思ったより少ない。
それに対してターミナル1は中国の航空会社が7つ、それ以外に台湾の中華航空とエバー航空が中国便を飛ばしているので、シャレにならないくらい中国人が多い。

今日も、ターミナル2のチェックインカウンターや出国審査の手前にある土産物屋に中国人が山ほどいて通路を塞いでいた。中国人は団体でいて、大声を出していて、海外旅行なのに汚いTシャツを着ていて、爆買いしたものを詰めた段ボール箱をカートに山盛り積んでいるのですぐに分かる。
店が並んでいるところの端っこに、「微熱山丘」という有名なちょっとお高いパイナップルケーキの店があるので、そこでささっと買い物をしてすぐにその場を離れた。
中国人観光客がいると、とにかくうるさいし道を塞ぐし、いちいち気が滅入る。君子危うきに近寄らず。中国人観光客の団体には近づかない方がいい。

今日の産経ニュースに、最近まで台北支局にいた吉村剛史記者が京都の中国人観光客について記事を書いていた。

【産経ニュース】「まるで上海だ。日本情緒がない」顔しかめ、予定短縮する京都の欧米観光客…訪日中国人のあきれるマナーの悪さに“中国化”する有名観光地 (10/29)

京都だと中国人が余計目立って、京都らしい風情を味わいに来た日本や欧米の観光客が眉をひそめるのも当然であるが、これは台湾でも同じだ。

台湾の観光地には大体中国人がいて、日本と同じように大型バスで乗り付けてワイワイ騒いでいる。
台湾で一番問題になっているのが故宮博物院だ。中国人は蒋介石が大陸から盗んでいたお宝があると考えているようだが、とにかくそのお宝を見ようと連日中国人が押し寄せている。
10年くらいまでは、2日ほどかけてゆっくり見学するような施設だった故宮博物院も、今や中国人観光客のせいですっかり様変わりした。チケットや入場するのに中国人と並び、博物館であるにも関わらず館内でとにかく騒がしい。
とても文化財を見学するような雰囲気ではないので、今や故宮博物院は行かない方がいい観光地のナンバーワンかも知れない。少なくとも台湾人はあまり行かなくなったのだという。

中国人観光客は毒まんじゅうである。インバウンドとして中国人観光客をあてにして、中国人の爆買いを期待したとして、それが永遠に続くものだろうか。それに、中国人観光客が大勢押し寄せることによって、台湾の故宮博物院のようにほかの観光客が寄りつかなくなってしまう。
どう考えても毒である。

かといって、勝手に来るのだから仕方がないし、私が台湾で泊まっていたホテルのように中国人の団体だけ分けるわけにはいかないのかも知れないが、それでもなにか知恵を絞って考えないと、世界中の観光地が中国人だらけになって、そして中国人以外が来なくなり、中国人に"占領"されてしまいかねない。
中国が拡大させる領土や領海の問題だけでなく、観光客の問題もそろそろ本気で考える必要がある。

20151028-1

ビッグコミックオリジナルに連載されている村上もとかの漫画「フイチン再見!」を読んでいる。激動の戦中戦後に女性漫画家として活躍した上田トシコの生涯を描いた伝記漫画だ。
最新の話で、1955年頃から日本国中で展開された悪書追放運動が出てきた。漫画に対する焚書坑儒だ。「漫画は悪だ」として、集められた漫画が文字通り焼かれることになった。

「フイチン再見!」でも出てきたが、この悪書追放運動の対象になりながらも、PTAなどに説明をしていたのが手塚治虫である。当時、すでに漫画の神様と呼ばれていた手塚は、「鉄腕アトム」で描かれた未来の高速鉄道、乗り物、ロボットなどを「できるわけない」と否定され、荒唐無稽なことを子供に吹き込んでいるとバッシングを受けていた。

上田トシコ自身もその様子に危機感を抱いていた。確かに感心しない漫画はあるけれど、漫画を燃やして表現の自由を侵すことに疑問を抱いていた。

昔はこのようなことが平然と行われていたのだが、今は漫画のことが嫌いでも、さすがに「燃やせ」とか「出版するな」と主張する人はほとんどいない。なにを漫画に書いても、なにを主張してもいいわけではなかろうが、それでも差別的な表現などの問題があれば、いちいち反論すればいいのである。
それが表現の自由である。そこらへんが狭められると、自由闊達な議論ができなくなってしまう。

数年前、日本国内で児童ポルノ禁止法を改正するにあたって、漫画を規制対象に含めるかどうかの議論があった。子供を対象にした着エロを含む写真は、実際に写真に撮られている被害者の子供がいるわけで問題であるが、漫画に描かれた子供は実在しない。
東京都の条例では、漫画などで18歳未満として表現される「非実在青少年」なる言葉まで出てきた。

