私は今現在放送されているテレビ番組の中では、よみうりテレビの「土曜はダメよ」という番組がイチバン好きだ。
その番組の中のコーナーである「小枝不動産」のオープニングテーマをケータイの着メロにしようと思い付いた。

「土ダメ」は毎週デジタル放送を録画して、CMカットをしてCPRM対応のDVD-Rにせっせと焼いてため込んでいるのだが、そこから「小枝不動産」のテーマだけを抜き取るのはどうも難しそうだった。
CPRM対応のPowerDVDなどの再生ソフトで再生はできるのかも知れないが、取り込みはできない。

そこで、仕方なしにアナログ放送を録画して、テーマ曲の部分だけ編集して普通のDVD-Rに焼き、それをパソコンで開いて音声だけをWAVファイルに落として、そこからケータイ用の着メロを作成した。テーマ曲といっても、ただのジングルなので時間が短く、ケータイの自作着メロにはちょうどいい。
私のケータイは、Eメールが来たら、「ちゃっちゃらら~ ちゃっちゃらら~」と小枝不動産のテーマ曲が流れる。私のケータイにEメールなんぞ来ないのだが、毎週金曜日に来るマクドナルドからの配信メールが唯一着メロを鳴らすチャンスだ。

地上デジタル放送やBSデジタル放送は、映像がじつに鮮やかで美しく、テレビ好きには最高の絵を見せてくれるわけだが、B-CASによるDRM(デジタル著作権管理)は本当に鬱陶しいと思う。
「小枝不動産」の着メロを作ることすらできない。2011年にアナログ放送が終わったら、「小枝不動産」の着メロを作るには、昔ながらにテレビの前にラジカセを置いて録音したりしないといけないのか。

しかも、B-CASのコピーワンスやダビング10は、鬱陶しいわりに何年も前にその暗号が破られていて、意図的に海賊版を作ろうという連中にしてみれば実質的にないに等しい。
にも関わらず、一般の素直な視聴者ばかりがめんどくさい思いをして、さらには不利益も被るのである。最近はデジタル録画できるCPRM対応のDVD-Rも普通のDVD-Rと同じくらいの値段にまで下がったが、それでもB-CASのDRMでいいことなんてひとつもない。

海賊版を出さないようにするための仕組みであるDRMが、その体をなしていないのだから、それを続けることにどんな意味があるのだろう。海賊版を作ろうとする連中だけいくらでもコピーできて、一般人ばかり損するのが今の日本のデジタル放送だ。

そもそも、B-CASを取り仕切る会社がB-CAS社一本に絞られており、独占状態になっているのがおかしい。なぜこの独占事業が独占禁止法に触れないのか不思議で仕方がない。

また、東芝の社員がB-CASのDRMを破るソフトを販売して事件になったらしいが、B-CAS社は東芝が出資しており、B-CASと東芝の結びつきで情報がだだ漏れして、今度の事件が起きたのではないのか。つまり、パナソニックや日立など、B-CAS関連会社の人間は幾らでもデジタル放送をコピーしてやがんじゃないかと疑われても仕方がない。

肝心のDRMがとっくに破られているというのに、B-CASは何も変わらない。せいぜい、大きすぎると批判されたB-CASカードについて、小さいサイズのミニB-CASカードを作ったくらい。アホ丸出しだ。
一度やり出したら、あとでどれだけ問題が出ても途中で変えられないという、日本の悪いところが全部出たのがB-CASだ。

そんなもん、さっさとやめちまえ。
どうせ面倒を強いるのであれば、せめて誰も破れない暗号を使って、皆が平等に不利益を被るようにしろ。