先っちょマンブログ

2018年04月

20180430-1

この大型連休になんの予定もないのだが、今日は嫁さんのパートが休みだったので朝から出かけて「レディ・プレイヤー1」の3D上映を見てきた。あまり映画館に行かなくなったので、3D映画を見るのは「アバター」以来だった。初めて見る映画を吹き替えで見るのは好きでないのだが、「アバター」のときにはあった3Dの字幕上映が今ではまったくなくなってしまった。「アバター」のときから3D映画は字幕が読みにくいと評判だったが、3D映像だけでまあまあ疲れるのに、文字まで読んでいたら余計に疲れるのだろう。

それはともかく、「レディ・プレイヤー1」はなかなかよかった。スピルバーグ監督作品であるが、大して期待はしていなかった。映画の割引チケットがあって、なにか見たいが絶対に見たいものがなかったので消去法でコレにしたが、結果的に見に行ってよかった。
知らない人のために一応説明すると、「レディ・プレイヤー1」はVR世界の創設者が残した遺産を巡り、プレイヤーが争奪戦を繰り広げるというストーリーだ。

映画「レディ・プレイヤー1」オフィシャルサイト

仮想現実の世界なので、プレイヤーはどんなキャラクターになることもできる。アニメやゲーム、映画のキャラクターがたくさん出てきて、映画に出てくるロボットやら乗り物やらもジャンジャン出てくる。ポップカルチャーのごった煮のような映画で、音楽は80'sばかりだった。

とにかくメチャクチャたくさん映画やゲームのキャラクターが出てくるので、映画を見ながらそれを探すのも楽しみ方のひとつだ。
映画の冒頭で道を歩いているハローキティとバッドばつ丸が小さく映っているのを最初に見つけた。
フレディとジェイソンは一瞬で倒され、チャッキーは健闘していた。
ゲームではソニック・ザ・ヘッジホッグが一瞬だけ出てきて、海外では有名な残虐ゲームの「モータル・コンバット」のゴローが出てきたし、主人公の仲間がゲームのバッジを付けていた。VR世界の創設者であるハリデーは、幼少期も大人になってもタイトーの「スペースインベーダー」のTシャツを着ていた。

とにかくポップカルチャーやサブカルチャー満載で、それだけで楽しい。ストーリーとしてはそこそこで、VRと現実の世界が交錯する内容は「マトリックス」を彷彿させるが、あの映画ほど陰気臭い感じはない。文字通りの娯楽作品だった。

この映画を見て改めて感じたのが、日本のポップカルチャーのインパクトである。映画の内容のかなりの割合を占め、重要なシーンを担っている。
主人公の仲間であるダイトウというサムライは、見た目が三船敏郎だ。現実世界ではトシロウという名前の日本人がプレイヤーだった。その相棒の中国人の少年はニンジャのキャラクターに扮していた。
1ゲーム目のレースシーンではアニメ映画「AKIRA」に出てくる金田のバイクをヒロインが乗っている。「AKIRAの金田のバイクじゃないか」というセリフも出てくる。「AKIRA」は海外に大きな影響を与えたアニメ映画で、特に金田がバイクを横にしてスライドさせながら停止するシーンは有名だ。これをオマージュしたアニメが日本のみならず海外にも多くある。

【imgur】The Akira Bike Slide

最後の戦闘シーンでは、悪役がメカゴジラに乗り込み、主人公の仲間のダイトウが「俺はガンダムで行く」と日本語のセリフを言って、好きなロボットに乗れるアイテムを使い、ガンダムに乗ってビームサーベルでメカゴジラと戦う。文字で説明するとハチャメチャな感じがするが、実際ハチャメチャなシーンだ。
悪役と1対1で戦う主人公は波動拳を出していた。

こういうのを見ると、東京五輪の開会式や閉会式はこういうのを出しておけばいいように思える。五輪中継を見る人の殆どは日本のポップカルチャーのことなどなにも知らないだろうが、かといって歌舞伎や能、狂言を出すだけではもったいない。たとえ一部であっても、誰かが喜ぶような演出をすることに意味がある。
特に金田のバイクあたりは実際にそれに近いバイクが既にあるし、五輪用に特別にフルカスタムで同じものを作って出せばネット上では盛り上がるのではないか。「さんをつけろよデコ助野郎」などはいらない。バイクを登場させ、かっこいいバイクスライドをさせるだけでいい。

