数日前、勤めている会社の最寄り駅の改札前に、大阪府警富田林署から逃走した樋田淳也の情報提供を求める全身写真のポスターが貼られた。モデルをしている芸能人の等身大立て看板が店の前に出されてあると「すごいスタイル」などと思うわけだが、逃走中のレイプ犯の等身大写真を毎朝毎晩見せられるとウンザリさせられる。
警察庁指定の重要指名手配被疑者のポスターも毎日見ている。とっくに国外に逃げているであろう中国人の李会や林紹葳はもちろんのこと、日本人も10年20年捕まらないことを考えると、樋田のポスターを10年見続けることになるのかと思っていた。
ところが、昨日29日夕方に山口県の道の駅で食料を万引きしたかどで警備員に捕まり、警察が呼ばれたことで樋田淳也が逮捕されたという。
警察は何百人という容疑者を指名手配していて、そのうち殺人などの重罪を犯した数十人は重要指名手配されているわけだが、専従捜査員が毎日捜しているわけでもないという。とりあえず指名手配のデータベースに登録しておき、職務質問や交通違反、飲酒検問でたまたま網にかかるのを待っているだけ。毎年11月に指名手配容疑者捜査強化月間というのがあって、この月に指名手配犯を捕まえると上層部から評価されるため、警察官は11月だけ頑張る。指名手配犯逮捕の4分の1は11月だそうだ。
これは逃げる方からしたら楽で、交通違反で捕まったり職質を受けないように暮らして、11月には実家や知人宅に寄り付かないよう気をつければいいだけ。指名手配犯の半数は3年以上逃走を続けているという。
樋田が捕まるとしたら警察の執念の捜査ではないだろうと思っていたが、本当にそうだった。ほかの指名手配犯と違って血眼になって捜していたはずなのに、結局は樋田が万引きでたまたま捕まっただけだった。
富田林署は樋田が逃走しても9時間隠して地域の防犯メールで知らせることもしなかったが、逮捕は速報で知らせたという。どの面下げて住民にメールを出したのだろうか。
樋田は大阪府警がいかにバカでマヌケであるかを世間に知らしめた。
逃走の仕方を聞くと、「プリズン・ブレイク」並みに用意周到に計画し、実行したことがよく分かる。何度か逃走の機会を伺っていただけでなく、富田林署の署員の名前を把握してメモをとっておき、監視が緩い署員が当直の日を狙って弁護士と席巻して逃走した。
狙われた警察官はアホ丸出しである。レイプ犯に自分がマヌケであることを見抜かれ、自分が担当のときにまんまと逃走させるのだから依願退職ものだろう。
それに加え、富田林署もメチャクチャで、接見室の扉が開くと鳴るブザーを止めていた。表向きは弁護士が接見終了を知らせるから不要であるため電池を抜いたことになっているが、うるさいから切っただけだろう。設備もオンボロで、押せばはずれるようなアクリル板で仕切っていた。
これほどバカでマヌケな警察がこの世の中にあるだろうか。第三世界のクソ田舎の警察署ではないか。
そして49日間、必死になって捜しても捕まえられず、結局どこぞの万引きGメンが捕まえたのだから、大阪府警にとってこれ以上恥ずかしいことはない。
樋田を逃した大阪府警では、その間にもいろんな不祥事があった。24歳の巡査が拾得物に関する内部情報を知人に漏らし、自分の落としものだと申告させて受領させることを繰り返して現金300万円を得ていたなんて事件もあった。過去には、不倫相手を殺害した水内貴士という大阪府警の警察官もいた。
大阪府警にはネコババをしたり、駅員や娘を殴る警察官がいて、さらには人殺しまでいるのだから、犯罪者の総合商社みたいなもんである。
大阪府警には2万3千人の警察官や職員がいるが、同程度の規模の民間企業で過去数年の間に社員が横領で逮捕されたとか、人殺しをしたということがあるだろうか。遠い部署の話は直接知らなくても、そのような不祥事は伝わってくるものである。警察官が事件を起こすとニュースになるから目立つだけかも知れないが、それだけではないように思えてならない。
警察官にはどうしてこうも犯罪者が多く、犯人も取り締まれないマヌケが多いのだろうか。ちゃんとした警察官もいるだろう。そういうのだけ「警察24時」という低予算で作れる警察の宣伝番組で見るから警察官がマジメに見えるが、実際はそんな警察官ばかりではない。
常識を知らない警察官が多いのは確かで、交番に行けば年配の警察官がタメ口を利いてくるし、田舎の交番ではそもそも暇そうにぼさっと座っている警察官だらけだ。しまいには彦根の警察官みたいにちょっと注意されたくらいで先輩を射殺するようなメチャクチャなのまでいる。
警察官が人殺しだったり、殺されて拳銃を奪われたり、奪われなくても拳銃をトイレに置き忘れたり落としたり、警察官に拳銃を持たせるべきではないと思ってしまう。これまで日本の捜査で拳銃が役に立ったことなどほとんどなかろう。少なくとも常に携行する必要などない。
警察署から犯人にまんまと逃げられ、自分たちで捕まえることもできないボンクラの警察官に拳銃を持たせて発砲させる権利など与えなくていいのではないか。犯人なんぞイギリスの警察みたいに警棒で殴っておけばいいのである。
警察官が公務員として特別なのは、市役所の職員や消防士や学校教師と違って、仕事中に拳銃を持っていて、いざとなったらそれを撃てることだと思う。そんな特別な権利、警察官に本当に必要だろうか。被疑者を拘置しておくこともできない警察官に特別な権利なんぞ与えなくていい。
今度の事件で大阪府警に改革が求められるのだろうが、人殺しが出てもなにも変わらなかった警察が変わるわけがない。だったら、警察官のシンボルである拳銃を取り上げるくらいしてみたらどうか。
不祥事続きの大阪府警と、貸与されている拳銃で同僚を撃ち殺した滋賀県警は拳銃没収でよかろう。
腰からぶら下げた拳銃が警察官の威厳を示すステータスシンボルのようになっているが、警察の威厳なんぞとっくの昔に地に落ちてしまっている。そんな警察に威厳もクソもない。