Yahoo!ニュースは、新聞社や通信社の配信ニュースをそのまま掲載しているのだが、一部ニュースソースにはコメントが付けられる。全国紙などは全部ダメだが、時事通信だけコメントが可能だ。スポーツ紙ではデイリースポーツなど。

そのコメントを見ていると、本当にアホみたいなコメントが多いと思う。
古賀茂明とかいう大阪府と大阪市の特別顧問(修正)が、テレビ番組で「関電が原発を再稼働させなければならない状況を作り出している」とし、それを「停電テロ」と表現した。

そのことについて、古賀が苦しい言い訳をしたニュースで、たくさんのコメントが寄せられていた。

ニュースが掲示されて最初の方に書くと「そう思う」がたくさんクリックされて、人目に付きやすくなるのだが、それらを見ていると、アホ丸出しの反原発発言ばっかりだった。それらが「そう思う」とたくさんクリックされているのである。

古賀の「停電テロ」発言については何ら問題視せず、当然だとした上で、「関電は原発以外で電力を確保する努力をしていない」などと書かれたコメントが多くの賛同を得ていた。

こういうのを「論点のすり替え」という。朝日新聞や政治家が得意とする手法だ。
別の問題を提起して、まるでマジシャンのようにその問題に目を向けさせる。元の問題を隠したい場合や、自分の都合のいい論調に持っていきたい場合に用いられる。

私には、コメントでたくさん書かれていた「関電の努力」の意味が分からない。「原発が止まるのは当然」とした上で、「代替エネルギー確保に努力せよ」とは、いったい何様のつもりなのか。どういう理由で、そいつらの意に沿ったことを関電がせねばならないのか。

だいぶ前に書いたが、普通は、何か問題があった場合、その問題を解決しようと努力するのが、ごく一般的な科学技術のあり方だ。
原発事故で原発全部を危険と見なし、ゼロリスクの考えで全部止めろとは、感覚だけで生きているアホで低能な人たちの考えであるのだ。

もし、一度の失敗で全部止めていたら、日本の宇宙開発なんて、H2ロケットの失敗が続いた時点で終わっていた。1回の失敗で何千億円がパーになるロケット打ち上げで、失敗が何度かあった。
もしそれで諦めていたら、はやぶさも商業ロケットの何もなかった。

「原発事故とは次元が違う」なんて言われそうだが、打ち上げ失敗も原発事故の失敗も、質の違いではなく程度の違いでしかない。

そもそも、古賀の「停電テロ」発言が大手を振って支持されるのも、電力会社が全ての巨悪の根源であるかのように平然と言われているのが原因で、それこそ大問題なのである。
何だかよく分からないが、沖縄電力以外の原発を所有する全ての電力会社が悪者扱いされ、叩かれて当然という空気が漂っている。
古賀は、それに乗っかって関電を叩いただけのアホな政治家だ。

電力不足に陥る可能性を電力会社が広く訴えることは当然のことだし、民間企業として、原発を再稼働させて、燃料費増大による赤字拡大を少しでも食い止めたいのも当然だろう。原発の安全について全く手を打っていないのならともかく、どこらへんが間違っているのか。

もしこれが「停電テロ」と因縁を付けられるのであれば、今の政府が進めている消費税増税問題なんか、「将来不安テロ」だろう。電力不足と同じで、起こりえる危機を訴えたら、当然テロ扱いされるべきである。

起こりうる危機や不安に対して呼びかけを行ったり、ルール作りをしたらテロだと言われるのであれば、この世の中テロだらけである。
だが、それらはテロだと政治家に因縁を付けられることもなく、Yahoo!ニュースでアホなコメントに晒されることもない。
「電力会社がやっていることだから」。ただそれだけで、因縁を付けられ、バッシングされているのである。
何という恐ろしい社会であろうか。