この大型連休になんの予定もないのだが、今日は嫁さんのパートが休みだったので朝から出かけて「レディ・プレイヤー1」の3D上映を見てきた。あまり映画館に行かなくなったので、3D映画を見るのは「アバター」以来だった。初めて見る映画を吹き替えで見るのは好きでないのだが、「アバター」のときにはあった3Dの字幕上映が今ではまったくなくなってしまった。「アバター」のときから3D映画は字幕が読みにくいと評判だったが、3D映像だけでまあまあ疲れるのに、文字まで読んでいたら余計に疲れるのだろう。
それはともかく、「レディ・プレイヤー1」はなかなかよかった。スピルバーグ監督作品であるが、大して期待はしていなかった。映画の割引チケットがあって、なにか見たいが絶対に見たいものがなかったので消去法でコレにしたが、結果的に見に行ってよかった。
知らない人のために一応説明すると、「レディ・プレイヤー1」はVR世界の創設者が残した遺産を巡り、プレイヤーが争奪戦を繰り広げるというストーリーだ。
映画「レディ・プレイヤー1」オフィシャルサイト
仮想現実の世界なので、プレイヤーはどんなキャラクターになることもできる。アニメやゲーム、映画のキャラクターがたくさん出てきて、映画に出てくるロボットやら乗り物やらもジャンジャン出てくる。ポップカルチャーのごった煮のような映画で、音楽は80'sばかりだった。
とにかくメチャクチャたくさん映画やゲームのキャラクターが出てくるので、映画を見ながらそれを探すのも楽しみ方のひとつだ。
映画の冒頭で道を歩いているハローキティとバッドばつ丸が小さく映っているのを最初に見つけた。
フレディとジェイソンは一瞬で倒され、チャッキーは健闘していた。
ゲームではソニック・ザ・ヘッジホッグが一瞬だけ出てきて、海外では有名な残虐ゲームの「モータル・コンバット」のゴローが出てきたし、主人公の仲間がゲームのバッジを付けていた。VR世界の創設者であるハリデーは、幼少期も大人になってもタイトーの「スペースインベーダー」のTシャツを着ていた。
とにかくポップカルチャーやサブカルチャー満載で、それだけで楽しい。ストーリーとしてはそこそこで、VRと現実の世界が交錯する内容は「マトリックス」を彷彿させるが、あの映画ほど陰気臭い感じはない。文字通りの娯楽作品だった。
この映画を見て改めて感じたのが、日本のポップカルチャーのインパクトである。映画の内容のかなりの割合を占め、重要なシーンを担っている。
主人公の仲間であるダイトウというサムライは、見た目が三船敏郎だ。現実世界ではトシロウという名前の日本人がプレイヤーだった。その相棒の中国人の少年はニンジャのキャラクターに扮していた。
1ゲーム目のレースシーンではアニメ映画「AKIRA」に出てくる金田のバイクをヒロインが乗っている。「AKIRAの金田のバイクじゃないか」というセリフも出てくる。「AKIRA」は海外に大きな影響を与えたアニメ映画で、特に金田がバイクを横にしてスライドさせながら停止するシーンは有名だ。これをオマージュしたアニメが日本のみならず海外にも多くある。
【imgur】The Akira Bike Slide
最後の戦闘シーンでは、悪役がメカゴジラに乗り込み、主人公の仲間のダイトウが「俺はガンダムで行く」と日本語のセリフを言って、好きなロボットに乗れるアイテムを使い、ガンダムに乗ってビームサーベルでメカゴジラと戦う。文字で説明するとハチャメチャな感じがするが、実際ハチャメチャなシーンだ。
悪役と1対1で戦う主人公は波動拳を出していた。
こういうのを見ると、東京五輪の開会式や閉会式はこういうのを出しておけばいいように思える。五輪中継を見る人の殆どは日本のポップカルチャーのことなどなにも知らないだろうが、かといって歌舞伎や能、狂言を出すだけではもったいない。たとえ一部であっても、誰かが喜ぶような演出をすることに意味がある。
特に金田のバイクあたりは実際にそれに近いバイクが既にあるし、五輪用に特別にフルカスタムで同じものを作って出せばネット上では盛り上がるのではないか。「さんをつけろよデコ助野郎」などはいらない。バイクを登場させ、かっこいいバイクスライドをさせるだけでいい。
東京五輪の閉会式は「レディ・プレイヤー1」みたいなハチャメチャな日本のポップカルチャーてんこ盛りでお願いしたい。そういうメチャクチャな感じがいかにも日本であり、世界中の人々に強いインパクトを与えるはずだ。