イランの核開発について、アメリカがイラン包囲網を狭めている。
経済制裁を強化し、イランの銀行との取引を禁じたり、EUや日本に働きかけて、石油の禁輸措置を取らさせた。
イランはイランで、ホルムズ海峡を封鎖するとか言い出したりしていて、アメリカとイランの間がピリピリしている。
アメリカがじりじりとイランを追い詰める様子は、日本を追い詰めることになったABCD包囲網を彷彿させる。
アメリカは、こうやってイランを苛めて、暴発するのを狙ってんじゃないかと疑ってしまう。
今日の産経新聞の正論に書かれていたが、このイランへの制裁がどれほど効力があるかは分からない。アメリカのポチたる日本は、アメリカの言うがまま、右に倣えでイラン産石油の禁輸措置を取ったが、中国や韓国は知らんふりである。
特に韓国なんかは、国防の観点からアメリカとの結びつきが強いというのに、ちょっと考えるとか言って、制裁に参加しない。
アメリカとEUと日本だけ経済制裁をしたところで、どんな意味があるのか。日本はアメリカの顔色を伺い、参加することに意味があると言わんばかりの対応だが、情けないことこの上ない。
イラン関連でいえば、アメリカに言われて、日本が多額の投資をしてきたアザデガン油田の事実的な放棄を求められ、それに従った過去がある。
イランのことでいえば、日本はアメリカの言いなりである。イランのことでなくてもそうか。
そもそも、核のうまみを考えれば、イランが核開発をやめるわけがない。
北朝鮮の前例を見れば、核さえあれば、いろんな国からいろんなものを巻き上げることができるし、イランのような二流国でも、アメリカなどの超大国と互角に渡り合え、交渉することができる。
そんな核を、ちょっとした経済制裁くらいで諦めるわけがない。
日本にしてみれば、経済制裁に付き合って被る損害よりも、アメリカに忠誠心を見せた方がうまみが大きいと政権が判断したのかも知れないが、本当に損得勘定でそれで正しいのか。
韓国がイランへの経済制裁参加に踏ん切れないのは、損得勘定を考えてのことだろう。
その点でいえば、韓国の外交の方が日本のそれに比べて、ずいぶんマトモで、ずいぶんと現実的だと思う。
日本政府はアメリカの傀儡ではないのだから、言うべきことはちゃんと言い、計算すべきことはちゃんと計算すべきだ。
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