先っちょマンブログ

2017年03月

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ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長がトランプ大統領の掲げる保護貿易主義を批判したうえで、アメリカでの生産を求められたら「撤退する」と明言したとニュースになっていた。

ユニクロのペラペラのTシャツに代表されるような安物の服は中国、ベトナム、カンボジアで作ってなんぼだ。アメリカの連邦政府が定める最低時給が7.25ドル、州によっては最低時給が10ドルを超えている。
中国の最低賃金はもっとも高い上海市でも月3万6500円で、ベトナムは月1万6500円だ。月160時間の労働として、ベトナムだと時給100円である。ものの値段でもっとも幅を占めるのが人件費であり、時給100円が1000円になったら販売価格に転嫁せざるを得ない。
そんなんで安売り商売なんぞやっていられないから撤退するのも当然であろう。

トランプ大統領は自動車やiPhoneについて、「アメリカで売りたいならアメリカで生産しろ」と言っていた。そうやって雇用を生み出すつもりらしいが、消費者のためにならないのは明白である。コストがかさんで高くなり、誰も買わなくなることで企業の経営が傾いたり、失業者を生むことにもなる。
アメリカはこれまで市場主義経済を日本に押し付けてきた。それを放棄するということは、日本にもそれを求めなくなるということだろう。その代わりにアメリカの保護主義を押し付けられては、結局アメリカだけが得をして、アメリカが納得するよう努力せねばならないのは変わらない。

自分さえよければいいというジャイアン的な振る舞いを続けているトランプであるが、こいつはしばしば言行不一致が見られる。
例えば、アップルにiPhoneをアメリカで作れなどと言うわりには、大統領になるまで愛用してきたスマホがサムスンのGalaxy S3だった。2012年に発売されて大ヒットしたが、型遅れも甚だしいスマホである。韓国のスマホメーカーがベトナムやら中国やらで製造しているスマホをトランプは使用していた。ツイッターをやるだけならこれでいいのかも知れない。

トランプがサムスンのGalaxy S3を使用することになったのは、アップルがFBIから銃乱射事件の犯人のiPhoneのロック解除要請を拒否したことが発端だった。大統領選挙中だったトランプはアップルの対応を批判し、アップル製品のボイコットを呼びかけた。このとき、自身はなぜかすごく古い機種であるGalaxy S3を使い始めた。めちゃくちゃカネを持っているくせに、カネ持ちのやることは分からん。芸人がボケているんじゃないかと思うくらいだ。

とにかくアップル製品をボイコットするという筋は通したらしいのだが、さすがに大統領の立場とあっては古すぎるAndroidを使うことにセキュリティ上の懸念もあり、再びiPhoneを使い始めたようである。ボイコットを呼びかけたアップルのiPhoneを使うことに本人はどう思っているのか知らないが、普通の人が恥ずかしいと思うようなこともトランプなら平気なのかも知れない。そうでもない限り、あそこまでいろいろ問題のある振る舞いはできないだろう。

それを考えると、思ったほどこだわりはないらしい。私ならいろいろ気を遣ってしまう。アメリカ製造のスマホはないとしても、過去にあれだけアップルをボロカスに言ったのだから、GoogleのNexusか、マイクロソフトのWindows Phoneを使ってしまいそうだが、トランプはiPhoneを使った。
アホだから過去のことを忘れたのではなく、部下から言われて妥協したのだろうか。

トランプはジコチューを絵に描いたような大統領で、こいつのご機嫌を取らないといけないのかと各国の政治家がウンザリしていることだろう。
安倍首相は訪米した際に満面の笑みで迎え入れられ、トランプのホテルに泊まり、一緒にゴルフをした。それに対しドイツのメルケル首相は、マスコミから握手を求められたトランプが握手すらしないという冷遇ぶりだった。
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これだと安倍首相がアメリカの忠犬のようだが、安倍首相としては馬が合うトランプと親密にやりながらも、うまくトランプを操るつもりなのかも知れない。

トランプが分かりやすいのか予測不能なのか未だによく分からないが、入国制限は反撥ばかり招き、オバマケアの代替法案は取り下げになり、メキシコ国境に築く壁は予算計上の先送りが決まった。政策の目玉が次々と早期実行が不可となっており、アメリカ国内では実行力に対して疑問が湧き出てきた。結局は口だけでなにもできないのではないかという疑問だ。
まあそんなもんだろう。