そして、その話を蒸し返すかのように、最近になって国連で子供に関する人身売買や売春、児童ポルノを担当する特別報告者のオバハンが、日本を視察したうえで、小学生の着エロ写真や児童ポルノ漫画が合法であることを強く避難した。
小学生がエロい水着をつけてグラビア写真を撮影していることや、児童ポルノの漫画が販売されていることは個人的にはいいことには思えないが、それでもそれについて国連から文句を言われる筋合いなどない。

漫画で描かれているだけの表現が問題にすることは、ありもしない被害者をでっち上げるかのような振る舞いであり、どこぞの国がいう日本の戦争犯罪のようだ。
現実の児童ポルノが犯罪だとして、それが漫画で描かれたらそれも取り締まりを受けるなどというバカな話があってはならない。
この話が通るのであれば、殺人や麻薬を漫画やゲーム、映画で表現しても罪になるのと同じではないか。

なんでも規制したり、強制力を加えて表現を変えさせていいとは思えない。

台湾に来るエバー航空のなかで、「テッド2」を見た。日本語吹き替え版中国語字幕で、台湾向けになっている。
映画のなかで、テッドらがマリファナを吸うシーンが出てくるが、マリファナの吸入器にぼかしが入っていた。台湾では具体的に麻薬吸入の様子を放送したり上映することが禁止されているらしい。
思い返せば、「テルマエ・ロマエ」では男のケツであっても割れ目にはぼかしがかかっていたし、「クレヨンしんちゃん」のアニメではチンチンが出てくる場面でチンチンがアクション仮面の顔で隠されていた。

規制だらけであるが、なにを規制してなにをよしとするかはその国が決めることである。
国連がエラそうに言うようなことではない。

20151027-1

今日の産経新聞朝刊の1面トップは、人民元がIMFで際通貨の一種である特別引き出し権の構成通貨として採用される見込みになったというものだった。透明性や運用面で問題のある人民元がIMFのお墨付きを得るようなもんで、ますます中国が増長しそうなニュースである。

それ以外にも中国関連の重要なニュースとして、米海軍が南シナ海のスプラトリー諸島に艦艇を派遣し、中国の不当な海洋侵出を牽制し始めたというものがあった。
中国はかなりピリピリしており、米軍に対して「十分考慮したうえで、行動を慎んでもらいたい。軽挙で、理由もない騒動を起こすのは迷惑だ」などと注文を出しているようだが、てめえらが尖閣諸島沖でやっていることを棚に上げてなにを言っているのか。

中国関連の動きは台湾でも敏感なのだが、今朝の新聞各紙をホテルのロビーで確認すると、意外なことにもっと別のことが大きく取り上げられていた。
WHOがベーコンやソーセージなどの加工肉、ステーキなどの赤身の肉を食べることで大腸がんに罹る確率が最大で18%上がるというニュースが、自由時報、聯合報、蘋果日報で1面トップだった。
日本ではせいぜいベタ記事でちょろっと紹介されるくらいだろうが、台湾だと写真入りの1面大トップである。
なにをそんなに騒ぐのか。

もともと、中華系の民族というのは毒とか放射能とか体に悪いものに敏感で、福島第一原発の事故で中国でデマに騙されたヤツらが塩の買いだめをしたり、台湾の空港で日本便搭乗者にガイガーカウンターでのチェックをしたりといちいち大袈裟に反応する。
だとすると中国の毒入り重金属入りの食べ物とかどうなんだと思うわけだが、とにかくうるさい。
加工肉に発がん性物質が含まれてて、毎日摂取すると食道がんリスクが上がると聞いたら騒がずにはいられない。

だが、WHOの発表では、100人いれば6人が大腸がんになるイギリス人が、毎日50グラムのベーコンを死ぬまで食べ続けたら、100人中7人が大腸がんになるというものである。それがどうしたのか。
そもそも、ベーコンやソーセージのようなものなど、毎日食べ過ぎていたら大腸がんになる前に、肥満、高血圧などから心筋梗塞で死ぬような気がする。
大腸がんにしても、元々アジア人には少なかったがんだ。それが、食の西洋化によって肉をたくさん食べるようになり、大腸がんになる人が増えた。肉を食ったら食道がんリスクが増すのは前から分かっていたことではないのか。