東京五輪の閉会式は「レディ・プレイヤー1」みたいなハチャメチャな日本のポップカルチャーてんこ盛りでお願いしたい。そういうメチャクチャな感じがいかにも日本であり、世界中の人々に強いインパクトを与えるはずだ。

20180429-1

TOKIOの山口達也による女子高生への強制猥褻事件で注目されているのがアルコール依存症、いわゆるアル中への対応だ。山口は"肝臓の問題"とやらで1か月入院して退院したその日に焼酎を1本(おそらく1升)開けてベロベロになっていた。酒で肝臓を痛めたのか、それ以外の問題なのか知らないが、酒で入院し、退院してすぐ酩酊状態になるまで酒を飲むなんて尋常ではない。どう考えてもアル中である。

しかし、本人はそれを強く否定した。自身のアルコール依存を認めないのは、典型的なアルコール依存症患者なのだという。入院の理由をごまかし、自身がアルコール依存症であることも認めないのだから重症であろう。
ジャニーズ事務所が先日の記者会見のあとに再入院させたそうだが、そこで一時的に酒を断ったとしても、アルコール依存症のカウンセリングでも受けて完治しない限り絶対に酒を飲むに決まっている。現に山口は「"今は"酒を飲まない」と言っていた。

謝罪会見で自分から復帰の話を持ち出すなど、山口達也という男は自己保身のことしか考えていないゲス野郎だ。ゲス野郎だからこれまで失敗を繰り返してきた酒を断つと断言できない。そんな人間は必ずまた同じ失敗を繰り返す。

漫画家の西原理恵子が結婚したフリージャーナリストの鴨志田穣は過度のアルコール依存症だった。西原が自分の漫画にアルコール依存症は「意思が弱い」とかそういうレベルの話ではなく、病気なので入院させるなりして治療するしかないと描いていた。鴨志田は退院しては酒を飲むのを繰り返し、しまいには西原に暴力を振るうようになってしまった。酒の飲み過ぎで肝硬変になり、最後は腎臓がんで死んでしまった。

鴨志田は普段は優しく、酒を飲むと豹変したという。アル中の特徴として、酒を飲んだときにいくら暴れても、酒を飲んでいないときに優しかったりおとなしかったりするので、家族は厳しく対応できないそうだ。最終的にずっと酒を飲むようになり、四六時中暴れるようになってから手を打とうとしても手遅れなのだ。酒を全部捨ててもどこかで買い、カネを取り上げれば墓地を巡って墓に供えてある缶ビールやワンカップの清酒を飲むようになる。
どう考えても、早いうちに入院させ、よくなればカウンセリングを受けさせるなどの措置が必要だ。同情したり、優しさを見せるのは本人のためによくない。

甘い対応をするとよくないのはDVでも同じだ。DV男はキレたら女をどつき回すが、キレていないときに女に優しくするため、女に誤解をさせる。「普段優しいのにときどき怖くなる」ではなく、「普段怖いのに時々優しい」が正しい。
誰かになにか悪い部分があったとして、それがその人の本質なのだと思う。女に手を上げるような男は、普段どれだけ優しくても女に暴力を振るうのが本質であると考えるべきだ。
人のいい面ばかりを捉えようとするのは間違いだ。私のようにひねくれた性格で、他人のことなど一切信用しない人間でないと、あとで自分が痛い目に遭う。私はキリストではないから、右の頬をぶたれて左の頬を差し出す気にはなれない。右の頬をぶたれたら、その場で相手の腕をおるとか、顔面をボコボコに殴るくらいしなければならない。

だから、金正恩に理解を示す連中が信じられない。終始にこやかにしていた南北首脳会談の様子を見て、「彼は父親の金正日とは違う」などと言うヤツがいる。確かに、金正恩は金正日とは違うかも知れない。父親が並みの独裁者なら、その息子はもっと酷い独裁者だという意味では違うだろう。兄を暗殺し、親戚は処刑。気に入らない部下は高射砲の的にして肉片にしてしまうような男だ。これが本質。板門店で見せた笑顔は偽りの笑顔だ。アル中やDV男がときおり見せる優しい顔と同じである。

