バファリンの箱書きや説明書を見ると、用量として、15歳以上1回2錠とある。その1パターンしかない。
1錠あたり、アセチルサリチル酸 330mg、ダイバッファーHT 100mgらしいから、その成分量を倍にして、1回1錠にしたらいいと思うのだが、なぜか1回2錠だ。

それはともかく、バファリンには注意書きとして、15歳未満の小児の服用禁止と書いてある。
バファリンなどの頭痛薬は、大人向けに作られていて、子供が飲むと副作用を起こす可能性があるためである。だから、子供には、成分が違う小児用バファリンを飲ませねばならないのだ。
大人用を半錠、1錠といった具合に、勝手に減らして子供に飲ませてはいけない。

子供を持つ親なら当たり前の知識であるが、意外と知らない人が多い。
なにより、いちいち説明なんか読まない人が多いのだ。15歳以上しか用量が書いてなかったとしても、何も疑問に思わない人が多いのである。

薬の用量については、分からないことが多い。バファリンは1回2錠であるが、体重50キロの女子高生も、100キロのプロレスラーも同じ1回2錠である。
池乃めだかが、「体が小さいから酔いが回りやすいねん」などと言っているが、女子高生には強く、プロレスラーには弱く効くような気がする。

薬の用法や用量について疑問があれば、購入するときに薬剤師に訊けばいいわけだが、明確な答えが返ってくるとは思えないし、いちいち訊くほどの内容でもない。
それ以前に、ドラッグストアでは、薬剤師は形式的にいるだけで、バイトに混じってレジ打ちや品出しをしている。そんな薬剤師に訊いて意味があるのかどうかも分からない。

バファリンとか正露丸みたいな薬は、別に薬剤師がいようがいまいが、勝手に買って、勝手に飲めばいい。
しかし、そういう類の普通の薬は第二類医薬品といって、2009年の薬事法改正によって、対面販売でないと買えないようになってしまった。

医薬品を取り扱っているコンビニで、薬のことなんか何も知らない店員から買えるのに、インターネットからは買えなくなってしまったのだ。
薬のことでコンビニの店員に訊くより、ネットで問い合わせした方が確実な答えが返ってくるはずなのに、ネットの医薬品取引は原則禁止になってしまった。

ロキソニンやガスター10のような、第一類医薬品と呼ばれる強めの薬なら分かるが、頭痛薬や風邪薬のネット販売を禁止する意味が分からない。

薬事法改正の前に、医薬品ネット販売大手のケンコーコムが出店しているYahoo!ショッピングや楽天で、薬事法改正の反対を訴える署名運動をしていて、それなりに集まったらしいが、その甲斐もなく、ネット販売が禁止になった。

ネット販売大手のケンコーコムとウェルネットが、医薬品のネット販売を禁止した厚生労働省令が違法だとして裁判を起こしていた。
一審では訴えが退けられたが、26日(木)の東京高裁の判決で、原告敗訴の一審を一部取り消し、ネット販売を認める判決が出た。
ケンコーコムの社長や楽天の三木谷社長が言っていたが、当然の判決である。
小沢一郎が無罪判決を得た裁判ばかりが注目されるが、こちらの裁判も注目すべきである。

現状のドラッグストアや、一部コンビニでの医薬品販売がOKで、ネット販売が禁止されている意味が分からない。多くの国民からすれば、ドラッグストア業界におもねって、ネット販売の取り締まりをしているようにしか見えない。

医薬品のネット販売が問題なんだとしたら、薬を売っても何の説明もしない薬剤師も問題だし、私の会社のように、健康保険組合が頭痛薬や感冒薬などの医薬品を卸業者から特値で販売するのは、めちゃくちゃ大問題だ。

何の体もなしていない規制なんか、社会にとって邪魔なだけである。
それを全く理解せず、判決を不服だとしている厚生労働省はアホなんじゃないかと思わずにいられない。