トランプ大統領の目立ち方は歴代随一だが、残した結果はイマイチになるかも知れない。
4月6、7日は中国の習近平と会談する予定だが、とりあえずそこで米中貿易の大幅赤字や雇用問題を取り上げ、厳しいものになるだろうと宣言した。
Galaxy S3からツイートしたものではないようだ。トランプに期待できることは、彼以外では不可能だった厳しい対中政策くらいだろう。
お笑いはもういいから、せめてそのくらいでは結果を残して貰いたいものである。

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政府が推進している観光立国への取り組みは成功しているように感じる。年々訪日観光客が増えており、京都や大阪の観光地に行くと外国人だらけであることからも実感させられる。
農業や製造業が衰えを見せるなか、外貨獲得のために観光に力を入れることはいいことだと思う。国としていろんな産業に幅広く手を伸ばしておくべきだ。

観光の方はうまくいっているようだが、目玉になりそうなもうひとつの第三次産業であるソフトウェアコンテンツ事業の方はそうでもない。韓国がK-POPや韓流ドラマの売り込みをうまくやっているのを尻目に、アニメ業界が海外で配信サービスを始めた程度でしかない。
日本は音楽市場がCD販売だけでいうと世界最大だし、世界進出を狙ってドラマや映画製作が行われていないのだから仕方がないのかもしれない。

海外でうまくやっていけそうなソフトウェアコンテンツでいうと、アニメ以外にもうひとつある。アダルトビデオだ。日本はいろんなジャンルのAVをリリースしており、ジャンルや量で他国を圧倒している。
昔、アメリカのAVを見たことがあるが、白人連中はセックスをスポーツと捉えているのか少しもエロさがない。また、女性の権利やなんやらでいろいろウルサイため、女がひたすら受け身であるのもダメらしい。強姦や陵辱など以ての外。
その点、日本のAVは本当にいろいろある。実写のみならず、アニメもある。外国人が日本人はムッツリのドスケベだと思うのも仕方がないくらいだ。
日本のAVを見すぎた外人連中は、日本人女性は昼は淑女、夜は娼婦のようだと思っているらしい。

また、日本のAV女優は可愛いのが多い。私のAV女優の知識は20年前で止まっているが、最近のAV女優は昔とは比べ物にならないほどキレイで、AKB48のような掃いて捨てるほどいるアイドルよりよほど可愛らしい。
だからAVが禁止されている台湾や中国でも日本のAVが流通しまくりで、AV女優もかなり有名だ。
特に台湾では、地下鉄の電子マネーカードの写真に日本のAV女優の波多野結衣が起用され、発売と同時に即完売するほどだった。AVが禁止の国で日本のAV女優が知られていることについて誰もいちいちツッコまない。
日本のAV女優が台湾を訪れてなにかの商業イベントに参加することも多い。先日も三上悠亜というAV女優の訪台が一般ニュースでも取り上げられ、かなり盛り上がっていた。
私は最近のAV女優のことは全然知らない。そこらへんの台湾人の方がよほど詳しい。

エロいコンテンツは放っておいても普及するものだ。世の男は常にエロいことを考え、探求している。日本政府が日本のAVの海外進出に積極的に手を貸すようにすればいいと思うが、政府としてそういうことはできないのだろう。
なにがダメなのかと思うが、エロいことを後ろめたいことだと考える政治家が多いのだろう。AVやAV女優について「ケシカラン」などと吠える政治家は多いだろうが、そういうオッサンに限ってAVを見ていたりするもんである。

日本には元々「AVはよくないもの」という雰囲気があったが、最近になってAVへの出演強要が事件化、社会問題化されるなどして、余計によくない雰囲気が出てきている。
毎日新聞など親の敵でも取るかのようにAV叩きを連日展開していた。

アダルトグッズショップを経営している文筆家の北原みのりに至っては、いろんなところにしゃしゃり出てきて、AVのことを悪く言いまくっている。
なぜか沖縄の米兵による婦女暴行事件と関連させ、沖縄でAV批判をしていた。

【琉球新報】AV、風俗も「性搾取」 「性と国家」の北原みのりさん (3/28)

AVに出演するAV女優や、風俗で働く風俗嬢は男から性を搾取される被害者であるらしい。

この北原みのりという女が言うことにはまったく共感ができない。AV女優のなかにはイヤイヤ出演してしまった女性もいるかも知れないが、そうでもない女性も多い。それを十把一絡げにして、従軍慰安婦を売春婦ではなく性奴隷とするかのごとく、AV女優を軒並み被害者とするのは間違いではないのか。