何回騙されれば気が済むのか。DVダメ男をヒモに抱える女のつもりなのだろうか。改心すると言うからカネを与え、そして裏切られる。それの繰り返し。
「酒をやめる」と言って酒を飲む男、「ゴメン」と謝りながら翌日には暴力を振るう男、それらと金正恩に大した違いはない。本人の努力で変わったと考えるのが間違いだ。それを信じることは、本人にも周りの人間にもよくないことである。
「今度こそ」なんて甘い期待を持たないことだ。

20180427-1

今日は大型連休前最後の出勤日だったので、連休明け後の韓国出張の準備に忙殺された。

まずは航空券の手配をした。同行する別会社の人の都合で、往路復路ともに話題の大韓航空機になった。大韓航空機の座席モニタには飛行機の現在位置が表示されるのだが、その地図にはしっかりと「Dokdo(独島)」という表記がある。
全日空との共同運行で日本人乗客も多いというのに、こんなところまで不法占拠する領土をアピールしてくるのだから、パワハラ経営者一族以上に鬱陶しい航空会社である。

出張先は大手財閥企業の工場で、入門許可を得るためにネットからいろいろ申請する必要があり、それもやった。最終的に人力でチェックしているようだが、登録完了の知らせが来るまで4時間もかかった。
「さっさとやれや」と悪態をついていたのだが、もしかすると遅かったのは現地の韓国人が南北首脳会談に気を取られていて、そのニュースばかり見ているからかも知れないと思った。韓国の文在寅と北朝鮮の金正恩の会談である。

文在寅は平昌五輪で北朝鮮と交流を深め、南北首脳会談が実現できたと鼻高々かも知れない。急に金正恩が軟化したわけだが、韓国の大統領にほだされたわけではなく、実際はアメリカの制裁でケツに火が付いた状態なのだろう。和やかに文在寅と会談したようだが、コイツは実の兄である金正男を殺害し、叔父も死刑にした冷酷無比のクソ野郎であることを忘れてはならない。

金正恩は家族や親戚も平気で殺すような男であるため、自分も同じように殺されないよう最大限に気を遣っているらしい。板門店の韓国側施設で記帳をする際、側近が椅子、帳面、ペンといった金正恩に触れるものをすべて消毒し、ペンについては北朝鮮から持ってきたものを使用した。
ブタのような男のために、ありとあらゆるものが消毒された。正男の暗殺に使った神経ガスだけでなく、不潔なものを触って病気になることまで恐れているという。そんなに気になるなら、もっと痩せて、禁煙する必要もあると思うが、そっちは気にならないらしい。放射能がどうこう言っているヤツと同じような感覚なのだろう。

この会談がもたらすものとして注目されているのが、休戦状態の朝鮮戦争の集結である。多くの日本人が忘れてしまっているが、韓国は休戦状態の国である。そんな国にのこのこ行っている場合ではないと思うが、実質的に戦争が再開される見込みはほぼないにしても、休戦中であることを忘れてはならない。
文在寅は休戦協定を平和協定に転換するという実績作りをして、ノーベル平和賞でも狙っているのだろう。金正恩は平和協定で韓国内の米軍の重武装を解き、脅威を減らしたいと考えている。どうなるのか分からないが、なんとなく前に進みそうな気がする。

休戦協定が平和協定になって結構だが、休戦状態が終わるのなら韓国での不便をいろいろ改善して貰いたい。
韓国はインターネット上の地図を自由に開放していない。安全保障上の懸念から外国のサーバーに地図データを置くことを禁止しており、Googleマップが満足に使えない。Googleが韓国政府に地図データの利用を申請したのだが、2016年に正式に却下された。韓国のGoogleマップは、経路案内もできないし、ストリートビューもほぼない。
地図が軍事機密だとか安全保障に関わるとか、中国かよと思ってしまうが、これが韓国なのだ。

