Googleで「未開の地」と検索すると、第一候補に「群馬」が出てくる。
2ちゃんねるやニコニコ動画などで、群馬が盛んに「未開の地」としてもてはやされているからだろう。

一部のネット上では、群馬県は「グンマー」と称され、人々がグンマーに入国するときの装備などを気にしたり、グンマーに生息する人間の写真としてペニスケースを付けた土人を紹介している。

これらは半ばジョークであって、誰も本気でそんなことを思っておらず、現実でも口にしない。単にネット上でのネタに過ぎない。
「照英が○○してる画像」のネタと似たようなもんだ。

その群馬が「グンマー」としてネットで揶揄されていることについて、自民党のインターネット番組で、大沢正明・群馬県知事が、「未開の地というのはいい言葉だと思う」と発言したことがニュースになっていた。
取り上げたのは産経新聞だ。

産経新聞は、大まじめに記事にして、マスコミが得意の「○○が起きそうだ」という問題提起の煽り文を持ち出し、「県民の反発が強まりそうだ」などと書いていた。
記事を書いた記者も、それを取り上げたデスクも、頭が悪すぎる。

どう考えても、知事の発言はネット上のネタを軽くあしらっただけのものであって、大したものではない。
「グンマー」としてネタにされているのを逆に面白がるくらいでちょうどよく、いちいち目くじら立てて怒るようなもんでもない。
だから、知事の発言は別にこれといって問題になるようなことではなかろう。

ネタをネタで記事にして、「グンマーの人々が石を投げて怒りそうです」などと記事にしてりゃ面白いが、大まじめに取り上げた上、今日になって知事の"釈明"を後追い記事として出しているのだから、正気とは思えない。
それほどまでして、人の揚げ足を取りたいのだろうか。

このことについて、群馬県の太田市長や、民主党の三宅雪子などがツイッターで批判していたが、こいつらもアホである。
ネタにマジレス、本当に格好悪い。

曽野綾子氏が、ずいぶん前の産経新聞のコラムで、「最近の若い記者は、冗談を理解せず、何でも本気で受け取るから困る」と書いていた。
「自分は賢いので」などと冗談めかしていっても、そのまま取り上げ、記事に書いてしまうボンクラが最近増えているらしい。
だから、軽々しく冗談も言えないのだそうだ。

何が冗談で、何がそうでないが、何を取り上げて、何を取り上げるべきでないか。
そんな区別も付かないバカばかりなんだろうか。

産経新聞としては、下半身がだらしない群馬県知事への攻撃材料を国民に提供したつもりなんだろうが、小姑みたいに、人の一言一句を取り上げてごちゃごちゃ文句を付け、国民を煽るのだから、新聞としての程度が知れる。
新聞は、小学校の帰りの会みたいに、しょーもないことを誰かにチクるためにあるもんじゃなかろうに。