しかも、どういうつもりなのか知らないが、上記の琉球新報のインタビューではこんなことを言っていた。

被害を訴えることと、男たちの需要をやめるのを一緒にやっていかないといけない。

ムリヤリ撮影された女性が訴えを起こすのはいいし、支援してやりゃいいと思うが、AVそのものについて存在すら認めず、AVを求める男の需要をなくせと主張している。こいつが男のことをどれだけ知っているのか知らないが、日本中の男を去勢しろと言っているに等しい。

気に入らないことがあったとして、改善を求めるのではなく根本的になくせと主張するヤツにロクなヤツはいない。
AVがそうだし、原発もそうだ。在日排除を訴えるネトウヨもそうだろう。なぜこんな極端な主張をするのか。

AV撮影で被害に遭った女性がいたとして、それは騙されたり、半ば強引に撮影されたことが問題であって、AVの存在そのものが悪いわけではない。問題があるのは強引な撮影であって、それが問題ならばそれを改善するようにすればいい。
原発で地震や津波対策が問題なら、それを改善すればいい。改善もせずに原発そのものをなくせという主張は暴論だ。
一部のAVの撮影手法に問題があるからといって、AVをなくし、それを求める男の欲求もなくせというのはいかにもメチャクチャではないか。

20170329-1

普通、女は冷房が好きではないと思うのだが、私の嫁さんはものすごく暑がりで、夏は冷房をつけたがる。逆に私は暑いのも寒いのもまあまあ平気で夏も冬もあまりエアコンをつけたいと思わない。だが、一緒の暮らしているとそういうわけにもいかないので、夏は嫁さんに気を遣って冷房をつけるようにしている。昔は寝るときに冷房などつけていなかったが、結婚してから夏の夜はエアコンをつけっぱなしだ。

とはいうものの、我が家はオール電化にしていて関西電力の「はぴeタイム」の電気料金が適用され、夜11時から朝7時までは電気代が半額以下になる。夕方が1kWhあたり27.32円。夜中が13.10円だ。
基本的に夜間蓄熱式の給湯器エコキュートを設置するとそのオール電化のプランになる。これは、原発は一度動かしたら止められず、夜間も発電しっぱなしなのでその夜間電力を使うためのものだ。

だが、原発がなかなか動かせない状況になってから、このオール電化の専用プランが継続できるのか心配になっていた。夕方や夜間の電気料金割引がなければ、オール電化にした意味がない。オール電化の給湯器はガスと違って追い焚きができないなど不便があるが、オール電化のためにそれを選んだ。
かといって、我が家は最初からオール電化で家を設計しているので、あとからガスを引くことなどできない。

関西は原発の発電比率が5割だったのに、いまや0%である。やっと再稼働に漕ぎ着けた高浜原発の3号機4号機が、滋賀県の住民29人が起こした裁判で大津地裁が運転差し止めを出したので止まってしまった。
せっかく原発があるのに動かさずに寝かせておくなんてもったいない。「さっさと動かせや」と思っていたが、昨日28日(火)に大阪高裁が関電側の主張を全面的に認め、高浜原発3号機と4号機の運転差し止めの仮処分を無効とした。

福島第一原発の事故後、新しい安全基準が制定され、その基準をクリアしたのだから再稼働差し止めの判断を退けることは当然だ。大津地裁の判断は簡単にいうと「危なそうだから動かしたらダメ」というものであり、論理的ではなく、客観性にも欠ける。
大阪高裁は「原発の安全性についてほかよりも格段に高度でなければならないが、科学技術分野で絶対的安全性は達成できない」とした。ゼロリスクなどあり得ないという判断であり、極めて常識的だ。

また、関電は大津地裁で安全性についての説明が足りないと批判されたため、1000ページを超える書面を提出していた。
この判決に反原発団体が批判しているが、専門家でもないこの連中こそ原子力規制委員会が定めた新基準や関電が出した安全性に関する資料のどこに問題があるのか、具体的な数値を出して示すべきだ。関電側に「事故が起きないこと、問題ないことを証明しろ」などと言うことは、「百万円寄付していないことを証明しろ」と主張するどこぞのアホな議員と同じである。