Googleマップに宿泊先のホテルを入力しておけば、空港から電車やバスにどう乗り継いでいけばいいか表示できるのに、韓国ではそれができない。宿泊先から客先までの案内もされない。ストリートビューで予めどんな場所かを見ておくこともできない。商業施設のデータもほとんどなく、マップは全体的にぼんやりしている。
NAVERなど韓国の地図サービスを使えなくもないが、GメールやGoogleカレンダーとの連携もできないだろうし、スマホに地図アプリを入れるのも嫌なので仕方なくGoogleマップでなんとかやり過ごそうと思っているが、不便で仕方がない。

韓国ではGoogleマップがマトモに使えないため、その地図データが「ポケモンGO」や「Ingress」といった位置情報ゲームで使用できなかった。「ポケモンGO」はサービスが開始できず、「Ingress」では道路もなにも表示されない真っ暗な画面だったが、開発元のナイアンティックがGoogleマップではなくOpenStreetMapというユーザーが地図を作るサービスを利用するように仕様を変更した。

そこまでネットに不便を強いるのが韓国という国である。Googleのサービスにアクセスもできない中国に比べればまだマシだが、Googleマップをマトモに使えない国が普通の国であるとは思えない。
さっさと北朝鮮と平和協定を結ぶなりして、戦争を終わらせ、普通の国になれるように努力すべきだろう。

それでも普通の国になれるとは思えないが、日本人観光客が来ないと不満を述べる前に、出張者や旅行者に優しくないこの鬱陶しい状況をなんとかすべきだろう。

20180426-1

昨晩からテレビやネットのニュースで「山口メンバー」という言葉を何回見たり聞いたりしただろうか。ジャニーズ事務所所属のTOKIOのメンバーである山口達也が自宅に誘い込んだ女子高生にキスをしたかどで強制猥褻の疑いで書類送検された事件のニュースだ。

ジャニーズのアイドルとはいえ、46歳のオッサンが自宅に女子高生を呼び寄せて、ベロベロに酔っ払った状態で女子高生にキスをして逃げられて、その足で警察に被害届を出されるのだから本当に気持ちが悪い。
しかも、本人の記者会見によると、山口は「アルコール関係」で1月15日から2月12日まで1か月入院し、退院した2月12日にもう深酒して、Eテレの「Rの法則」で共演している女子高生よ自宅マンションに呼んでキスをした。キス云々の前にアル中だと思うのだが、本人も同席した弁護士もアル中を否定していた。

キスをしたことは本人も認めざるを得ない事実だから否定できないが、アル中であることは認められないらしい。強制猥褻を認めるならアル中も認められそうなもんだが、アイドルのプライドがそうさせないのだろうか。むしろアル中であることを告白して、酒を飲みすぎたせいで理性を失ってしまったと主張した方がいいようにも思える。

いずれにしても、山口達也は無期限謹慎になるという。週6本のレギュラー番組への影響も深刻だが、TOKIOとして4社と契約しているCMの影響がかなり大きそうだ。CM出演タレントが不祥事を起こすと、企業は高いギャラを払ったCMが放送できなくなって差し替えを余儀なくされるうえ、企業イメージまでダウンしてしまう。
山口とジャニーズは何億円かの賠償金を支払うハメになるのだろう。有名人が女子高生にむりやりキスした代償がこれである。

有名人、とりわけアイドルはモテるだろうからキスくらいこれまでいくらでもしてきたのかも知れないが、そういう驕りが「山口メンバー」の失敗に繋がったのだろう。コイツの場合、まず酒を断たないといけないと思うが、頑なにアル中だと認めないということはアル中の治療もカウンセリングも受けないに違いない。そうなるとアル中は絶対に治らないだろうから、また酒の失敗をやらかしてしまう可能性がある。

無期限謹慎とはいうものの、しばらくすれば芸能界に戻ってくるのであろう。Eテレの番組で相談に乗っていたはずの女子高生に手を出したのはいかにもイメージが悪いが、芸能界は覚醒剤や傷害事件で有罪になった前科者でもすぐに復帰させてしまうゆるゆるの業界だ。需要があるかどうかは分からないが、キス程度の強制猥褻なんぞすぐに復帰だろう。
芸能界のことしか知らない46歳のオッサンは潰しが効かなさそうだが、幸いなことに「鉄腕ダッシュ」で農業から土木や建築までいろいろできるようになったのだから、潰しは効くはずだ。いつまでも強制猥褻アイドルとして辱めを受けるなら、さっさと芸能界を辞めた方がいいのかも知れない。