それでも台湾の新聞は日本以上に読者を煽動するのが好きだから、夜市で名物のソーセージを焼いている様子の写真を掲げ、食べ過ぎはがんになると言わんばかりだ。

WHOの発表によると、ソーセージ、ホットドッグ、ベーコン、サラミがIARC発がん性リスクのグループ1に分類された。グループ1にはプルトニウム、ラジウム、X線などがあり、そこに加工肉が加わった。アルコールやタバコもここに含まれる。
ソーセージがプルトニウムと同じくらい危ないとは思えないのだが、これはどういう分類なのだろうか。こんな分類の仕方をするから、不安になる人がいて、煽動する人間が出てくるのである。

コーヒーは体にいいとか、摂り過ぎるとがんになるとか言われる。それは肉も同じで、毎日たくさん摂り過ぎたらなにかしら病気になるというくらいのもんである。ソーセージやベーコン、ステーキを食べないからがんの予防になるわけではない。
まずそれをしっかりと分からせ、誤解を与えないようにすべきなのに、一体WHOはなにを考えているのか。ただ単に、人々がどう考えるかなど考慮せず、研究結果だけを公表して世間の慌てぶりを楽しんでいるだけではないのか。

20151026-1

宿泊している台湾のホテルで毎朝朝食をとっている。台湾のホテルはどこもそうだが、ビュッフェ形式になっていて、自分で好きなモノを取ってきて食べる。
宿泊しているホテルは日本人ビジネスマンが多く、朝の6時台に食っているのはほぼ日本人だろう。たまに台湾人旅行客もいるようだ。

朝食の場所はフロアの開けた場所にあるのだが、その脇を通りすぎて別の部屋に行く人たちがいる。朝飯を食べながらなんだろうかと思っていたのだが、どうやら中国人の団体旅行客らしい。
夜にロビーにいると、ホテルの玄関に大型バスが乗り付けられてゾロゾロと団体客が降りてくる。その客たちが出て行くときにロビー近くに立て札が立てられ、「ここらへんに荷物を置け」となっているのだが、団体名を見ると中国の地方の人間なのだ。

なぜ中国人の団体客だけ別の場所で朝食をとっているのかは大体想像がつく。中国人とビュッフェの組み合わせは最悪で、中国人は大声ではしゃぎまくり、食べきれない量を皿に盛って残し、ぐちゃぐちゃに取っていく。ほかの客にとってすごく迷惑なのだ。
特に日本人ビジネスマンなど、一言も喋らずささっと取って、コーヒーを飲んで出て行くだけで、本当におとなしい。同僚同士で来ていても話もしない。
そこに中国人の喧騒が押し寄せると、朝のゆったりとした気分が台なしだ。

"隔離"され、おそらく取り放題ではない飯を食わされている中国人にとっては気が悪いかも知れないが、日本人や台湾人にはそれがいい。台湾人も結構うるさかったりするが、中国人の比ではない。

日本は中国人観光客であふれ、爆買いが話題になっているが、台湾も似たようなもんだ。中国人が大挙して押し寄せている。大型バスで観光地に乗り付け騒ぎまくり、ホテルを押さえまくる。そこらじゅうで騒ぎ、ときには空港や地下鉄でガキにウンコをさせてニュースになっている。

日本では百貨店をはじめとする小売店が中国人を歓迎している。別にまだ毛嫌いするほどでもないようだが、台湾や香港では様子が違う。大陸の人間は嫌われ、ある意味蔑まれている。
日本に来る中国人はある程度のステータスがある中流以上の人間だが、台湾や香港にはそれよりやや下も来るから、日本では起こりえない騒動を起こしたりするし、素行の悪さ、マナーのなさが辟易されている。

台湾でも香港でも、日本と同じように小売店の人間は中国人を歓迎しているが、一般市民は違う。特に香港などは、「大陸の人間はもう来るな」と考えている人が多い。大陸の人間が爆買いしていくせいで物価が上がり、特定の商品が手に入りにくくなる。交通渋滞も慢性化している。

日本はまだ余裕があるが、近いうちにこれと似たような状態になるかも知れない。今はひたすらインバウンドを呼び込んで、外貨を落としてくれることに喜んでいるが、そのうち政府や小売店だけ喜んで、一般市民の多くが中国人観光客に眉をひそめる事態になるに決まっている。

中国人相手の商売にばかり目が行き、自国民に目が届かなくなると台湾や香港のようになる。近頃はイギリスも中国のカネ目当てでヘーコラするようになり、自国の原発まで中国に任せるとか言っている。
狂気の沙汰である。カネにくらむとなにも見えなくなってしまうのか。

爆買いがブームになるつつある頃、勝谷誠彦が「中国のカネに目がくらんでるヤツらはアホだ」と言っていた。そろそろ中国人との付き合い方も考えねばならない。
「おもてなし」とやらでチヤホヤするのは結構だが、台湾人のように中国人の扱いに慣れておかないと、あとで酷い目に遭うのは日本人なのである。

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