それでも、原発反対の朝日新聞はこの司法判断に今日29日の社説で真っ向から反対した。

【朝日新聞】高浜原発決定 あまりに甘い安全判断 (3/29)
あまりに電力会社の言い分に沿っていないか。規制基準は正しく、それに適合さえしていれば安全だと言わんばかりだ。
などと書いているが、原発や地質学の専門家らが出した規制基準のなにが間違っているのだろうか。それを教えてもらいたいが、それを適合していても安全ではないという主張もメチャクチャである。「新しい規制基準は認められないが、仮に認められる基準であってもそれを満たしていても安全ではない」と言っているのに等しい。
技術面で素人である住民や一般の人が不安に感じるなら、納得が得られるよう安全性を追い求める。そうした姿勢の大切さが、事故の示した教訓だったはずだ。
とも書いている。原発再稼働に納得しない人がいるから、納得させるよう努力しろ言うが、そんなヤツはどうせなにを説明しても納得しない。素人に分かるように説明するのもムリだろう。
たまに仕事で「素人にも分かるように問題を説明しろ」と平然と言うヤツがいるが、分からないなら理解するようにしたらいい。「オレが納得するよう説明しろ」などと言うヤツに対する説明などアホらしくてしていられない。仮にどんなバカでも理解できる説明をしたところで、「納得しない」と言われればなんの意味もない。

原発の運転差し止めを求めた滋賀県の29人は、まるで滋賀県民を代表して訴えを起こしたように振る舞っている。脱原発の意思を掲げた民進党の国会議員が滋賀県知事になったが、だからといって裁判所の前で「不当判決だ」と騒ぎ立てるヤツなど県民の代表ではない。判決を不服として「国民・世論に逆行する不当判決」「住民の願いに応えず 司法の債務放棄」と書いた紙を掲げていたが、そう考えているのはコイツらと支援者だけだ。
反原発を主張する連中の声があまりにも大きいので、それが県民の総意であるかのように受け取られがちであるが、全然そんなことはないだろう。

もし仮に原発再稼働反対という意見の方が大きかったとして、それを民意として司法判断を変更するのはおかしい。そんな国は韓国だけで十分だ。
裁判員裁判は刑事裁判であまりにも一般人の認識とかけ離れた判決ばかり出たから、少しは一般人の意見を取り入れようとしたものであるが、民意が絶対に正しいとしたものではない。裁判員がいない民事の裁判だって同じだ。民意がすべてではない。

滋賀県民として「怖いから原発反対」などと言っている原始人みたいなヤツと一緒にされたくない。
反原発派の連中は、多くの県民が原発再稼働に反対していると忖度して勝手に訴えを起こしているのは、心から地域の安全を願っているからかも知れない。もしかするとすごくエライことを考えての行動かも知れないが、まあ宗教みたいなもののようにも思える。
私が原発再稼働に賛成するのは、太陽光発電の補助金や原発が稼働できないために電気代が上がることがゴメンだという個人的な勝手な考えでしかないが、主観で原発を止めようとする非科学的、非論理的なことが許せないというのも理由のひとつである。

20170328-1

これまで旅行にあまり興味がなかった。旅行にカネを使うくらいなら家電やパソコンなど残るものを買った方がいいんじゃないかと思っていたが、台湾にはまってからは台湾にだけはちょくちょく行くようになった。
仕事でもたまに行くが、嫁さんと行くときは自分で航空券を予約し、ホテルも適当に探すことにしている。たまに片道5000円くらいの安い航空券があるが、関空朝7時出発とかなのでそういうのは取らない。利用しやすい時間の便だと往復でひとり2~3万円くらいか。格安航空は価格が大きく変動するので、いい時期を見繕って取る必要がある。
エバー航空や中華航空などでも格安航空と同じくらいで航空券が販売されることがあるので、そちらも要チェックだ。
4月か5月あたりにひとりで台湾に行く予定だが、あるイベントに合わせて行くため期日が決まっていない。格安航空はだいぶ前に取るが、フライト直前で取るのが安いのでやきもきしている。

とにかく航空券さえ押さえてしまえば、泊まる場所はなんとかなる。台北で大きなイベントがあるとホテルがなかったりするが、まあそういうことは滅多にない。
航空券を取ってからホテルをゆっくり探せば問題ない。