猥褻アイドルの言動はともかく、気になるのが「山口メンバー」である。女性警官に車をぶつけて逮捕されたSMAPの「稲垣メンバー」を思い起こさせる。無関係なのに過去のことを蒸し返された稲垣吾郎にとっては大迷惑な表現だろう。

「マスコミはジャニーズのタレントを容疑者と呼べない」などと言われているが、そうでもないらしい。検証記事がいくらか出ているが、マスコミは逮捕されて拘束されている人物には実名で「容疑者」と付けて報道するが、書類送検されただけで身柄拘束もされていない人物の事件は基本的に実名まで報道しない。ただ、有名人は例外的に名前を出すわけだが、逮捕されていない人物を「容疑者」呼ばわりしない決まりがあるため、「山口メンバー」になってしまうという。
前述の稲垣吾郎も一時は「容疑者」が付いたし、泥酔して裸になって捕まった草彅剛も「容疑者」が付いたことがあった。
「容疑者」と付けなくても、過去の慣例から「山口さん」や「山口氏」とすることも可能だが、書類送検までされている人物に「さん」とか「氏」とか付けるものおかしいから、苦肉の策で「メンバー」を付けているのだろう。

仕事で社内に出すメールでは、部長、課長、係長など肩書きのある役職に就いているなら「○○部長」などとし、ヒラ社員の場合は「○○社員」としている。「○○メンバー」はこれに似ているが、「○○社員」以上に違和感がある。この世の中に「メンバー」という肩書きなどあるのだろうか。
あったとして、そう呼ぶ対象である山口達也がTOKIOというグループのメンバーだったからよかったが、ソロで活動しているタレントの場合はマスコミはどうするつもりなのだろうか。例えば山下智久がなにかで書類送検されたとしても「山下メンバー」とはできないし、やはり「さん」や「氏」を付けるしかないのではないか。だったら、山口達也も「山口氏」でよかったように思える。

これからも、なにかの芸能グループに属する有名タレントが書類送検されるたびに「○○メンバー」と聞かされて違和感を感じることになる。だったら統一ルールを設けた方がいいのではないか。書類送検までは「氏」付けにしてもいいし、「さん」以上「容疑者」未満ならなにか適切な肩書きを付けてもいい。気の利いた言葉がパッと思い浮かばないが、探せばなにかあるだろう。しっくり来ない「○○メンバー」はもう聞き飽きた。

20180425-1

タイで2014年に軍事クーデターが発生した。当時のインラック首相は農家からコメを買い上げるという公約を掲げて農民からの支持を得て政権を奪取したものの、軍人や都市部に住む人には農家へのバラマキ政策や汚職、縁故主義が蔓延したインラック政権はすこぶる評判が悪かった。
そこで反政府デモが起こるなどしてインラック首相を退陣に追い込むが、最終的に軍部が立ち上がって軍事クーデターを起こしてタイを戒厳令下に置く。

その軍事クーデターの首謀者が陸軍総司令官だったプラユット・チャンオチャで、現在のタイ軍事政権の首相だ。
プラユット首相は常に軍人らしく振る舞うことを心がけているのか、記者会見では仏頂面を崩さず、ときには記者を怒るなど厳しい対応を取っていたが、軍事政権発足後初めて行われる総選挙を意識してか、今年に入って軍人を辞めて政治家を目指す姿勢を示しており、軟化の兆しが見られる。

そこで目を付けたのが、タイで爆発的人気を誇るアイドルグループのBNK48だった。BNK48は今年になって昨年秋にリリースされた「恋するフォーチュンクッキー」のタイ語版が大ヒットし、一躍タイのトップアイドルに躍り出たグループである。BNK48が人気者になり、日本のAKB48のオリジナル版「恋するフォーチュンクッキー」のYouTube再生回数が猛烈に増えていると以前このブログに書いた。

