週刊新潮連載のガン専門医のコラムによると、酒を飲むと赤くなるタイプの人間は飲酒によるガンリスクが高く、さらにタバコを吸うことでガンリスクがさらに高くなるのだという。
酒を飲んで顔が赤くなる人間は、アジア人にしかおらず、肝機能が弱いためにエタノールが酸化してできたアセトアルデヒドとかいう物質の分解が遅い。アセトアルデヒドは有害物質であるため、発がんリスクを高めるそうな。
タバコは言うまでもない。

私の父親は酒もタバコもたくさんやってきたので、それにピッタリ当てはまり、食道ガンになった。食道ガンは酒をよく飲み、タバコもガンガン吸う人間がよくなるガンだ。
今現在、大学病院に入院して放射線治療などを行っているが、医師から5年生存率が2~3割と言われているので、あと数か月から2~3年で死ぬに違いない。

私の父は、心臓病も患っており、心臓近くに埋め込み型のAEDが入っている。その手術をした2年前に2か月ほど入院して、そのときにようやくタバコもやめられたのだが、とき既に遅かった。
こうなると分かっていたら、もっと前にタバコはやめられていたかも知れない。

喫煙者、特に愛煙家の特徴として、「俺はタバコでガンになってもいい」などと決まって言うが、強がりにしか聞こえない。愛煙家というのはどいつもこいつもイタいヤツばかりで、子供みたいに「俺は好きで吸っているんだ」とか、「タバコは死んでもやめない」などと言う。
タバコなんかやめた方がいいにきまっている。それでも、自分に言い聞かせるかのように、タバコはストレスを解消してくれたり、安らぎを与えてくれるいいもんであり、人にとやかく言われる筋合いはないと考えるらしい。

私も昔はタバコを吸っていたので、タバコを吸っているときはいいように思えてしまうのは理解できるが、タバコをやめたら絶対そっちの方がいいと思えるはずだ。

タバコは毎月金がかかる。タバコを吸わないだけで、どれだけ節約できて、浮いた金で何が買えるかを考えたらいい。
タバコを吸うことで、ガンのリスクを高めるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高める。血管を痛めるから、頭髪にもよくないし、歯茎にも悪い。歯が汚くなるだけでなく、歯茎が痛んで、歯が抜けやすくなる。
息切れはするし、味覚もヘンになって味が分かりにくくなる。
いいことなんてひとつもないのに、喫煙者は「いいこともある」かのように思いたくなるようだ。

喫煙が自分の体を痛めるだけならいいのだが、実際は他人に多大なる迷惑をかけている。
にも関わらず、誰にも迷惑をかけていないかのように言うヤツが多い。

吸い殻のポイ捨てなんかは論題だが、くわえタバコなど、公共の場でタバコをプカプカやっているヤツが、他人がどれだけ迷惑しているか考えないのだろう。
副流煙は健康に悪いし、煙の匂いも気になる。
特に他人が吐き出したタバコの煙なんて、汚物以外の何ものでもない。

タバコから発せられる煙を喫煙者が一度内臓器官まで吸い込んで、それを吐き出したものを他人が吸い込むのが、他人が吐いたタバコの煙を間接的に吸うことである。
これは要するに、他人のゲロを口で吸うようなもんで、気持ち悪いというほかない。

それでもまだ、他人に迷惑をかけていないと言えるのだろうか。

悪いことは言わないから、喫煙者はさっさと禁煙した方がいい。
病気のことをボンヤリとしか思っていなくて、ガンなど重い病に罹ってから後悔するに決まっているからだ。余計な病気を抱え込む必要なんかない。
余計なお世話かも知れないが、そうやって余計なお世話を言いたくなるのは、喫煙者が迷惑だからである。食事の場で吸われたら臭いし、ポイ捨てしているバカを見たら腹が立つ。他人が吐き出した煙なんか死んでも吸いたくない。

だから、喫煙者のことを慮るフリをして、禁煙を勧めているわけだ。
空気を読んで、なぜ人々が禁煙を勧めるのか、そのくらいは理解すべきだろう。

やめていいことがなければ、禁煙なんかする必要はないかも知れないが、いいことづくめだから、一度くらいは禁煙にチャレンジしてみてもいいのではなかろうか。