台湾には何度も行っているので、桃園国際空港から台北市内まで目をつぶっても行けるくらいだ。前は空港のチケット売り場で國光客運というバスのチケットを125元で購入し、バスに乗るだけだった。
今は桃園国際空港から台北市内を繋ぐ地下鉄ができた。運賃は160元とバスより高いが台北市内までバスで1時間かかるところが30分ちょっとで済む。バスに乗るのはなんか怖いと思う人でも地下鉄なら安心だろう。

これまで旅行で行った台湾は最初からすべて個人手配だ。ハワイなら旅行会社に頼むが、台湾や韓国あたりは難しくないし、なにかあっても対応できる。個人でやれば安上がりだ。
ツアーでも全日自由行動のものがあり、セールでかなり安くなっていることもあるが、私はなにかのイベントに合わせて台湾に行くことが多いので利用しづらい。

それでもまだ一度も台湾に行ったことがないという人はツアーの方が安心かも知れない。一度経験すれば次からは個人で手配するのがオススメだ。
最近は手軽に行く女子旅で台湾が人気だという。安く済むし、週末の2日、3日だけでも行きやすい。食べものもおいしい。実際、台北市内の夜市に行くと3人~4人組くらいの女子が多い。女子大生やOLだ。
私の嫁さんの友人も、6万円で今度の週末に台湾に行く予定で楽しみにしていたそうだ。

だが、それが全部パーになってしまった。今ニュースを騒がせている「てるみくらぶ」とかいう破産した格安海外旅行会社で手配していたからだ。旅行会社が潰れることは度々あったから、ツアーはHISや阪急トラピックスなど大手でないと安心できない。個人手配してりゃこんなこともなかった。

負債額151億円で破産した「てるみくらぶ」の被害に遭った人は9万人にのぼるとされている。6万円損したくらいはまだマシかも知れない。ハワイでの結婚式と新婚旅行で親族の分を含めて100万円くらい支払っていた人もいたし、なにより最悪なのが現在海外旅行中の2500人だ。会社からホテルに支払いが行われていないせいでカネを二重に払うハメになったり、勝手に宿泊をキャンセルされて泊まる場所がなかったり、帰りの航空券がなかったり、散々な目に遭いそうだ。アジアならいいが、欧米ならホテルや航空券の手配に相当カネがかかるし、なによりなんのサポートもなく自分でやらないといけないのは試練以外のなにものでもない。

しかしそれもカネで済む話だし、話のタネになる経験だからまだいいかも知れない。一番悲惨なのは「てるみくらぶ」に就職が決まっていた新卒50人である。80人しかいない会社のくせに、離職率が高いのか50人も採用した。会社がなくなったも同然なのに、4月から働く場所もない。もう一度就職活動からやり直し。しかも、不利な既卒者としてである。人生メチャクチャにされたも同然だ。

山田千賀子とかいう「てるみくらぶ」の社長は記者会見でしおらしくしていて、「詐欺ではない」と断言していたが、資金繰りが危うくなって最後に現金をかき集める手法は詐欺以外のなにものでもない。
カネだけならまだいいが、50人の若者の人生を狂わせたことを考えると、刑事罰を受けて当然のように思える。

「てるみくらぶ」は1998年の創業以降、20年間トラブルを起こしていなかったが、ここ2年ほどは業績を公表しないなどかなり危ない状態だったという。申し込み翌日が振込期限で、現金のみという状態を怪しいと感じなければならなかった。しかし普通の一般利用者はそんなこと知らないから、体よく騙されてしまった。

格安海外旅行会社は年々減ってきているという。訪日外国人旅行者の増加とともに航空券の確保が難しくなったことや、格安航空の登場で個人で航空券と宿泊先を手配する旅行者が格段に増えたからだという。
安く海外に行きたいのなら、旅行会社のツアーを利用するのでなく、個人ですべて手配した方がいい。カネを持っている人だけ旅行会社を利用し、カネを節約したいなら自分で。欧米ではそういうのが多いが、それが普通の時代になってきた。
これも時代の流れなのだろう。

20170327-1

世界のメジャーな宗教のうち、仏教は異質な部類に入る。仏教には神の概念がなく、元々はなにかを信仰するという宗教ではなかった。ブッダとかお釈迦さまとか呼ばれる仏さまについても、神ではなく悟りを開いた偉い人でしかない。
仏教を簡単に説明すると、自己啓発の宗教である。少なくとも原始仏教はそうだった。仏教では生きることそのものを苦とし、その苦しみを理解し、ものごとの真理を知ることで苦から脱することができる、つまり悟りを開くことが可能であるとしている。