タイ軍事政権が今月立ち上げた国営FM放送局にゲストとしてBNK48を招いて首相が出迎え、「恋するフォーチュンクッキー」の振り付けを一緒に踊るなどしていた。



YouTubeでこれを報じるタイのニュースを見たのだが、どうもプラユット首相の動きがぎこちなく、なんだかつまらなそうにしている。どうせならもっとはっちゃけた方がよさそうなもんだが、長らく軍人だった堅物にはムリなのだろう。
首相と踊りながら、同曲でセンターを務めるモバイルというメンバーが「オニギリ、オニギリ」と言っている。これはおにぎりを握るような振り付けの場面で、AKB48のメンバーに対するファンの掛け声だ。BNK48では今ではライブで普通にファンが「オニギリ」と声を出していて、ほかも含めて日本のAKB48でのファンのチャントがBNK48でも行われている。

タイ語はまったく分からないが、YouTubeの関連動画に出ていたBNK48が出演するバラエティ番組を見ていると、メンバーが日本のアイドル文化の説明をしているようだった。推しメンの話をしているらしいときに、「DD」という言葉の説明もしていた。これは「誰でも大好き」という特定の推しメンを持たないファンのことを指す言葉だが、タイでも「DD」が普及していて、「ダレデモ ダイスキ」から来ているなどと説明されていた。

BNK48は日本のアイドル文化の完全輸出と現地化が成功している例で間違いない。
21日(土)にバンコクのショッピングモールでBNK48メンバーの握手会が行われたのだが、限定販売される生写真のために前日の晩からモール前の道路に3000人が並んで現地は大変なことになっていたらしい。

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サッカーのタイ代表とコラボしたり、軍事政権の首相もすがる人気者のBNK48であるが、5月12~13日に東京の代々木公園で開催されるタイフェスティバル2018に出演するらしい。出演メンバーは、BNK48リーダーのチャープラン、BNK48の曲でセンターを務めたミュージックとモバイル、パン、ジェニス、日本から出向中の伊豆田莉奈らしい。
チャープランがグループ内で圧倒的人気を誇っており、どれほどなのか興味がある。国内外を問わず女性芸能人は写真で見るより実物の方が可愛く見えるので、普段の仕草も含めて実際に見てみないと分からない。

11日(金)に仕事で東京の展示会に行くよう申請し、その足で12~13日のタイフェスに行こうかと目論んでいたのだが、邪魔が入って行けなくなってしまった。
連休明け後に韓国出張に行かねばならなくなってしまった。

大使館も協賛する親日国タイの国内イベントに行くはずが、反日国に行かされるはめに。しかも今度の出張は現地のトラブル解決の目処が立つまで帰れない。さすがに永久に滞在というわけにはいかないので2~3週でなにか理由をつけて帰るつもりだが、今から憂鬱になる。
韓国は地方であってもとりわけ反日気運を感じられるわけではないが、出張者には優しくない。ビジネスホテルなんぞないから、ラブホを兼ねたモーテルに泊まることになるし、必ず複数で飯を食いに行く必要があって、ひとりで外食もできない。
台湾や中国なら中国語がある程度分かるので困らないが、韓国語なんぞタイ語と同じくらい何も分からないので、前回の韓国出張でも相当苦労させられた。

言葉を知らない国に行くにしても、どうせならタイなど日本に親しみを持っている国に行きたい。「オニギリ、オニギリ」と言いながらアイドルが楽しそうに踊る国と、総領事館前に徴用工の像を建ててまたぞろ日本を侮辱する気が満々の国なら、誰もが前者を選ぶだろう。

韓国人は日本を嫌いなくせに、2017年訪日外国人の数では中国を押しのけ714万人で1位になった。今年は昨年よりも訪日韓国人がさらに多くなっている。
韓国は日本が嫌いなヤツが大勢いて、そうでもないのも大勢いるメチャクチャな国で、日本に対する外交姿勢もメチャクチャで、政権が変わることで前の大統領が裁判にかけられて死刑になったり懲役24年になったり、泥棒が日本の寺から盗んだ仏像を返さなくていいと司法判断が下ったりする非法治国家であり、とにかくいろいろメチャクチャで、本当に嫌いな国だ。そんな国にしばらくいなければならない。
数週間なら韓国がどんな国を知るかの見識を深めるのにいいのかも知れないが、まったく乗り気のしない出張になりそうだ。

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