人は生きていくなかで、常に他人と比較する。自分が幸せであるか、恵まれているかなどを相対的にしか考えることができない。自分は人よりカネ持ちだから幸せ、貧乏だから不幸せと考えたり、自分は人より容姿が優れているから幸せ、そうでないから不幸せなどと考える。そのように考えてしまうことが苦しみであり、悟りを開くことでものごとを絶対的に評価することができる。
他人がどうだから、自分はどうだと考えないようにすることが、仏教の目的のひとつだ。これは自己啓発以外のなにものでもない。

幸せとか不幸せというものは、普通の人にとっては他人との相対的な比較でしかないが、人の価値観はそれぞれで違う。他人から見れば不幸せでも本人が幸せだと感じていたり、逆に幸せそうに見えてもそうでないことは多々ある。
幸せとか不幸せを他人が一概に決めることなどできない。

にも関わらず、人間はバカだから幸福度ランキングなどを作成する。バカの極みである国連は、毎年「世界幸福デー」と定めた3月20日に世界幸福度ランキングを発表している。
調査対象を世界の155か国とし、GDP、健康寿命、社会的支援(頼れる相手の存在)、汚職のない社会、人生を選択する自由、他者への寛容さの6つの要素を幸福の要素とし、数値化してランキング付けをしている。
それによると、日本は155か国中51位であるという。2016年は53位、2015年は46位だった。

【国連Sustainable Development Solutions Network】World Happiness Report 2017

アメリカは14位、中国は79位だ。アジアでもっとも順位が高かったのはシンガポールの26位だ。毎年ランキングの上位に来るのは北欧諸国である。
日本が北欧諸国やアメリカより不幸な国だとは思わないが、日本は選択の自由度や寛容性で順位を下げているらしい。「世界一幸福な国」を自称するブータンはなんと97位だ。
こんなもんは欧米人が考える幸福のランキングであり、クソの役にも立たない。これで一喜一憂しているヤツはアホである。

この調査を委託されたのはアメリカの世論調査会社であるギャラップ社であるが、そのギャラップがこれとは別に独自で行っている「日常生活における幸福度」という調査がある。
国連の幸福度調査ではアジアトップのシンガポールが、この調査では148か国中最下位の148位なのだ。

この調査は各国1000人を対象に実施され、前日の生活で「十分休めたか」「何か面白いことがあったり興味を持てることをしたりしたか」「たくさん笑ったか」「敬意をもって接しられたか」などの5項目を調査するという。
ある調査では幸福度がアジアナンバーワンのシンガポールが、別の調査では世界最下位なのである。

幸福度調査が信用ならないことがよく分かる。調査項目によって順位が大きく変わるのは仕方がないにしても、国としての幸福度のランク付けが世界上位であっても、国民の日常生活が不満だらけの国のなにが幸せなのか。

しかもこのシンガポールでは、18歳のブロガーがリー・クアンユー元首相を独裁者と批判したかどで53日間収監され、さらに宗教批判を展開したことで「キリスト教徒とイスラム教徒の感情を傷つけた」として6週間の収監を言い渡されていた。
このブロガーはアメリカに亡命を申請し、アメリカにそれを認められた。「政治的意見を理由に迫害を受ける若き反体制活動家」であると認定された。
そんな国の幸福度が、国連がいうにはアジア最高の世界26位である。

国連が決めた幸福度でシンガポールよりずっと劣る日本には、シンガポールよりずっと自由がある。ヒトラーになぞらえて総理大臣を独裁者呼ばわりしても逮捕されないし、病気を理由に「下痢ピー首相」などと罵倒しても許される。
日本の51位より少し下、56位の韓国では、現地の新聞を引用して「セウォル号沈没の不明の7時間に大統領が男性と会っていたのでは」とネットの記事に書いただけで外国人記者が刑事裁判で起訴される。

政治家をボロカスにこき下ろせる国が幸せかどうかは人それぞれだが、少なくとも日本に生まれて不幸せだと思ったことはなにひとつない。国連から「お前の国の幸福度はこの国より下」などと相対的評価を勝手に押し付けられて迷惑だ。幸せか不幸せかはこちらで勝手に決めさせて貰う。

昔よく、友人の家はどうのこうのと母親に言うと「よそはよそ、うちはうち」と軽くあしらわれたもんである。
国連でしょーもない調査を毎年実施している連中は、そういう経験をしなかったらしい。それこそ不幸なことではなかろうか。

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